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今、自分が出来ること。やれること。それを精一杯やっていかなくちゃ!!

コラム備忘録【12/28~12/29】

2020年12月29日 07時48分48秒 | マリーンズ2020
≪2020/12/28≫

ロッテの快進撃を可能にした“5イニング” 数字で見る先発投手の貢献度は?

リリーフ陣だけでなく、先発陣の奮闘も躍進を支えた要素の一つ

 野球を分析する際に用いられる指標の一つに、「ピタゴラス勝率」というものがある。この指標は、統計学的な法則から勝率を予測するもので、「(チーム総得点の2乗)÷(チーム総得点の2乗+チーム総失点の2乗)」と比較的簡易な計算式で示される。

 今期のロッテはチーム総得点が461、総失点が479と、得失点差がマイナスだった。それゆえにピタゴラス勝率でも.481と負け越していたが、実際のシーズンでは3つの勝ち越しを作って勝率.513という数字を記録。指標に囚われない快進撃を見せた理由は、一体どこにあったのだろうか。

 前編では、抜群の安定感を誇ったリリーフ投手たちの存在と、個々の投手の負担を減らす運用面での工夫について取り上げてきた。今回の後編では、そのリリーフにつなぐ前の局面を担う、先発投手にフォーカスして考察していきたい。


 ここまでは救援陣の好投とその運用法について触れてきたが、それでは、その救援陣につなぐ前の先発投手はどのような状況だったのだろうか。ここからは、マリーンズの先発陣を取り巻く事情について見ていきたい。

 まず、今季のロッテでは先発投手の防御率が4.07、それに対してリリーフ投手の防御率は3.30という数字が残っている。この成績を見ても、やはり、先発陣よりも救援陣のほうがより安定していたという傾向が見て取れる。

 しかし、だからといって先発陣の貢献度が低かったというわけでは決してない。その根拠となるのが、シーズンを通して先発が早期降板したケースが少なかったという点だ。それを裏付ける数字として、まずは今季のパ・リーグ各球団が6名以上の投手を起用した試合数を以下に紹介したい。



パ・リーグ各球団が6名以上の投手を起用した試合【表:(C)PLM】


平均投球回、平均投球数の2つから、先発投手に求められたタスクが読み取れる

 6名の投手を起用した試合数が1桁にとどまっているのはロッテのみで、7名以上を合わせても10試合と特筆すべき少なさとなっていた。先発投手が5回まで投げてくれれば、残りの4イニングで4名の投手を使っても、その試合で起用された投手は5名という計算になる。6名以上の投手をつぎ込む試合がこれだけ少なかったことからも、先発投手が5回以上を消化してくれる可能性が高かったとうかがい知れる。

 続いて、今季のマリーンズで4試合以上に先発登板した投手たちの顔ぶれと、その成績は以下の表の通りだ。

ロッテで4試合以上に先発登板した投手の成績【表:(C)PLM】


 2桁勝利を挙げた投手こそ美馬投手ただ一人だったが、先発登板数上位5名の投手は、いずれも平均90球以上を投げ抜くタフネスぶりを発揮していた。平均投球回の面でも上記の表で取り上げた8名の投手のうち7名が5イニング以上となっており、先発投手が最低限以上のイニングを投げ、1試合ごとに登板するリリーフ投手の数を極力少なくしていたことがわかる。

 ここからは、今回取り上げた先発投手たちの今シーズンの投球について、個別に触れていきたい。

 開幕投手を託された石川投手は、今季登板した21試合のうち、最後の2試合を除く全ての試合で6回以上を投げ切るという驚異的な安定感を披露。7月31日からは6連勝と快投を見せたが、10月以降は6試合で未勝利と終盤戦はやや調子を崩した。とはいえ、石川投手が今季消化した133回1/3という投球回は、名だたるパ・リーグの投手たちの中でも最多の数字だった。救援陣の負担を減らすという面において、その貢献度は十二分に高かったといえる。

