goo blog サービス終了のお知らせ 

ちょこっとGUM

今、自分が出来ること。やれること。それを精一杯やっていかなくちゃ!!

コラム記事【7/21~7/24】

2025年07月27日 14時51分31秒 | マリーンズ2025
≪7/21≫


 「ストレートのアベレージを上げたいと思っています、アベレージは150キロくらい投げられるようにして、マックスは155を目指していきたいかなと思います」。

 ロッテの廣池康志郎は今年1月の新人合同自主トレ期間中に、最速155キロを目標に掲げていたが、本拠地・ZOZOマリンスタジアムでの一軍公式戦初登板となった20日のオリックス戦で目標の155キロを計測した。

 大学4年間でストレートのスピードが12キロアップの最速153キロを記録。プロ入りしてからは4月20日の取材で「まだ試合で投げていないので、ブルペンで球速を計測しているんですけど、大学の時よりかはアベレージも上がってストレートは投げていけている。ストレートの質を上げていきたいと思います」と話した中で、ファーム公式戦初登板となった4月30日の巨人二軍戦で150キロ以上のストレートを連発。 

 5月9日のDeNA二軍戦では、1-8の7回一死走者なしで蓮を2ストライクから空振り三振に仕留めた3球目のストレートは自己最速となる154キロを計測した。

 6月21日のDeNA戦で、一軍の公式戦初登板。初回は10球中8球がストレートと力で押し込む投球で三者凡退に抑えたが、2回に牧秀悟、筒香嘉智、戸柱恭孝に3者連続本塁打を浴び、「自分の真っ直ぐは投げられたと思うんですけど、変化球がまだまだだなって。やっぱり真っ直ぐを生かす為に変化球を磨いていかないといけないなと思いました」と、2回4安打3失点のホロ苦い初登板となった。

 翌22日に一軍登録抹消され、再び一軍を目指す戦いが始まった。「ファームではやっぱり自分の中で変化球が得意ではないので、変化球でカウントを取ることを意識してやってきました」。

 6回・86球を投げ7安打2失点に抑えた7月2日の楽天二軍戦では、「一軍で投げてみて、変化球の時に腕が緩んだり、カウントが不利な時に変化球で取れたら楽にピッチングができるなと思っているので、楽天戦は変化球スライダーが一番制球もできたので、スライダー主体のピッチングになりました」と、ストレートが28球、スライダーが27球、ツーシームが14球、スプリットが10球、カーブが7球と変化球主体のピッチング。

 プロ入り後最多の92球を投げた7月12日の楽天二軍戦は、ストレート30球、次いでチェンジアップが19球と、テーマを持ってファームでは投げているように見えた。

 本人に確認すると、「ピッチングコーチとかと話したりして、前回は真っ直ぐとチェンジアップが多くて、毎回課題を持って取り組んでいます」と教えてくれた。

 廣池は「自分の中で一番ストレートが自信のある球なので、真っ直ぐをブラさないように。まっすぐを軸にピッチングを組み立てて、変化球を磨いていけたらなと思っています」と話した。

 7月19日に一軍登録されると、20日のオリックス戦で、再昇格後初登板。8-2の9回にマウンドに上がると、先頭の西野真弘を2ボール2ストライクから「今は右左投げられるカーブとチェンジアップの調子が良くて、その2球種が投げる球数的には多いかなと思います」と試合前の取材で話していた112キロのカーブで空振り三振、杉本裕太郎を134キロのスライダーで右飛、頓宮裕真には2ストライクから投じた4球目自己最速となる155キロのストレートでファウルにさせ、最後は6球目の148キロのストレートで三直に打ち取り試合を締めた。

 廣池は同日の試合前練習後の取材で、「今回中継ぎとして呼ばれたので、短いイニングになると思うんですけど、三者凡退でしっかり抑えて帰って来れるようにしたいです」と話した中で、きっちりと三者凡退に抑え、吉井理人監督も試合後、「堂々とストライク先行で良かったと思います」と評価した。

 本拠地・ZOZOマリンスタジアムでの初マウンドで、マリーンズファンに改めて潜在能力の高さを見せた右腕。ここからどういう成長曲線を描いていくか非常に楽しみだ。

取材・文=岩下雄太

(ベースボールキング)

**************************************
≪7/22≫


 ロッテの小野郁は苦しいブルペン事情の中、開幕一軍を掴んだリリーフの中で唯一、オールスター前の戦いを終えた時点で、一軍で投げ続けている。

 小野は楽天にFA移籍した鈴木大地の人的補償選手として入団し、移籍1年目の20年から3年連続40試合以上に登板。23年は開幕かららしくない登板が続き、5月4日に一軍登録抹消となり、同月19日に右肘の手術を受けた。昨年4月6日の西武二軍戦で実戦復帰し、シーズン終盤の9月18日に右肘手術後初となる一軍昇格、同日の楽天戦で一軍登板を果たした。昨季は3試合に登板しシーズンを終えた。

