ミッちゃん 山元気!

自由気ままに 自分の目線で
山歩きの様子を綴っていく日記です

日出ヶ岳からテンネンコウシ高と裕嵓まで足を延ばして… 8

2020年08月31日 | 山 近畿 大峰山系

2020年8月8日(土)☀ 大台ヶ原

 日出ヶ岳~西谷高~テンネンコウシ高~裕嵓 周遊

 

ミネコシ谷から尾根に出たところからの続きです

 

 雑木林の尾根を伝う

 陽が大きく傾き始めたよう…?

コル

 

尾根を進んでいくと コルのあたりに

標識が立てられ ロープが張ってある

 

この先進入禁止?

だが ロープの張り方が中途半端だ

 

よく見ると・・・

ロープの先に踏み跡がある

左右に分かれる踏み跡もある

ロープの切れた左右を確認するが

やはり踏み跡は続いてある…

 

どの方向に進もう…

 

 

じ~んせい楽ありゃ 

く~もあるさ~♪

なぜか 水戸黄門の歌を口ずさむ

 

二つに分かれた人生岐路のよう

どちらを選ぶかで 

明暗分ける事に なるやもしれぬ

 

どちらに進もうか…

暫し考えていると 

チチはの方を観察している

 

 

 右を特に気にするチチ

 

チチの目線の先を追うが  何も見えない

何があるというのか???

そしてチチは

右側を進み尾根を 進もうとしている…

 

 標識 み~つけた~♪

 

後でわかった・・・ 

コルの所でチチは この標識を見つけていたのだ

標布やテープも 右側の方がはっきり残っていたという

 

私は見落としていたが 

チチはしっかりと 捉えていたようだ

 

 標識のある尾根を進む

 

古木が構え

倒木や落ち枝が散乱し 

木の根が張る

そして再びシャクナゲの群れが待ち構える

 

 再び道探しが始まる

 

シャクナゲぎ 

隠された踏み跡を探すように

の方をき込むが

途中で 踏み跡が切れる事が 繰り返される

 

そのたびに 一番踏み跡の混雑していた

石楠花の開けた広場に戻る事を

繰り返しながら 道探しが始まる

 

 石楠花の虫こぶ

 石楠花を漕ぎ広場に出る

 道がない 地図を何度も見る

踏み跡の混雑する広場

 

踏み跡の強い左側捲き道も考えたが

取りあえず 尾根を忠実に進んで行く事に 拘る

 

いくつもの足跡が右往左往したように残って

ここで迷う人が多い事を 物語っているようだ

 

右に強引に下った形跡もある

それも行けない事は無いが 

石楠花の藪漕ぎは遠慮したい

 

また一旦広場に戻って 検討し直す…

 

 右か!左か!はたまた尾根直進か?

 左よりに尾根を行く事に

 道と合流 笹道へと変わる

 笹床の広がる尾根に出る

 標布も確認 間違いないと進む!

 

やっと 周りを見る余裕が戻って来た…

気が緩むのが分かるが 

まだ 帰り着いたわけではない

 

陽も段々傾き始める準備をし

活動する時間の終わりが 近づくのを知らせる

 

急ごう…

ちょっと疲れた…

いや…とても 疲れた…

 

 笹原の尾根を只管歩く

 

急な笹原の尾根が 延々と続く感じ

それでも道は優しく誘い 迷う事は無い

 

それが安心を呼んだのか 緊張ゆるむと同時に

自身の身体に異変を感じ出す

 

やばいかも

 

突然に来る発作

 

前を行くチチの姿が見えなくなる

呼びたくても声が出ない

 

大丈夫 大丈夫…まだ だいじょうぶ

胸を押さえながら呟く…

 

蹲ったまでは覚えている…

時間にして数秒の事か…?

