ミセスローゼンの上人坂日記

湖の傾くほどに春北風


バレエの前後、鴨を詠みに湖岸周りで走る。ひと気の無いところに車を止めて、鴨達が風に吹き寄せられるのを見物する。雪の湖もロマンチックだが、氷が解けて水温む前の、この時期の湖の美しさが一番だ。句帳を開いて書いてたら、浮浪者のうごめく気配(NYに住んでるとよくあるのだが、公園に誰もいないと思って子供におやつあげてたら、すぐそこの藪の中に保護色みたいな浮浪者がしゃがんでるとか。)を感じて、はっと振り返ると、浮浪者みたいに、ぼろっぼろの鹿がこっちを見て切なそうな顔していた。子育て中なら、バッグに何かと入ってるのだが、あいにく今は飴しか入ってない。ごめんな鹿。
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