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変人技術士の備忘録(別称:すいりき板改)

技術士の日々の思いつきを列記。
すいりき板は、出身研究室の掲示板(現在閉鎖)
専門用語を不定期掲載

The era of crisis(危機の時代)

2023-05-22 15:04:28 | 読書

Kindleで読んだ“危機の時代”の感想を以下に記す。

 ジム・ロジャースの投資のやり方は、壊滅状態の株を買って、ある程度の高値で売る。空売りも好む。高値で買って高値で売る事は得意でない。自分の得手不得手をよく把握している。自分のよく知らないものには投資しない。有望な投資先は、中国、ロシア、北朝鮮。投資は、そもそも“安値で買って高値で売る”ための手法なので、その原則に忠実と言える。自分が読んだ感じでは、最安値で買って、最高値で売る事は、出来ないとジム・ロジャース自身は思っているようであり、本人もそれを狙ってもいないように感じた。

 本書は、日本人が親日家のジム・ロジャースに対してインタビューした内容を基にしているので、日本に対する記述が多い。

 歴史を知る事は重要と書かれている。歴史は繰り返さないが韻を踏むという記述がレビューにあったが妙に納得できる。宋やローマ帝国、ギリシアについても言及があった。スペイン、ポルトガル、第一次世界大戦前のオーストリア、第一次世界大戦後の恐慌にも触れている。

 本書を読む事で、原則に従う事と歴史に学ぶ事の重要性を感じることが出来る。また、よく実態や実情を把握する事も重要である。


World history 13(世界の歴史13 ブルジョアの世紀)

2023-01-31 23:40:18 | 読書

 図書館で借りて読んだ“世界の歴史13 ブルジョアの世紀”の感想を以下に記す。19世紀のヨーロッパについて書かれている。産業革命による社会の進展と民主制の発達を知るのに、良い本である。また、イタリアやドイツの民族の統一運動に書かれている。フランスの歴史を見ていると、フランス革命、ナポレオン帝政、王政復古、第二帝政、パリコミューンと数十年の間に体制が目まぐるしく変わっている。それにもかかわらず、広大な植民地を支配できたのは、不思議だと思った。政治体制が多少変わっても、中間層が強固で、産業革命の恩恵をうまく生かせた事が要因なのかと思った。

 織機の機械化を進めたカーライトが、仕事を失う事を恐れた手織工により自身の工場を焼かれ、破産するP.144の記述は印象に残った。現在も、機械(AIやロボット)による失業の可能性が高まっており、産業革命の頃と同じように大規模な失業を引き起こすかもしれないと思った。P.140のアダム=スミスの頃(18世紀)における、分業化と専門化による生産性の向上と機械に置き換えられる可能性の記述も興味深い。これも現在に当てはまるように思う。

 また、この本を読んでいると、人権を確立するために、ヨーロッパで、民衆が活動されていた事が伺えた。少なくとも日本では、ヨーロッパ、フランスのような革命がなかった事は事実である。宗教的な事もあるが、こういった歴史の違いによって、国民の人権意識の違いが出ているように思う。


A book for people with low self-affirmation(「自己肯定感低めの人」のための本)

2021-03-20 15:28:43 | 読書

 図書館で借りて読んだ“「自己肯定感低めの人」のための本”の感想を以下に記す。その名の通り、自己肯定感が低めの人に対して書かれた本である。著者の山根洋士は、心理カウンセラーなので、その知見を活かして書かれている。自己肯定感が低いことは、本書の言葉を借りれば、「心のノイズ(メンタルノイズ)」が原因である。心のノイズ(メンタルノイズ)を認識した上で、それをどのように扱うかが重要と書かれている。メンタルノイズは14個に分類されており、第2章で、その内容や対策が書かれている。読んでいて、訓練を受けていない人がメンタルノイズの原因を探すと危ないと、ずんずん氏が自身のコーチングのブログで書かれていた。なので、メンタルノイズの原因探しは慎重にした方がいいと思う。

