≪8/4≫
ロッテの育成・藤田和樹はプロ2年目の今季、ファームですでに1年目の39試合を上回る43試合に出場する。
開幕してからの藤田の打撃を見ると、3月27日の楽天二軍戦で追い込まれてからノーステップ打法で打ったり、4月17日の楽天二軍戦では構えた時にバットを立てたり、4月29日の巨人二軍戦ではタイミングの取り方を変えたり、5月20日の西武二軍戦ではバットを寝かせたフォームで打つなど、いろんなタイミングで打っている。それは投手のタイミングに合わせて変えているのだろうかーー。
「ピッチャーによってもそうですけど、今は探っている状態というか、タイミングが取るのがあまり上手じゃないので、どれがうまくやれるか見ている状態です」と明かした。
昨季から“下半身の使い方”、“バットを内側から出す”ことを取り組んでいたが、現在も「今もそれは変わらないんですけど、より強く、より正確にやれるようにやっています」とのことだ。
タイミングの取り方で試行錯誤する中で、6月29日の巨人二軍戦、6-0の6回無死走者なしの第3打席、左の宮原駿介が投じた初球の外角ストレートを逆らわずにレフト前の安打、7月8日の日本ハム二軍戦、8-6の8回無死走者なしの第2打席、川勝空人が1ボール1ストライクから投じた3球目の外角140キロスライダーを逆らわずにレフト前に放った安打は良かった。
「ちゃんとタイミングを取れて、正しい打ち方ができれば、それなりに強い打球も出る。その結果、レフトにボールがいったと言うだけで、どこに打ってもタイミングが取れればいいかなと思っています」。
◆ 体づくり
体づくりに関して、「将来的には体重増やして、筋肉量を増やしてやっていきたいですけど、今はちょっとまだ増やしすぎると怪我のリスクもありますし、徐々にという感じですね」と昨年11月8日時点で体重は91キロだったが、「筋肉量も増えていると思うので、その部分では体づくりはできていると思います」と、1月20日の取材日時点での体重は92.5キロ。
7月16日の取材時点で、「シーズンインが92キロでした。それからは、ちょっと落ちて90キロくらいです」と明かし、体づくりでは「瞬発力を今は意識してやっています」と教えてくれた。
外野手は激戦区でファームでも、荻野貴司、角中勝也、石川慎吾、和田康士朗など、一軍経験豊富な選手たちも出場しているため、与えられた出場機会でアピールしていきたいところ。「今年は全然、長打が出ていない。そこを自分の持ち味でもあるので、そこをしっかり長打を出せるようにやっていきたいですね」と意気込み、開幕前に3割を打ちたいと話していたが、そこに関しても「打率も当然残していきたいと思っています」と意欲を見せる。残り2カ月で、バットで存在感を示していきたい。
取材・文=岩下雄太
(ベースボールキング)
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≪8/5≫
打球がフェンスの向こうに消えたのを確認すると咆哮(ほうこう)をあげた。ドラフト1位ルーキーの西川史礁外野手が、出場55試合目で待望のプロ初本塁打を記録した。7月30日のイーグル戦。本拠地ZOZOマリンスタジアムでレフトにアーチを架けた。
「正直いって野球が嫌になった時期があった。それくらい打てなくて、悔しくて。野球が嫌になるのは人生初めての経験でした。いろいろと試しても打てない。これでもダメ。あれもダメ。そういう日々が続いていた」と試合後、西川はダイヤモンドを一周しながらほえた胸の内を口にした。
新人ながら3月28日のホークスとの開幕戦(PayPayドーム)に1番レフトでスタメン出場を果たすと、六回に放ったプロ初ヒットが勝ち越しのタイムリー。幸先いいスタートを切った。しかし、そこから大きな壁が待ち構えていた。2度の2軍落ちを経験。打率は1割3分2厘まで落ち込んだ。チームも負けが続いた。期待をかけられながら打てない悔しさとチームに貢献できないふがいなさ。さまざまな想いが交差し、22歳の若者は心を痛め続けた。
悔しさはバットにぶつけるしかなかった。「とにかく振るぞ」。2軍でサブローヘッドコーチ(当時2軍監督)からも、そう声をかけられ、マンツーマン指導を受け、徹底的にバットを振った。1軍に昇格後も試合前、そして試合後と室内練習場で打ち込む西川の姿があった。努力の日々は少しずつ結果につながっていく。そして7月30日のイーグルス戦でプロ入り初の4番に座ると、ファン待望のアーチが生まれた。