 「自分の中で2年間何もやっていないので、最後の気持ちというか、本当に勝負の年かなと思います」。

 自主トレでは1年間投げられる体づくりとランニングで汗を流した。春季キャンプは石垣組で過ごし、2・3月の練習試合、オープン戦で8試合・8イニングを投げ、イニングを上回る12奪三振、防御率2.25の成績を残し、2年ぶりに開幕一軍を掴み取った。

 「まだ(開幕一軍に)入っただけだと思っているので、しっかり結果を残して、最後まで一軍で投げられるように頑張りたいと思います」。

 開幕してからはビハインドゲーム、先発投手がイニング途中で降板した後の2番手、勝ちゲーム、同点とさまざまな場面でマウンドに上がる。

 5月18日の日本ハム戦では、1-1の12回に登板し1回を無失点に抑え、その裏、西川史礁のサヨナラ打に繋げた。吉井理人監督は試合後、「よく言われますよね、三者凡退でリズムがというんですけど、その通りになってくれて良かったです」と褒めた。

 5月31日の日本ハム戦では、今季初めて3-1の勝ち試合の7回に登板。「勝っている試合を任されているので、やりがいもありますし、これからもそういうところでいっぱい投げられればなと思います」。一死走者なしから奈良間大己にライト前に運ばれたが、五十幡亮汰を154キロのストレートで空振り三振、郡司裕也を二ゴロで無失点に抑え、ホールドを挙げた。

 特に先発投手がイニング途中でマウンドを降りた後の2番手投手でマウンドに上がった時も存在感を示している。6月11日の広島戦では、2-2の10回一死一、二塁の場面で登板し、末包昇大を1ボール2ストライクから投じた156キロのストレートで遊ゴロ、菊池涼介を156キロのストレートで投直に仕留め、ピンチを脱した。

 イニング途中で登板した時には「ただ抑えるだけなので、深くは考えないようにしています」とのこと。イニング頭で投げる時と、イニング途中で投げる時は同じマインドで上がるのだろうかーー。

 「基本イニング途中はピンチなので、変わらないっちゃ変わらないですけど、より一層抑えないといけないかなと思います」。

 相手に流れが傾き、難しい場面での登板のように見えるが、「抑えればこっちに流れが来るので、一生懸命抑えるだけです」とキッパリ。
 7月2日の楽天戦では自己最速となる159キロを計測するなど、前半戦は27試合・23回1/3を投げ、1勝2敗5ホールド、防御率2.31。5月31日の日本ハム戦から現在12試合連続無失点ちゅうだ。7月26日から始まる後半戦も活躍が期待される。暑い夏を乗り切るためにやっていることは「水をいっぱい飲むだけです!」と回答。

 「任されたところでしっかり抑えて、チームの流れであったり、よくなるようなピッチングをしたいと思います」。最後まで一軍でプレーするために、マリーンズのブルペンを支えていく。

取材・文=岩下雄太

(ベースボールキング)

**************************************
≪7/22≫


 ロッテのネフタリ・ソトは7月、11試合に出場して、打率.350(40-14)、1本塁打、7打点、得点圏打率.364と打撃好調だ。

 昨季リーグ2位の88打点、チーム2位の21本塁打を放ち、チームの2年連続Aクラス入りに大きく貢献し、今季も開幕2戦目の3月29日のソフトバンク戦、「追い込まれていたのでゾーンで勝負してくるんじゃないかと思っていた。そのゾーンに来た球を打ち返すことができてホームランにすることができたよ」と今季第1号ソロを放つと、翌30日にも「めちゃくちゃいい打球でした。ゾーンに来る球を狙って、外れたらフォアボールだという意識でいい球を弾けることができたよ」と手応えたっぷりの2試合連続となる第2号ソロ。

 本拠地・ZOZOマリンスタジアムでの今季初戦となった4月2日のオリックス戦でも2安打1打点、翌3日のオリックス戦でも2安打と、今季も打線の軸としてポランコと共に引っ張っていくと思われた。3・4月、連続試合無安打が3試合以上ということはなかったが、4月終了時点の打率が.209、3本塁打、8打点。5月は月間打率.148、3本塁打、7打点、交流戦が始まった6月に入るとベンチスタートの日が増え、月間13試合に出場して、打率.212、1本塁打、4打点となかなか調子が上向かなかった。 

 7月に入るとガラリと流れが変わる。1日の楽天戦で安打を放つと、2日の試合では「犠牲フライでもいいくらいの気持ちで打席に入りました。間を抜けてタイムリーになり良かったです」と2点適時打。4日のオリックス戦でも2安打2打点と勝負強さが戻り、5日のオリックス戦で今季初の猛打賞。6日のオリックス戦では「追い込まれていたので甘く入ってきた球にはしっかりコンタクトしようと思っていた結果、良いスイングができたよ」と6月12日の広島戦以来となる一発を放った。

 7月8日取材で、交流戦明け好調が続いている要因についてソトは「体と状態がとても良いからですね」と説明し、チャンスでの勝負強さについても「コンディションがいいので、チャンスの場面で自分の仕事を見せないといけない。そのままです」と明かした。

