20年近く前のグループホームでの出来事は、今でも、はっきり覚えている、90歳を超えた、おばあちゃんの転倒は、その場の空気を一変させた。施設職員は驚く程、明らかに動揺をした。すぐに救急車が呼ばれ、警察が来た。私達ボランティアは、ほどなく解散となった。そしてその施設には、その後2.3回は行ったものの、何か全体的に静かな施設になっていた。私もその施設にボランティアに行くのをやめたのか、やめさせられたのか、はっきり覚えていないが、行っていない。90歳を超えたおばあちゃんは、すぐに病院に入院をした。私は、おばあちゃんが大好きだつたので、お見舞いに一度伺った。
その時のおばあちゃんは私の知っている人ではなかった、覇気がなく、こちらの声掛けにも、愛想は振りまくも、私の事は全く覚えている様子はなかった。
ご家族によれば、認知が急激に進んだとのことだつた。
そして、その後、その当時の同じボランティア仲間から聞かされるのだが、お見舞いに伺った2年後に死去される。
どういう経緯をたどったかは定かではないが、あの面倒見の良い、おばちゃんの姿は、輪投げのオリエンテーションを最後に、その後見ること出来なかった。と伝えられた。
私は人の人生が、終わるキッカケを見たようで、なんとも言えない気分になった。
人間は嫌なことは忘れる生き物なのか、あれから20年たった今日。
慣れない営業に配属され、数字数字数字と追いまくられているうちに、20年前の施設の光景は、綺麗に忘れていた。
しかし母の転倒によって、あの20年前の光景が、怖いくらいにシンクロし蘇った。