同じルーキーではイーグルスの宗山塁内野手、ライオンズの渡部聖弥外野手がオールスターゲーム出場を果たした。西川はその現実に決して目を背けることなく、あえてテレビ観戦をした。「見ていてうらやましい想いはもちろんあった。でもすごい選手ばかり。見ることも勉強だと思った」とその理由を語る。そして「来年は絶対に出たいと決意しました」と燃えた。
結果が出ずに、もがき苦しんだ前半戦。今まで順風満帆な野球人生を送ってきたが、味わったことのない悔しさを味わった。悔し泣きをした日もあった。それでも今はその日々をプラスのことと捉えることができるようにまでなった。
「最初からうまくいくのは、もちろん、自分自身が求めている姿ではあったのですが、逆にこうなったことで今はすごく学ぶことが多かったと思う。最初にうまくいってしまうと、こういう学びはなかったのではないかなと思う」とうなずいた。
野球は失敗のスポーツとも言われている。3割バッターと言われる選手でも7割の確率で凡退をしている。だからこそ失敗から目をそらさず、どう向き合うか。失敗を糧に成長を遂げられるかが大事となる。西川は逃げずに前を向いた。失敗と向き合った。そして失敗から学び吸収し少しずつ成長を遂げつつある。マリーンズの黄金ルーキーが真夏にギラギラと強い光を放っている。
(千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)
(千葉日報)
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ロッテの上田希由翔が2日の西武戦(ベルーナドーム)、嬉しいプロ初本塁打を放った。
上田は7月17日のソフトバンク戦(北九州)で、2-2の6回無死一塁の第3打席、「がむしゃらにいきました。同点に追いつかれて、流れも良くなかったので何とかしたいと思い、いい形で打つことができて良かった」とライトポール際に本塁打を放ったが、6回を終了せずに降雨コールドとなったため、得点が認められず、“幻”のプロ初本塁打となった。
あれから16日――。8月2日の西武戦、0-2の4回一死一塁の第2打席、1-2の4回一死一塁の第2打席、「高めは気を付けて、低めを打とうと思っていたのがいい形になりました。打った瞬間は入ると思わなかったですが、歓声で入ったのがわかりました。いい形で打つことができて良かったです」と、與座海人が1ボール1ストライクから投じた3球目の131キロストレートをライトスタンドに第1号2ラン。嬉しいプロ初本塁打となった。
◆ 8月2日にプロ初本塁打
上田はプロ2年目の今季、開幕一軍を掴み、3月28日のソフトバンクとの開幕戦に『8番・サード』でスタメン出場し、第2打席に今季初安打となる二塁打を放ったが、4月11日のソフトバンク戦の第2打席に安打を放ったのを最後に16打席安打がなく、4月24日に一軍登録を抹消された。
一軍登録抹消後の4月27日のDeNA二軍戦ではノーステップ打法気味の打撃フォーム、5月9日のDeNA二軍戦ではバットを寝かす打撃フォーム、6月14日の楽天二軍戦ではバットを寝かせているがバットを担ぐような感じのフォームで、タイミングの取り方を変えるなど、さまざまなフォームで打っていた。
さまざまなフォームで打っていた理由について、上田は「手で操作するのをサブローさんから指摘してもらって、直す1つの方法としてバットを寝かせたりやっていました」と説明する。
バットもファームでは、白木のバット、黒茶のバットなど様々な種類を使っていたが、「その時の振りやすい方だったり、ピッチャーによって変えていますね」と教えてくれた。
上田がファームでプレーしている時期、同世代の選手たちが一軍の舞台で躍動していたが、「なんとも思っていなかったですね。気にしていないというか、気にしても何もならないので、自分に矢印を向けていましたね」と、自分自身が一軍でプレーするための準備だけを行ってきた。
昇格前の7月11日の楽天二軍戦、0-1の2回無死走者なしの第1打席、徳山一翔が1ボールから投じた2球目のスライダーを右中間を破る二塁打、7月12日の楽天二軍戦、0-4の8回無死走者なしの第4打席、日當直喜が投じた初球の145キロストレートを右中間に破る二塁打が良かった。