第3章では、メンタルノイズを探すための裏思考法が書かれている。

 本書で書かれている要旨で同感した個所は以下である。自己肯定感が低い事の問題点は、メンタルノイズに振り回されて、ありのままの自分を受け入れていない事だと思った。また、メンタルノイズは、過去の自分を守るために自分が作り上げたものなので、今となっては不適切になっている事もある。従い、そのメンタルノイズから、上手く自分を解放する事が大事である。これらは自分の経験上当てはまる内容でもある。

自分のメンタルノイズに気付くことは難しいとは思うが、メンタルノイズを意識して、それに振り回されないように考え、行動することが大事だと思った。このメンタルノイズへの対処の実践は難しいかもしれないが、心がけていきたい。


It is good not to enroll Tokyo university (東大なんか入らなきゃよかった)

2021-03-14 15:22:32 | 読書

 図書館で借りて読んだ“東大なんか入らなきゃよかった 誰も教えてくれなかった不都合な話”の感想を以下に記す。一言で言うと、日本の最高学府である東大に入学しても、成功が約束されるとは限らないという事が書かれている。理由として、学業の能力の高さが仕事に必要な能力の高さに直結するとは限らない点や、周囲からの東大卒に対する過剰な期待とその違いが大きい場合がある点などが挙げられている。東大に入ると勉強をしなくなる人もいるようである。博士課程に進学しても、生活が苦しい事も書かれている。

 これらの内容は、東大に限らず、ある程度以上の学力が要求される有名な大学にも当てはまる内容が多いように思った。とは言え、日本でも一番の大学である東大は、程度はかなり強いのだろうとも思った。

 3種類の東大生の分類「天才型」「秀才型」「要領型」は、興味深かった。自分は「秀才型」になるのかと思った。他の大学より東大は、「天才型」の人の割合がかなり多いと思う。


Tourism nation theory(新・観光立国論)

2021-02-13 13:49:22 | 読書

 Kindleで読んだ“新・観光立国論―イギリス人アナリストが提言する21世紀の「所得倍増計画」”の感想を以下に記す。個人的には、以前から観光には日本の「おもてなし」が大事だという話を疑問視していた。その「おもてなし」の疑問を明確に説明してくれる記述があった点は非常によかった。確かに、自分が観光に行く際は、ある程度の「おもてなし」があれば十分で、「おもてなし」だけで観光に行く事はないので、納得である。冒頭の位置46に書いているように、“事実を客観的に分析して、問題を浮かび上がらせることで、その問題を 1 つひとつ解決するように努める”事が極めて大事だと感じた。客観的事実は、色々な人にとって都合の悪い事が多いので、それを乗り越える心構えも必要だと感じた。本書とは異なるが、“「腐った組織」に絶望する前に、絶対に歴史を学ぶべき理由” で、ファクト(客観的事実)を無視しだすと、後漢のように組織が衰退するというダイヤモンドオンラインの記事を思い出した。

さて、本書で書かれている内容は、観光立国とはどのような状況になるかを規定し、観光立国になるために、日本や外国の観光に関する現状と将来の動向を分析している。その上で、観光立国にするための対策について書かれている。観光立国という観点であるが、他の産業や個人の仕事に適用できる考えが多い。本書を読んで全般的に受ける印象は、日本の観光産業は、自画自賛の声によって評価し、供給者の都合でサービスを提供し、相手であるお客様の評価をそれ程気にしていないようである。大雑把なマーケティングではなく、細かく顧客を分類して、その顧客にニーズに応える事が産業として重要である。


Life strategy from 50s(50代からの人生戦略)

2021-01-30 16:00:25 | 読書

 図書館で借りて読んだ佐藤優著の“50代からの人生戦略”の感想を以下に記す。この本は、50代に入ってから、どのように(戦略的に)過ごすかについて書かれている。想定している読者は、50代ないし40代の務め人のようである。50代になると、肉体的な衰えが出て来るし、子供の学費や親の介護があり、職場の立ち位置が変わってくるので、色々と準備が必要になる。数十年前との違いは、日本では、全体的に収入が減っている事と高齢化が進んでいる事がある。また、セクハラ・パワハラに対して厳しくなっている事も大きな違いである。これらを認識して予想したうえで、準備をする事が本書で書かれている。予想できる事態に対して、事前に準備しておく事は、戦略の一部となるように本書を読んで感じた。


