薬丸岳の『Aではない君と』を読んだ。吉川英治文学新人賞受賞作。
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離婚した元妻と一緒に暮らしている中学生の息子が、クラスメイトを殺害したと警察がやってくる。息子は警察にも、弁護士にも、そして父親にも何も語らない。いったいなぜ彼は同級生を殺したのか・・・。
子供が殺人を犯した親の心境と子供との接し方を丹念に描く。中盤までは殺人の動機をめぐるお話しなのだが、終盤は殺人を犯した少年の成長と更生描く。犯罪者の子供を抱えて生きる父親と、犯罪を犯した少年の更生と社会復帰の難しさを描く問題作。なかなか深いおはなしで読み応えあり。
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