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バス業界には、あまり表に出してはいけない事情や情報があります。その一つに「車内人身事故」というものがあり、バス関係のブロガーやyoutuberの方もあまり触れない内容に感じます。
「車内人身事故 (しゃないじんしんじこ)とは、公共交通機関の車内において、乗客が転倒したり車内設備に接触したりすることによって負傷する事故であり、交通事故の一種である。(Wikipedia参照)」
バス運転士は、発進や停止、旋回などで特に重力が掛かる動作には、非常に神経を使い運転を行います。
万一、車内で転倒等の車内事故が起こった場合は、直ぐに被害者の救護を行い救急車や警察、運行管理者に連絡をして事故処理を行うことになります。
当然、事故を起こしたバス運転士は、行政処分や民事処分、刑事処分を受け、一般ドライバーの人身事故と同じような事後の事故処理となります。
基本的に、走行中の車内でつり革を掴まず転倒た場合や、走行中に歩行した場合の転倒でも同じような対応になります。
そんなことから、新人バス運転士が車内人身事故を起こすと、心が折れて退職していくケースが多数存在します。
ベテランでも、発進の際の車内確認はしても走行中は気が気でないと云ったことが正直なところです。
では、何故かこの様な重要な内容が世の中に認知されていないのでしょうか?
それは、走行中の車両に直接ぶつかることに比べて、比較的安全に「当たり屋」行為ができる内容だからです。
「当たり屋」も走行中の車両に当たりに行くことは、安全面で相当なリスクを覚悟する必要があります。
ましてやバスのような大型車に飛び込むことは、先ず考えられないと思います
しかし、バスの中でわざと転倒することは上記に比べて、身の安全を保ちながら目的を達成することが可能になります。
そうすると、世の中に「当たり屋」行為が横行する可能性があり、その様な行為を拡散させないために、大元の車内人身事故の詳細の社会的認知についても、あやふやにしています。
もしも、バスの車内人身事故に関する「当たり屋」行為が横行した場合は、既存のバス運転士の半分は退職を考えると私は思います。
バス業界に入った後に事の重大性に気付いて、ビビったり退職を考える新人運転士が結構な数存在します。
実は、非常にデリケートで繊細な糸の上を渡っている様な気持ちで、バス運転士は運行していることをご理解いただきたいと思います。
さて、本日バス業界のタブーに私が触れたのかというと、今後予想される訪日外国人の今にも増した増加や経済混乱による人心の乱れについて、もう少し国も自治体も対策を考えてほしいと思ったからです。
特にバスや公共交通サービスに対する「当たり屋」行為などの迷惑行為に対するガイドラインを明確にすべき時期に来ていると感じます。
バス運転士が車内人身事故の充分な注意と注意喚起をしたにも関わらず、乗客が明らかにその指示を無視して起こった車内事故は、運行妨害行為になる可能性は今でもあります。
しかし、実際は往々にして運行妨害とはみなされず、車内人身事故として処理されバス運転士が泣くケースが殆どです。
無条件に「バスの中で転倒したから車内人身事故」という紋切り的な対応の場合、バス運転士はこれらの迷惑行為を行う人間の格好のターゲットになる可能性が高いです。
後手後手に対応しているとバス運転士の被害や人材不足が相当進む内容のため、是非とも、上記の迷惑行為などに対するガイドライン制定を早急に進めてほしいと切に願います。
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