 チーム最多の10勝を挙げた美馬投手も19試合中18試合で5回以上を投げ抜いており、ベテランらしい粘りを随所で発揮。首位争いを演じたソフトバンクから5勝を挙げた相性の良さも特筆もので、移籍1年目からチームの快進撃に大きく貢献する活躍を見せた。これで直近5年間で4度目の規定投球回到達と、安定したイニング消化能力は新天地でも変わらず。その特性は、今季のチーム方針とも大いにマッチしたものだった。

 二木投手は6月30日の試合で1回1/3で6失点KOされて再調整を余儀なくされたが、8月8日の昇格以降は抜群の安定感を発揮。8月以降の13試合中12試合で6回以上を投げ抜き、8月22日から4試合連続で無四球という驚異的な制球力を見せつけた。石川投手、美馬投手にも共通する点だが、その与四球の少なさは球数の減少、ひいては投球回の増加にもつながる。背番号「18」を受け継いだ今季は、未来のエース候補としての確かな成長を示す1年だった。


若手の多い先発陣ながら、責任投球回を投げ抜く傾向は共通していた

 今季は年間を通して先発に定着したプロ2年目の小島投手は、5回持たずに降板した試合が4度あったものの、平均投球回は5.67と安定した数字を記録し、ローテーション投手としての役割を全う。岩下投手は序盤で球数を要するケースが多く、6回までにマウンドを降りる回数が16先発中15回とイニング消化の面では課題を残した。だが、序盤で降板するケースも少なく、平均投球回は5.48と、こちらもまずまずの数字を残していた。

 種市投手は7月25日の西武戦でプロ初完封を記録するなど序盤から好調で、平均投球回6.67と大車輪の活躍を見せていた。一気に大ブレイクの兆しを見せつつあっただけに、その矢先に長期離脱を強いられたのが惜しまれるところだ。終盤に加入したチェン・ウェイン投手も、4試合すべてで6イニング以上を投げ抜いた。打線と噛み合わずに勝ち星こそつかなかったものの、その投球内容は救世主としての期待に応える見事なものだった。

 例外的だったのが中村稔投手で、平均投球回は4.61と5回に届かず、平均投球数は80球未満。5回未満での降板が4度存在、5回ちょうどでの降板も5度と、早めに見切りをつけられるケースも多かった。とはいえ、9月11日の試合では7回まで無安打という快投を見せたように、ひとたび波に乗ればという期待は大きい。来季はコンスタントに好投を披露し、首脳陣に「もう1イニング任せよう」と思わせるような存在となってほしいところだ。


先発陣のイニング消化能力が、救援陣の負担を減らす好循環が

 以上のように、ほぼ全ての先発投手が一定以上のイニング消化能力を示していたことがわかる。石川投手、美馬投手、チェン投手といったベテランのみならず、小島投手や岩下投手のような若手にも「悪くとも5回まで」という起用法が見え、各投手もその期待に応える粘りを見せていた。こういったイニング消化という面での貢献度は、必ずしも防御率や奪三振数だけでは測れないところではあるだろう。

 先発投手が平均90球以上を投じて、できる限り長いイニングを消化。残されたイニングは役割をしっかりと分担したリリーフ陣が受け持ち、特定の投手に過度の負担がかからないように徹底した管理のもと、慎重な運用がなされていた。得点よりも失点のほうが多くとも、シーズンを通して勝ち越しを作れた理由の一つには、こういった投手運用のもと、勝てる試合をきっちりと白星に結び付ける体制が確立されていたことがあるのではなかろうか。

 前編でも示した通り、今季のロッテは打線が全体的に低調だったこともあって、先制されたまま追いつけずに敗れるというケースは多かった。普通であれば苦しいといえるこの状況を、「リリーフ投手の過度な連投を避けられる」という一種のアドバンテージに変えてしまったことも、先を見越した投手運用と、我慢強いベンチワークのなせる業と言えるのではないだろうか。

 井口資仁監督は球団ワーストとなる87敗を喫して最下位に終わった2017年オフ、指揮官の座を受け継いだ。そして、初年度が5位、2年目が4位、そして今季は2位と、シーズンを経るごとに着実に順位を向上させている。投手コーチとして日本ハムとソフトバンクで日本一を経験した吉井理人投手コーチの、目先に囚われない思い切った投手運用も奏功し、今季はピタゴラス勝率の予測を覆すような快進撃を披露してみせた。