分からないが すぐに我に返った…と思う

 

まだ 地獄の閻魔様は 

来んでいいと言ってくれているのだろう

 

最近調子が良かったのをいいことに

ちょっと無理をしたかもしれない…

 

何時しか目からがあふれ零れている…

泣きたいわけではない

涙腺が弱くなったこの頃

胸の苦しみと共に 涙が出てしまう様になった

 

でも 大丈夫…まだ大丈夫… 

これぐらいなら大丈夫…

言い聞かせながらも 涙は止まらない

 

するといつの間にか

引き返してくれたチチがそばにいた

 

大丈夫か…

 

頷く…

深呼吸をする 

胸に当てた手に 鼓動が伝わる

 

大丈夫…

ゆっくりと歩を進めだす

眩暈が襲う 気が遠くなりそうになる

 

もうすぐだ…

 

励ますチチの顔を覚えていないが

その声はしっかりと受け止めていた

 

頷く…

 

長く感じた…

数時間立ったかの様に感じた…

 

陽が傾き なお一層 不安と時間の経過を感じた…

だが…後で確認すると数分の出来事だった…

 

まだ 私の心臓は

頑張ってくれている

お山に行く事を まだ許してくれている

感謝した…

感謝する事しかできなかった…

 

 

つづく


日出ヶ岳からテンネンコウシ高と裕嵓まで足を延ばして… 7

2020年08月30日 | 山 近畿 台高山脈・高見山

2020年8月8日(土)☀ 大台ヶ原

 日出ヶ岳~西谷高~テンネンコウシ高~裕嵓 周遊

 

テンネンコウシ高からシャクナゲの森に引き返した

シャクナゲの森からの続きです

 

 

テンネンコウシ高からシャクナゲの森へと戻り

また 登山本道合流するのかと思った…

 

テンネンコウシ高からつづく尾根を直進して

尾根を上がる形で登っていく

 

 

漸く 目的も果たして 地図を見れば

このまま尾根伝いに歩けば

登山本道と合流…日出ヶ岳に帰れる

 

本当に疲れた…疲れた身体には

些細な登りすらしんどいが 頑張ろう

自分を励ます

 

あれ・・・?

 

 ルートがずれていませんか?

 尾根を外れ 山腹へと進む?

 

明るい所は好きですが どこに…?

チチの足が止まって指を指す

 

あそこに行くんだよ!

 

チチの指すあたりには

木々に囲まれた中に岩稜らしきものが見える

 

裕嵓まで行くよ!

 

もう 何を聞いても驚かない

 

はいはいと 二つ返事でついて行く

 

 

 裕嵓にお立ち寄りですね

 南面のトラバース

ミネコシ谷と地池高

 

今まで鎮守の森の中

深き森の中に身を投じていた…

ここから一気に解放されるように

明るい斜面をトラバースする事に…

 

ミネコシ谷へと堕ちる斜面

視界が開け その先に控える 地池高!

 

ここもまたルートがややこしいらしい…

チチはっているようだが

近いうちにまた 連れていかれるのだろう…

体力をつけておかねばと思うところである…

 

そして更にトラバースして・・・ 

 

 トラバースした先に 広き尾根が現れた

 

一時だけ開いた尾根 

その南側に突き出た小ピークに向かう

その先の樹林帯に 裕嵓が潜む

 

 樹林帯が控えた入口の門番?

 裕嵓の入口に表札の様な標識

 ここから岩場だ!

裕嵓

 

樹林帯の中にある岩場を登ると

再び解放された裕嵓天辺に立つ

 

登ってみて確信した

岩稜の尾根と思ったが 名の通り

ここもまた大きなだった

 

切れ立ったは 今までのとは違い

見事な眺望を用意してくれていた

 

登って来たテンネンコウシ高から未だ未踏の地池高など

台高の山々を望むことが出来た

 

 

 地池高をバックに一休み

今登って来たテンネンコウシ高

 

樹林帯の中に潜っていただけに

これだけ解放されたところに出ると 

慰められたように気持ちが切り替わる

 

帰る事ばかり考えていたが

ここにこうしていると 

来て良かったという思い以外… もなかった

 

しばらく景色を堪能してから 

裕嵓に別れを告げる

 

 下りの岩場は要注意!

