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変人技術士の備忘録(別称:すいりき板改)

技術士の日々の思いつきを列記。
すいりき板は、出身研究室の掲示板(現在閉鎖)
専門用語を不定期掲載

Part 2:World history 6(邦題:世界の歴史6 宋と元)

2020-04-04 10:20:10 | 読書

 図書館で借りて読んだ“世界の歴史6 宋と元”の感想を以下に記す。執筆は宮崎市定とその門弟に当たる佐伯冨である。2018年に一度読んだ本である。1983年頃に出版された中央公論社の世界の歴史を通読する事と、中国史の泰斗とされる宮崎市定の文を読みなおす事を目的として読み直した。読み直しという事を含めて、引用と記述は若干少なめにした。書名の通り、書かれている内容は、大半が宋と元である。ただし、宋の少し前の唐末に関する記述や、元の前身のチンギス=ハンに関する記述も含まれている。

気になった記述は以下の通りである。皇帝の独裁制度の発展(P.108)、生産力のかつてない増大(P.161)、それに関連して宋の文化が先進の西アジアの文化を追いこした事(P.167)。これらが宋の大きな特徴である。唐末頃までのモンゴリア高原では、西方の勢力が優勢であった。宋の文化の発達を受けて、東方の契丹・女真族・モンゴル族が勢力の拡張をしたP.319の記述は印象的である。中国の領土が広大になり、北京を首都にすると言う流れが元代に出来た(P.390)。(日本人)の倫理観念が、産業革命以後のヨーロッパのそれに比較して、大したへだたりがないのは、朱子学の水準が非常に高いものであったからだといって差支えないであろう(P.443)。朱子学、製陶術、茶の樹、書物の印刷といった宋文化は、唐代の文化と異なり、現在まで(日本で)生命を保って生きつづけているのである(P.491)。これらは歴史の大きな流れで、こういった内容を掴み取ることは大事だと思う。

岳飛に対する悪辣な手段をもちいた秦檜を、社会の安寧と宋室の安泰をねがう政治家としては、当時の社会にあってはやむをえない処置であったのであろう(P.287)。20年前だったら、これは、個人的に心情が分かりにくい記述だったが、今読むと心情が分かるようになっているように思う。


Advice for Japanese Who Work with Americans“反省しないアメリカ人をあつかう方法34”

2020-03-28 20:43:49 | 読書

 Kindleで読んだ“反省しないアメリカ人をあつかう方法”の感想を以下に記す。著者はメリカ合衆国・日本を中心に異文化コミュニケーションと人事管理コンサルティング事業を行っているロッシェル・カップ氏である。日本とアメリカの働き方や考え方の違いを踏まえた上で、アメリカ人と一緒に働くことになった日本人に対する助言と英語の表現が書かれている。著者とその知人や友人の経験を元に書かれているので、説得力のある文章になっている。英語の教材を扱うアルクから出版されている事が、英語の表現が多い一因になっている。読んでいて、アメリカ人に説明する際は理由が必要という記述が多く、日本人の働き方よりもアメリカ人の働き方の方がいいと思った。具体的な案を出すことに、重視することも、アメリカ人の特徴と言えそうである。まとめ06の“「上の立場にある人であればあるほど、問題を解決する努力をすべきだ」とアメリカ人は考える。”は、自分は日本でもそうだと思った。ただし、どうやら実態は違うようだ。まとめ15に書かれた内容も、これは日本人相手でもした方が良いと思う。まとめ15の仕事の問題点に対する考え、まとめ18の会議に対する考えは、日本人に対して、アメリカ人のやり方をした方がいいと思う。まとめ19の会議の手法は、万国共通でないかと思う。まとめ23の理解を得るために、アメリカ人流の言語による詳細で明確な説明が必要という内容も、日本人もまねた他方が良いと思う。まとめ30のアメリカ人上司に助けを求める方法も、日本人上司に対しても使える。

