もりおか暮らし物語 盛岡ブランド日誌

盛岡ブランドは市民一人ひとりの暮らしの活動から生まる物語です。ひとりの盛岡大好き人間の盛岡自慢の情報日誌です。

盛岡銀行

2006-10-01 11:15:24 | まちなみ景観
 「孤光燈(アークライト)にめくるめき、
  羽虫の群れの集まりつ、
  川と銀行木のみどり、
  まちはしづかにたそがるる」
 宮沢賢治が「岩手公園」と題したこの作品は、特製原稿用紙に書かれた文語詩稿一百篇の中に収められている。死期が迫る昭和8年8月22日に賢治がまとめたもので、賢治本人は「本稿想は定まりて表現未だ定らず。唯推敲の現状を以ってその時々の定稿となす」と表紙にしるしている。歌稿Bの大正7年5月~に関連する短歌がある。この年、賢治は盛岡高等農林を卒業して同校の研究生になっている。また、短歌を作ったと思われる6月頃には肋膜炎の診断を受け、将来の死を予感している。
 この作品に出てくる銀行は、明治44年に出来た盛岡銀行本店(現岩手銀行中の橋支店)のことであるが、天気のいい日の夕方、夕日が銀行の建物を照らすと、いつもこの詩のことを思いだす。特に秋の日の夕方は、涼やかな空気と、盛岡城跡公園の紅葉、中津川の鮭の遡上と相まって「盛岡暮らしの恵み」が実感できる。
 

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