P1430南面

 

今歩いてきた尾根に再び戻る

だが P1430までは戻らない

途中からミネコシ谷の方へ下るようだ

 

 慎重に下って

 南面斜面の左側(東)へ進む

 ミネコシ谷へと向かうが…

 足場は悪い!

山ヌケしているガレ場のトラバース

 

絶対落ちる!

そう思うほど 足場は悪く

崩れたガレ場が 容易に足元を崩す!

気を許すと蟻地獄の中へ引きずり込まれそうな斜面

山ヌケしたガレ場は緊張の連続だ!

 

 トラバースは続く

 暗い谷間へ下っていく

 ミネコシ谷へ降りた

 カワチブシの群生!

 高貴な色を見せるカワチブシ

 

別嬪さんぞろいのカワチブシ

これに猛毒があるとは思えない程

とした綺麗なお顔をしている

 

 

 対岸にテープ発見

 対岸に渡り

 

沢を右手に感じながら

ミネコシ谷沿いに右岸を歩く

 

 倒木に向かって道がある…

 ここから急登始まり!

 踏み跡は複数混在する

 更に急勾配になる

 

踏み跡はあるようでなく

迷った後なのか無数の足跡が交差する

 

地図を確認して 登り易い箇所を探して

無言のまま 稜線を目指して登っていく

 

ただ・・・ 

後半での登り…それも急な登りは辛い

耳に自分の喘ぐ呼吸だけが残り

倒木と腐葉土の急斜面を睨みつけ

速く尾根に出ないかと必死に足を運ぶ

 

 倒木は更に踏み跡を消し妨害!

 スカイラインが近づいてきた

 やっと稜線に出たぞ

 

広い尾根に出たと思った

これで帰れるとまた思った…

本当にそう思った…

 

ヘロヘロ状で稜線に立った

 

 右方向に尾根を行く

 標布もしっかりとあると思た…

 もう…稜線を歩くだけと思った

 道が消える事は無いと思った…

 急な登りは仕方が無いと思った…

 ちょっと荒れているだと思った…

 

この頃・・・

自身の体力の限界を感じていた

 

 

尾根に出た尾根ポイントから日出ヶ岳へは

一本の尾根道で繋がっているように見えた…

それは私の願望か・・・

尾根を進めば帰れる

そう言い聞かせつつ 自身の身体に鞭を打った…

 

つづく

 


日出ヶ岳からテンネンコウシ高と裕嵓まで足を延ばして… 6

2020年08月29日 | 山 近畿 台高山脈・高見山

2020年8月8日(土)☀ 大台ヶ原

 日出ヶ岳~西谷高~テンネンコウシ高~裕嵓 周遊

 

 

粟谷小屋からの続きです

林道

 

粟谷小屋の前の林道は緩い登り坂…

安心してをゆっくりと歩く

すると右側台山住大神の祠が見えてくる

そのわきに 日出ヶ岳へ上る登山口がある

 

 

 大台山住大神

 水は涸れていた

 登山道本線への標識

 

漸く帰路につく気持ちで 一汗拭いて

薄暗い樹林へと延びる 登山道を眺めた・・・

 

チチ! どちらに…!

 

 林道を更に進むチチ

 

ここじゃないから

 

そう言いながら 林道を進むチチ

 

・・・もう…

 

少し進んだ所にも もう一つ入口

そこにも登山道本線の標識が…

しかし そこも素通り 

 

なぜ

何処から登り返すのか…?

 

また 登山口らしき入口が…

 

三度目の正直?