 改めてみると、物事を説明する際は、具体的に、明確に説明する事の大切さを強調しているように感じられる。また、理由を説明する事も大切だと書かれている。これはアメリカ人相手ではなく、自分が日本人と仕事をする際にも、当てはまる話である。自分は説明が面倒なので、具体的な内容や理由を説明から省略しがちであるが、ちゃんと行っていきたい


To bring up child not defeated by AI (AIに負けない子どもを育てる)

2020-03-22 21:33:56 | 読書

Kindleで読んだ“AIに負けない子どもを育てる”の感想を以下に記す。と言いながら、読んでから2か月して書く感想なので、内容はうろ覚えである。前作“AI vs. 教科書が読めない子どもたち”と同じ論調である。リーディングスキルテスト(RST)に関する話が多い。読解力が大事だという著書の新井紀子氏の主張は自分も同感である。読解力が低い事による事例が何例も書かれている。妙に説得力のある記述が多いので、実体験をもとにしていると思われる。例は以下の通り。

“「上からは生産性を上げろと言われるが、現場はメールや仕様書の誤読による予期しないトラブル続きで働き方改革どころじゃない。すると能力の高い人材から転職してしまう。一度そのサイクルに陥ると、なかなか立ち直れない」と言います。”(位置35)

“就職すると、契約書も仕様書も全部定義だらけです。「経験を積みながら覚えていけばよい」仕事など、コンプライアンス時代の今日、もはや絶滅危惧種です。少なくとも、今後、デジタライゼーションで合理化される可能性が高い部門でしょう” (位置836)

 数学者のはずの新井紀子氏が、RSTに関わったり、読解力の重要性を説いた本書の著述をしたりする事に対して、違和感を持つ人がいそうである。本書や“AIに負けない子どもを育てる”を読むと、そうしたことをしている理由が、公益にある事が分かる。

 本書を読むと、文書を正確に理解する事は、思っているよりも難しい事が分かる。位置44の“事実について淡々と書かれた短文」を正確に読むことは、実はそう簡単なことではなく、それが読めるかどうかで人生が大きく左右されることを実感することでしょう。”という文章は比喩でも脅しでもないと感じた。

 最終章の“第10章 大人の読解力は上がらないのか?”は、読解力を上げる方法の手がかりについて、新井紀子氏が指導した人の体験談について書かれている。博士号を持っている人でも、読解力が不十分なのかと思ってしまった。基本的には、文の意味と構造を理解するように、時間をかけて読む事が読解力を上げる方法という事になるように思った。

 位置: 3,356に書かれた“早く読もうとするあまり不正確な読みをしてしまうと、書かれていることを正しく理解することができないばかりか、誤った知識を獲得してしまう危険性もある。”は、間違った知識を大量に理解して、間違いを拡大再生産する可能性がある。そういった意味で、自分の一番印象に残った記述である。

ちなみに、Alexの問題の、“Alexandraの愛称は、(女性)”と誤答する理由が分からないと書かれていた。自分が慌てて読んだときは、“Alexandraは、(女性)である”と読んだためだった。どうやら、自分が分かりやすいように文章を変えて読んだようである。


World history5 "Western regions of China and Islam"(中国の歴史5 西域とイスラム)

2020-03-15 11:33:47 | 読書

 図書館で借りて読んだ“世界の歴史5 西域とイスラム”の感想を以下に記す。扱っている時期が先史時代から近代までで、その地域は中央アジアや西アジアであり、非常に広範な内容の本になっている。中国や欧州の記述も適宜、言及されているため、世界史の流れを知ることも出来る本になっている。ページ数も463であり、一言でとても言えない内容になっている。西アジアは最古の文明と考えられており、西暦1300年頃までは、先進的な地域だったようである。P.360に、“(14世紀の半ば頃から、マルコポーロやマリニョーラを引き合いに出して)西洋に対して東洋は受け身の時代に入るのである。”という記述がある。この頃から欧州の躍進が始まっているようにも受け取れる。西アジアや中央アジアの欧州に対する優位性は、モンゴル帝国を頂点として、下り坂になっているように感じた。本文では、P.399に、中央アジアを分水嶺とした遊牧民族の活動を激烈な奔流と称し、16世紀ごらからロシアの勃興によって、逆流すると書かれている。また、近代化に関するP.433の記述は印象的である。“イスラム諸国は過去の栄光をまだ夢みていた。彼らは、近代にいたって一変した技術と経済産業構造、これらの革新の結果が百パーセント活用できるような社会体制と思想の変化を認識できなかったのである。” 過去の伝統や栄光が大きいほど、それらを捨て去ることは難しい。ちなみに、日本は根強い伝統がなかったので、上手くいったというP.435の記述も同感である。