 王者ホークスをはじめ、強敵がひしめくパ・リーグを勝ち抜くのは容易ではない。だが、今季の起用に基づいた投手陣の安定が来季も持続したうえで、安田尚憲内野手、藤原恭大外野手をはじめとする若手が成長して打線の得点力も向上すれば、来季は頂点を狙うことも決して不可能ではないはず。就任4年目を迎える井口監督が率いるロッテの戦いぶりと、名伯楽・吉井コーチが手がける独特の投手運用に、来季も注目する価値は大いにあるはずだ。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(フルカウント)

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≪2020/12/28≫

「自分も引き出しのある打者に…」ロッテ菅野が中村、栗原ら“鷹軍団”に飛び込むワケ

ロッテ菅野は打率.260も出塁率.389、選球眼の良さが光った

 ソフトバンクと首位争いを演じ、4年ぶりのクライマックスシリーズ(CS)進出を果たしたロッテ。菅野剛士外野手はプロ3年目の今季、スタメンで3番を任されるなど自己最多の81試合に出場し、打率.260、2本塁打、20打点をマーク。勝負強い打撃で勝利に貢献した。

 打率は.260だが、出塁率は.389という高い数字を記録した。しかし、当たりが止まっているときでも四球を取りにいくことはしていない。甘い球を1球で仕留められるようにすることをテーマに取り組んできた結果だという。

「ローテーションを守っているピッチャーやクローザーはレベルが高い。甘い球は1球来るか来ないかです。ボール球に手を出したら本当にもったいない。そこを意識した結果、四球が取れた。フォアボールを選ぼうという気持ちはないです」

 守備では冷静な判断と堅実なプレーで、守備力を図る数値「UZR」は10.9と左翼でトップの数字を残した。さらに今季は、今までに経験がないという一塁の守備にも就いた。「最初はすごく緊張した」というが、安定したグラブさばきで、外野、一塁ともに無失策だった。

「1年目から大塚コーチのノックをたくさん捕っていました。それが3年目で数字に残った。練習しておいてよかったです。外野手はランナーを進塁させないことが一番大事。失点につなげないことが、ピッチャーを助けることになると思っています。ファーストは、試合に出られる以上はチャンスだと思って挑戦しましたが、打球がすごく速くて内野手は大変だなと感じました。今からいろいろな練習をしなきゃいけないと思っています」

 1年目のオフから、CSでMVPに輝いた左の好打者、ソフトバンク中村晃外野手の自主トレに参加している。面識はなく、ともに練習するのは栗原陵矢捕手や釜元豪外野手などソフトバンクの選手ばかりだが、その打撃技術を学ぶために飛び込んだ。

「すごく試合に貢献するバッターだなと見ていました。チームバッティングができて、バントもできて、派手なホームランも打てる。守備も外野だけでなく、ファーストも守る。自分もいろいろな引き出しのあるバッターになりたいと思いました」

今年1月の自主トレでは意識の高さに驚いた「なるべく細かく聞くように」

 今年1月の自主トレでは、一軒家を借りて選手全員とともに栄養士も共同生活をしながら食事も管理された。その環境の素晴らしさに驚くとともに、意識の高さを感じた。

「打ち込む量もただ多いだけでなく、考えながら目的をもって取り組んでいます。口には出しませんが、引っ張ったり、逆方向だったり、飛距離を意識したり、さまざまな場面を想定しながら淡々と打っているので、それを見てバットコントロールを学んでいます。わからないことがあったら、なるべく細かく聞くようにしています」

 自主トレを共にする栗原は、日本シリーズMVPに輝くなど今季ブレークを果たしたが、最初に見た時から一目置く存在だったという。

「当てにいったりせず、空振りになっても自分のスイングをしっかりする。飛距離もあるし、なおかつ勝負強い。こんな選手がホークスじゃ試合に出られないのかと思っていました。今年活躍してすごいなと思います。年下ですけど、盗むところはたくさんあります」

 来年1月の自主トレも、中村晃のもとで更に磨きをかける。ロッテの外野手は藤原恭大の台頭もありレギュラー争いは熾烈を極めるが、定位置奪取のためアピールを続けていくことを決意する。