World history 11; New continents and Pacific ocean(世界の歴史11 新大陸と太平洋)

2021-01-17 11:54:35 | 読書

 図書館で借りて読んだ“世界の歴史11 新大陸と太平洋”の感想を以下に記す。この本で書かれているのは、イギリス植民地時代から第一次世界大戦までのアメリカ合衆国、ラテンアメリカ、オセアニアである。分量は、アメリカ合衆国が約440頁、ラテンアメリカが約30頁、オセアニアが約30頁となっている。日本との関係性と世界史に与える影響を考えると、アメリカ合衆国の分量が多い点は納得がいく。

この本を通して、感じた事は次の通り。アメリカ合衆国は、移民により、州の連合体により、自由平等を旨に建国された国であり、その影響が今もなお残っている国だと感じた。また、アメリカ合衆国は、西部開拓の歴史があり、その影響も残っているように思う。また建国当時は、東部の13州しかなく、産業基盤が強くなかったので、当時の強国であったイギリスやフランスとの外交に苦労した事も分かる。

以下は印象に残った記述である。

P.84:独立宣言に自由と平等が含まれていること。

P.98:ワシントンは、共和主義を実現するために、一市民として故郷に帰り、この行動は建国の父たるにふさわしい。

P.149:ジャクソニアン・デモクラシー以降、アメリカでは、選挙によって選ばれた官吏の権力は拡大されるが、任命された官職の権限は大であってはならないというふうに考えられるようになった。

P.166:アメリカ合衆国の西部は、他の国とは意味合いが異なる。

P.348の社会進化論は進化論的な進展をとげるべきであるという考えを含んでおり、それがアメリカ的な実用主義に大きな影響を与えたこと。

 P.407のイェロー・ジャーナリズムが米西戦争に与えた影響。

 ローズウェルトのP.453の記事は印象的である。彼自身の創意はほとんどなかったが、“彼にはほかのどの政治家よりもすみやかに大衆の要求しているものをとりあげ、これを解決していく大きな才能があった。”これが、積極強力外交と内政面でのいろいろな改革をしても、矛盾を感じさせなかった理由である。

以下は気になった個所の写真である。


Fastest working method without mouse(脱マウス最速仕事術――年間120時間の時短を実現した50のテクニック)

2021-01-10 21:14:34 | 読書

 図書館で借りて読んだ“脱マウス最速仕事術――年間120時間の時短を実現した50のテクニック”の感想を以下に記す。実は、ショートカットの学習は以前からしていたので、目新しいショートカットはそれほど多くはない。気になったショートカットを下記に記す。

 Alt+ドラッグ:ショートカット作成

 Ctrl+Shift+F1:エクセル、非通知領域を増やす

 Shift+(アプリケーションキー)⇒A:エクスプローラーでショートカットのコピーを起動できる

 Windows+Shift+s:範囲を指定して画面を撮影する。

 Ctrl+スペース:outlook,word等で標準書式にする。

 Ctrl+Shift+c, Ctrl+Shift+v: outlook,word等で書式をコピーペーストする。

 Ctrl+L(R,C): outlook,word等で左詰め(右詰め、中央は位置)にする。

 Ctrl+十字キー+スペース:エクスプローラーで複数を選択

 Alt+エンター:エクスプローラーでプロパティを起動


Living with real intension(本音で生きる: 一秒も後悔しない強い生き方)

2021-01-07 21:08:55 | 読書

 Kindleで読んだ“本音で生きる 一秒も後悔しない強い生き方”の感想を以下に記す。著者は堀江貴文。堀江貴文の本は、共著の“10年後の仕事図鑑”を読んだ事はあるが、堀江貴文単著の本は初めて読んだ。本を読んだ感想は、堀江貴文という人は、良くも悪くも、かなり変わった考え方をする人だというもの。堀江貴文の記事を、東洋経済等で何回かみたが、本を通して読むと、かなり考え方が分かったような気がした。

