フランスぶらぶら滞在記

中年の元数学教師がフランスでフランス語を初歩から勉強するという悪戦苦闘日記。フランス人や多くの外国人との交流にも注目。

パリ第393日 日本人はまだ贅沢?

2009-08-31 04:37:56 | Weblog
         パリ第393日 日本人はまだ贅沢?

 昼頃まで寝ていたので今日の予定の洗濯はパスしてパリに出かけた。日本食品店「京子」恒例の15%引きバーゲンセールで買い物をするためだ。日本人客で混んでいたが、意外と子連れ客も多かった。近くの路上に車を停めけっこう多くのものを買い込んでいく。その中で、フランス人の旦那をアゴで使う日本人奥様の逞しい姿が目立った。子供の髪の色が、兄が真っ黒なのに弟はマロン色というようなこともあった。子供は小さくても、日本語・仏語ともに流暢に話す。うらやましい。
 僕は「ごはんですよ」と「味噌汁」および「レトルトカレー」を買って退散。なぜかそのまま北上し、quatre-septembreで地下鉄に乗った。あまり乗らない3番線だ。そのままオペラで8番線に乗り換え、Grenelle駅へと向かう。この駅前にある、ビストロ「le pierrot」でお昼を食べた。メロン+生ハムに、いつものデカ。これで、8.8ユーロは安いと思う。ギャルソンは、と言ってもおっちゃんだったが、やや無愛想だったが、僕にはいつものこと。別に気にもしない。ここで1時間以上家族連れなどを見ながらいろいろ考えた。
 フランスという国は、社会保障がしっかりしていることもあって、現在の日本よりは安心して生きられるのではないかということだ。税金を払っていない外国人の僕が言うのもおこがましいが、教育費のほとんどは無償。教科書だって返さなくてはいけないがタダ。医療費も原則タダである。
 日本人は外出する時の服装にもお金がかかっているし、車もピカピカ。フランス人はパリの真ん中でも、ジーンズにTシャツ。車はぼこぼこの上にとても汚い。洗車しているところを見たことはない。それよりも日曜大工に時間を費やす。ガソリン代と煙草代はこちらの方が高い。でも貧乏人は我慢すれば何とかなる。問題は食料費だ。安いスーパーへ行けば日本並みの値段で買えるが、きっと形の悪い野菜などは別ルートで手に入るのだろう。アラブ系の雑貨屋に行けば、賞味期限の怪しいものが安く売られていると思う。
 日本人の生活レベルはまだまだ高いのかなと感じるのはパリボケしているせいなのかね。

パリ第392日 生活、元に戻る

2009-08-30 03:17:34 | Weblog
パリ第392日 生活、元に戻る

 昨晩は、昼寝が夕方過ぎまで延びてしまったので、やや寝付けなかった。おかげで今朝は11時過ぎになってやっと起きられた。元の木阿弥である。それでも外出しないで、勉強をしている。というのも、和訳をワードで作成しているからだ。もちろんPCを図書館にまで持っていけばもっと能率は上がるのだろうけど、辞書類まで運ぶと大変な重さになってしまうから、まあ家でのろのろやっている。
 さて日本では明日から衆院選挙である。インフルエンザでも大騒ぎしている。おかげでテレビ局はウハウハだろうという不謹慎な話まで流れている。政治が話題になることは良いことだろうが、番組の中でしっかり踏み込んでいるところはどのくらいあるであろうか?有識者は、一般国民に向けたわかりやすい公約(学費支援や年金など)だけしていて、外交・安保などと云った欠かせない部分を詳しく説明しないと嘆いているのだが、的を得ていると思う。インフルエンザも国民が最も関心の高いところだから、取り上げることは悪いことではない。フランスでももちろん毎日のように流されている。ただ昨日・今日なんかは、テッド・ケネディ氏の死去のほうが大きく報道されている。日本人のほとんどがケネディ氏のことを知らないのでは?と心配になった。

パリ第391日 やっと人並みな生活!?

2009-08-29 00:38:23 | Weblog
パリ第391日 やっと人並みな生活!?