7月15日に再昇格を果たすと、同日のソフトバンク戦の第1打席で二塁打を放ち、19日のオリックス戦ではプロ初の猛打賞を達成。
7月20日の取材では「結果が出てくれているので、悪くはないと思いますし、常に修正しながらやっているので、そこは打っているからといって、何もやらずにじゃなくて、常に元のフォームに戻す修正だったり、スイング量も減らないように意識してやっています」と話している。
「バッティングで貢献したいと思っているので、チャンスの1本だったり、今は任されている自分の役目を理解しながら、1打席1打席集中してやっていければいいかなと思います」。苦しいチーム状況だが、若手選手たちはこのチャンスをモノにしようと必死に戦っている。
取材・文=岩下雄太
(ベースボールキング)
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≪8/6≫
7月16日ソフトバンク戦以来のスタメンとなったロッテ・池田来翔が5日のソフトバンク戦、5月4日のソフトバンク戦以来となる今季2度目の猛打賞の活躍で勝利に貢献した。
『6番・ファースト』でスタメン出場した池田は、0-0の2回無死二塁の第1打席、先発・前田悠伍が3ボール2ストライクから投じた9球目の145キロストレートをレフト前に弾き返し、チャンスを広げ、続く山口航輝の先制3ランに繋げた。
5-1の6回無死走者なしの第3打席は、津森宥紀が1ボール1ストライクから投じた3球目のスライダーをレフトフェンス直撃の二塁打でチャンスメイクし、山口のライト前にポトリと落ちる安打で6点目のホームを踏んだ。
勢いの止まらない池田は、6-3の8回無死走者なしの第4打席、宮﨑颯が3ボール2ストライクから6球目のストレートをセンター前に弾き返し、猛打賞を達成した。
試合後のヒーローインタビューでは、「自分の持ち味である積極的な打撃が今日はできたかなと思います」と振り返り、「正直、ほっとしていますし、もっともっと出た試合でヒットが打てるように練習から頑張ります」と意気込んだ。
◆ スタメン出場の機会が減少も
池田は交流戦18試合中17試合でスタメン出場し、15試合で安打を放つなど、打率.258、1本塁打、4打点の成績を残した。
交流戦明けはそれまでファーストのレギュラーを務めていたネフタリ・ソトの打撃が復調し、スタメンでの出場機会が減少したが、「スタメンで出た時に結果を出さないと次はないと思っていますし、どんどん結果を出していかないと自分の立ち位置は変わってくると思うので、スタメンで出た時は何かしら結果を残そうと思ってやっていますね」とスタメン出場した7月5日のオリックス戦では1安打1打点。
7月8日の日本ハム戦では、0-2の2回二死走者なしの第1打席、「ここ最近、引っ張れていなかったので、思いっきり引っ張ろうと思って、まっすぐ打ちに行きました」と北山亘基が1ボールから投じた2球目のカットボールを打った瞬間、レフトスタンドに飛び込むライナー性の本塁打。池田が理想とするライナー性の本塁打だったが、「理想にしています。その後の打席は全然だったので、たまたまかなと思いますね」と振り返った。
昨季までファームで打撃コーチを務め、今季一軍の打撃コーチを担当する栗原健太コーチは池田のライナー性の打球について「彼がいいのはライナー性の打球なので、フライというよりはライナーのホームランが多いと思うんですけど、それは練習の時から彼は意識してやっているので、はい」と明かし、「彼のいいところは初球からどんどんスイングをかけられるところ」と評価した。
池田は基本的にバットを短く持っているが、6月11日の広島戦、栗林良吏との対戦時や8月1日の西武戦、隅田知一郎との対戦で初球からバットを長く持って打つなど、バットを長く持って打つこともある。
「その日の感覚ですね。短くずっと持っていると、ヘッドが使えないとかありますし、長く持っているとちょっと遅れて、めちゃくちゃ遅れるなという感覚があるので、自分の打撃練習、ティーでその日の状態に合わせて持ち方変えています。基本は短いです」。