本音で生きるための方法が主として書かれている。本音で生きない理由は、「失敗が嫌だから、やらない」 「あとで何か言われそうだから言わない」 「嫌われたくないから、突っ込まない」(位置11)。本音で生きるために大事な事は次の3点。1.言い訳しないこと 2.バランスをとろうとしないこと 3.「自意識」と「プライド」を捨てること(位置171)。確かにその通りだと思う。ただし、文化的な規範のためか、日本では、本音で生きる事が難しいように思う。トレードオフに関する記述、時間に関する著者の厳しい考え、ITを使ったマネタイズが非常に印象的だった。確かにその通りだと思う。ただし、否定する人は一定数いるように思う。時間に対する考えは、かなり独特という印象があった。

トレードオフを意識せよという話が4回出てくる(位置358、366、438、519)。自分が思うに、トレードオフを意識しない事と日本に本音で生きる人が少ない事は、何か密接な関係があるように思う。位置: 358“しかし、世の中はトレードオフだ。時間がないなら、どちらかに決めなければならない。むしろ、「何かをはじめるなら、何かを捨てなければいけない」ということは、当たり前のことだと知っておくことだ。”は大事な考えだと思う。言い訳をやめると、すぐに体が動くようになる(位置503)。プライドのないバカが一番強い、小利口が一番よくない(位置694)。情報のインプットとアウトプットと、コミュニケーションは量が質を作る(位置922)。コアバリューに集中する事(位置1037)。量が質を作るのであって、その逆はない。大量にアウトプットし、「自分で考える」ことを繰り返す(位置1265)

 位置1503の最も貴重な資源は、時間という主張は全くの同感である。自分の時間を大事にするために、本音で生きる事が大事だと思う。


Big perspective(大局観)

2020-12-31 21:12:45 | 読書

 Kindleで読んだ“大局観”の感想を以下に記す。

 この本の題名にもなっている「大局観」は、この本によると、東西南北のどの方向に行けばその組織は生き残れるのかがわかる能力となっている(位置189)。さらに大局観を持ちたい場合は、目線を高くすることが必要で、対象から離れないと、全体像は見えてこない。そのためには、「歴史」と「世界」という縦軸二つの思考軸を活用するのがいちばん(位置203)。

 その後で、リーダーに関する記述が書かれている。気にかかった内容を列記すると以下の通り。軸=思考する際の前提条件で、著者の場合は以下の5つ。1.人間は動物である。2.人間はそれほど賢くない。3.人生は「イエス・ノーゲーム」。4..すべてのものは「トレードオフ」。5.「大勢の人」を「長い間」だますことはできない。それと気にかかったのは、「直感の精度」を高める、インパクトは「仕事量×スピード」。色々と思い起こしてみると、いいとこ取りのできない「トレードオフ」に目を向けない(位置410)事が多いように感じる。また、妙な完璧主義で色々とスピードが遅い事も多いように感じる。

 本書で書かれている歴史と他の地域から考えを学ぶ“タテヨコ”の思考は確かに役立つように思う。ただし、歴史や他の地域に詳しくないと出来ないので、そのための学習が必要となる。

 ある分野の知識を早急に身につける場合は、薄い入門書よりも、分厚く難解そうな本を読んだ方がいい。その理由は、薄い入門書は相当部分省略されているが、分厚い本は網羅的に書かれているので、体系的に理解しやすい(位置913)。

 常に広い場所“辺境”に身を置き、そこで失敗を繰り返して学ぶというチャレンジをする事が大事(位置998)。

 リーダーに必要な3要素は、「やりたいことをもっている」、「旅の仲間を集められる」、「旅の目的地までチームをまとめ、引っ張っていく」こと(位置1052)。また、リーダーというのは「わからないことを決められる人」のことです。(位置460)がひどく印象的だった。何となく、自分の周りを見ると、リーダーというと、何でも分かっているので、何でも決められる人という印象があるが、実際は「わからないことを決められる人」と考えた方がいいと思う。この事は、トレードオフを意識しない事と関係が深いように感じる。

