KCC三宮教室のSさんが、小さな新聞の切抜きから押絵にしたいと言われた作品が、
ようやく完成
橋本周延作の「見立十二支 酉 浅草田圃酉の市」を押絵にしたものです。
このSさん、とにかく浮世絵の押絵がお好きで、しかも150cm級の大額専門。
これの完成には、江戸博物館や大鳥神社に大変お世話になりました。
しかし、原画の写真を借り出せたものの、いくつかの疑問点が。
大きな熊手の中身は、お福さんのお面や枡、七宝といった縁起物。
これは小さな写真からもよくわかりました。
七宝の真ん中には七宝柄の布を使いたいな~と思い、引き出しから
探し出すまで30分以上。
でも、こういう事こそが私達にとっての嬉しい遊びなんです。
悩んだのがこの部分でした。
お祭りで買ってきたお土産のようなのですが・・・
男の人のは大きなタドンみたいで、女の人のは、まさか、検便二つ?!
失礼しました・・・
タドンみたいなのは、頭芋(かしらいも)ですって!!
小さな子芋がいっぱい付くことから子孫繁栄を、
また、その名前から、人の頭になるようにと売られている縁起物。
これは今でも売られているそうです。
女の人がぶらさげているのは、今ではもう無いそうですが、恐らく黄金餅という
薄いお餅を重ねたお菓子ではないかと。
そこで、縞模様の布を上手く使って、お餅の重なってる感じを出しました。
もう一つがこれ。
原画の写真では、白い紙に何やら点線が何本も見えるんですが、何のこっちゃら
さっぱりわかりません・・・
そしたら何と、かんざしを布にさして売られているお土産と判明!
なるほど!ヘアークリップをいくつかセットにしてるのって、今でもありますよね。
アヤメ、桜、お鯛にもう一つ、ネコ好きSさんの為に招き猫のかんざしを作りました。
数々の疑問が多ければ多いほど、解決した時の喜びも一入です。