東方のあけぼの

政治、経済、外交、社会現象に付いての観察

ハイド委員長へのリトマス試験紙(6)

2006-09-21 09:08:20 | 靖国

ハイド委員長というのは思想的には共和党再右翼だってね。靖国神社の遊就館の展示も第二次大戦のアメリカの言い分に文句をつけているというので気に入らないわけだ。そのかれが民主党最左翼の人権主義者、中韓ロビーの影響下にあるエヴァンス議員などと共闘したわけだ。こういうのを野合というが、82歳ともなると節操も判断力も鈍るんだね。ハイド氏の政治経歴に大きな汚点を残すことになるだろう。

アメリカにとって東アジアはカリフォルニア、ハワイについで現在の最西部という位置づけである。ウエスタンの世界である。西部劇の世界である。そんなに単純でないって。単純なんだよ。間違いない。単純でなければ真理たりえないではないか。

カリフォルニアをスペインから強奪し、ハワイの王朝をアメリカ人のサトウキビ農園主の陰謀で転覆させて属領とした。ハワイの一件については日本もからんでいる。明治時代ハワイの王様は日本の明治維新を範として自国を近代化しようとして日本と親密な関係にあった。ハワイの王女を日本の皇室に嫁がせようとしていた。この女性はたしか有名なハワイアンを作曲した女性だ。

アメリカ人の農園主はハワイの王族一家を拘束し監禁した。ハワイとの親善関係から日本は海軍の艦隊をハワイに派遣した。このときの司令官が後の日露戦争で連合艦隊司令長官となった東郷平八郎である。びっくりしたアメリカはハワイ王室転覆の事後承認を日本に認めてもらうかわりに、日本の朝鮮半島政策を承認すると申し出たのである。

次にアメリカは米西戦争を仕掛けてスペインからフィリピンを奪う。最終目標は日本、中国大陸である。日本は日露戦争の前にイギリスと日英同盟を結ぶ。勿論ロシアの南下に対処することが目的であったが、アメリカも仮想敵国とみなされていた。当時の世界のスーパーパワーであったイギリスもアジアの植民地を守るためにはイギリスだけでは困難と判断した。日英同盟はイギリスが歴史上締結した唯一の軍事同盟である。

アメリカ人のメンタリティを探るには西部劇を見るのがよい。あるいは現代の西部劇ともいうべきハードボイルド小説がよい。お勧めはダシール・ハメットだ。ポイズン・シテイなんかがいいね。つまり目的地の実力者を競わせて共倒れを狙う。20世紀以来のアメリカのアジア政策は日本とシナに地域の覇権を競わせ、どちらが一方が優勢になると、反対側を支援して両者を消耗させる。

よく、民主党は中国より、共和党は日本よりなんていうが、基本的に両天秤をかける政策にはかわりがない。たしかにクリントンの時には経済問題で日本たたきが露骨だった。それに反して江沢民あたりとはきわめて親善であった。これは当時の世界情勢による。冷戦が崩壊してアメリカは日本を無条件で庇護する必要がなくなった。当時、1990年代初めはバブルがはじける前で日本経済は放っておくとアメリカを圧倒して世界に覇権を唱えるのではないかとアメリカは恐怖した。世界第一でなければならないアメリカは何が何でも日本を弱体化しなければならなかった。

クリントン、そして江沢民は大成功した。売国無策派閥竹下、橋本及びその末流政権のおかげである。ブッシュが出てきたのはその後だ。小泉首相は何が何でも反撃に出ざるを得なかった。多少マンガチックなパーフォーマンスもあったが、一応流れを変えることには成功したといえる。共和党にはハイド氏のような人もいる。その時々の世界情勢も影響する。ゆめゆめ御油断めさるなヨ、おのおのがた。


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