~ 鍾馗が病を起す小鬼を退治する ~
『鍾馗夢中捉鬼之図』
(しょうき むちゅう そっきのず)
大蘇芳年筆
鍾馗(しょうき)は中国の民間伝承に伝わる道教系の神
唐の玄宗皇帝(685年〜762年)がマラリアにかかった時に見た夢の中の話です
小鬼が皇帝の玉笛や楊貴妃の紫香囊を盗もうとしているころに
どこからともなく大きな鬼が現れ小鬼を捉えて食べてしまう。
それで、お前は誰なのか?と玄宗皇帝が尋ねると
「自分は終南県出身の鍾馗(しょうき)、官吏になりたくて科挙を受験し
見事一番の成績だったのに人相が悪いからと落とされ
絶望し宮中で自害した。
そんな自分を手厚く葬ってくれた高祖李淵(りえん)の
その御恩に報いるためにこうしてやって来た」 と告げる。
夢から覚めた玄宗皇帝はすっかり病が治っていたので喜び
著名な画家 呉道玄に命じ、夢に見た鍾馗を描かせ
自分の命を救った鍾馗を神として祀ることにした。