 

 

 

 

三度目の登山道本線の標識が出てきた

するとチチの足が止まり ここだ!言いながら

急な石段をっていった…

 

登山道本線…どこから登っても同じなら

最初から取り付いたらよかったのに…

 

林道を歩いた分をした感じがした…

 

地図を見ながらぶつぶつ

疲れが精神をも我儘にする

少しでもをしようとする私が表面化してきた

 

 

 堂倉避難小屋

 注意書き(案内板)

 

石段を登ってすぐに

堂倉小屋が見下ろすように現れる

ここは避難専用避難小屋の様だ

 

 避難小屋の裏 テント張れそう?

 案内板の先から入山

 樹林帯の歩き易い道

 

さぁ~ 帰ろう♪

 

やっと登山道に取り付けて とするっちゃん 

なんぞ見つける余裕が出てきた

 

 おっ!一株見っけ♪

 オオバトンボソウでやんす♪

 

今までのルーファンしての歩きから

しっかりと道が付いているのとは大違い

安心が疲れた身体を押してくれる

だけど…

身体は正直だ! 

登りはやっぱり辛い…

 

 

 急な登り何のそのだ

 あれ?チチが何か言ってる!

粟谷小屋からの登山道本線と合流

 

右側が 今歩いてきた堂倉小屋からの道

左側が 粟谷小屋からの道

 

何処から登っても同じだったよね…

やっぱりそう思ってしまった

 

チチに何かこだわりがあるのか…

地図を見ながら 

こだわりの意味を探してみる

 

後でチチに尋ねた

どうしてこのルートだったの?

 

あぁ あれ?

ちょっと避難小屋を見たかったから

 

えっ?

ただ それだけ・・・?

 

料簡の狭い私は 余分に歩かせられた気がして

少し損をした気になってしまった・・・

 

だけど それもまた立派な理由だ…

 

 標識は日出ヶ岳を指す ガンバだ!

 

標識もしっかりと付いている

登山道本線を何も考えずに登っていく

 

・・・だけだった

 

 日出ヶ岳まであと2.4k

 嫌いな階段黙々と!

 階段よりましか…急登に溜息!

 ガンバガンバと登っていく

 

これで帰り着くと思っていた

 

後2.4キロ頑張れば 日出ヶ岳…

二時間ちょっとで着くだろう…

 

だから 頑張れた…

そして 自分を励まし続けた

 

なのに…

なのに…

 

 

右に旋回する登山道のコーナーに標識!

なぜかここでチチの足が止まった

???

標識を見ても 分岐を示すものではない

 

だが 嫌な予感がした…

 

突然チチは有無云わずに突っ込んだ!

 

えっ! マジか!

 

 標識無視して 越えて行った!

 

そういう事か…

終りじゃなかった 

まだ(山行)途中だったんだ…

 

標識には登山本道の行く先を示していたが

その下に 消えかかった字で

テンネンコウシ高と書かれていた事を

チチは確認していたのだった

 

またまた 登山道から離れ

地図にない道を歩く事になった

 

 登山道を外れ山腹を行くチチ

 

普通の登山道を歩きたかった…

 

 踏み跡も道には見えず

 崩れた個所をトラバース

 それでも標布が有るんだ…

 尾根にでたようだ!そこが

 シャクナゲ森?

 

石楠花は何処だ~!

 

尾根に 石楠花の影はない!

なぜシャクナゲの森と名付けられたのかは不明

以前はシャクナゲに包まれていたのだろうか…

 

ただ この尾根広すぎて 迷いそうになる尾根

シャクナゲの森の標識すら 

油断すると見落とす可能性がある

 

 

シャクナゲの森の標識から左方向(東)へと向かう

日出ヶ岳が遠くなる感じがしたが

ついて行くほかない…

 

 広い尾根が岩の目立つ尾根に…

 急斜面を横断?道が変わる

 

ゲッ! なんじゃこりゃ…

竜の背の様な岩の痩せ尾根になった…

 

 急な岩尾根をどんどん登る

 樹林帯にまれながら進む

 

狭い尾根は迷う事はなさそうだが…

 

私を置いていくな~!

 

チチに置いて行かれそうになるのを

必死で追いかける!