 その他で、印象に残った記述は以下の通り。P.177の北魏は、古い文明地域を征服した未開種族の王朝であるが、中国文化をとり入れた、というよりは自ら漢文化と同化しようとしたといった方がよいかもしれない(P.177)。イスラムが他の宗教とはっきり分かれるところは、共同体な政教一致制度である(P.226)。

P.309:チンギス=ハーンは、逆説的にいえば 「平凡な偉人」で、その意味ではアレクサンダーとかナポレオンのような天才―ある意味で気違いとい ってわるければ、バランスのはずれたところのある人―ではけっしてなかった。すこぶる常識的な人で、何事をするにも十分に計画して、成功の確率が少ないことには手をつけないか、確率ができるまでは冷静、気長に待っことにした。⇒計画はやはり大事だと思いなおした。

 本文最後のP.463。ラクダの隊商がとぼとぼ歩いている上を、ジェット機がうなりをあげて飛び去る。泥づくりの家に住み、牛糞を燃料にしている村のすぐそばには、 巨大なダムが建設されつつある。こんな大きな隔絶をどうして埋めたらよいであろうか?⇒確かのその通りで、何か途方もない事が起きているように感じた。


Delivering happiness(ザッポス伝説)

2020-02-01 20:16:17 | 読書

図書館で借りて読んだ“ザッポス伝説”の感想を以下に記す。英語の原題は、Delivering happiness。ザッポスの創業に投資家として関わり、ザッポスのCEOになったトニー・シェイの半生とザッポスがどのような過程を経て成長していくかがトニー・シェイの手で書かれている。アマゾンの完全子会社になったところで、ザッポスの話は一区切りとなり、最終章のエンドゲームでは、これまでとは少し異なってハピネスのフレームワークが書かれている。

特に印象に残った記述は、最高のカスタマー・サービスを意味するザッポス・ブランドを築き上げるために、資金繰りに困っていないにも関わらず、現金を得られるドロップシップ・ビジネスを止めたことである(P.208)。こういった苦しい条件下で、自分達のあるべき姿を達成するために、安易な手段を止めたことは、非常に勇気のいる事だと思う。自分を含め、多くの人間には難しいと思う。また、コールセンターだけをラスベガスに移転する事は、言行不一致となることに気付いた。そして、最高のカスタマー・サービスを提供するザッポス・ブランドを築き上げるために、本社をラスベガスに移転させたこと(P.219)。こういった行為を積み重ねることが、きわめて高い顧客満足度を実現している(P.406)事につながっていると感じた。需要が供給を上回る現代の先進国では、こういった取り組みがないと、大きな成長を出来ないとも感じた。

さらに、スタマーサービス、企業文化(コアバリューの形成につながる)、社員の教育と能力開発が重要。ブランド、カルチャー、パイプラインだけが、自分達が長期的に持つ競争優位性になる。ほかのことは模倣が可能であり、そのうち真似される。という記述は、企業人であれば、傾聴しておくことだろう(P.230)。

トニー・シェイという言う人は、金儲けはそれ程好きではなく、ザッポスのような企業の創業や運営が好きとも感じた。

 それ以外に気にかかった内容は、以下の通り。ポーカーから学んでビジネスを活かせること(P.116)。ザッポスのコアバリュー(P.265)。ジム・コリンズのツイート「優先事項が三つ以上あるなら、優先事項が何もないのと同じだ」(P.340)。ハピネスのフレームワーク1、2、3(P.391~397)。素晴らしいビジネスとハピネスは似ている(P.399)。