 久々に朝7時に起きた。寝たのが午前2時過ぎだったにも関わらずなぜか起きられた。朝食を、これも何ヶ月ぶりに摂って、朝のニュースを聞きながら勉強してから早めに学校へと向かった。午前9時ではあるがちょっとラッシュ気味である。10時には学校に着いたので、空き教室で勉強していた。様子を見に来てくれたSさんに、矢継ぎ早に質問を浴びせる。昨日どうやってもわからないところが続出していたので大変助かった。
 授業も数学の内容をかみ砕いて説明するところは、少し増しになってきているし、読みもスムーズになっているようだが、ただ文章の構造がつかみきれないところが多々ある。ポアンカレの文章は、言ってみれば漱石の文章のようなものらしいので、フランス人にとっても難しいらしいが・・。
 多くの反省点は残ったが、週末である。奮発して2日続けての金太郎である。今日もすごいお客さんの数であった。その後は図書館で勉強するもさすがに眠い。2時間ばかりやって今日は帰ることにした。また探索しながら帰ったら迷ってしまった。やはり近道は無さそうだ。
 ロッテルダムで世界柔道をやっている。日本選手の活躍はこちらではまったく流れない。フランス人の女子選手がー52kg級で金を取ったことが大きく新聞に出ていた。しかも決勝の相手はポルトガルの選手である。
 今から昼寝に入る。よく眠れそうである。

パリ第390日 無料新聞復活!

2009-08-28 02:42:07 | Weblog
パリ第390日 無料新聞復活!

 ヴァカンスも終わりに近づいたせいか、今日から無料新聞は復活した。今日は「Direct soir」だけだったけど、テレビの番組表と星占いだけは必ず見るようにしている。
 今日の授業もしっちゃかめっちゃかなところがあったのであまり進まなかったけれど、貯めに貯め込んでいた質問を少しずつ放射しているのでストレスは減ってきている。授業終了後、先生であるN君を誘って金太郎へ行った。二人とも「焼肉セット」。N君は和食レストランにはあまり行かないそうだ。なぜなら家で簡単に作れるからだというが、料理が好きだというのは凄いよね。彼には、僕が今置かれている厳しい状況を聞いてもらって、勉強に関してのアドヴァイスをいくつかいただいた。逆に彼の夢について聞かせてもらった。まだ職業についてそれほど焦って決めようとしないのがフランス人らしいと思った。ただ、日本に行ってみたいという希望はあるのだが、漢字などに問題を抱えているため、日本人の学生とまったく同じ授業を受けるのが無理だという。話すのはまったく日本人と同じだけ話せるのに不思議である。日本では講義をすべて英語で行ってくれる大学があるのか?建前では立命館大学などでやっていると聞いているが、現実問題としては、大学の教官も学生にも多くの問題があると思う。ましてや仏語では無理だね。
 食後学校に戻り、空き教室なので午後6時までたっぷり勉強できた。これから図書館が休みの日はこの作戦がいい。昨晩4時間の睡眠だったので、30分昼寝してしまったが、とても気分爽快になり、その後集中力が落ちなかった。
 エースマートに行ってお米を買って帰る。久々のアメリカ産コシヒカリである。明日からのご飯が楽しみだ。通勤ラッシュも始まっていた。かろうじて途中で座れたので良かった。

パリ第389日 救世主届く!

2009-08-27 02:53:46 | Weblog
パリ第389日 救世主届く!

 あんまり喜んでいてもいけないのだが、期待していたものが届いた。先日パリ見物をお世話した方から、「科学と仮説」の邦訳版が郵送されてきた。早いね。1週間+αくらいだと思う。
 今日から授業が再開されたが、まず読みでかなり躓いた。自分としては上手く読んでいると思うのだが、リエゾンが出来ずに何度も注意された。その後、お手本の読みをしていただいて、かなり反省しなければならなかった。リズム感の悪さと文章の文法構造が頭に入っていないのがまるわかりという2点だ。う~ん。こんなんでいいのかな?
 おかげで解釈になっても、基本的な文法事項の質問に終始してあっという間に時間が終わってしまった。やはり2週間の休みは大きかった。かなり戻ってしまったが、戻るのも速かった気がする。また明日から頑張らなくては・・。
 さてDVDを返却に行き、先日A子ちゃんと食べに行った寿司屋で昼食。けっこう安かった。ただ昼時はどうしても慌しい。時間があったらディナーを食べてみたいものだけど、今の財政状況では厳しいかも・・。
 図書館での勉強もまずまず順調。どうして図書館だと出来るのに、我が家だとだれてしまうのだろうか?意志の弱さは昔からである。高校3年生の夏休みから、図書館での勉強が板についた気がするが、おかげで自宅で頑張れない。予備校時代は、寮の部屋での勉強量は平均2時間を切っていたから、以下に外で勉強していたかよくわかる。だから図書館の休みの日が恐ろしかった。
 このアントニーの図書館もやっとヴァカンスから帰ってきたらしく、けっこう大勢の人が復活してきている。可愛い子もいるのだけど、みんな真面目に勉強しているから、なかなか話す機会は無い。とても残念である。
 昨日のユニセフの女の子が今日はいなかった。曜日制のアルバイト(ヴォランティア)なのかね?

