私は既に人生半ばを過ぎているけれど(笑)、これからの子供達の健康のため、オーガニックの野菜やミルクやら、食品添加物等少々こだわっているのだが、生活用品については無頓着であった。よって身体に良くない化学物質を排除したそこの商品はとても魅力的で使ってみたかったのだ。
しかし、私が甘かった。そのかっ幅のいいおばさん(失礼)は、どんなに数ヶ月でこれだけ稼げるとか、このサプリメントでがんが治ったとか...。数ヶ月で大金を稼ぎ出した勢いで、間髪いれずにしゃべり続ける。やっと口をはさめてサプリメントについて質問をしてみた。私のように西洋医学の薬を服用しているものにはあるサプリメントはとってはいけないと思うのですが...。おばさん、「大丈夫です!これはサプリメントですからっ!!」と言い切った!おーい、だいじょうぶかー。何でも訴訟の国アメリカでそんないい加減なことを言ってしまって!
挙句の果てに抗がん剤はベトナム戦争で使われた枯葉剤といっしょだと。「じゃあ私は枯葉剤を毎週自分で打っているのですね...。」おばさん、私が病気もちと知ってるはず。なんだってこんなにずかずかと人の心に踏み入るんだー。おばさん自身もがんを患ったという。だったらもっとそういった話題には繊細になれるのじゃないかなあ。
その後私の耳と口は閉ざされてしまった。

友人も私の落胆した様子を察したのか、帰路にさっそく電話をしてきた。彼女とは正直に話せる関係なので、「違う人から話を聞きたかった。」と話した。マルチって、人によってアプローチの仕方を変えたほうがいいよね。でも、勢いに乗せてしまわないといけないのかも。私のようにクールな人間には売りにくいだろう。
おばさんと会った日はMTXの自己注射をする日だった。おかげでその日も、その次の日も、全く注射をする気になれなかった。おばさん、わかるかなあ。自分がどんなことをいったのか。
病気の人に健康食品等の話をするってもっと繊細であって欲しい。いろいろ悩んで悩みながらもそれを信じて治療を受けつづけている人にきっぱり否定してしまう残酷さ。ま、でも私が甘かったのですよね。
あんなに魅力的にうつったカタログの商品。なんだか色褪せて見えてしまったのは云うまでもない。