 

無我夢中で登っていくと…

 

 木に取り付けられた標識

テンネンコウシ高 1431m

 

 

ここが チチの行きたかった

テンネンコウシ高?

樹林に包まれたとしないピークだ!

 

 別の標識

 

ここ テンネンコウシ高の標識は

東の端の尾根にある岩尾根の深き森の中にあった

 

テンネンコウシ高を示す標識は3つもあり

展望のないピークだが 

どこか安堵するものがあった

 

目的を果たしたと思うと

そう思えるのかもしれない

 

少し静かな森の息遣いを感じながら休憩をし

来た道を引き返す事にした

 

この時少しずつ陽が傾き始めたような

どこか寂しさを感じさせるものがあった…

 

 シャクナゲの森まで戻ろう

 痩せ尾根には石楠花を見るが…

 急な下りにそれ所ではない!

シャクナゲの森

 

シャクナゲの森ではゆとりが生まれる

 

そして思う…やはり 石楠花はなし…

 

でも もうそんなことはどうでもいい…

今度こそ 日出ヶ岳へ 戻れる!

時間は15時

 

明るいうちに 戻れるだろう…か?

 

既に 体力的には限界を感じ始め

疲れはピークに達しつつあった

 

 

つづく

 

 


日出ヶ岳からテンネンコウシ高と裕嵓まで足を延ばして… 5

2020年08月28日 | 山 近畿 台高山脈・高見山

2020年8月8日(土)☀ 大台ヶ原

 日出ヶ岳~西谷高~テンネンコウシ高~裕嵓 周遊

 

西谷高から嵓尾根を下ったコルに出た所からの続きです

 休憩をしたコル

 再び岩尾根が見え右に捲く

 

少しでも離れるとチチを見失いそうになる

 

このまま尾根を直進すると

土倉古道に繋がっている・・・

だが そう甘くない事は体験済み

ここからも単なる尾根歩きは

させて貰えそうもなかった

 

  尾根に沿って下り道

 ヒメシャラの雑木林

 

真直ぐ東に延びる尾根を進む

 

ヒメシャラの目立つ樹林帯…

倒木 枯木の目立つ樹林帯…

 

何よりも迷いやすいほど広い尾根になると

周囲地形確認しくなる

 

周囲を注意してみろ!

標布 標識 地形と支尾根の分岐だ!

 

チチが地図を気にしている

少し気を引き締めて歩く

 

チチは この先の

尾根が二つに分かれるポイント探している

そして 殆ど無いに等しい標識を探しつつ

尾根を外さないように神経集中させる

 

 

 何か代用したような標識

 

先に標識を見つけたチチ

 

それを写真に撮っておいてくれ!

 

そう言いながら広い尾根をウロウロしだす

何かを確認しているようだ!

 

樹林帯の中では山容が見難い

左右に分かれて 周囲の状況を確認する

すると方向延びている尾根が見えた

 

ここだな!

 

 

 尾根の分岐

 

左の尾根方向に 比較的はっきりとした

踏み跡を見つけた…

しかし…直進する形で右の尾根

 

 

再び標布を見つけ 確信して

左にある明瞭な踏み跡を見送り

目の前の尾根をそのまま直進する

 

 右寄りの尾根へ突き進む

 しっかりした標布に 少し安心

七つ釜高

 

最初は歩き易かった…

 

標布を見つけ

ただの尾根歩きをしていると

間違いでなかったと安堵していた

 

一瞬開けた樹林の間から 久々に景色を見た

余裕ができると 今までの大変さは忘れるものだ

開けた景色の向こうの山が気になり始める

 

あの山 行ける山なのかな?

