真夜中も同じ顔

あなたへと続く道

2006-04-08 03:24:12 | 日常
男友達と、会った。

仕事帰りに待ち合わせて、私の地元に一緒に帰る。

そしていつも通り、地元飲み。

金曜日の夜だから、お店はどこもいっぱいで、順番待ちの間、散歩した。

歩き回って、話し続けて。

そして御飯と、飲み。たらふくたらふく。


思ったより元気そうで良かった、と彼は言う。

だって未来について考える方が建設的じゃん、と私は笑う。

彼は未だに私と元恋人が破局したことが信じられないらしい。

それは、私もそう。

君たちは本当にこのまま終わってしまっていいのか、と彼。

私がいいえ、と言ったところで、何も変わらない。

すなわち、現実を受け入れるしかないので、薄ら笑いで返答。

さらに、私が痩せっぽっちになってしまったことも心配してた。

でも、スリム美人になっていいじゃん、と慰めてくれもした。


今日は落ち合った時に、これは不倫だ、と結婚前の彼は厳かに言った。

私はおかしくて、げらげら笑った。

お店を出て、タクシー乗り場の長蛇の列に加わった時、一瞬私の視界が涙でぼやけた。

数日前に、決意表明してたんじゃない?

暗がりの中、私は慌てて彼に見えないように涙を拭った。

すると、彼が突然私の手を取って長蛇の列から離れた。

少し歩こう、と彼。

手を強く握りしめられたまま、歩き出す。

無理をしなくてもいい。

泣きたければ、泣けばいいのだ。

彼はそう言った。

でも私は、そんなものを他人に見せる必要はないと思っているから、相変わらずへらへら笑っていた。

結局彼の前で泣いたりしなかった。

でも、彼に強く抱きしめられて、頭を撫でられて、心の中が少しだけ軽くなったのが分かった。

心を預けられるって、なんて心地よいことなんだろう。

固く結びつけられた手の感触から、ああ、これはやっぱり不倫なんだ、と思った。


たぶん彼の人生において私が一生消えることのない存在になるだろうことは、随分前から確信していた。

でもそれは、おそらく私の人生にとっても同じなのかもしれないと、1つの破局を迎えた今、感じた。

この関係が今後何と呼ばれるかなんて知らない。

でもこの心の交流を、これからもずっと誰にも邪魔されたくないと思う。

それはそんなに悪いことではない気がする。

一番大切な人は、愛とそれに伴う憎しみを共有する存在。

でもだからこそ、人は誰でも、別の不可侵の関係を求め続けるのではないか。

穏やかなる調和の下に築かれた、もう1つの存在を。

それは異性である必要はないけれども。

私は既に見つけてしまった。

勿論男と女だから、やっぱり難しいのを理解している。

でも私たちはおそらく一生、この関係に調和を与えるべく、努力していくことになるだろう。

何も悲しむべき、憂うべきことではない。

カオスと化した私の心には1つの家が存在して、それは決して壊れることがないということが分かったのだから。

いつまでも見守っててほしい。

きっと本当の笑い方を取り戻すから。






























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