介護というには大袈裟ですが。

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平穏な毎日 16

2022-09-30 11:33:22 | 日記
少しずつではあるも、母の足元が弱くなっているのは否定出来なかった。特に立ち上がるときに、時折ではあるもヨタッとすることがあった。ただ普段は全く日常生活に支障はなかった。
心配しすぎも良くなく、かといって、全く心配ではないわけではなく、年齢的にも非常に難しい時期だったかもしれない。
ただ母は非常に元気であった。外出に対しても、苦にしていないように見えた。
毎日毎日、買い物をはじめ、習い事も精力的に通っていた。
意識的に外出をしていたのかもしれない。
私達家族は元気な母を見て、少なくとも、大袈裟な介護は必要ないと思っていた。


男は所詮。15

2022-09-28 12:37:41 | 日記
年は誰でも平等に一年に一つずつ上乗せされる。
ただ年の重ね方は人それぞれで、当然違う。
80歳でも元気に旅行に行く方もいらっしゃれば、50歳でも若年性認知症になる方もいる。
私は全ての人が、その人の生き方を生ききってほしい。と感じている。
『年をとると、出来ないことが一つ一つ増える、でもそれで良い。全て出来たら死ぬとき後悔する。出来なくて構わない
んだ。
母が長女にそう言うと、更に言った。
『ただ、男の人は出来ないことに抵抗があるみたい。プライドが邪魔するんでしょ。』
『男は、いつまでも子供なのよ、でもそこが彼もかわいいんだけど。
長女の言葉に私は少しヒャッとした。


いきなりの連絡14

2022-09-27 17:18:48 | 日記
社交ダンス教室の日、パートナーの紳士の姿はなく、代わりにお嬢様が静かに教室の片隅にいた。
そして、社交ダンスの先生と、一言二言言葉を交わすと、母の姿を見つけ、歩み寄り静かに語りかけた。
『いきなりで、すいませんが、父が少し体調が悪いと、しばらく教室を、お休みしょうかとなりました
『そうですか。辞めるわけではないですよね、体調が戻りましたら、また一緒にダンスしましょう。』
『父に伝えます。きっと喜びます。
お嬢様は母に頭を下げると、静かに教室を出た。
紳士のパートナーは、その後に一ヶ月に1回来るか来ないかになるのだが、母はとても他人事に思えかった。

紳士の葛藤13

2022-09-21 08:16:21 | 日記
母のダンスパートナーである紳士は、お嬢様によると、明らかに、ふらつきのあった日から元気がなくなったという。
社交ダンス教室帰宅後の、入浴、ビールを飲みながらの夕食。というルーティンをせず、ふらつきのあった、その日はすぐに寝てしまった。
その後、数時間眠ると紳士は起き出し、一人台所で、お湯を沸かしていたという。
お嬢様が声をかけると、お腹がすいたので、ラーメンを作ろうとしたとのこと。
お嬢様は夕飯があると食事の用意をした。
紳士は、遅い夕飯を食べながら、表情はとても硬かったという。

『もう年だ、80歳超えて社交ダンスなんて、無理かなぁ?』
寂しそうに紳士は、お嬢様に問いかけた。お嬢様は即座に否定したが、無理はすることはないと伝えた。

そして翌週の水曜日の午後3時。
30分くらい前から元気に教室に入ってくる紳士の姿は、その日社交ダンス教室にはなかった。
代わりに、お嬢様が教室の隅に静かに訪れていた。

異なるルーティン12

2022-09-21 07:02:56 | 日記
母のダンスパートナーの紳士は毅然とした人だったらしい。
そんな彼の少しの足元のフラつきは、母にとつて意外なものだったという。それと同時に安心もしたという。
『私だけじゃなく、年をとれば、みんな同じなんだ』

ダンスパートナーの紳士は、近くの椅子に腰掛け、少し寂しそうに母に伝えた。
『年かねぇ、みっともないところ、見せてしまったね。
『そんなことないですよ。私も最近は足元が、怪しくなって、お互いさまですね。
後日に、紳士のお嬢様から聞かされるのだが、その日の出来事は彼にとって、精神的なショックが相当あった。とのことだった。彼はダンス教室から帰ると、まず入浴をし、ビールを飲みながら夕飯をとるルーティンがあった。
しかしその日は帰宅するなり、すぐに寝てしまったらしく、それを見た、ご家族は不穏な予感がしたといういう。