「開幕2軍スタートだったので、来年は開幕を1軍で迎え、ずっと1軍にいられるようにしたい。今年は打ち損ねた球が多かった。そこを改善して、たくさん試合に出られるように、自分のポジションをしっかり確立できるようにしたいです」

 ライバル球団の選手を受け入れてくれた“師匠”への恩返しは「僕が活躍すること」だと話す。4年目の来季はレギュラーの座を確固たるものにし、チームをけん引する働きを見せることを誓う。

(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)

(フルカウント)

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≪2020/12/28≫

ロッテ・サントス、和田とフローレスに続け!BC富山→ロッテ育成→支配下

サントスが入団

 ロッテは27日、BCリーグ・富山でプレーしていたサンディ・サントス選手と育成契約での入団が決まったと発表した。

 サントスは94年生まれの26歳で、右投げ右打ちの外野手。富山でプレーした今季、38試合に出場して、打率.396(140-44)、11本塁打、46打点の成績を残した。規定打席には届かなかったが、本塁打はリーグ5位、打点はリーグ6位だった。また、投手としても3試合に登板している。

 サントスは球団を通じて「プロ野球選手として新たな機会と、私を信じて頂いた千葉ロッテマリーンズにとても感謝しております。私の目標は、来シーズンのチームの勝利に貢献できるように、オフシーズンは一生懸命練習を重ね、さらに成長して日本に戻ってくることです。宜しくお願いします」と決意を述べた。


フローレス、和田もBC富山出身

 過去にBC富山からマリーンズへ育成選手として契約を結んだ外国人選手でいえば、フローレスもその一人。昨年はBCリーグの富山でプレーし、「日本の文化などを学びました」と、22試合に登板し、130回2/3を投げて、9勝7敗、防御率2.00の成績を残した。

 昨年10月にZOZOマリンスタジアムで行われた入団テストを受験し、育成選手として入団。フローレスは入団した当時の年齢が30歳。育成契約初年度が26歳以上の外国人選手は、支配下登録選手になる場合、3月末までにならなければならないという決まりの中、春季教育リーグ、二軍練習試合で12イニングを投げて無失点に抑えるなど好投し、3月31日というギリギリのタイミングで、支配下登録選手となった。

 日本人選手でも、和田康士朗が17年育成ドラフト1位でマリーンズに入団を果たしている。和田はプロ1年目の18年から武器である“足”を生かすために、走塁技術、盗塁技術を磨いた。今年2、3月の練習試合、オープン戦で存在感を発揮し、シーズン開幕前の6月に支配下選手登録を勝ち取った。

 サントスも支配下選手登録を掴むためにも、春季キャンプ、練習試合から“結果”でアピールしていく必要がある。ロッテの外野陣を見渡すと、荻野貴司、マーティン、清田育宏、角中勝也、福田秀平、菅野剛士、藤原恭大、和田など層が厚い。その一方で、マリーンズのチーム事情でいえば、“長打”の打てる右打者が少ない。今季富山で38試合・11本塁打を放った“長打力”を披露することができれば、十分にチャンスがあるといえるだろう。

 サントスは、フローレス、和田のようにBC富山→ロッテ育成→支配下選手登録を掴むことができるか注目だ。

▼BC富山からロッテに入団した主な選手
ペゲーロ(18年〜18年途)
和田康士朗(18年〜)※20年6月1日に支配下選手登録
フローレス(20年〜)※20年3月31日に支配下選手登録

文=岩下雄太

(ベースボールキング)

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≪2020/12/29≫

【千葉魂】苦しい時鼓舞できる主将に 中村奨がチーム引っ張る

 ZOZOマリンスタジアムでの秋季練習最終日となった11月29日、中村奨吾内野手は監督室にいた。その場で井口資仁監督から主将に任命された。部屋に入るや「奨吾にキャプテンをやってもらいたいと思っている」と切り出されると「ハイ、わかりました。頑張ります」と即答した。

 「監督からはこれまでも『リーダーになれ』と言われてきましたので驚きはありませんでした。ただ今まで以上に周りを見ながら自覚と責任感を持ってチームを引っ張りたいと思っています」