競争が熾烈な中で、試合前の練習では出場機会の多いファーストだけでなく、サードやセカンドで元気よくノックを受ける姿がある。「試合にも出られなくなってきているので、もう1回しっかり結果を出して、まずは試合に出て貢献したいです」。競争力が高くなってきた中で、一軍で引き続きプレーするためにも、結果を残し続けていきたい。
取材・文=岩下雄太
(ベースボールキング)
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≪8/7≫
ロッテの高卒2年目・寺地隆成は19歳ながら、打率はリーグ7位の.271をマークし、守ってもチーム最多の66試合で先発マスクを被る。プロ1年目の昨季イースタン・リーグ2位の打率.290を記録した打棒を、一軍の舞台でも変わらず発揮しているところに凄さを感じる。
昨季ファーム打撃コーチとして寺地を指導し、今季は一軍で打撃コーチを務める栗原健太コーチは「対応力はすごいある子なので、だいぶ打席に立っている中で、慣れてきていますし、頑張ってくれていますね」と評価。「まずは速い真っ直ぐを打てるところじゃないですか。150キロを超えるストレートを捉えられる。その中でちょっと浮いてきた甘い変化球を拾って打てる対応力が高いんでしょうね。普通は狙い球を絞ったりしていくじゃないですか、彼はそれができるところがありますよね」と寺地の凄さについて語った。
開幕は3番手捕手でスタートも少ないチャンスをモノにし、高卒2年目ながら『マイナビオールスターゲーム2025』にも監督選抜で出場するなど、順調にチームの中心選手として階段を登っている。寺地自身の中で、一軍でやれている感覚はあるのだろうかーー。
「徐々にですけど守備の方は若干良くなっているのかなと感じていますし、バッティングもそれなりの結果、求めている結果とは程遠いですけど、徐々に結果が出ているのかなと思います」。
求めている結果とは具体的にどんなところなのだろうかーー。
「打てる日もあれば打てない日もあると思いますが、凡打の内容だとか、ヒットを打ったらもう1本出したいところで出せないというか、5日のソフトバンク戦もそうですけど、1打席目に折角ヒットを打ったのに、そこから無駄にしているわけではないですけど、結果的に無駄になってしまっている打席が多いと思います。詰めの甘さだと思いますし、これからどんどん詰めていかなければいけないところなので、そこはやっていかなければならないのかなと思います」。
ここ最近は白黒のバットだけでなく、白木のバットで試合に出場することもある。7月27日の日本ハム戦は全打席白木のバットで打席に立った。開幕から試合前練習では、ヘッドを走らせるために白木のバットを使用している。試合で白木のバットを使っているのも、同じ理由なのだろうかーー。
「それもありますし、ちょっと気分転換に、打てない日の次の試合とかだったり、ちょっとヒット打てなさそうだなと感じた時に気分転換に変えているという感じです」と教えてくれた。
寺地は今季に向けて、一軍の試合を1試合でも多く出場すること、プロ初本塁打を掲げたが、79試合に出場し、本塁打も5本放っており、目標は達成しているようにも見える。現在、自身に課している目標はあるのだろうかーー。
「これからもっと試合に出たいと思いますし、数字的な部分を出してしまうと、結果的にそれが達成できなかった時にアレだなと思うので、特に数字的な目標は出していないんですね。最終的には周りの人から見てもいい数字と言われるところを目指していきたい。そこを目指していければなと思います」。
捕手というタフなポジションを務めながら、バットで結果を残し、試合が終わってからもファーム時代の時と変わらず、試合の振り返りを行っている。睡眠をしっかり取れているか心配になる。寺地は「大丈夫です!」と頼もしい一言。
今季を足がかりに将来は“打てる捕手”として、マリーンズだけでなく、球界を代表する捕手に成長していくことが期待される。残りの試合でも攻守に結果にこだわっていく。
取材・文=岩下雄太
(ベースボールキング)
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≪8/8≫
ロッテの愛斗は今季、4度の送りバントの機会全て初球で決め、そのうち3度得点に結びついている。昨季も3度のバントの機会全て成功し、ロッテに移籍後、1度もバントの失敗がない。