Great speed Excel(神速エクセル)

2020-01-14 21:15:47 | 読書

 図書館で借りて読んだ“神速Excel”の感想を以下に記す。その名の通りエクセルの高速動作を書いている本である。CtrlやAltキーを使ってのショートカット等が書かれている。一番印象に残った内容は、Alt+矢印キーを使ったワープ機能、それとShiftを組み合わせや、Ctrl+RやCtrl+Lを使った高速選択と高速コピーである。慣れるには時間がかかるが、うまく使えれば、操作がかなり高速になると感じた。マウスで操作すると時間がかかるので、時短につながるキーボードだけでの操作を積極的にしましょうが、本書の趣旨である。その方が時短になるのは確かなので、マウスを使わないように心がけるようにしよう。

 これまで使っていなかったショートカットで本文中にもあり、有効だと感じたショートカットキーは以下の通り。

 Ctrl+-後にRを選択しての行の削除

 Ctrl+I+C 列の挿入

 Ctrl+I+R 行の挿入

 Alt+H+I+I 列の自動調整

 Ctrl+PageUp 前方のシートに移動

 Ctrl+PageUp 後方のシートに移動

 Ctrl+Alt+Vの後にT 形式を貼り付け

 Ctrl+Space 列を選択

 Ctrl+矢印 データのある個所の端に移動

 Alt+↓ オートフィルターのメニューを開く

 関数入力時にF7を押すと絶対参照になる。

 関数入力時にF2を押すと“セル内参照”と“直接入力”が切り替わる。


Disease called a boss (上司という病)

2020-01-04 11:46:33 | 読書

 図書館で借りて読んだ“「上司」という病:: 上に立つと「見えなくなる」もの”の感想を以下に記す。著者の片田 珠美は、精神科医でフランスの留学経験がある。困った上司の心理とその対策が書かれている。自分が以前読んだ松本利明の“部下こそ上司にリーダーシップをとれ”と似たような内容の本である。精神科医らしい心理的な分析が、著書の経験を踏まえて書かれている。仕事を進める上で、上司の対応に悩んでいる会社員や組織の構成員であれば、一読を推奨する本である。“「上司」という病”と“部下こそ上司にリーダーシップをとれ”の両方を読めば、いい仕事が出来る可能性があるように思う。

P.116に書いている次の記述は胸に刻んでいた方がいいと思う。“やや厳しい言い方にはなるか、ダメな上司に対して文句や愚(ぐ)痴(ち)を言っているうちは「プロの部下.になり切れていない証拠 あなた自身に、上司をマネシメントする能力か足りないとい、つことだ。

上司に対する期待、理想、幻想、妄想はすべて捨てて、あなた自身が「上司をマネジメントするプロフェッショナル」になること そこからしか解決の道は見えてこない。“ 自分の言葉で書くと、基本的な対応は、上司に過剰な期待を抱かずに、部下である自分が何とかした方がいい場合が多い。

 面白く、かつ当たっていると思い、印象に残った記述を下記に列記する。

P.20:上の立場になって偉そうになる態度の人は、元々そういう人である。P.64:マネジメントに問題がある点は、日本社会の大きな特徴。P.75他:無茶をする人の裏には、それを支えるイネーブラーがいる。P.65では“語弊はあるが上司は責任逃れの達人”、P.116では“上司の側が素人”といった事例も書かれている。P.93、群れ(すなわち組織)の本質的な三つの欠陥、同調圧力、異分子排除、自浄力の喪失。⇒全然関係ないが、アメリカではこの3つの欠陥を排除するために、組織の組み換えを積極的にしているように思う。P.102:私は、日本という国にはもともと自浄カか欠けていると思っている。⇒歴史を見ると同感である。

役に立ちそうな対処法がいろいろ書かれている。P.123:自分が絶対に正しいと思うと人には、能力も経験もないので、出来ないという言い方をする。P.126:決断できない人には選択を迫る。P.128:責任逃れを未然に防ぐには:文書で記録を残しておく。P.153:仕事の断り方:能力が足りず、上司にも迷惑がかかる事をメールで伝えておく。

