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ミセスローゼンの道後日記

塩トマトベルギービール24

下宿が暑くてこんな俳句しかできない。塩トマトをつまみにビール飲みながらテレビシリーズのトゥエンティーフォーを見ている、という句意。キーファーサザーランドが蓄膿症の人みたいな鼻にかかった声でささやきながらテロリストを拷問する。くだらんと思いつつ、次の一時間を見てしまう。そのせいで、大家のミスター留牛にリコメンドされて、エアコンを極力つけないようにして、夜も扇風機だけで寝てるのだが、毎晩誰かを拷問してる悪夢ばかり見てる。
二つのことを書きます。言っとくけどじまんじゃないです。
ひとつは、弓子がある州で行われるチェロコンクールの一次に残った。残ると信じてたけど、不安だった。めでたい。ファイナルは八月中。
もうひとつはロマンチックエピソード。先日、楼前先生と待ち合わせて外食をした。レストランウィークで、有名レストランが格安サービスをしてた。そういうことに抜け目ない先生が予約を取った。私は仕事帰りに、Tシャツとジーンズからブラウスとスカートに急いで着替えて、汗かいて21クラブまで歩いてった。この店は以前から気になってた。店の外に立ってる人形達が不気味で、何の店だろうといぶかしんでた。ついに中に入れるので嬉しかった、入り口までくると、ちょうど中から一人の老人が出てきて、私の顔をじっと見た。彼は、亡き恩師を外人にしたような赤ら顔で、(ユアンマクレガー主演のティムバートン映画)ビッグフィッシュの中で魚になる男性にも似て、ただの太ったおじいさんなのだけどどこか好感が持てる。彼は私に話しかけてきた。
彼「あなたはこれから食事をするのですか?」
私「はい。友人と待ち合わせしているのです」
彼「もしそのかたが来なかったら、私と食事してもらえませんか?」
私「彼はすでに来ています。遅れたことがないのです」
彼「それでもまんがいちということがあるので、ここで待っていてもいいですか?」
私「でもあなたはすでに夕飯を終わって出てこられたのでしょう?」
彼「あなたの顔を見たとたん、もう一度食べたくなりました」
こんな台詞普通いえるか?
で、頑固に待つという彼に、私はにこっとしてから、さっと中に入ってった。
すぐに執事がそばにきて、「楼前様がカクテルルームでお待ちです」と告げて、私を導いてった。それっきり、私は外を見ることはなかったが、心の中で彼のことを考えた。彼は十分くらい待って、たぶん煙草を吸って、それから軽い足取りでどこかのホテルに帰った。あるいは映画館にでも行った。体が二つあったら、彼と行きたかったなあ、と私はいっしゅん思い、それから食事に専念した。

コメント一覧

17ko
old man killer?
I'm popular with old men only in NY.
更紗
一次通過おめでとうございます♪ 頑張ってほしいですね。

ロマンチックエピソード・・面白く読みました。
十七子さんもご老人にもてるタイプでしょうか?
私も(自慢じゃないですが)学生時代、電車のなかでご老人に手を握られ「ありがとう」と言われたり、
養女にならんかとか、息子の嫁にとか、なぜかご老人にばかり声をかけられ・・・・同年代にはまったくもてない!!
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