 主将に指名された中村奨はその時のことをそのように振り返った。周囲からはクールに見られがちな男だが、誰よりもチームを考える熱い男だ。井口監督が就任した2018年。試合中に誰よりも声を出し、喉が枯れて声が出なくなってしまった時期もあった。「あれから、さすがにあそこまで声を出すことはなくなったけどベンチでも守っている時も声を出したり、ピンチの時などにピッチャーに声を掛けることは意識している」と中村奨。

 今季は無観客試合などで、グラウンドの音が聞こえやすかったため、多くの人が知ることになるが背番号「8」は定位置から実に頻繁にマウンドの投手に声を掛けている。

 「キャプテンマークがユニホームに付くとかはあるけど、やることは基本的に変わらないとは思っている。ただチームが苦しい時にこそ自分がやらないといけないという想(おも)いは強く持っている」

   □     ■     □

 中村奨には20年シーズンの悔しさが残っている。10月中旬まではホークスとデッドヒートを繰り返しながらも、最後にイッキに突き放された。終わってみれば14ゲーム差をつけられての2位。悔やまれるのはチームとして苦しんだ10月。中村奨自身も打撃で結果が伴わず、もがき苦しんだ。そんな誰もが苦しい時にこそ、チームを鼓舞し引っ張れるリーダーでありたい。中村奨が理想とするキャプテン像だ。

 17年を最後に3年間、空白だった主将の座。あえてキャプテン制をしかずに全員がチームを引っ張るという気持ちを持ち、束になって戦うための意識付けの期間は終わった。21年は作り上げた束の大きさを太く強くする時。そのためには確固たる芯が必要だ。チーム愛にあふれ、自己犠牲をいとわず、28歳と脂がのっている中村奨がこの条件にピッタリと当てはまる。

 「どんな時もみんなで気持ちを一つにしてリーグ優勝をしたい。今年、つかみ切れなかった夢を来年こそはみんなでつかみ取りたい。そのために自分にできることは何かを常に考えて、率先して声を出して、声を掛けていくことができればと思う」(中村奨)

   □     ■     □

 激動の20年は終わる。そして、すぐに21年は始まる。新たな年は若き新主将がマリーンズを引っ張る。そして必ずやつかみ取る。1974年以来となる勝率1位でのリーグ優勝を。昨今、暗い話題の多い世の中にあって背番号「8」を中心としたマリーンズが明るい話題を振りまく時だ。

(千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)

(千葉日報)

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≪2020/12/29≫

ロッテ今岡新ヘッド「いい凡打で貢献」インタビュー

井口体制4年目のVへ。ロッテの新ヘッドコーチに就任した今岡真訪氏(46)がインタビューに応じ、意気込みを語った。3年務めた2軍監督から配置転換された参謀役はチーム打撃の重要性を強調。個性を伸ばして有望株のレベルアップを期し、優勝、日本一に向けてサポートに徹する。【取材・構成=酒井俊作】

  ◇   ◇   ◇

-2軍監督からヘッドコーチへ。役割は大きく違う

今岡ヘッドコーチ(以下今岡) ロッテは1974年以来、レギュラーシーズン優勝がありません(※)。マネジメントの重要性を感じています。2軍は育成が中心でしたが、これからは1軍メンバーの見極めも大切です。主力から1、2軍を行き来する選手まで、それぞれ長所があって役割がある。いかに個性を引き出せるかですね。

-井口監督とは同い年で野球観を共有する。どう指導していくのか

今岡 本塁打王、首位打者、打点王、盗塁王などのタイトルホルダーが出ても、チームが優勝しないと価値は薄れます。極端に言えば、全員が打率2割6、7分でも優勝する。これがコーチの腕の見せどころです。勝つためにすべきことを徹底して指導することが大切です。優勝して結果的にタイトルを取る選手が出れば、理想の形だと思います。

-チーム打率2割3分5厘は両リーグワースト。打力の向上は来季の課題だ

今岡 悲観していません。たとえ、凡打でも走者を1つでも先の塁に進める。凡打でも1点を取る。この意識を徹底すれば、いい凡打になります。ゲームで4打数1安打なら、1本のヒットよりも、凡打した3本がどのような内容か。それとエンドラン、バントのサインの遂行能力を高めること。この確率を上げれば、おのずと打率はついてくると考えています。