「老害」という哀しき末期症状を読んでいると、上に立つなりの大変さがあるものだとは感じた。生活基盤の安定や報酬を考えると、部下よりも上司の方がいいと思うので、それほど同情しなくても良いようにも感じた。


" Why do the organization which does not utter objection mistake ? (なぜ、「異論」の出ない組織は間違うのか)

2019-12-29 21:55:12 | 読書

 Kindleで読んだ“なぜ、「異論」の出ない組織は間違うのか”の感想を以下に記す。著者の経験を踏まえて、組織変革の考えやヒントについて、述べられている。郵政民営化、東京電力福島原子力発電所事故調査委員会、コンサルタント会社での色々な体験を元にしているので、説得力はある。妙に空白行が多かったのは、どういった理由かが気にかかる。最初に書いてあった「聞いていない」と言ってしまうと、無能の烙印を押されるという記述があった。これは、自分の考えになく、かつ、言われてみればもっともな事なので、随分感心した。本書の主題である、「異論」の出ない組織の問題点や要因が何回も述べられていた。

 官僚等が面従腹背をする行為の理由を、既得権益保持とは違う独特の思考様式とみる点は慧眼だと思う。確かに、既得権益保持とは異なる。

大事と感じたことは以下の通り。日本の企業でよく見られる年次によるヒエラルキーのある組織では、異論が出る組織にはならない。無謬性を追求する組織でも、同じく異論の出る組織にはならない。異論の出ない組織の特徴はよくまとまっていると思う。

異論の出ない組織の特徴の多くが、所属組織に該当する場合は要注意だろう。

 多様な人材の確保は、解決策となる。「異論」を義務付ける組織の次の前提条件は、組織人として思い起こしたり、組織運営で気を付けた方がいいと思う。

 世界に通用する組織になる人材になるヒントもある。組織の論理や面子ではなく、社会の利益を優先するように心がけることになると思う。

 おそらく、伝統的な日本の大企業は、典型的な年功序列である事を考えると、異論の出ない組織になっている事が多いと思う。そのおかげで、調子のよくない組織も多いとも感じる。異論を義務付ける組織の前提条件が成り立つと、異論を義務付けなくても、自浄作用や継続的な改善を行えるようになれると思う。個人的には、自浄作用や継続的な改善が出来ないと、生き残る組織にはなれないように感じる。


The 7 Habits of Highly Effective People(7つの習慣)

2019-12-21 21:34:02 | 読書

 Kindleで読んだ“7つの習慣”の感想を以下に記す。7つの習慣は新版の紙、旧版の紙と英語版のKindleで読んだので、今回が4回目になる。自己啓発の本では世界的に有名な本のようである。色々な自己啓発の本を読んだが、この7つの習慣が心に響き、役立つ本である。本書で何回か書かれている、第1の習慣“主体的である”事が非常に重要であることを思い起こした。PとPCのバランスの話もいつ良く考えた方がいい。Pは成果(Performance)で、PCは目標達成能力(Performance Capability)である。第I領域と第II領域の違いも大事である。よりよく生きるための手がかりとしたい。

 特に実践したい内容は以下の通りである。

位置: 3,777

 第II領域のパラダイムを理解し、自分の内面から生まれる優先順位に従って、毎週の計画を立て、実行する。これにより言行が一致させる。

⇒かなり難しいが、頑張っていきたい。

 

位置: 6,298

⇒運動を継続し、第1の習慣の主体的な筋肉も鍛える。

運動を行うことを妨げる要因に反応せずに、健康を大切にする価値観に基づいて行動すると、自信がつき、自分に対する評価や自尊心、誠実さが大きく変わっていくはずと述べられている。

 

位置: 6,980

第1の習慣から第3の習慣までを言い表せる「約束をし、それを守る」を実践する。


New method to reading Analects (新しい論語)