 仕事でいちばん大切なことは「最後までやり抜く」こと(位置1237)。

強い個性をぶつけあいつつ秩序を維持していくためにルールがある」という順番ではなく、「秩序を守るために個性を殺す」という逆の発想になってしまうのです。位置: 1,433⇒自分もルールの捉え方がおかしいという感じがする事がある。

著者の考えでは、戦後の日本の驚異的な復興の主因は、外から吹いた三つの「神風」(位置1525)。本書でも書かれているように、外的要因が強いのに、日本は特殊だという思い込みが強いことが問題だと思う。そこから脱却するには、他の世界に学ぶ事が必要だと思う。

 個人的には、トレードオフを意識した上で、自分のやりたいことをもつことが大事だと感じた。自分の軸をどのように作っていくかは、引き続き今後の課題になる。


Liberal arts lectures for leaders(新・リーダーのための教養講義 インプットとアウトプットの技法)

2020-12-20 16:38:40 | 読書

 Kindleで読んだ“新・リーダーのための教養講義 インプットとアウトプットの技法”の感想を以下に記す。本書は、同志社大学の特別講義の内容をまとめたものである。個人的に印象に残った記述は、第3講と第4講の佐藤優氏と東郷和彦氏が担当した“外交の実務と裏側”である。実務を担当していた佐藤優氏と東郷和彦氏が講師で、あまり聞けない話が多い点が印象的だった。その中でも特に印象的だったのは、位置1306の“外交交渉や国際ビジネス交渉の場面で、日本人が失敗する原因とその対策である。”交渉相手が譲歩すると、日本は相手を弱いとみて、自分達のハードルを少し上げる傾向がある。そうするのではなく、相手が譲歩してきたら、そのままで取るか、あるいは相手の譲歩よりも半歩こっちが譲歩する。そうすると交渉はうまくいく。“

 位置278の気を付ける人間のタイプも印象的だった。一つは、能力がなくて、やる気のある人間で、自己評価が高い人とも表現されている。“能力がなくて、やる気のある人間を矯正するには、ものすごいエネルギーがかかる”と書かれており、残念ながら同感である。もう一つは、非常に出来はよくて能力があるんだけども、静かにして、発言しない人。これは完璧主義のため、発言しないとも表現されている。一見、人間関係の構築はうまいし、ゼミでもそこそここなすんだけど、一つの場所で長期的に取り組むことができなくて、最終的な結果が出ない人。

 著者が提唱している統合知が大事だという考えは、自分もその通りだと思う。ただし、色々と学ぶ事が多いので、実際にやる事は大変だと思う。

 教養を重視したドイツが19世紀中葉から力をつけて、科学技術の面でもトップの国になった事例(位置3686)は興味深い。教育の大事さを示す好例だと感じた。

位置3706の“「ノブレス・オブリージュ」をもって、「受けるよりは与えるほうが幸いである」を覚えてほしい”も印象に残った。自分は「受けるよりは与えるほうが幸いである」という考えがあまりないので、少しはこの考えを持った方が良いように思う。


Survival method in organization(サバイバル組織術)

2020-12-13 16:07:22 | 読書

 Kindleで読んだ佐藤優著の“サバイバル組織術”の感想を以下に記す。著者の佐藤優の経験を踏まえて、書名の通り、組織での生き残り術が書かれている。興味深く、実践すると役に立つ内容が多い。時折読み返した方がいいと感じた。

印象に残った記述の箇条書きは以下の通り。

手段の正統性の大事さ。リーダーシップの概念と日本型組織におけるリーダーシップの概念の欠如。上司とは喧嘩せずに仕事で成果をあげることが大事。部下は叱るよりも、ほめた方がいい。きちんとした文章でA4判2枚程度にまとめた文書は、説明のためのプレゼンテーションには望ましい。


The scientific method to find proper job(科学的な適職)

