お手をどうぞ!
箕面ビジターセンターに着き、テラスで一休みをしていると
ハイカー姿のご両親に連れられた一人の小学生が
やってきました。
元気な声で・・・
* こんにちわ!
と挨拶すると、「森の博物館」にいた係りの人へも・・・
* こんにちわ! おじゃまします!
見せてください!
と大きな声できちんと挨拶するので、周りにいた人たちも
一瞬にして笑顔になりました。
明るい挨拶は人々の心にぬくもりを与えてくれるものです。
東海自然歩道との分岐を右にとり、自然4号路から
勝尾寺裏山へ向って歩いていると、コバノミツバツツジに幼葉が
少し出ていたり、モチツツジの蕾が少し膨らんでいたりする
ものの、まだ森の奥には薄い雪影が見え、時折り冷たい北風が
吹き抜けていき、春の気配はまだほんの少しの様子です。
木漏れ陽の差し込むカエル池を過ぎてしばらく進んだ所に
ポツン とリュックが一つ、道端に置いてあるのが見えました。
・ あれ! なんだろう?
何気なく右手の谷間を見ると、一人の女性ハイカーの方が下で
ウロウロとされているのが見えます。
・ どうしました! 大丈夫ですか?
* ハイ~ 手袋落としたんで拾うつもりが滑り落ちて
しもうて・・・・
・ お手伝いしますから・・・
私が降りるので手につかまってください。
お手をどうぞ・・・!
* ハイ! でも?
この先の道へ出れそうなんで・・・スイマセン!
素っ気無く断られたので変な気分!?(笑)
お手をどうぞ! がいけなかったかな?
それとも私の顔かな?(笑)
とにかく女性は再び谷間に下り、Uカーブの先の方へヤブを
かき分けて行き、やがてやっと先の道の上に出たようです。
置かれていたリュックから見てベテランのハイカーのようですが、
道に出てリュックの所へ戻ってこられる姿を見ていると、
少し腰が曲がったかのようなおばあさんなので、ビックリでした。
やがてリュックのある所へ来たので挨拶すると・・・
* あんたさんも一緒に滑り落ちたら悪いと思うてな~
とのこと。
・ それはそれはご親切にどうも~ 顔でなくてよかった!
ご自分から言われた年齢は私の一つ上なだけ・・・
これにはちょっとショック!
私も若い若いと思いつつも、人の振り見て我が年齢を実感する
事となりました。
・ どうぞお気をつけて・・・!