2019-12-07 20:16:48 | 読書

 図書館で借りて読んだ“現代語訳論語”の感想を以下に記す。著者は宮崎市定で、最近はこの人の本を読むことが多い。これを読んだ一か月前に読んだ“論語の新しい読み方”とは内容が近い。こういう古典は原文をそのまま読む事が通例だと思われるが、意味が通らないところは、字を書き替えて読みかえている。また、孔子の一方的な教訓集ではなく、弟子たちとの合作の対話篇であるはずと前書に書かれている(P.vii)。また、古代の言葉を現代語で解釈するばかりでなく、現代語を古代の言葉に翻訳する気持ちで現代語訳を行おうと書かれている(P.vii)。こういった方針により、古典の翻訳としては、雰囲気の違う内容になっている。ところどころに書かれた著者の記述が印象だった。

P.25 どんなに人事を尽しても何か不可知の理由で思う通りに事が運ばぬことがある。さればと言って努力をやめるわけに行かぬ、成敗を度外視しての奮闘が、孔子の最後に到達した覚悟であって、実際にこれ以上の人生観は考えられないのではあるまいか。⇒同感である。不可知の事があっても努力は必要。


Haphazard actions crash companies(場当たり的が会社をつぶす)

2019-11-30 15:43:48 | 読書

 Kindleで読んだ“「場当たり的」が会社を潰す”の感想を以下に記す。「場当たり的」が発生するメカニズムとその解決策が書かれている本である。「場当たり的」が続くと、組織が潰れるのだろうと感じた。歴史的にみても、場当たり的になると組織が潰れるようになっているように感じる。実例を交えながら説明されているので、読みやすい本になっている。強引に短くまとめると、「強い思い」を持ったうえで、「戦略」を考え、「戦術」の立案実行をしていく事が肝要になる。印象に残った記述は、序章書かれている著者の父の記述である。著者の父の考えは、細部が分からないとはいえ、著者の言は当たっているように思う。なので、実践した方がいい事は位置140の下記になる。“実行することが自分の「強い思い」に近づくことなのか、反することにならないか、培ってきた構造や仕組みに合致していて、自分たちの力が発揮できるものなのか否か、そんな判断がまず先にあり、それに合致したとなれば、意志を持って物事を計画的に、用意周到に運ぶため、的確さが増したのだと思います。”

とはいえ、実践することは容易ではないので、本書で書かれているような色々な取り組みが必要だと思う。自分なりのこだわりを述べると、「強い思い」という表現は何となく「思い込み」を想起してしまうので、「ビジョン」や「方針」にした方がいいと思う。

 Kindleでハイライトした個所で、少し気にかかった個所を書いておく。数字は位置の番号。

 戦略は一貫性が求められるが、戦術は臨機応変が必要⇒193:孫子に類語があったような気がする。

 一般論だけで戦術を示せない「自己優先型場当たり的症候群」⇒325:かなり多いように思う。

 平等意識による頑張りを課題に評価することがある。⇒490:思い当たるふしがある。

 大切なことは何度も繰り返し伝える。⇒519:忘れがちである。

 実力がついてから任せるようにする。⇒857:適切な助力が大事。

 結局は、自分が計画的に考え、戦略的に行動するためには、深く考え、それを信じる勇気を持たねばならないということなのです。⇒947:勇気は大事。

 ①知識の蓄積と運用  ②価値基準・習慣のコントロール  ③能力の開発、が正しい戦略につながる。⇒確かにその通り。

 信頼を生み出すのは一貫性と有能さ。少なくとも、それぞれが「約束は守る」「どんなことでもいいので何かを勉強している」という状態は作りたいものです。⇒1661:全くの同感である。案外出来ていないと感じるようでは、組織として危ないのかもしれない。職業人として最低限実践すべき事と言えるだろう。


Asian historical discussion (アジア史論)

