地理総合の研究 付2018年センター地理AB本試・追試解説 

「地理講義」の続き。「地理総合」に「2018年センター試験地理AB本試・追試の問題と解答解説」を追加。

17.アメリカの酪農 地理総合

2019-01-28 18:54:01 | 地理講義

ウェスコンシン州の家族経営の酪農
家族総出の合名会社LCCで酪農経営経営のできるのは、乳牛100頭程度が限度である。ウェスコンシン州では19世紀末から家族経営の形で酪農が増加した。乳牛100頭、飼料用農地200ha、労働力は息子と両親で、この程度の酪農経営は可能である。
飼料栽培はアルファルファ50ha、とうもろこし100ha、大豆50haであり、自給でき、さらに余った分は隣接の農家に売る。乳牛1頭で年10トンの生乳を生産でき、それを酪農組合に出荷すると、年収は50万ドルになる。
アメリカの農地は相続ではなく、親子間で売買される。農務省農場サービス局の1.7%ローンが利用される。しかし、売買がうまくできずに酪農経営を全くの他人に有料譲渡する場合もある。また農地売買とは無関係に、年中無休の酪農の仕事のきつさから酪農をやめてしまい、飼料栽培農家になる場合もある。
ウェスコンシン州のチーズ工場は、専用の巨大工場である。殺菌牛乳を使うからチーズ独特のかおりは薄い。アメリカのチーズ全量の3分の1がウィスコンシン州で生産され、国内外に大量に出荷される。


ミネソタ州の大規模酪農経営
農業以外の投資事業で儲けた者が、小規模牧場を、周囲の土地を買収して、大農場にする場合が少なくない。乳牛10,000頭で毎日30トンの牛乳を生産、チーズ工場へ出荷する。飼料は全量近隣の農家から購入する。経営者は1人、従業員は100人程度である。経営方式は家族が出資する有限会社LLPである。
このような大規模経営が成り立つのは、農業以外の収入を得て酪農を始めたこと、とうもろこし・菜種・アルファルファなどの飼料が近隣の農家から安く調達できること、乳業関連の大企業と連係していることなどがあげられる。

カリフォルニアの酪農
1農場1,000頭の大規模農場がセントラルヴァレーで発展し、生乳出荷量では酪農州といわれるウェスコンシン州を上回る。ホルスタイン種は夏の乾季に強くなるように品種改良が進められた。また、少数ながらウェスコンシン州から、大規模酪農経営をめざす酪農家が移住してきた。
1967年にカリフォルニア水路ができ、セントラルヴァレーでは一時的に果樹栽培農家が増加したが、果樹農家のうちで不動産売買で巨利を得た農家が大規模酪農を始めた。酪農に要する労働力はヒスパニックを雇う。 

 


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