2020-11-23 23:15:57 | 読書
 Kindleで読んだ“科学的な適職”の感想を以下に記す。自分にとっての適職とは何のかと未だに考えている事もあり、購読した本である。科学的に証明された適職の探し方が書かれている。冒頭で書かれているように、❶人類の脳には、職業を選ぶための「プログラム」が備わっていない ❷人類の脳には、適職選びを間違った方向に導く「バグ」が存在している(位置200)を認識しておくだけでも良いように思う。
 多くの研究が「人間の幸福とは 関係ない 仕事の要素」が次の7つだったのは、自分にとっては意外だった。❶好きを仕事にする ❷給料の多さで選ぶ ❸業界や職種で選ぶ ❹仕事の楽さで選ぶ ❺性格テストで選ぶ ❻直感で選ぶ ❼適性に合った仕事を求める(位置322)。
 ❶専門家だろうが有望な業界など予測できない ❷人間は自分の個人的な興味の変化も予測できない点(位置531)は印象的である。
仕事の幸福度を決める以下の7つの徳目にそれ程意外性を漢字なかった。❶自由: その仕事に裁量権はあるか? ❷達成: 前に進んでいる感覚は得られるか? ❸焦点: 自分のモチベーションタイプに合っているか? ❹明確: なすべきことやビジョン、評価軸はハッキリしているか? ❺多様: 作業の内容にバリエーションはあるか? ❻仲間: 組織内に助けてくれる友人はいるか? ❼貢献: どれだけ世の中の役に立つか?
 職種の判断に有効とされる攻撃型と守備型では、自分は守備型になっており、これは予想通りだった。自分の仕事の満足尺度が213点と低めだった点が気がかりである。本書で書かれている「ジョブクラフティング」の手法を使って、「現在の職場をいかに良くするか?」「いかにいまの仕事に『やりがい』を見出すか?」にエネルギーを注いだ方が良いように思う。構造的な仕事の質の向上は4.3点でかなり高く、妨害的な仕事の要求の低減は2.7点でやや高い。対人関係における仕事の資源の向上は2.2点、挑戦的な仕事の要求度の向上は2.0点で低くなっていた。どれを向上させるかは悩みどころである。判断の妥当性を高める次の技法は取り入れていきたい。技報1 10/10/10テスト(10分後、10か月後、10年後にどう感じるかを考える)。技報2 プレモータム(失敗を前提にした意思決定)。技報3イリイスト転職ノート(自分の悩みを3人称で書きだす)。技報4 友人の頼る。
 一通り読んだだけでは、ジョブクラフティングを含めた本書の知見の実践は出来ないと思うので、折を見て読み返して、実践を心がけていきたい。

World history 10; French Revolution and Napoleon (世界の歴史10 フランス革命とナポレオン)

2020-11-08 23:11:40 | 読書

 図書館で借りて読んだ“世界の歴史10 フランス革命とナポレオン”の感想を以下に記す。本書で扱っている内容は、時期はフランス革命の少し前からナポレオンの没落までのフランスを扱っている。読んだ感想は、短くまとめると、フランス革命とそれに続くナポレオンの勃興と没落について、歴史的な意義を知る良い本である。

 実はよく知らなかったが、フランス革命からナポレオンまで勃興するまでに、政権交代が頻繁に行われていた事に少々驚いた。あわせていうと、政権を担っていたダントンやロペスピエール達が、あっさりとギロチンで処刑される記述は、何だか空恐ろしいものを感じた。フランス革命は、被支配層(ブルジョワジー)による体制転覆で、フランス革命以前の被支配層(ブルジョワジー)を意識した政治体制の構築という点が特徴であるよう思う。世界の歴史で見ても、ほとんど例がない事件である。したがい、本書で何回か書かれているように、フランス革命が、これ以後の歴史に与えた影響が計り知れないものがあると自分は感じた。フランスは、フランス革命後にナポレオンの勃興と没落、ブルボン朝の復活やナポレオン3世による第2帝政などを経て、共和制が確立されることになる。こういった歴史を見ると、ヨーロッパ、特にフランスでは、共和制と密接に関連のある人権意識が強くなるのだろうとも、自分は思った。他のヨーロッパ諸国は、ナポレオンの侵略を通じて、フランス革命の精神が伝播する様も本書では書かれている。そうすると、共和制や人権に関する考え方が、日本とヨーロッパで異なる点は、当たり前だと、自分は思った。フランス革命の精神は、自由と平等が特徴的である。  ナポレオンに関する記述は、一種伝説的な内容があり、読んでいて面白かった。文章が少し変わっているので、ナポレオンの箇所を書いている人は、他を書いている人と違うように感じた。特に気にかかった記述は以下の通り。

