プチ早期退職者の資産運用+αブログ

定期預金に励んだ母は老後にマンションを購入

 昔の父母の貯蓄感覚に絡んだネタです。今回は母の方で。


昭和時代は定期預金でも10年で2倍になった

 父は貯蓄とは無縁だったが母は将来に備えて少しは定期預金をしていた。昭和30~50年代は金利が高かったので、10年でだいたい2倍になるという感覚だった(そう言っていた)。定期預金以外はやってなかったし、考えもしなかったようだが、当時の庶民はそんなものだろう。

 ただ、生活に余裕はなかったので、金額的にはへそくり程度だったと思う。母はパートに出るようになって多少は貯められる額も増えたかもしれないが、子供の学費等が必要な間はこの先使うための貯金になっていたはずだ。私は大学院まで行かせてもらったが、大学院の時には育英会の奨学金で学費や小遣いを賄えていたので、ほとんど負担はかけずに済んだ。

 子供たちの独立後も母はパートを続けたので、貯まるペースが増えたと思う。さらに父の死後もパートを続け、貯金を続けていた。遺族年金も少しはあった。母の趣味は読書ぐらいで、古書店で安い中古本を買ったりしていたので、出費も少なかったと思う。


父の死後10年ほど経って母がマンションを買った

 出張のついで等でたまに実家に顔を出していたが、ある時、母が預金保険のことを聞いてきた。定期預金が1,000万円を超えたということだ。父の死後10年ほど経っていた。母は借家で一人暮らしを続けていたが、何かと古くて不便だし、一人暮らしには無駄に広い。多分、家賃が最大の出費だったろう。

 それで、私は「そんなに貯まっているなら、マンションでも買えば」と言った。その頃、家に帰る途中のターミナル駅の裏手では市主導で大規模な再開発が続けられていた。いくつもの大規模マンションが建ち並んでいたし、広告も目にしていた。私の頭にあったのはそのマンションのことで、価格も割安だと思っていた。私は、バブル期に自分のマンション投資用ワンルームを買ってしまったりしていて、不動産に関する知見も多少蓄えていた。

 母はマンション購入など考えたこともなかったようだが、すぐにその気になった。それで、後日、一緒にモデルルームを見に行き、一人暮らし+たまの来客(子供や孫)によさそうな2LDKの部屋を選んだ。場所も道路側ではなく、静かで景色のよい公園を見下す側を勧めた。しかも免震構造、バリアフリー仕様で老後には安心だった。デパートも10分とかからないし、大規模な大学病院はもっと近かった。

 減税も考慮して資金の一部は10年の住宅ローンを組むようにした。返済金額はそれまでの家賃と変わらないレベルだったし、いざとなれば私がカバーできる程度の額だった。明るい色の内装に大きな窓の新築マンション、買い物等も便利なので、母は喜んで新しい生活を満喫していた。


老後にマンションを買っても住める期間は限定される

  しかし、残念なことに、私から見れば健康管理の努力不足で、そこには10年ほどしか住めなかった。健康管理に注意しても数年ぐらいの差だったかもしれないし、本人が選んだことなのでいい悪いの話ではない。ただ、私が早期退職後にジョギングを始めたのは、母の健康管理不足を反面教師として意識していたからだ。

 転倒による骨折後のリハビリが順調にいけば老健からマンションに戻る予定だった。しかし、リハビリを頑張ることもなく年単位の時間が過ぎ、空き部屋のままズルズルと色んな固定費が引かれ続けることになってしまった。今は弟の子供が住み、固定費等は払ってくれている。便利なマンションだったので、無駄にはならなかった訳だ。


老後の賃貸住宅は難しい面もある

 ずっと住んできた賃貸住宅ならばそのまま住めると思うが、独居老人ともなると新規に賃貸住宅は借り難くなるだろう。貸す側が一番懸念するのは孤独死の問題であり、時間が経てば特殊清掃が必要になるし、その後の賃貸は不利になる。

 ずっと家賃を払えるかの問題もある。老夫婦の場合でも一人がなくなれば、年金額が下がって払えないこともあり得る。物価が上がって家賃を上げるべき状況となっても無理だという話もあり得る。そもそも賃貸を仲介(管理委託)する業者の方も嫌がったりする。

 また、賃貸契約は相続されるため、貸す側にとっては何かとやっかいな話になりかねない。

 これらの面でも老後に向けてマンション等を買うのは悪くない。


老後の引っ越しには別なメリットもある

 さらに言えば、老後に一度引っ越しをすると、不要な物がだいぶ整理できるというメリットがある。子育てしながら長い間一か所で暮らしてくれば、子供等が使っていた家具類、捨てがたい衣類など、何かと溜まってくる。老後に適した広さの住宅に引っ越すと、不要な家具や衣類などは捨てざるを得ず、一気に整理が進む。

 母の引っ越しの前に、私と弟で家具類の大型ゴミを搬出して捨てるのを手伝った。細々した物は母が自分で引っ越しまでの間に捨てていった。引っ越し後に使いもしなかった三面鏡など持っていってしまった物もあったが、それでも劇的に不用品は減った。

 老後の引っ越しは、終活の前段としても丁度よいのである。



 おまけの写真:プリムラ

 2月央に散歩の途中で花屋の前を通るとプリムラのポット苗を売っていた。鮮やかできれいだったし、1ポット180円と安かったので、赤と黄色の2色を買ってきて余っていたプランターに植えた。



 買ってすぐはとても寒かったので、花が霜で傷むかもしれないと思って夜は玄関に入れて置き、日中は外に出すようにしていた。2月末頃には少し暖かくなったので、それからは外に出しっぱなしだ。上の写真は3月1日に撮ったが、買った時点の花がまだ傷まずに咲いていた。花もちがいい。傷んできた花を先日摘んだが、下にはまだまだ蕾があったので、当分楽しめそうだ。

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