 ソトは6月22日のDeNA戦から7月11日の西武戦にかけて10試合連続安打、前半戦最後のゲームとなった7月21日のオリックス戦では2安打と、交流戦明けの打撃成績は、打率.340(47-16)、1本塁打、9打点と復調の兆しを見せる。

 振り返るとソトは移籍1年目の昨季も7月、月間打率.308、6本塁打、23と打っていた。7月が得意な理由とかはあったりするのだろうかーー。

 「プエルトリコではこれくらいの暑さは普通にある。1年中これくらい暑い、暑さはなんともないですね」。

 暑い時期にプレーするにあたって心がけていることについて「ここはそんなにプエルトリコに比べて、暑いとか注意しているところはないですね」とキッパリ。

 「勝利に向かって強いプレーを見せたいです」。若手の活躍が目立っている中で、オールスター明けは実績のあるソトの打棒にも期待だ。

取材・文=岩下雄太

(ベースボールキング)

**************************************
≪7/22≫


 高卒2年目で早くも注目を集めるロッテ・寺地隆成、強肩強打の成長株・DeNAの松尾汐恩、即戦力ルーキーとして台頭する中日・石伊雄太。次代の正捕手候補たちが、厳しいプロの世界で存在感を放っている。かつて自らも若くしてマスクを被り、名捕手として球界をけん引した伊東勤氏が、それぞれの現在地とこれからの可能性について語った。(選手の成績はすべて7月20日現在)

【類まれな打撃センスの持ち主】

── 高卒2年目捕手、ロッテ・寺地隆成選手が頑張っています。

伊東 プロ1年目の昨年、初打席で初球を二塁打。そして今年、4月18日の楽天戦でプロ初本塁打を含む1試合2本塁打。10代捕手の1試合2本塁打は史上4人目の快挙です。

── 左打ちの寺地選手ですが、右手一本でさばくバッティングはすばらしいです。

伊東 昨年、パ・リーグのベストナインに輝いた捕手の佐藤都志也が、6月に左足甲の死球打撲で一軍登録を抹消されました。その佐藤に代わり、類まれな打撃センスで最近は2番を任されています。

── ロッテの捕手は、ほかにも13年目の田村龍弘選手や、1年目に佐々木朗希投手(現・ドジャース)とバッテリーを組んで完全試合を達成した4年目の松川虎生選手たちがいます。

伊東 ロッテはチーム打率リーグワースト、得点も5位と苦しんでいます。そういうチーム事情もあり、打撃が魅力的な寺地に白羽の矢が立ったのでしょう。ほかの捕手が伸び悩んでいるなか、いい意味で色に染まっていないというか、抜擢して育成していこうという首脳陣の目論見もあると思います。このチャンスを寺地がしっかりつかみ取るかですね。

── 守備面はいかがですか?

伊東 7月2日、高校出2年目の同期・木村優人(霞ヶ浦高2023年ドラフト3位)をリードし、7回途中3失点で先発初勝利(今季2勝目)に導いています。ただ寺地自身、捕手になったのは高校2年秋からで、リードはまだまだ経験を積む必要があります。あと、投球を待って構える際、ミットが上下動します。そういった点を含め、まだまだ課題はありますが、現状では守備よりも打撃に比重を置いているということでしょうね。

── 田村選手も松川選手も寺地選手も、高校から入団して1、2年目で試合に出ていますが、難しいと言われるポジションでいきなりマスクを被れるものでしょうか。

伊東 起用する首脳陣も勇気がいると思います。ただ、私がロッテの監督1年目(2013年)に入団してきた田村の1、2年目より、寺地はすでに多くの試合に出ていますね。

── 伊東さんもプロ入り後、早くから試合に出ています。

伊東 とにかく多くの投手の球を受けることが大事です。そして投手の長所を引き出すために、自分から質問に行って、先輩投手とのコミュニケーションを図ることです。私はベテランの高橋直樹さんからいいアドバイスをいただきました。プロ1年目(1982年)に33試合、2年目に56試合に出場しました。そして2年目に日本シリーズに出場し、自信を得て、3年目から100試合以上に出場しました。

【昨季の日本シリーズの経験が大きい】

── DeNAの松尾汐恩選手はいかがですか。

伊東 強肩・強打の捕手として、大阪桐蔭時代は甲子園で活躍。ドラフト1位の鳴り物入りでプロに入ってきました。その実力を、プロ2年目の昨年から遺憾なく発揮しています。球団の思惑どおり、順調に育っていると思います。

 現在、DeNAや巨人は好捕手を複数人抱えています。DeNAは、昨年ベストナインとゴールデングラブ賞を獲得した山本祐大、クライマックス・シリーズのMVPに輝いた戸柱恭孝、ほかにもベテランの伊藤光がいます。そんななか、松尾は昨年の日本シリーズに出場して自信を深めました。

── プロ3年目の今季、すでにキャリアハイの試合数を更新し、プロ初本塁打も放ちました。

伊東 たとえば5月3日の巨人戦、1試合3つの盗塁を刺し、打っても決勝の犠牲フライを放ち、トレバー・バウアーの完封勝利に貢献しました。また、5月16日のヤクルト戦は5番で出場し、本塁打を含む4安打3打点。さらに7月3日には、プロ4年目の小園健太を好リードでプロ初勝利に導きました。しっかり経験を積んでいますし、さらなる飛躍が期待できますね。

── DeNAはベテランから中堅、若手といい捕手が揃っていますね。

伊東 首脳陣もうれしい悩みですよね。私は、自分がそうだったので個人的には「捕手固定」の考えですが、今のDeNAは山本をメイン捕手として起用しつつも、松尾もしっかり育てている。高いレベルで切磋琢磨して、技術を高められるいい環境だと思います。そして、いざという時は安定感のある戸柱がいる。

── 今後、松尾選手に望むことは?