パリ第388日 リュクサンブール公園

2009-08-26 03:46:33 | Weblog
パリ第388日 リュクサンブール公園

 今日からまた仏語個人授業が開始されるはずだった。校長先生は今週一杯ヴァカンスなので、代わりに息子さんが教えに来てくれるはずだった。ところが時間になっても現れない。フランス人の若い女性講師2人しかいなかったので、その内ジュリエットに頼んで、電話をしてもらった。校長の長男で学校の社長をしている息子さんの方がつかまったが、どうも明日から授業をやるように伝わっているようで、納得して今日は引き上げることにした。
 JUNK堂に行って雑誌などを買い、リュクサンブール公園へと向かう。“Luxembourg”と書くので、実は「ルクセンブルグ」とも読める。これは英語もしくはドイツ語読みだけど・・。
 初めてパリを訪れた2000年のクリスマスの日。僕はこの公園の目の前まで来て、入らずに目の前のキャフェで紅茶を飲んで引き返した。クリスマスなので閉まっていると勘違いしたのだ。この公園は年中無休らしい。ただし夜間はもちろん閉める。
 本を読みながらしばらく日光浴していた。ここは観光客もいるが、それほど多くない。次はカメラを持ってきて写真を撮ってみよう。朝雲行きが怪しかったが、雨は降らず何とか曇り時々晴れという状態を保っている。
 図書館の開館時間にちょうど着けるよう、電車に乗り、いつものケバヴ屋で昼食。5ユーロは有難い。

さて2時直前に平らげて店を出て、アントニーの駅前まで足を進めた時のことである。
 突然10mくらい前にいた、ブルーのTシャツの美女が僕に向かってまっすぐ歩いてきた。
しかも豊かな胸を揺らしながら・・。そして早口で、「あなたはユニセフの活動を知ってる?時間があるなら今から説明してあげるけど?」とまくしたてる。僕が簡単に断ることを未然に防ごうというテクニックだろう。僕だってこんな可愛い子ともう少し話していたかったが、金は無いし、なにせせっかく説明してくれても理解できない。もちろんユニセフの活動については説明されるまでもなくよく知っている。日本にいるときは、ユニセフと国境無き医師団の両方にわずかなお金ではあるが振り込んできた。残念ではあるが、「まだ仏語を勉強して2年しか経ってないので、よくわからないんだよ。」と彼女の胸に向かって話しかけた。ちょっと変な顔をしながら、「そうね。それならまた今度ね。」とあっさり引き下がってくれた。「えっ!?引き下がっちゃうの?」と予想外の撤退に逆に驚いてしまった。

 今日授業は無くなってしまったが、4日ぶりに外出し、予想外に多くの人と仏語で会話をして、元気になった。おかげでこの後図書館での勉強も捗った。銀行から預金が下ろせたのも大きいかな。

パリ第387日 オジヤ

2009-08-25 05:04:49 | Weblog
          パリ第387日 オジヤ

 明日からまた学校に通い出すが、この約8日は本当にだれてしまった。最初の4日間は少し勉強していたものの、後半4日間はやる気が出ず、プレッシャーにも負けてしまった。おかげで掃除・洗濯もやれず、買い物にすら出ていない。
 従って今日はラーメンとその残り汁を使ったオジヤと相成った。しかもここ数日1日1食だったので、よほど腹が空いていたのだろう。ラーメン1杯のあとこのオジヤをどんぶり3杯も食べてしまった。
 世界陸上が一昨日終わった。女子マラソンも見ず仕舞い。男子100m×4リレーは後から録画で見た。ボルトが3走だということに気がつかず、予選も出ていなかったから決勝もパスしたんだと思ってしまった。ボルトは意外といいやつらしい。走るのが速いヤツにコンプレックスがあるので、ボルトのことを生意気な小僧だと感じていた。彼の性格は知らないが、パフォーマンスを見る限り、謙虚さを持たないやんちゃな子供だと思う。
 
