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目力で勝負する

2018年12月30日 | 教育
特別支援の必要な子に目線、目力は欠かせない

 言葉の理解がままならず、会話がなかなか成立しない場合などは、目からのメッセ
ージが相手とのコミュニケーションの入り口ともなるためである。以下、その使いわ
けについてあげる。

1 温かな包み込む目線

 温かな空気が必要である。授業の中で、厳しいメリハリは大切であるが、全体を心
地よく流していくために、目から発せられる温かな目線が欠かせない。授業に余裕が
ないと、たちまち消えてしまう。温かな空気が特別支援の必要な子の精神的な安定を
促す。

2 わずかに長く目線を止める

 授業を安定させることが特別支援の必要な子の安定、集中につながる。そのために
は、きちんと目線を止めて全員を見なければならない。全員を見ていても流し目では
何もしないと同じである。ほんの0.8秒にも満たないわずかでもぴたっと止めるこ
とで、自分を見ていると意識が持てる。 

 そして特別支援の必要な子には「ほんの少し長く止める」のである。知的な遅れが
ある場合、脳の伝達速度は通常の1・5倍かかるといわれる。そのことを意識して、
クラスの全員に目線を止めながら、特別支援の必要な子には、わずかに長く目線を止
めるのである。

3 最後は目力で勝負する

 特別支援学校での授業を考えた場合である。その活動では、子ども達の心をぐっと
惹きつけて進めていく必要がある。

 IQが40以下、50、高くて60の子ども達を対象とした場合、距離を置いた状
態では授業に子ども達がついてこない。子ども達の心をぐっと引き寄せて、心をわし
づかみにするくらいの気持ちで行って、初めで授業が成立する。ここが、IQ75以
上の子ども達を対象とした場合の授業と違う点である。 

 ただ、このやり方は、通常学級でそのまま行おうとすると、クラスがぐちゃぐちゃ
になる。私は3年間の研修交流で小学校に勤務したが、その1年目に子ども達の心に
ぐっと入る対応をしていくと、逆に私の方にどんどん子ども達は入り込み、全員に対
応することはとてもではないができなかった。通常の学級では距離が必要である。教
師が統率者であるという自覚が必要である。

 しかし、時には、子ども達に入り込む対応も必要である。クラスの特別支援の必要
な子も巻き込んで乗せなければならない授業の場面、もしくは場合である。

 そこでは「目力」が勝負となる。教師のテンションを上げ、「やってみようよ!」
「挑戦してみたい?」と思いっきりの笑顔で投げかける。その勢いと目力に引き寄せ
られ、一歩を踏み出す子も多い。

 通常のクラスでは全員に目線を送り、その上で、配慮が必要な子には特別な目線で
対応することが必要となってくる。 
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