伊東 今シーズンはここまで阪神が独走していますが、Aクラスをかけた争いは熾烈を極めそうです。昨年、シーズン3位から「史上最大の下剋上」で日本一を果たしたDeNAもこのまま引き下がるわけにはいかない。シーズン終盤にかけてチーム力を上げてくるでしょうし、そのなかでどれだけマスクを被れるか。真価を問われるシーズンになることは間違いないです。

【ルーキーだけど経験は豊富】

── 伊東さんが2019年から3年間ヘッドコーチを務めた中日でも、フレッシュな捕手が出現しました。石伊雄太選手です。

伊東 近大高専から近大工学部、日本生命を経てプロ入りしたように、即戦力としてもともと高い評価を得ていました。社会人時代は、日本生命出身の福留孝介に打撃を指導されたらしいですね。

── 思いきりのいいスイングで、強い打球を飛ばします。

伊東 6月11日の楽天戦では1試合5安打をマークしています。なかなかできることではないです。

── 強肩でもあります。

伊東 遠投115メートル、送球速度147キロ、二塁送球1.8秒らしいですね。社会人も名門出身ですから、そのあたりは鍛えられていますし、ルーキーとはいえ経験豊富な捕手だと思います。

── リード面はいかがですか。

伊東 7月2日のDeNA戦で、同じくルーキーの金丸夢斗がプロ入り最長となる7回、118球を投げるも、初回の3失点が響いて敗れました。金丸が「初回からもう少し緩急を使えばよかった」とコメントしていましたが、一軍で試合に出続けることで学ぶことはたくさんあります。リードにしても、もっとよくなっていくと思います。

── 中日には木下拓哉選手や宇佐見真吾選手といった捕手がいます。

伊東 木下は5月末に左太ももを負傷してしまいました。ただ、ここまでの石伊の働きを見ていると、木下が復帰したとしてもチャンスは多いでしょう。高橋宏斗をはじめ中日は好投手が多く、広いバンテリンドームを本拠地としており、守り勝つ野球が信条のチームです。そのチームの司令塔として、試合をつくっていってもらいたいですね。

伊東勤(いとう・つとむ)/1962年8月29日、熊本県生まれ。熊本工高3年時に甲子園に出場。 熊本工高から所沢高に転入し、転入と同時に西武球団職員として採用される。 81年のドラフトで西武から1位指名され入団。強肩と頭脳的なリードでリーグを代表する捕手に成長し、西武の黄金時代を支えた。2003年限りで現役を引退。04年から西武の監督に就任し、1年目に日本一に輝く。07年限りで西武の監督を退任し、09年にはWBC日本代表のコーチとして連覇に貢献。その後も韓国プロ野球の斗山のコーチを経て、13年から5年間ロッテの監督として指揮を執り、19年から21年まで中日のコーチを務めた。

文=水道博

(Sportiva)

**************************************
≪7/23≫


◆ 大きな好不調の波なく前半戦を終える

 「良いとは思います」。

 ロッテの藤原恭大はプロ7年目の今季ここまで、故障で離脱することなく一軍でプレーし、打率と安打数はリーグ7位の.278、79安打、盗塁はリーグ8位の10盗塁、出塁率はリーグ9位の.343、同じく得点圏打率もリーグ9位の.321とリーグ上位の成績を残して前半戦を終えた。

 藤原は昨季3月10日のソフトバンク戦で自打球を受け『右膝蓋骨骨折』により、開幕一軍を逃したが、今季は「去年は怪我しましたけど、今年は最初からいるので、怪我しないように1年間しっかり一軍で活躍したいなと思います」と故障することなく開幕を一軍で迎えることができた。

 3月28日のソフトバンクとの開幕戦、「チャンスだったので早めのカウントから変化球を狙って振りに行くことができました。ランナーを返すことができてよかったです」と、2-1の6回一死二、三塁の第3打席、有原航平が1ボールから投じた2球目のチェンジアップをライト前に2点適時打を放てば、続く7-1の8回無死走者なしの第4打席、津森宥紀が3ボール2ストライクから投じた8球目の外角のストレートを逆らわずに反対方向に二塁打。開幕戦で2安打2打点と最高のスタートを切った。

 開幕直後は“左投手”が先発の時はベンチスタートが多かったが、スタメン出場した試合は4月3日のオリックス戦が1安打、4月8日の西武戦が今季初の3安打、4月11日のソフトバンク戦が4安打し打率は驚異の.526を記録。