今季4度送りバントを決めた場面を振り返ると、6月5日の巨人戦、1-1の10回無死二塁、6月11日の広島戦、2-2の9回無死一塁、6月15日のヤクルト戦、4-4の9回無死一塁、8月2日の西武戦、4-4の10回無死一塁と、全て緊張感のある局面。6月5日の巨人戦は髙部瑛斗の押し出し死球、6月15日のヤクルト戦は角中勝也の犠飛でサヨナラ勝ちに繋げ、8月2日の西武戦も藤岡裕大の一時勝ち越しとなる適時二塁打につなげている。
愛斗は100%送りバントを決めないといけない場面について、「自分的には集中しすぎない、絶対決めると思わないというか、(絶対に決めると)思えば思うほど、固まっちゃうので。絶対決めるとか思わない。できるだけ力を抜いて、バットは前に置いとくくらい。ここから角度を変えない。来たらバットに当てるくらいのイメージ」で行っているが、高い確率で成功するのは日頃の準備があるからといえる。
本拠地・ZOZOマリンスタジアムの試合前練習ではバントマシンを相手に入念に送りバントの練習をしているが、バントマシンを相手にバント練習するだけではなく、マシンに近づいてバントを練習する。その意図について愛斗は「近い距離で速いボールでできれば、それより遠くなるのは絶対にできる。楽にできるので、それは自己流ですけど。1回決めたら一歩前に出てというのを何回も繰り返して、一番前までいってやって、一番後ろに下がれば簡単なので」と説明する。
これは、西武時代から行っていた練習なのだろうかーー。
「ライオンズの時にキャッチャーの岡田(雅利)さんがやっていたんですよ。岡田さんが代打バントでよくいっていて、ずっと(バントマシンに近づいてのバント練習)それをやっていた。岡田さんと自主トレも4年間くらい一緒にやっていたので、その時にいろいろ教えてもらいました。自分でも前に行ったほうが良かった。打席に立っていないので、その距離で覚えていかないと、バントもさされたら終わりなので。そのためにやっています」。
バントもそうだが、今季は長打を狙う打撃スタイルでバットを長く持って打ち、オープン戦でも2本のアーチを描いた。ZOZOマリンスタジアムの試合前練習でも、「強く飛ばすことだけを意識しています」と、レフトスタンドに角度のついた打球や、ノーステップで打ったときでもライナー性の打球でそのままライトスタンドに飛び込むパワーもある。
◆ 守備・走塁
走塁でも、7月2日の楽天二軍戦、1-1の3回一死一、二塁で山口航輝の二邪飛で二塁手の捕球体勢を見て三塁にタッチアップするなど、相手の隙をついた走塁も武器のひとつである。
「僕の場合は走塁と守備というのは自分のためにやるもんじゃないというか、人のため、チームのためにやるモノだと思っています。1個の打球判断で、そのバッターの打点が消えてしまったり、1個の躊躇で人に迷惑をかけるじゃないですか、走塁って。守備も外野だと1個のミスが失点につながってしまう。そこは常に自分のために走塁するのではなくて、人のために走塁しています。(守備も)できるだけ前に守って、打ち取った打球を捕る。捉えられた打球も間に合うところまで捕る。そこは何も変えずに守備と走塁の部分に関しては人のために。自分のためじゃないぞという気持ちでやっていますし、みんなを助けられるように走塁、守備するのを意識しています」。
試合前練習でいうと、7日のソフトバンク戦の試合前練習ではライトのポジションで打球捕を受けていた。「毎日ポジション変えたりしながら、打球は別に捕らなくてもいいので、打球の質感、こういうふうにいくんだなというのをわかっていれば、動けるので、試合では。捕る、捕らないではなく、打球を見るというのが大事だと思っています」。
チームが優勝を争う順位にいれば、愛斗の守備、犠打、走塁力というのは勝敗を分ける試合において、非常に重要なピースで、重宝される存在だろう。ただ、チームは現在最下位で、若手主体で経験を積ませている現状、なかなか出番が巡ってこない。それでも、「やることは変わらず。自分のできることだけをやるしかないので」と前を向く。与えられた出場機会で結果を残す準備はできている。
取材・文=岩下雄太
(ベースボールキング)
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