MZの手下の日記

なんということもなく、このたび、日記を開設しました。昔の文章のいくつかも、すこし手を入れて移しています。

災害の話

2020-09-14 19:23:49 | 徒然なるままに
はじめに、これまでのさまざまな災害で命を落とされた方々に、心からお悔やみ申し上げます。また、さまざまな災害により、今なお、あるいはかつて、困難な生活を強いられている方々にお見舞いを申し上げます。

2020年の9月のある日、東御の湯ノ丸高原から、鹿沢温泉、新鹿沢温泉を通り、つまごいパノラマラインへ抜ける道を、車で走った。冬はスキー、6月ごろにはレンゲツツジの花が咲く、本来は素敵なコースである。鹿沢温泉、新鹿沢温泉のようなご機嫌な温泉もある。



湯ノ丸牧場を過ぎたあたりから、道は湯尻川沿いの谷筋を新鹿沢へ向かって下るのだが、ふと湯尻川を覘いてみると、土石流がもたらした堆積物によって川が埋められていることに気づいた。また、道路もところどころ崩落しており、山側には地滑りの跡もあり、ただならぬことがあったことが分かる。



昨年の10月は、「令和元年東日本台風」と名付けられた台風19号、アジア名:Hagibis (ハギビス)が長野を襲った。北陸新幹線の車両基地を水没させた台風である。湯ノ丸高原に着くと道端に「旧鹿沢~新鹿沢大型車通行止」の看板が置かれていた。一年近くたって、未だに復旧工事が行われているわけである。そして、多くの人々の努力にも関わらず、完工にはまだ間があるように思われる。



新鹿沢温泉の「鹿澤館」は、昭和の初めに建てられた老舗の温泉宿である。この台風による土石流によって、1階部分が埋め尽くされ、多くの人々の協力によって復旧を目指したが、このたび、元通りに直すことを断念し、解体を決めたとのことである。7月の半ばに、お別れ内覧会が行われたらしい。残念なことである。


台風とは、恐ろしいものである。大地震、大津波、火山噴火などの他の自然災害と比較しても、人間にとって、同じぐらい、いやそれ以上の脅威である。そういう大きな災害と比べると、台風は毎年来る。多い時には年に5回も6回も来る。そして一度の台風で、少なからぬ人が人が被害に会い、不幸な場合には命を落とすわけである。

https://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/typhoon/statistics/average/average.html

ともすると、我々は500年位に一度の大噴火、千年に一度の大津波という想定外の自然の驚異に恐怖を覚える。確かにそれも大事なことで、津波が来るかもと思えば、一目散に高台に逃げる必要がある。また、そういう災害に備える必要もある。しかし、近々千年の間に、被災した人々の延べ人数が最も多い災害は台風ではないだろうか?

そう考えると、治山治水の重要性が改めて感じられるのである。