 昨季は「追い込まれてからは逆方向しか狙っていない」と話していたように、4月11日のソフトバンク戦は4安打中3安打が追い込まれてから逆方向に放った安打だ。「内容と結果が一致しているのでいいかなと思います」と手応えを口にした。

 4月13日の取材で藤原は「打ち方であったり、メカニック、引き出しは確実に良くなっているので、去年もある程度数字を残せたので、波は少なくなっているなというのは確実にありますね」と“引き出し”が増えたことが好不調の波が小さくなった要因のひとつに挙げていたが、“引き出し”を増やしたことでの打席内でどんなメリットが出てきたのか5月5日の試合前練習後の取材で訊くと、「悪いなりにヒット、四球が出ているので良いのかなと思います」と自己分析。

◆ 1番に固定

 6月4日の交流戦初戦となった巨人戦から打順がほぼ1番に固定された。1番打者として意識していることについて、「特にないですけど、出るか出ないかで変わるので、チームに勢いをつけられたらいいなと思います」と話す。

 『1番・ライト』で先発出場した6月13日のヤクルト戦、1-1の2回一死一、二塁の第2打席、奥川恭伸が3ボール1ストライクから投じた5球目の外角のストレートを見送り四球を選び、続く寺地隆成の2点適時打に繋げた。

 得点には繋がらなかったが、4-4の6回二死二塁の第4打席、田口麗斗が3ボール2ストライクから投じた6球目の外角のスライダーをしっかりと見極め、チャンスを広げた。

 そして、先頭で迎えた4-4の9回の第5打席、「後ろにいいバッターの寺地がいたので、塁に出たらなんとかしてくれるかなと思ったので、ヒットで出れて良かったです」と、バウマンが3ボール2ストライクから投じた6球目の155キロのストレートをセンター前に運びチャンスメイク。

 続く寺地の1ボールからの2球目に二塁盗塁を試み、一度はアウトと判定されるも、リクエストで判定が覆り二塁盗塁成功。山本大斗の打席中、1ボール2ストライクからの4球目が暴投となり二塁から三塁に進み、続く5球目も暴投でサヨナラのホームを踏んだ。

 リーグ戦再開後も、初戦となった6月27日のソフトバンク戦、『1番・センター』でスタメン出場し、0-0の3回一死一、二塁の第2打席、モイネロが2ストライクから投じた4球目の127キロカーブをライト前に運ぶと、1-1の7回二死一、二塁の第4打席、モイネロが1ボール2ストライクから投じた4球目の144キロストレートをセンター前に弾き返す安打で、今季15度目の複数安打を達成した。

 交流戦に入ってから1番で起用されるなど、開幕から試合に出続ける中で、「入りとか変化球を投げきているので、そう感じるところはありますね」と攻め方の違い、マークが厳しくなったと感じる場面が出てきたという。追い込まれてからのバッティングに関しては、「大きくは変わらないですけど、相手が投げてくるところを早めに潰せたらいいなと思います」とのことだ。

◆ 追い込まれてから逆方向意識も引っ張りも増える

 追い込まれてからセンターから逆方向の意識を常々口にしていた中で、6月22日のDeNA戦、9-6の5回無死走者なしの第4打席、石田裕太郎が2ボール2ストライクから投じた5球目の129キロのスライダーをライトスタンドに放り込んだり、7月5日のオリックス戦でも5-2の9回一死二塁の第5打席、権田琉成が2ボール2ストライクから投じた5球目のインコース136キロチェンジアップをライトオーバーの適時三塁打を放つなど引っ張った長打が増えてきた。

 そこに関しては「意識的には変わっていないですけど、浮いた変化球、緩い変化球は勝手にタイミングが早くなって引っ張れているのかなと思います」と明かした。

 「良い時も悪い時も変わらずにやっています」と自身のルーティンを日々行い試合に挑み、大きな好不調なく前半戦を終えた。

 23日、24日に開催される『マイナビオールスターゲーム2025』にも、補充選手として初出場を決めた。第1戦が京セラD大阪、第2戦が横浜スタジアム、オールスターが終わると、26日からエスコンフィールドで日本ハムとの2連戦と移動が多く、体調面が気になるところ。「(オールスターは)初めてなので楽しみながら。日程もハードなので、色々考えながらやっていけたらいいなと思います」。ちなみに、試合に出続ける中で、疲労回復のために「水風呂入ったり、睡眠を取ったりやっています」と教えてくれた。

 藤原にはオールスターでの活躍はもちろんのこと、今季自身が目標に掲げた“規定打席到達、打率3割、10本塁打”クリアすることが期待される。「やることは変わらず、今まで通りやっていきたいと思います」。オールスター、そして後半戦も打線を引っ張っていく。

取材・文=岩下雄太

(ベースボールキング)

**************************************
≪7/24≫


 昨季ロッテの日本人野手のチーム最多本塁打が岡大海の7本だったが、今季は前半戦を終えた時点で、高卒期待の5年目山本大斗がすでに10本のアーチを描いている。

 山本は昨季イースタン・リーグの本塁打、打点の二冠王に輝き、“左足の使い方”、“タイミングの取り方”を意識した8月以降はファームで打率.377と確実性が向上。ただ、昨季一軍では5試合に出場して、打率.111、本塁打と打点はなかった。