 さて日本に里帰りしている「こえり」さんからコメントをいただいた。どうも9月からのパリ引っ越しに暗雲がたれ込めているというのだ。どうも旦那の転勤先が今になって不確定になったらしい。フランスのヴァカンス天国はいいことだが、行政手続きが一斉にストップしてしまうのには慣れていないと大変なことになる。こりえさん自身も大きなお腹を抱えて心配しているが、ご主人はいたって楽天的のようだ。まあそうでもしないとやっていられないくらいの状態なのだが、ますますこのこりえご主人に会って話がしたくなってきた。

パリ第386日 掃除当番

2009-08-24 19:44:03 | Weblog
パリ第386日 掃除当番

 ふいに思い出した。掃除当番指導のことである。教員になって10年目くらいから急に生徒が掃除できなくなった気がする。
 特にそのころは平成5年あたりだったのだが、進学校に転勤して、僕は副担としてついたクラスで下駄箱の掃除指導をすることになった。その時の生徒はまずまずやってくれたのだが、やはり時々さぼる生徒が出た。
 そして翌年新入生のクラス担任になってびっくりした。掃除をしないというよりも、指示して上げないと掃除が出来ないのだ。小中学校ともう9年近く掃除をしてきているはずなのに、なぜだかまったくわからない。僕たち自身が高校生の時は、掃除を真面目にやるのは格好悪いというイメージがあった。大人びた考えをして、清掃用職員を雇えば良いと言い出す友達もいたくらいだ。でも現実的には掃除をさぼれば、先生から叱られることよりも、同じ班のメンバーに迷惑をかけることになることは誰もがわかっていた。しかし高校3年生の時に、僕の記憶が正しければ、同じ班のM君は1度も掃除に来なかった。3年生という事もあって、先生も特に監督をすることなく、任せきってくれていたせいでもあったが、今でも解せない。彼は掃除当番があるということ自体知らなかったかもしれない。
 それはともかく、まず班分けが大切である。必ず男女混合に、しかもできるだけ同じ男女比になるよう班分けをし、班長を決めた。そして掃除を進めるマニュアルを簡単にメモ書きしたものを全員に配って、掃除監督の教員がいない場合でも出来るようにした。もちろん出張でもない限りは掃除監督をするのだが・・・。とにかく驚いたのは自分が担当したこと以外はしない生徒が多いことである。「私ははくだけ。」「私は机を運ぶだけ。」「僕はゴミ捨て。」といった具合で協力しながら掃除をするという雰囲気はさらさらない。
 もちろん昔はそんなに細かな分担を決めなくても、必ずしっかりした子を中心としてみんなで助け合って掃除していたと思う。それがほとんどできないのだ。
 平気で掃除をさぼる生徒もいる。最初は説教だけにとどめていたが、なかなか効果が上がらなかったので、罰掃除を課すようにした。さぼった翌日1人で掃除をさせるのだ。もちろん僕がつきっきりで監督というより手伝うのだが・・。確かにその時は自分一人しかいないということから一所懸命取り組んでくれる。だが慣れてくると、掃除をさぼらなかった生徒が、翌日は何も指示していないのに、勝手に帰ってしまうという変な習慣が根付いてしまった。だから「さぼった生徒が他の生徒に謝る」ということがもうできていないんだと思う。時にはそのセッティングまで教員側でして上げたが、それも効果がなかった。
 東京で数学教育の学会が合った時に、有名な中高一貫校の先生と話をした時のことである。
 「わたしのところにあなたの後輩(T大理学部数学科出身)が入ってきたけど、困ってるのよねえ。」
「何すか?」
「掃除監督がまったくできないのよ。掃除の時間に生徒と接触すること自体逃げていて、掃除場所に行こうともしないの。」
 「ふ~ん。それは後輩がご迷惑をおかけします。きっとそいつは数学を教えることの中に、掃除を教えることが入ってないんすよ。そういうヤツは多かったからね。」
てな具合で謝ったのだが、その先生はほとほと困り果てていた様子だった。自分が学生時代、あまり真面目にやらず、掃除を生徒にきちんとやらせる重要性が理解できなければ、そうなってしまうのかなあと妙に納得してしまった。小中の先生方はますます大変である。

