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ミセスローゼンの道後日記

洗ひたてシイツのうへを蜘蛛逃ぐる

「綱渡り」」
ようやく店に慣れてきたなあ、という実感がわく。
キャッシャーなんて、いちばん苦手だった のが、最近は手が勝手に動いてる。ぞくっとするほどウィンクのうまいハンサムガイにはきっちり微笑み返し。ネイティブ客と世間話する余裕もたまにはある。
今夜はオレンジシャツの背の高い中年に、「ヘイ、君、踊ってるかい?」と話しかけられた。
えー??誰だだれだ?
待てよ。このきれいに伸びた背筋。あ、そうか、バレエ発表会の直前にヌレエフのDVD買った客だよ、彼もまたアマチュアダンサー、私とタメの1959年生れ。
「いやあのね、最近膝の靭帯痛めててさあ、踊れないんだよね。あなたはどう?」
「いやあ、奇遇。ぼくも足の故障でさあ、レッスンできないんだ。お互い年には勝てないよね。」
「やあねー。」
間一髪ですべてを思い出すスリル。

 「人生最恐の映画」
運命を分けたザイル、というドキュメンタリー映画を見た。ものすごおく怖かった。
(以下ねたばれ)
ペルーの難しい壁に挑んでた二人の登山家のち、一人が足を骨折。その瞬間に見せるもう一人の嫌あな顔。その無傷のほうが、ザイルを繰り出して少しずつ骨折したほうを下ろすのだが、骨折はずるずる滑って崖からぶら下がってしまう。骨折は這い上がろうと奮闘するができない。骨折を支える無傷は、結局ザイルを切って、自分だけ下山する。無傷は、自分が骨折を結果的に殺したと自覚してる。緊急避難、緊急避難、と心に唱えつつ、下るお山。骨折はでも死なず、クレバスにはまりこんで生き地獄を見る。骨折はしぶとく自力で脱出、飲まず食わず二日がかりでベースキャンプ付近まで這ってゆく。力尽きて倒れ、無傷の名を呼び続ける骨折。テントの中でその声を聞く無傷。
生還した二人がスタジオで、再現フィルムの前後に、交互に語りを勤める構成も凄い。

写真は、ブロンクス259丁目あたりを襲ったトルネードによってまっ二つに折られた大木。

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