 昨季ロッテの日本人野手のチーム最多本塁打が岡大海の7本だったが、今季は前半戦を終えた時点で、高卒期待の5年目山本大斗がすでに10本のアーチを描いている。

 山本は昨季イースタン・リーグの本塁打、打点の二冠王に輝き、“左足の使い方”、“タイミングの取り方”を意識した8月以降はファームで打率.377と確実性が向上。ただ、昨季一軍では5試合に出場して、打率.111、本塁打と打点はなかった。

 山本は今季に向けて、2月16日から始まった対外試合で、2月22日の中日とのオープン戦で満塁本塁打、翌23日の韓国・ハンファとの練習試合にもバックスクリーンに豪快な一発を放つも、練習試合・オープン戦で打率.158(38-6)、3本塁打、9打点とアピールできず。

 「そこはフォームどうこうは気にしていなくて、気持ちの部分だったりとか、一軍の舞台だと自分のスイングができなくなったりと思っていた。正直、オープン戦は僕が結果を求めすぎたというか、ちょっと小さくなっていた部分があった」(山本大斗)。

 ファームでは「準備の段階だったり、目付けの部分、待ちかた、ファームで打てても一軍ではどうかなと考えて、ホームランを打っても納得いっていないホームランもファームではありましたし、そういったところを自分に厳しくやっていましたね。今回は思い切って、打てなかったら自分が練習するしかない。それぐらいの準備はしてきたので、という感じです」と、打率.365、5本塁打、21打点と結果を残し、4月12日に一軍昇格を果たした。

 4月16日の日本ハム戦、「みんなが作ったチャンスを無駄にしたくなかったので、初球から思い切り振りにいった結果ホームランを打つことができてよかった」と、0-0の6回一死一、二塁の第3打席、杉浦稔大が投じた初球の134キロカットボールをレフトスタンド上段にプロ初本塁打。

 その後、試合に出場したり、しなかったりということがあったが、5月10日の西武戦で4月29日のオリックス戦以来のスタメン出場を果たすと、同日の西武戦から16日の日本ハム戦にかけて6試合連続安打。13日の楽天戦では、「逆風でしたけど打った瞬間行ったと思いました」と第2号ソロを放った。

 交流戦が始まった6月4日の巨人戦から打順もほぼ“4番”に固定された。プロ入り初めて4番で出場した4日の巨人戦の第1打席、井上温大が投じた1ボールから2球目のスライダーをライトラグーン席に放り込んだ。「あれは外の変化球だったので、それを引っ張らずにしっかり外の球をライトにいつも通り打てたというのは、練習通りだったので、それは良かったなと思います」と振り返った。

 6月15日のヤクルト戦では、0-2の4回無死一塁の第2打席、「3ボールだったので甘いところにきたらいってやろうと思っていました。そのポイントに来て、自分のスイングで打つことができたので良かった」と、高橋奎二が3ボール0ストライクから投じた4球目の150キロストレートをレフトへ上段に第5号2ランを放つと、2-2の6回無死一塁の第3打席、「前の打席と同じでカウント有利だったので思い切りいきました」と高橋が2ボールから投じた3球目のチェンジアップをレフトスタンドに一時勝ち越しとなる一発。これが山本にとって一軍の公式戦では初となる1試合2本塁打となった。

 6月20日のDeNA戦では本塁打を含む1試合4安打、22日のDeNA戦でも第8号3ランを放つなど、交流戦では12球団2位タイの5本塁打と、その長打力を発揮した。

 リーグ戦再開後、6月27日のソフトバンク戦から7月1日の楽天戦にかけて4試合連続ノーヒットということもあったが、この時期について山本は「あの時は体の状態もあまり良くなくて、そこもちょっとあって、あまり自分のいつも通りのプレー、スイングができていなかった。割り切ってやっていました」と明かす。

 7月2日の楽天戦でリーグ戦再開後初安打を放つと、7月5日のオリックス戦で今季2度目の1試合2本塁打で、シーズン二桁本塁打を達成。

 交流戦の時は「もっと打てるなと自分の中で、(本塁打を)打てる球はあったなと思いますね」と話していたが、「狙っている球というか、目付け通りいけた時は自分の中で長打というか、ホームランを狙えている球はありますね」と自信を見せた。

 7月6日のオリックス戦では、0-0の初回二死一塁の第1打席、九里が2ボール2ストライクから投じた5球目のインコースストレートを左安、続く1-0の3回二死走者なしで九里亜蓮が投じた初球のインコースシュートを左安と“インコース”の対応も良かった。

 山本は「シュートとスライダー、コースで張っていたので、インコースはインコースで張っていたので、普通に狙い通り打てたかなと思います。打ち方は別に特に何も。コースを狙っていただけです」と説明した。

 7月16日にプラスワン投票でオールスター初出場が決定。前半戦で2桁本塁打を達成し、石垣島春季キャンプ中に目標に掲げていた20本塁打まで残り10本。「数字はあまり意識せずにやりたいなと思いますけど、最低でも20本は打ちたい気持ちはあります」。