2019-11-23 15:39:53 | 読書

図書館で借りて読んだ“アジア史論”の感想を以下に記す。著者は宮崎市定で、最近はこの人の本を読むことが多い。人との交流により、歴史は作られるので、地域を限定して歴史を見ても意味はないという趣旨のことがP.7に書いてあり、その通りだと思った。宮崎市定の中国史に関する著述は、西アジアを始めとする他の地域との交流や影響が書かれており、その言に従っていると言える。著者の専門は中国史であるが、本書では西アジアや日本についても述べられている。含蓄のある文章が多い。東洋史の上の日本では、日本の評価が自分にも関係あり、思い当たる節もあり、妙に面白かった。創造の無駄と危険の話(P.370,379)は、研究者ならではの重い言葉と感じた。実際、その通りだと思う。

 印象に残って、これは面白く納得できると感じた記述は以下の通り。

 漢字は、象形文字と音符文字の中間の形態で、言語に不順であるがゆえに、言語の違う同系統の民族に広がっていった(P.65)。

 宋以後が近世。

中国では、新王朝が起こっても、支配者の更迭が起きただけで、社会制度の本質は変わっていない(P.155)。

漢字は、象形文字を有する。そのため、同系統の言語を操る南中国では、漢字により漢文化の融合が進んでいった(P.182)。

以下は、東洋史の上の日本の箇所である。

 未熟な人生観により、下らぬ政策や実践をするなら、何もせずに昼寝をしてもらった方が良い(P.315)。いろいろな組織の中の点取り主義の働き者のための犠牲は多い。

 日本は人口が多い点に特徴がある。これには悪い点もあるが、どこかに暮らしやすい場所があるということでもある。(P.326)

 清和源氏の系図のように、二つの説に、いずれも妥当性が認められるならば、どちらも正しくない可能性がある。(P.336)

 独裁者の性格は複雑であり、織田信長、豊臣秀吉、徳川家継も同じである。独裁者は境界線上において形成される。漢の高祖と明の太祖が南北中国の境界線上、スターリンがヨーロッパとアジアの境に、ヒットラーが独墺(どくおう)国境に生まれたのは決して偶然ではない。尾張や三河は東日本と西日本の境界線に当たる。(P.348)

 産業革命は、最も有利な組み合わせが実現し得る最好適地をイギリスに見出して結実したものなのである。(P.358)

 もともと自己を知ることは最もむつかしい。しかし日本人の自己評価の上り下りは非常に大きい。これは世間を知らない田舎者がよく陥る状態である(P.371)。

 独創(創造)のためには、大きな無駄と危険を覚悟する必要がある。ただし、模倣や輸入は、結果が先にあるため、無駄をせずに安全に借りてくることができる。そのため、外国に既にあるものを移入することが新しいものだという観念が成立してきたのは仕方がないとして、創造の努力を怠り、創造の価値を軽視する風さえ生じた。これは困ったことである。(P.379)


New method to reading Analects (新しい論語の読み方)

2019-11-15 21:00:39 | 読書

 図書館で借りて読んだ“論語の新しい読み方”の感想を以下に記す。実は、同じ著者の現代語訳論語を借りるつもりだったところを間違って借りた本である。とは言え、何かと面白い記述が多い本である。西洋の横文字は、中国語と違い頭が良くなるような気がする(P.35)。日本語よりもヨーロッパの言葉の方が正確(P.44)。歴史のような人文科学は、自然科学と異なり相対的な問題を扱うため、結論に曖昧さが残る(P.51,84)。イタイイタイ病の例から、自然科学においても、すぐにどちらか分かる(結論が出る)とは限らない(P.128)。仁とは神の道ではなく、人の道をさす(P.151)。孔子曰く、君子に三畏あり。天命を畏る(中略)。小人は天命を知らずして畏れず。(これは)人事を尽くしても、天命によって失敗することあるを始めから覚悟してかかるべく、楽観してはならぬという戒めであろう(P.175)。(天命の記述で)現実に起こるまでは何人も万全をもって結末を予言することは不可能である(P.198)。確かにその通りだと思う。

 文章に間違いや改編がある場合に、色々な個所を突き合わせて文意に沿うかどうかや、音で文章を正すというやり方は、すごく大変だと感じた。


Pretension of work(仕事ごっこ)

