ミセスローゼンの上人坂日記

雪解雫一滴朝の始まりぬ

後期ベートーベンの弦楽四重奏を聞く。ニックが子供の頃聞いていたという古いものを聞くと、ニックがこのような演奏を聞いて育ったチェリストだということがよくわかる。影響を受けたのは、ピアティゴルスキーとハイフェッツからだけじゃない。アマチュアビオリストのお父さんと一緒にコンサートへ行き、毎週金曜自宅で大人達と弦楽四重奏を弾いていたニッキー坊や。幼い頃覚えた技は一生の宝だ。
練習も必要だが、故人の名演奏を聞くことは、演奏者にとって食物と同じくらい大事な栄養だ。アウトプット(弾く)ばかりで、インプットし(聞か)ないと、魂が枯渇してしまう。オペラ、バレエ、映画、ボクシング、スキーレース、フリークライミング、相撲。好きなものをわくわく見聞きする時間は、全て血肉になる。練習ばかりしていると、いかにもよく練習しましたという音がする。スキーに行き、遊園地でデートすれば、遊んできた音がする。愛する人達が側にいれば、愛に満ちた音がする。浮気心が起これば、スリリングな官能的な音になる。人生ってそのまま音に出るのだ。
これって小説や俳句と同じだ。俳句ばかり作っていては、よい俳句はできない。故人の句集を読むこと、俳句以外の楽しみがあり、愛や友情や刺激のある日々を送ることがすごく大事だと思う。
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