久しぶりに東京に行った。親友に会って話をしたが、子育てに忙しい親友との距離に苦しんだ。一緒に住みたいなど口が裂けても言えなかった。いつの間にかまた対等でない。無邪気に笑う親友の子供と遊んでいたら何だか物凄く頭痛と吐き気に襲われた。最近人と話していないし、東京の人混みに酔ったのかも知れない。ふらふらと弟のマンションに帰るとさすがエセ外人の弟。レディファーストは仕込まれている。荷物を片付け、風呂を沸かしベッドを整えコーヒーを入れてくれる。すまん、と言って横になる。彼氏にもこんなんされたことないよ、とブラコンぶりがまた出て、泣きたくなる。久しぶりに恋人ができたらしく紹介される。フランス人だった。またもグローバルすぎて頭が痛い。日本なのに日本語が通じない異空間。しかも美人で若い…。弟、結婚するのかな。邪魔しないが寂しい。あたしの好きな人はあたしが好きな程あたしを好きじゃない。でも唯一の救いは親友も弟も恋人じゃないからさようなら、がないなことだ。過剰に、期待しないし恋愛は旬なものだけれど親友は一生友達だし、弟は一生兄弟だ。家に帰ると途端に現実に帰ってぐったりした。このままじゃいけない。早くここから出ていかなくちゃ。しっかりしないと一生とは言え親友と弟に愛想をつかされてしまう。変わり果てたあたしの姿を見ても二人は何も言わなかった。弟の恋人だけあたしを可愛くないと思っただろう。結局恋人も泊まっていき、あたしはベッドを独占していた。夜中弟と恋人がけんかをしていてあたしのせいだったら嫌だな、と思った。英語だから何言ってるかわからなかった。フェミニストな弟、現実的な親友。あたしは彼らと対等になれるだろうか?寂しいと感じるのはあたしが対等ではないからだ。そしてどんなに大好きでもあたしと暮らしてはくれないからだ。しっかりしないと。本当に