-安田は今季、打率2割2分1厘だが4番で87試合先発。将来の期待株だ

今岡 4番を打たせてもらった形です。でも、彼は自分が本塁打や安打を打って勝つことも大事だけど、チームが勝つために、どういう凡打を打てば貢献できるかを大いに学んだと思います。何より、優勝争いするチームの4番は考えることが違う。すごく野球を「勉強」したのではないかと思います。これを来年に生かしてほしいですね。

-藤原は今季、2軍戦でリーグ2番目に多い75三振だったが1軍で好結果も出した。打撃は進境著しい

今岡 いくら三振しても、私も打撃コーチも、技術を含めて一切、何かを言ったことはありません。先頭打者なら「ホームラン打ってこい!」でいい。でも、走者三塁で、相手の内野が下がって、ゴロを転がせば1点の状況で、三振したらダメだという教育をしています。試合のなかでメリハリをつけるということ。個性を消さずに、試合で勝つためにすべきことを徹底させる。藤原は打撃で注目されましたが、守備走塁の意識が去年と全然違い、ものすごく成長しています。とにかく、選手個々が持つ能力を最大限、引き出して勝つことですね。

(※)05年はリーグ2位からプレーオフに勝ってリーグ優勝

◆今岡真訪(いまおか・まこと)本名・誠。1974年(昭49)9月11日、兵庫県生まれ。PL学園から東洋大を経て、96年ドラフト1位で阪神入団。強打の内野手として頭角を現す。03年3割4分で首位打者。05年打点王となった際の年間147打点はプロ野球3位、球団1位。10年ロッテに移籍し12年引退。通算1309試合、1284安打、594打点、122本塁打、打率2割7分9厘。現役時代は185センチ、83キロ。右投げ右打ち。16~17年は阪神で2軍打撃兼野手総合コーチ、18年から今季までロッテで2軍監督を務めた。

(日刊)

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≪2020/12/29≫

レッズ・秋山翔吾、ロッテ・沢村拓一、中日・大野雄大の黄金88年生まれトリオ「ちょっと華が足りない」座談会

 1988年度生まれのレッズ・秋山翔吾外野手、ロッテ・沢村拓一投手、中日・大野雄大投手の32歳トリオが28日、スペシャル座談会を行った。巨人・坂本、ヤンキース・田中、ツインズ・前田、ソフトバンク・柳田ら黄金世代となっている88年度生まれ。大卒でプロ入りし今年大きな決断をした3人が転機の裏側や将来について語りまくった。

 ―3人で集まってみて。

 秋山(以下、秋)「ちょっと華は足りないですよね」

 大野雄(以下、大)「面白い3人やな」

 ―普段から仲はいい?

 秋「食事に行ったりして野球の話もします」

 沢村(以下、沢)「翔吾、アメリカどうだった? とか、雄大は今年どんな心境で投げていたのとか。野球の話ばっかりですね」

 大「(他球団選手との食事は)あまり良くないことかもしれないですけど、特別な関係なので、アドバイスを聞いたりという時間を大切にしています」

 ―88年世代は日米で球界を引っ張っている。

 沢「光栄じゃない?」

 秋「ありがたい。そこに名前が挙がるように頑張りたいと思っていましたね」

 ―大野は今季、沢村賞を受賞。オフには国内FA権を行使せず残留を決断した。

 沢「雄大は移籍するんじゃないかと思っていた。個人的にね」

 大「する可能性もあったよ、ホンマに。せっかく取った権利だし。プロ野球選手は他の球団の評価を聞いてみたいというのはあると思うし、自分もそうだった。でもドラゴンズがいい内容を出してくれたので、何の迷いもなく決めましたね」