パリ第385日 世界陸上雑感

2009-08-23 03:13:53 | Weblog
         パリ第385日 世界陸上雑感

 今日もテレビをつけながら、勉強している。あまり能率が上がらない。気がついたら男子マラソンが終わっていた。佐藤選手が6位、マラソンの団体で日本が3位に入った。こちらではフランス2の放送だから、当然のごとくフランス勢の活躍をクローズアップしている。だがフランス勢の活躍は日本と同じくらいなので、ユニフォームも可愛らしく見える。やはりアメリカやジャマイカのユニフォームは格好良くないが、強いから輝いている。フランスのユニフォームは、いわゆるトリコロールである。ただ真ん中の白が90%以上で両側に赤と青が少し添えられている。ただシンプルなデザインながらとてもかっこいい(フランス語だとシュウェット)。
 こちらの放送で面白いのは視聴者参加の工夫である。一般の人が、例えば100m男子決勝の実況中継をビデオ録画して、それをパリのスタジオで流すのだ。時には小学生くらいの女の子がボルトの走りに中継を入れるのだが、玄人はだしで面白いようだ。なぜなら僕にはとても早くて何を言っているかよくわからないからだ。走っている選手名と国名がほとんどだから聞き取れないはずがないのだが、これがまた難しい。やっとフランス語で「ベルラン」(ベルリンのこと)という発音に慣れてきた。
 昨晩サイクロイドのことが気になって眠れなかった。問題は以下の次第である。
 半径2Rの大円内に内接しながら半径Rの小円を回転させていく時、スタート時点の接点Aが描く軌跡を描き、その長さを求めよ。

 とっても簡単だと思ったのだが、暗算では出せなかったし、描く曲線もそんなに単純ではない。

パリ第384日 ヒラメ優勝!

2009-08-22 02:29:47 | Weblog
          パリ第384日 ヒラメ優勝!

 ボルトが男子200m決勝でも世界新記録を出して優勝した。彼にしては珍しく最後までスピードを緩めなかった。気がついたのは、スタート前のポーズについてである。ゴルフでよく言われているように、彼のおどけた動作も実はしっかりルーティーン化していて、いかにプレッシャーを感じないでレースが出来るかよく考えていることがわかった。
 とは言っても、テレビでオンタイムで見ているのではない。さすがに宿題が進まなくて尻に火がついてしまった。テレビはつけてはいるのだが、画面を見ている余裕は無い。後でユーチューブを使ってチェックしている。
 さて表題の「ヒラメ」は世界陸上の話ではない。今年行われた卓球の世界ツアー「中国オープン」の話である。男子決勝は、今年の春、横浜の世界選手権で初優勝した世界チャンピオン、ワン選手とその世界選手権におそらく出場していなかったハオ選手との間で争われ、ワン選手が4-3のフルセットで辛うじて振り切って勝った。中国の層の厚さを感じた。
 日本勢は福原愛選手と松平健太、岸川選手が出場していたが、その女子の決勝はやはり中国勢同士の決勝であった。横浜の世界選手権3位のリュウ・シエン選手と、これまた世界選手権に出ていないと思われるカットマン、ウー選手との対戦であった。僕は横浜大会から勝手に、このリュウ選手に「ヒラメ」なるあだ名をつけている。戦型が僕と同じ前陣攻守のシェイク両ハンド型であるのと、体が小さくて可愛らしいからなのだが、もっとも大きな理由は両目が少し離れていてややたれ目なので、「じゃりん子ちえ」に出てくるヒラメちゃんそっくりだからだ。でも体型はヒラメちゃんほどでっぷりとしていない。さすがにトップアスリートだけあって、素早い動きができるように極限まで絞っている。
 世界選手権では優勝したチャンピオン、チャン選手にパワー負けしていたが、これからは世界2位のグオ選手との新女王の椅子をめぐる争いが楽しみである。この女子の決勝は4-1でリュウ選手が貫禄したが、実はどのゲームもけっこう接戦だった。ウー選手の攻撃力が増すと末恐ろしい選手になりそうだ。というのもなぜカットマンをやっているのだろうと思われるほど、彼女は守備範囲が広くない。要するに足が遅いのだ。でも反射神経が優れているせいか、かなりの強打まで返球出来ている。返すことはできるが、歴代の中国女子カットマンに見られる厳しさが少し足りない。そこをリュウ選手に付け込まれて敗れた。でも日本人選手はおそらく誰も勝てないであろう。
 さてヒラメに話を戻す。現時点では世界2位のグオ選手に勝てない。全体的にパワーアップする必要があるが、特にバックハンド・ドライヴを身につける必要がある。どうしてもポジションが前陣にあるために、ブロックは上手くとも強いボールを出せないのだ。でもこの中国オープンの優勝で自信がついたはず。韓国オープンも始まったようだ。頑張れヒラメ!