 P.299 ロペスピエールらは、革命に関する課題に解決した瞬間から、非常の歴史の女神によって没落する運命にあった。ただし、そうであっても、彼らがフランス革命と近代の歴史において果たした役割は巨大である。

   P.301 フイヤン派、ジロンド派、モンターニュ派といった党派は、(中略)課題を解決すると、使命をおえたものとして革命の舞台からしりぞかねばならなかった。 ⇒何とも過酷な話である。

 P.328 ナポレオンが(戦争に強い)奇蹟の秘密は、兵力の集中、中央突破、各個撃破である。ただし、これは彼の独創ではなく、18世紀のなかばからフランスの多くの戦術家によって、理論としては完成されていた。ナポレオンはそれを実践したにすぎない点では独創ではないが、ナポレオンのいうように「実施こそすべてだ」。この新戦術を数学的正確さをもって実施しえたところにこそ、彼の軍事的天才があったのだ。 ⇒なるほど、実施こそすべてだ、は自分の実務にも当てはまる。ただし、この後でこの戦術の限界についても触れられている。

 P.322 オモチャにすぎないとナポレオン自身が評したレジョン・ドヌール勲章が後世に与えた影響に関する記述。ナポレオンの心理的洞察の的確さを述べている。

 P.493 ナポレオンの没落の要因は、自身が極めて優秀であったがゆえに自信を持ち過ぎた事。

 P.494 (ヒトラーとの対比で)メートル法、国民教育、民法典、レジョン・ドヌール勲章など、今日も生きるものをナポレオンは残した。戦争の悲惨さを別とすれば、ナポレオンは自分は個人的犯罪を一つもおかしていない、とつねに主張していた。

 P.506 日本の明治維新や戦後の民主主義とフランス革命との対比の記述。


1% secret(1%の秘密)

2020-10-31 15:40:56 | 読書

 図書館で借りて読んだ“1%の努力”の感想を以下に記す。著者は2ちゃんねるを開設した“ひろゆき”である。同じインターネット関係で有名な堀江貴文と言っている事が似たように感じた。自分が読んだ本は“10年後の仕事図鑑”である。序文で「幸せの総量」を増やすために、「働きアリ」よりも「働かないアリ」になるための考え方が書かれている。現代の日本で教育を受け働いていると、勤勉や権威に服従する「働きアリ」になりやすい。そのため、「働かないアリ」の考え方を実践する事は難しいと感じた。そもそも「働かないアリ」の考え方が一般的で誰もが実践しているのならば、この本は出ないという見方もできる。団地に住んでいる人の「既得権益」(P.55)や「仕事のブラックボックス化」による仕事の確保(P.261)を、著者は肯定的に捉えている。自分はこの考え方に違和感があり、他の人も引っかかる点がありそうなので、本書の考えを実践できるかどうかは、その人の心理的抵抗が大きいように思う。

 続けて読んでみると、同意する内容が多い。印象に残った記述は、仕事の正しい選び方(P.114)である。ここでは、“「この体験が、なくなったら困るな」と、あなたがそう強く感じられるものを安定収入にするのがいい。”と書かれている。私の場合であれば、数理モデルを使った物理現象の予測で、製品の改良や問題の解決をする体験に価値があると思っている。

 10を維持しながら、11、12……にしていく人(P.221)や夏休みの宿題を直前までしない人(P.231)に対して好意的な見方をしている点は、印象的だった。自分の印象では、否定的な見方をする本が多いように思う。

少し変わった考え方を考えるのによい本だと思う。