 ファームの時から指導してきた山本について栗原コーチは「大斗は慣れですね。慣れてきたので、上がってきた時もそうですけど、二軍で結果を出して上がってきてヒットを打ちたいというのがどうしても出るじゃないですか、焦りと言いますか、二軍のようなバッティングができないというのは、最初はあったと思うんですよ。打席に立っていく中で、毎日試合に出る中で、その部分がなくなるわけじゃないですか、打たなくても外されるとか、それが一番じゃないですか、彼の場合は」と自慢の長打力を発揮できている要因を分析。

 山本も「完全に1打席目から自分のできることだけ考えて入っているので、慣れてきたというのはあります」と4番という打順、一軍の雰囲気に慣れてきたと話す。

 「長打でランナー一塁からでも得点できるようなバッターになりたいし、2アウトランナー一塁でも得点させられるようなバッターを目指して、この夏はやりたいと思います」。“暑い夏”にして見せる。

取材・文=岩下雄太

(ベースボールキング)

**************************************
≪7/24≫


 「最初は苦しんだ部分があったんですけど、今は上がってきて良いことも悪いことも経験ができた前半戦だったので、後半戦はしっかりと上げていけるようにやっていきたいと思います」。

 ロッテのドラフト1位・西川史礁(青山学院大)は、前半戦の戦いをこのように総括した。

 春季キャンプを石垣組でスタートさせると、2月16日からの対外試合の成績は16試合に出場して、打率.403(62打数25安打)、1本塁打、9打点と結果を残し、開幕一軍の切符を掴み取った。 

 3月28日のソフトバンクとの開幕戦に『1番・レフト』でスタメン出場すると、1-1の6回無死一、三塁の第3打席、「内側にきたらもう回転で行こうと思っていたのでイメージしていた感じに打てました。初安打が良い場面で打てて良かったです。ボールは両親に渡したいですね」と、有原航平が1ボール1ストライクから投じた3球目のシュートをレフト前に勝ち越しの適時打。これがプロ初安打、プロ初打点、チームを勝利に導く一打となった。

 西川は4月2日のオリックス戦の第3打席にセンター前に弾き返し、ZOZOマリンスタジアムで公式戦初安打を記録すると、翌3日のオリックス戦では、0-2の6回一死一塁の第3打席、エスピノーザが1ボール2ストライクから投じた4球目のカーブを遊安打で、球団新人の最多タイ記録となる開幕からの連続試合安打を5に伸ばした。しかし、この安打を最後に、5試合・19打席安打がなく、4月12日に一軍登録抹消となった。

 「一軍で自分の弱いところがはっきり見えましたし、ダメだったところはここでしっかり修正してまた戻った時にすぐに活躍できるように、そう言う準備を必死にやっています」。

 4月18日のヤクルト二軍戦で1試合5安打をマークすると、4月20日のヤクルト二軍戦から4月25日のDeNA二軍戦にかけて4試合連続マルチ安打。4月24日のオイシックス戦では「クイックもあるというのは聞いていたので、頭にいれながら自分のタイミングでしっかり打つことだけを意識して打席に入りました」とファームではあるが公式戦初本塁打を放った。

 ファームで打率.423(52-22)と打ちまくり、4月29日に再昇格。同日のオリックス戦で、球界を代表する宮城大弥から0-0の2回無死一塁の第1打席、2ストライクからの3球目のフォークをセンター前に運ぶと、0-1の7回一死走者なしの第3打席、1ストライクからの2球目のチェンジアップをレフト前に安打と2安打。

 5月3日のソフトバンク戦の第4打席に安打を放ってから17打席連続で安打が出なかったが、5月18日の日本ハム戦、1-1の12回一死一、二塁の場面に友杉篤輝の代打で登場すると、「正直、打席入る前に変なボールに手を出してアウトになるのを嫌がっていたんですけど、冷静になった時に自分のバッティングを思い出して、初球から振るスタイルがいつもやってきたことなので、貫こうと思って初球から行きました」と山本拓実が投じた初球のカットボールを振り抜き、打球は右中間を破る適時二塁打。久しぶりの安打はチームを勝利に導くサヨナラ打となった。

 体調不良で5月27日に再び一軍登録抹消となったが、打率.419(31-13)とバットで結果を残し、6月13日再昇格を果たした。

 6月20日からのDeNAとの3連戦では3試合連続複数安打、22日の試合ではプロ初の猛打賞を含む4安打の大暴れ。6月は月間打率.441(34-15)と打ちまくり、チャンスにも勝負強く、得点圏打率は驚異の.571だった。

 光ったのは打撃だけではない。守備でも、6月22日のDeNA戦、5-0の初回無死一、二塁で佐野恵太の左中間のあたり、センター・藤原がファンブルしたところすぐにカバーし一塁走者・松尾の生還を許さないナイスカバー。

 7月に入ってからも2日の楽天戦から6日のオリックス戦にかけて4試合連続安打、13日の西武戦では「自分自身の状態がバッティング練習していても上がってきているなというのは思うので、もっともっと打てるように、状態を上げられるように1日1日やっていきたいと思います」とプロ入り2度目の猛打賞を達成。

