南大沢昆虫便り

八王子市南大沢より、昆虫に関する情報をお届けします。
昆虫の専門家ではないので、間違い等ありましたらご指摘ください。

道端観察の楽しさを教えてくれた人

2017-08-27 10:47:36 | お知らせ

 

今日は昆虫の話しではなく、今思っていることを少し長くなりますが書きたいと思います。

私は自然観察を初めて30年近くになります。最初は野鳥観察が主でしたが、スミレなどの野草から、今では昆虫、それも最初は蝶だったのが徐々に甲虫のカミキリやゾウムシにも幅を広げてきてしまいました。

これだけやっていると、それなりに知り合いもだんだんと増え、今ではどのくらいの人と出会って繋がっているのかもわからないくらいで、非常に複雑な相関図になってしまいました。

なぜ、こんなことを考えたり、書きたくなったかと言うと、私の人生で出会った人の中で、非常に大きな影響を与えてくれた花虫とおるさん(吉田富士男さん)が、とても残念なことに1週間ほど前に亡くなられてしまいました。びっくりすると同時に様々なことを思い出しました。関係する仲間の人たちも大きなショックだったということです。

花虫さんは、毎月のように開催する道端観察会や、13年に渡り毎年開催の里山クラブ作品展などで非常にお世話になりました。
また、以前写真撮影セミナーの講師もされて、撮影法の本(ウィークエンド・ナチュラリストのための撮影術入門 蝶の棲む世界)も出されているので、高速シンクロ撮影など自然写真撮影の事も数多く教えてもらえました。さらに植物や昆虫(特に蝶)に詳しく、これもいろいろと教えてもらいました。ホームページ「道端自然観察館」も早くから作られて、ほとんど毎日観察してその晩にはさっと更新してしまう早さと、その洒脱な文章や、写真には少なからず影響を受けました。
観察会では自分はあまり写真も撮らずに、次々と花や虫を見つけてくれる人でした。大勢の人とわいわいと、「大勢での観察会は眼が多いので沢山の発見がある。」と言いながら、本当に楽しい時間を過ごさせてくれました。
花虫さんのホームページ「道端自然観察館」に書かれているように、身近な道端自然観察の楽しさを十分に教えてもらいました。

それと同時に、花虫さんを通して観察会やグループ写真展で知り合いとなった方がたくさんおります。ざっと数えてみたら、50名を越えているのには驚きました。花虫さんの顔の広さでしょう。
この中には写真展を何度もされている方、写真集を出された方、全国規模の写真コンテストでグランプリをとられた方、昆虫の大型図鑑の編集をされた方等々、素晴らしい方々がたくさんいます。これらの人を通してさらに輪が広がりアマチュアカメラマンだけでなくプロの方とも知り合いになることもでき、さらに多くのことを学びました。

このことは自分にとって大きな財産となっています。
もし花虫さんと出会わなかったら、「自分の今の自然関係の知り合い中からこれらの人がすっぽりと抜け落ちてしまう。」と思うと愕然とします。
そして、花虫さんと知り合う経緯が、次のように、なにか偶然の重なりだった事も不思議な感じがします。


2004年2月7日、友人と2人でドライブしようと言うことになり、どこでもよかったのですが、たまたまベニマシコが見たいと言うことで早戸川林道へ出かけました。ベニマシコには出会えなかったけれど、良い枝に止まっているトビを撮影していると、隣から話しかけて来た人がいました。少しですが話しをして、何と大きな声で話す元気な人だろうと思っただけで、この時はお互いに名前を聞く事もなく別れました。この人が花虫とおるさんでした。


その晩、それぞれのホームページには、このトビの写真を載せたのですが、この出会いについてどちらも全く書かれていないくらい印象が少なかったみたいです。ところが数日後、思いがけず「早戸川林道で隣でトビを撮影した人ですか?」とメールが来ました。
なぜわかったのかと問い合わせると、お互いのホームページに同じようなトビの写真があるのを見つけた人が、花虫さんにメールをくれたとの事でした。
その方は、素晴らしいホームページの裏庭観察記というのを続けている方で、このメールを出してくれなかったら花虫さんとはたぶんその後も接触がなかったでしょう。本当に感謝です。


その後、町田の小野路図師の観察会に初めて参加して、それから次々と横浜方面の寺家、新治、舞岡、そして泉の森、平塚の土屋など素晴らしい観察地を教えてもらうことになりました。この中で、初めて撮影する植物や昆虫をどれだけ教えてもらったでしょうか。
また、グループ写真展を13回続けて開催してくれていますが、最初から参加させてもらい、この中で大伸ばしの写真の作り方について知った事がその後の自分に大変役立っています。
これは、2009年の新宿コニカミノルタプラザの写真展につながり、やがて長池公園ギャラリーでの2回の「身近な自然を楽しむ写真展」となりました。
これらの写真展には、いつも花虫さんは来てくれました。

まだまだ、書ききれない程の影響を花虫さんから得ていますが、本当に今は感謝の気持ちでいっぱいです。

観察会や写真展はまだ当分続くのだろうと思っていただけに残念です。
たぶん花虫さん自身が一番残念だったろうと思いますが、今はただご冥福を祈るのみです。

今日は、長文になりましたが、何か文章で残しておきたかったので、どうしようか迷いましたが、このブログに載せることにしました。


最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

 

 



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2 コメント

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Unknown (玉虫)
2017-08-27 12:21:23
ほんとうに素晴らしい人でした。私も大いなる影響を受けて写真を撮るようになりました。心からご冥福を祈ります。
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Unknown ()
2017-08-27 12:42:46
玉虫さんも、花虫さんの掲示板に書かれていましたが、やはりいろいろと教わり、お互いに影響は大きかったですね。
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