ゴダールよりもデ・パルマが好き(別館)

ホンも書ける映画監督を目指す大学生monteによる映画批評。

ブーリン家の姉妹

2009-08-24 10:24:21 | 映画(は行)
2008年・イギリス/アメリカ・The Other Boleyn Girl
監督:ジャスティン・チャドウィック
(IMDb:6.8 Metacritic:50 Rotten:41)
公式HP



歴史映画はあまり好きではない。
それは日本の歴史であっても、外国の歴史であっても一緒だ。
結局の所、下世話な話であるのに、やたらと重々しく描いていたりするのに
違和感と見難さを感じている。
登場人物の複雑さとストーリーの単調さも気になる。
だが、この作品のスタンスはまるっきり逆だ。
下世話な話をとても軽く描いている。
まるで昼ドラの総集編を見ているかのような速い展開と分かりやすさには
シェイクスピア的な重厚さよりもはるかに好感が持てた。

この軽さを助長するのが、美しいが映画とは到底、思えないデジタル撮影や
この手の映画には珍しいビスタ・サイズの画面だ。
しかし、この昼ドラ感覚が作品の雰囲気に良く合っており、
無理してフィルム撮影のシネスコにするよりかは賢明な判断だったと思う。
美術、衣装などは美しく、豪奢で安っぽさが全くないのは良い。



ストーリーはまさに昼ドラで、対象層を絞りすぎた所にこの映画の限界はあるが、
30代過ぎの女性なら間違いなく、大いに楽しめるだろうと思う。
そして、それで十分なのだろう。

ナタリー・ポートマン演じるアンとスカーレット・ヨハンソン演じるメアリーが
対照的に描き分けられており、観客が必ずどちらかには感情移入できるように
作られているのも上手い。
どちらに感情移入するかでちょっとした性格判断すらできそうだ。

〈70点〉

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