知らないと恥ずかしい弔事の基本・その2 その言動が「すべらない話」になる前に
通夜、葬儀・告別式は、故人との別離の儀式。大人のたしなみとして、慎み深い行動が礼儀と言える。ひとつひとつの意味や理由が分からなければ、遺族に対して失礼なだけでなく失笑を買う「末代までの恥」になるかも。まぁ、いいかでは済まされない、弔事のあれこれをまとめた第2弾。
【香典のマナー】
「香典」は、古くお香を備える習慣に由来する。現在は亡くなった人に現金を包んで渡す。金額の相場は、故人との間柄や年齢によって変わる。例えば、
◆親戚…1万円~3万円
◆職場の上司・同僚やその家族…5千円~1万円
◆友人または友人の家族…5千円~
を目安にするとよい。なお、お札の状態にも注意が必要。新札は事前に準備していたと思われるので避け、新札の場合は必ず一度折り目をつけて包むと良い。
【焼香のマナー】
焼香とは、死者を弔うために抹香や線香をたくことをいう。焼香の仕方や回数は宗旨ごとに違うが、自身の宗旨の作法で構わない。一般的には、次のような流れで行う。
①祭壇の手前まで進み、遺族に一礼
②祭壇に向かい、遺影・位牌を仰いで一礼
③抹香を右手の親指と人さし指、中指の3本でつまみ、目の高さまで押しいただき、抹香を静かに香炉へ入れる
④合掌する
⑤数歩下がって遺族に一礼して退く
<宗派ごとの目安>
天台宗:1~3回、回数作法に定めなし
真言宗:3回押しいただく
浄土宗:1~3回押しいただく 回数に定めなし
浄土真宗 本願寺派:押しいただかずに1回
浄土真宗 大谷派:押しいただかずに2回
臨済宗:押しいただき1回
曹洞宗:1回目は押しいただき、2回目はそのまま落とす
日蓮宗:1回または3回押しいただく
日蓮正宗:3回または1回押しいただく
【数珠のマナー】
数珠は拝むときの法具で、色や材質は好みのもので構わない。ただし、赤は慶事で使われることが多いので葬儀の際は避ける。きき腕にかかわらず、歩くときや焼香中は房が下に来るようにし、左手で持つこと。合掌するときは、房が真下に来るように両手の親指と人差し指の間にかけ、親指を軽く添えるようにする。
【言葉のマナー】
遺族へのお悔やみの言葉に悩む方も多いようだが、「突然のことで何と申し上げたらいいか…」や「大変でしたね」など、そのままの気持ちを伝えてよい。ほかにも、「お悔やみ申し上げます」「寂しくなりますね」などの言葉がけがある。
ただし「重ね重ね」「返す返す」「再び」など不幸がまた続くことを連想させる言葉には要注意。死因を無理やり尋ねるのは、失礼にあたる。
【通夜ぶるまいのマナー】
通夜の読経や焼香が終わったタイミングで、遺族が別室で食事やお酒をふるまうことを「通夜ぶるまい」という。焼香が終わったらすぐ帰るのは実はNG。通夜ぶるまい自体も大切な供養のひとつで、飲み物を口にし、箸をつけ、故人を偲ぶのがマナーとされている。長居はせず、頃合いを見て切り上げよう。その際、遺族へのあいさつは済んでいるので、改めてする必要はない。
■資料提供・メモリアルアートの大野屋
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