 7月もここまで打率.300(70-21)をマークする。6月に昇格してから、簡単にアウトにならなくなってきた印象がある。

 「バッティングでポイントを近くにしてというのをテーマでやっているので、変化球の見極めにつながっているのかなと思います。その結果、ヒットが増えてきたので、それを続けていきたいなと思います」。

 守っても15日のソフトバンク戦では、2-1の3回一死走者なしで柳町達のレフトフェンス際の打球をフェンスにぶつかりながらキャッチ。守備に関してもフェンス際のプレーだったり、カバーリングなど1点を阻止しようとファイトを見せる。

 「守備もカバーリングをすごく大切にしていることもあって、ここ最近だと楽天モバイルパークで(藤原)恭大さんが後ろに逸らしたのを自分もカバーに行ききれなかったのもあるので、そういうミスをプラスに捉えて、これからはやらないようにという思いでやっています」。

 前半戦を終えて、攻走守に自分が思い描いたプレーはできたのだろうかーー。

 「う〜ん、何ていうんですかね、ホームランというのがまだ出ていないんですけど、率も残せる中でホームランも打てるというのが自分の理想像なので、そこはちょっと思い描いていたところと違うところはあるんですけど、うまくいかないのはプロの世界だと思うので、あんまりホームランにこだわりすぎず、とにかく必死にやっていけば結果がついてくると思うので、しっかりやっていきたいと思います」。

 チームは苦しい戦いが続く中で、若手選手たちは将来に向けて希望の光。
「1試合1試合全力で自分のやるべきことをしっかりとやっていきたいと思います」。後半戦もマリーンズファンを熱くするプレーを数多く披露して欲しいところだ。

取材・文=岩下雄太

(ベースボールキング)

**************************************
≪7/24≫


 ロッテの育成・吉川悠斗は、6月29日の巨人二軍戦、7月9日の日本ハム二軍戦、2試合連続でクオリティスタート(6回3自責点以内)を達成するなど、ここまでファームで5勝をマークする。

 圧巻だったのは6月29日の巨人二軍戦。初回から6回まで毎回のプロ入り後自己最多の12奪三振、打たれた安打も僅かに1本と6回・87球を投げ、1被安打、12奪三振、1与四球、無失点と圧巻の投球内容。

 特に3-0の4回一死走者なしでリチャードに投じた初球のインコース見逃しを奪ったストレートをはじめ、ストレートが力強かった。吉川本人も「いつもくらいのイメージだったんですけど、うまいこと空振りとか取れていたので良かったかなと思います」と振り返る。

 武器であるスライダーは、3-0の3回先頭の湯浅大を2ストライクから縦に落ちるスライダーで空振り三振、3-0の4回二死走者なしで三塚琉生を2ボール2ストライクから空振り三振に仕留めた5球目の外角スライダーはカット系のような球だった。スライダーは何種類か投げ分けているのか確認すると、「指のかかり次第ですけど、というくらいですね」と教えてくれた。

 6-0の5回二死走者なしで笹原操希を2ストライクから空振り三振に仕留めたフォーク系の軌道のチェンジアップも良かった。「チェンジアップが決め球なので、そこで空振りをしっかり取れていたのはどの試合もそうですけど、いい感じではあるのかなと思います」と自信を見せた。

 7月9日の日本ハム二軍戦では、「特にいつも通り腕を振ってという感じで、いつも通りやっていたら大丈夫だと話はもらいましたね」と、経験豊富な田村龍弘とバッテリーを組んだ。初回制球に苦しみ2点を失ったが、6回を3失点にまとめ、5勝目を手にした。同日の日本ハム二軍戦では、5-3の5回一死走者なしで有薗直輝を3ボール2ストライクから空振り三振に仕留めた6球目の126キロチェンジアップが良い抜けだった。

 チェンジアップも抜いているボールと速いボールで投げ分けているのだろうかーー。

 「チェンジアップは腕を振るとスピードが上がるくらいなので、握りとかは変えていないですし、腕の強さくらいかなと思います」。

 直近2試合は6イニングを投げた。「できるだけ長い回を投げたいというのは常に思って投げているので、それはある程度うまいことできているんじゃないかなと思います」。

 プロ入りから常々口にする“上半身と下半身の連動”については「結構、身についているのかなと思いますし、しっかり連動できていればこの前の巨人戦のような投球ができると思います。ある程度ズレているのかなというのがあれば、悪いピッチング内容になってしまうんじゃないかなと思うので、まだ大事にしていかなきゃなというところはありますね」と話した。

 「とにかく抑えて、どんな形であれ抑えないといけないなというのがあるので、一軍に上がれるアピールできるくらい抑える、三振取ったりやっていけたらなと思います」。支配下選手登録期限の7月31日までの支配下選手登録を手にすることができるか注目だ。

取材・文=岩下雄太

(ベースボールキング)


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« お知らせ~今後のブログ更新... | トップ | 備忘録【7/23~7/25】  »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。

マリーンズ2025」カテゴリの最新記事