2019-11-08 21:03:03 | 読書

 図書館で借りて読んだ“仕事ごっこ”の感想を以下に記す。はじめに書かれているように、今となっては意味のない慣習を見直して、社内外の協業者と迅速に成果を出すための慣習の見直しや考え方が述べられている。実際、よく分からない慣習や社内外の人の時間を犠牲にすることが多々あるように感じられる。そういった意味では、仕事ごっこが多く、生産性が低いという事になると感じた。

 一番印象に残った話は、第9話 里のかえると都会のキツネ ~相見積もり、コンペ、提案泥棒である。度が過ぎる相見積もり、コンペは協業する気がなくなるのは、その通りだと思う。

 自分だけでなく相手の時間や手戻り、その仕事が本当に必要かどうかを気にして、仕事を進める事が大事だと思う。

 分量はそれほど多くないため、あまり時間をかけずに読めた本である。

 

 (P.6)仕事ごっこ

・生まれた当初は合理性があったものの、時代や環境や価値観の変化、および技術の進化にともない、生産性やモチベーションの足をひっぱる厄介者と化した仕事や慣習。

・コラボレーション、ひいてはその組織とそこで働く人の健全な成長を邪魔をする形骸化した仕事や慣習。あるいは、仕事のための仕事。

 (P.6、協業する相手)

 ・社外(取引先、お客さん、地域社会、海外など)と。

・社内の部署間で。

・会社を越えた、同業他社の人たちと。

・自社でともに働く候補者(新卒、中途採用、派遣社員など)

こういった人達との協業を進めるための考え方と事例を知る良い機会になった。

P.98の“「相手の時間やビジネス機会、成長機会を奪わない」 働き方改革とは、そういうことです。ビジネスと雅は、いったん切り離しましよう。”が大事だろう。


World history 4, Tang and India (世界の歴史4 唐とインド)

2019-11-02 22:22:47 | 読書

 図書館で借りて読んだ“世界の歴史4 唐とインド”の感想を以下に記す。460ページを超える本であるが、文章は比較的平易なので、読みやすい本である。この種の本は、分量が多く、読みやすいと言っても、記述がそれなりに難しいので、読む終える事には時間がかかる。書名から見ると唐の記述が中心かと思いきや、当の記述は120頁程度で全体の1/4程度になる。時代的には、後漢末期(三国志の始まり)から唐の終わりまでの中国が中心である。インドは、文明発達と唐代の頃までを書いており、分量は50頁程である。期間が長いため、通史という印象もある。梁の武帝に関する記述が意外と多いように見受けられた。侯景の乱の始末まで入れると30頁近くある。全体を通しての印象は、仏教に関する記述が多いことである。仏教があまり普及していない後漢末期から三国時代を除いて、仏教を中心に据えて筆を進めているように感じた。五胡十六国時代の後に、インドの記述が入っている事は、仏教をその起源から説明するためだと思われる。南北朝時代から唐の時期に、仏教が相当な影響を与えていたことが伺える内容となっている。

 南朝の貴族文化や唐の隆盛と退廃も感じられる文章である。何となくであるが、現今の日本の雰囲気は、退廃しつつある南朝の貴族(梁武の頃)や唐(安史の乱の直前)に似たものを感じる。現今の日本の経済的に没落しつつある点からすると、陳朝滅亡直前の建業や安史の乱の後での長安が、現今の日本に似ているかもしれない。安史の乱の後での唐の記述は中々興味深い(P.452)。簡単にまとめると、チベット(吐蕃)の横暴、節度使の半独立、宦官の横暴、牛李の党争が唐の苦難になる。結局この負担は、人民に押しかかり、人民のいかりが爆発して黄巣の乱が起きたと書いている。

特に印象に残った記述は、P.179の以下である。仏教はインドで起こり、政権のひも付きなしで、中国や日本をはじめとする海外に普及していった。バラモン教やヒンズー教のインドでは栄え得ない運命であったともいえよう。