 秋「パ・リーグでやってみたいとかなかったの?」

 大「パは通用せんと思うな。バッターがごつすぎる」

 秋「でも拓一は巨人からパに移籍して、セとパのバッターの違いは感じる?」

 沢「振ってくるよね。振った中で調整してくる」

 秋「振ってくる方が嫌?」

 沢「振ってくる方がオレは楽しい。3ボール1ストライクからエンドランとか、セはやるじゃん? (パは)2ボールからでも振ってくる」

 秋「バッティングカウントは基本振るイメージかな」

 沢「2ボールからレフトフライとか打ってくれると、クソラッキーと思う。ちょっとボール気味だったし、とかもあるし」

 大「右打ちとか、あんませえへんよな。意識の中ではあるかもしれないけど、ベンチの意図としてあまりない」

 ―秋山は今季レッズに移籍。沢村も海外FA権を行使し、メジャー移籍も視野に入れている。

 大「まだアメリカに挑戦したいという気持ちも少しはあって。行く時に不安はなかった?」

 秋「不安の方が圧倒的に多かった。今の環境を捨ててまで、家族も含めて行くのはどうなのかなと。家族の協力もあって、今やっているチャレンジは、自分の人生のプラスになるなと思った。いい決断になっているんじゃないかな」

 大「参考になりました」

 沢「秋(秋山)、雄大、健太やいろんな人に相談する中で、誰一人として『行かない方がいい』という人はいなかった。上原さん、阿部慎之助さん、内海さん、山口さん、自分が今までお世話になってきた方にも『行かない方がいい』という否定的なことは一切言われなかった。『行って活躍している姿を見たいよ』って言われて、勝負してみたいなと言う気持ちが本格的に出てきた」

 大「今の2人の話を聞いて、ちょっと挑戦したいと思ったな」

 ―来季は33歳になり、ベテランの域に達する。

 沢「何歳までやるつもり?」

 大「88年世代の中で最後までは無理やから(残り)4、5番目くらいまで」

 秋「最後の一人にはなりたくないの?」

 大「それはおこがましい」

 秋「おれは45までやりたい」

 大「おー! すごいね」

 秋「去年、代理人に目標を聞かれて『45歳までやりたい』と言ったら『アメージング、アメージング』の嵐ですよ。同級生が引退している中で、一人だけ残って花束を全員からもらいたい。『おまえが最後だったか』みたいな。拓一は?」

 沢「ない、全く。結婚して子供から花束もらいたいなというくらい。歩けるとなったら3歳くらいじゃん? あと5~6年は必要か…」

 ―来季へ向けて、3人で何か約束を。

 沢「シーズン中に僕の映像とかを見て、気づいたことを言ってほしい」

 大「来年末も楽しく食事会をしましょうというくらいですね、いい顔して」

 秋「88年組のイベントを企画したりとか。集まったらモチベーション上がると思うし、長くやりたいと思う選手もいると思うので。それを発案してくれます?」

 沢、大「うん…」

 秋「賛同はする?」

 沢、大「うん」

 秋「『いいね』が欲しいんじゃないんだよ。でもそういう話がもうちょっとできればいいな」

 ◆沢村 拓一(さわむら・ひろかず)1988年4月3日、栃木市生まれ。32歳。佐野日大高、中大を経て2010年ドラフト1位で巨人入団。今年9月にロッテに移籍し、今季は計35登板で1勝3敗1セーブ、防御率3.41。通算352登板で48勝52敗75セーブ、防御率2.77。11年新人王、16年最多セーブ。184センチ、102キロ。右投右打。

 ◆秋山 翔吾(あきやま・しょうご)1988年4月16日、神奈川・横須賀市生まれ。32歳。横浜創学館高、八戸大を経て2010年ドラフト3位で西武入団。日本通算1207試合で1405安打、116本塁打、打率3割1厘。首位打者1度、最多安打4度など。20年からレッズに移籍。今季は54試合に出場し打率2割4分5厘。184センチ、85キロ。右投左打。

 ◆大野 雄大(おおの・ゆうだい)1988年9月26日、京都市生まれ。32歳。京都外大西高、佛教大を経て2010年ドラフト1位で中日入団。今季は10完投を記録するなど11勝6敗、防御率1.82で沢村賞受賞。通算182登板で69勝67敗、防御率3.12。19、20年に最優秀防御率、20年最多奪三振。183センチ、83キロ。左投左打。

(報知)

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