しん健堂

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認知症の原因

2023-11-06 13:26:00 | 症例
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《慢性炎症が認知症を引き起こす》



認知症は脳の神経細胞が死んでしまって、脳が萎縮し、脳の働きが低下した状態です。原因となる病気によっていくつかタイプがありますが、最も多いのがアルツハイマー型の認知症です。

アルツハイマー型の認知症はその原因がアミロイドβと呼ばれるタンパク質だと考えられてきました。アミロイドβが脳内に溜まっていくと、周りの神経細胞が壊れて脳が萎縮していくと言われていました。

最近では、アミロイドβが本当の原因ではないのではないかと考えられるようになってきています。それは、アミロイドβが蓄積すれば必ず認知症を発症する訳ではないからです。アミロイドβが蓄積していても認知症にならない人もいます。




認知症の本当の原因として注目されているのは炎症です。脳内にアミロイドβが蓄積されると、弱い炎症が起こります。その炎症が長年続くことがアルツハイマー型の認知症の原因ではないかと考えられるようになってきています。

脳の神経細胞の数は、子どもの頃がピークでその後は加齢とともに減っていくのみと考えられていました。ところが最近の脳の研究では、いくつになって新しい神経細胞は生まれることがわかってきました。

海馬などの脳の特定領域には、神経幹細胞というものがあり、新たな神経細胞を生み出しています。これは「神経新生」と呼ばれています。年をとると脳は萎縮するだけでなく、新しい神経細胞も生み出しているのは嬉しい話です。

神経幹細胞のある海馬は、記憶や感情に関わる部分で、認知症やうつ病に深く関係しています。その部分で新しい神経細胞が生まれているというのは希望を感じます。ところが、脳内の慢性炎症は、この神経新生を邪魔してしまうこともわかってきました。

うつ病、歯周病、糖尿病の人は認知症になりやすいといったことが報告されています。これら全てのベースには慢性炎症があります。これらの病気による炎症が飛び火して認知症のリスクを高めていると考えられます。

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