たまたま箕面の水利について考える!
今日は箕面・白島(はくのしま)の老人施設「白島荘」を北へ、谷山へ
向かう里道に入りました。
東(右)に薩摩池が見えてきました。
池には水鳥がいます・・・ アオサギが優雅な姿で舞っています。
水鳥はカイツブリでしょうか?
さかんに潜水してしばらくするととんでもない所から浮かび上がり小魚
か水生昆虫かを口にくわえています。 小さい鳥で可愛いですね。
少し上ると今度は新さつま池があり、若者3人が魚釣りをしていました。
その向かいには大きな五藤池があり、マガモが二羽仲良く泳いでいます。
水鳥もいます。
先のほうでピシャリ! と魚が跳ね上がりました。
この池ではよく渡り鳥もみられます。
やがて地道の東側(右手)に 白姫大明神 の表示が見えてきます。
入ると水場があって大きな石碑があり、かなり長文の文字が彫られて
あります。
何でも昔、大干ばつがあり水飢饉の時、ある修行僧が祈りを捧げ
やがて恵みの雨を降らせたという経緯が書いてあるようです。
そのお社(やしろ)はここに無く、ここから100mぐらいの山道を登った
ところにあるので私もゆっくりと上っていきました。
この道からいつも東の谷山尾根にでて巡礼道を上るのですが、西(左)
の道を行くと昔の採石跡や廃坑跡を通って谷山谷にでて、才が原池
などへいけます。
私が東の山道を上がって行くと・・・上から一人のおじさんが大きな
風呂敷包みを背負いながら下りてこられました。
こんにちわ! 重そうですがそれは何ですか?
私の問いにおじさんは一休みして汗を拭いつつ・・・
これは○○○だよ! 下のほうには○○○の花も入っている・・・
私は2回聞き直したが名前は結局分からない・・・
これをこうやって水につけておくと長持ちするんやで・・・
お供えするんですか? そうじゃ!
風呂敷からはみだしている枝や葉をよく見ると ヒサカキのように見え
たが・・・
どうやらこの辺のどこかの山の持ち主のようだが、これも山の恵みに
違いない。
まもなく通称 水(みず)神社に到着!
暑くて汗ビッショリ!
狭い境内で一休みしながら水で喉を潤す・・・水の有難さが身にしみる。
それにしても昔の水飢饉の時代は大変だったに違いない・・・どれだけ
多くの人々が水を求め、雨乞いをして祈り続けたことか・・・
いくら思い描いても豊かな物質文明の中で育ってきた私などその
万分の一も分からない事です。
この神名は 「天理改現水神白姫大明神」・・・と言うそうで、すごい霊験
あらたかな威力を感じました。
改めて山里を見渡すと大きなため池が箕面には多くありますね・・・
地図に名前がある池だけでも20余ありました。
主に農業用水の確保の為につくられたのでしょうが・・・
先般、専門家の方に箕面の山の地層を才が原林道で見せてもらい
ながら教えていただいた事があるのです。
その岩肌から地層を見ると一面に北側に傾斜した岩盤になっていま
した・・・
つまり、雨が降り山が保水しても水の流れは北側に流れ落ちていくの
です・・・
それは南面の箕面の里山とは反対方面なのですね。
降った雨の水は北の止呂々美を流れる余野川へ、また東を流れる
勝尾寺川へ、西南の箕面川へとなり、南側の箕面の里山には水の
流れが少ない為に昔の人は水利組合を作って村ごとに独自で水源確保
に奔走したようです。
今も森の中、山の中にある才が原池や奥の池、ウツギ池、山池など
名残があります・・・
そして里山には沢山の村ごとのため池が作られ今もなお水田、田畑に
活用されているんですね。
迷路のように張り巡らされた小さな水路にも、その水源、治水、
灌漑設備にも必死に水を求めた昔の先人達の知恵と尽力を思い、
諸々に敬意を払い、深く感じ入りました。
たまたま水神社を前後して歩き、稲の育つ水田を見つつ、暑き日に
喉を潤す水の有難さとあいまって日頃、何気ない当たり前のようにある
水の大切さを味わう一日でもありました。
水神社を後にして私は谷山尾根道から巡礼道にで、
勝尾寺南山(407m)を経て谷山へ戻り、才が原林道、化石谷から
滝道へと戻ってきましたが・・・
今日も箕面の森を楽しく散策できて幸せでした。
「 田畑みつ 先人達の 知恵を見る 」 花詩
07-8・12 (完)