 

あっ!しまった

思わず気を許して呟いてしまった

 

行けるよ♪ 行こうか

 

なぜか嬉しそうに即答するチチ

 

とほほ…

またチチの思惑に嵌った…

 

 どんどん尾根を下る

 尾根を一気に下る

 

スイッチが入ったように下るチチ

ここはチチのスピードについて行くのがやっとで

珍しく写真を撮る事が出来なかった

撮る余裕がなかったというべきか…

 

ここの尾根も段々険しくなり…

 

そう… やはり 

 

道は無かった…

 

地形そのままの尾根を舐めるように下るが

な傾斜で 木のを掴んで

不安定な足場にハラハラしながら下った

もう…何度も同じような所を歩いてきたのに

未だ慣れる事は無く

この時もまた 何も考えられず

ただ 必死に食らいつく感じで下った…

 

 道は無くとも 一歩が道になる…

 尾根から直に土倉古道現る!

土倉古道

 

ホッとした

古道の地面に足が付いた時

その感触に安堵した

細くても 谷側が切れていても

そんな事なんともない!

急な下りも何ともない!

足場がしっかりしていることに

喜びと感謝の気持ちを感じる 

 

 

 急なガレの下り

土倉古道と林道の分岐

 

やれやれ 林道に出た…

 

林道に出た事で

今回のお山を終えたような気持ちになった…が

これから登って帰らねばならない…

 

 緩く上りの林道をテクテクと…

 ノリウツギ

 車止めのゲートが見えてきた!

粟谷小屋

 

ひっそりと建つ小屋の前までやって来た

これで 今回のルートの折り返し地点にやって来たのだ

沢水の水場をお借りして

顔を洗い 仕切り直しをした 

 

さぁここから 登山?の始まりだ…

 

小屋で一泊するのだろうか

ベンチで休む男性から声がかかる

 

何処から登ってきたんだ?

 

いえ 下って来たんです

 

えっ?

 

今から登って帰ります

 

あぁ そういう事

 

今からが本格的登山です

 

はは

あはは

 

そんな会話を交わしつつ 別れを告げた

 

これで帰りの登りを頑張れば

日出ヶ岳へ帰れる…

 

この時は 

日出ヶ岳へ で帰ると思っていた

 

… チチ

… やっぱり・・・

 

甘かった…

 

つづく

 


日出ヶ岳からテンネンコウシ高と裕嵓まで足を延ばして… 4

2020年08月25日 | 山 近畿 台高山脈・高見山

2020年8月8日(土)☀ 大台ヶ原

 日出ヶ岳~西谷高~テンネンコウシ高~裕嵓 周遊

 

尾根上にある最初の展望台からの続きです

 

 

嵓の尾根をアップダウンしながら進み

尾根を外さず歩くと

行く手を阻む苔付きの大岩が…

 

を被り を侍らせ

コケを纏った大岩が 不気味に尾根と同化…

これがいわゆる曲者の嵓!

 

ここは尾根伝いではなく捲いて行こう…

無理せず通り過ぎる

 

 嵓を捲いていく

 緩くアップダウンがつづく

 

痩せ尾根の様な嵓尾根を

捲いて… 下って…

そして コルに出る

 

そこは迷いそうなほどに広く

天気次第では迷いの森になるやもしれぬ…

深き森の樹林帯であった

 

今日は 木漏れ日の射す

優し気な表情をして迎えてくれ

一時だが 緊張から解放された

 

 コルは 静かな森の平坦な広場だが

 コルからは 踏み跡が消える…

 

樹林帯のコルは その穏やかなまでに広く

気の緩みを与えるためか… 

自由奔放な広がりを見せる

 

その代わり踏み跡は消えた…

 

方向を見失わないように進む…と

岩のごろつく急登が立ちはだかる

 

ここを登れば西谷高のはず!

 

岩のごろつく急登を登るが

此処も踏み跡などない…

歩く方向を見失わないように

足場を見ながら登っていく…

 

 

 歩き易い所は?っと

 まだまだか…どう進もう…

 マシュマロの様なもち病

 あれ? そこがピーク?

西谷高 1461m

 

昼なお薄暗い樹林帯の中にひっそりと

朽ちた株に立てかけられた標識を見る!

やはりここが西谷高だった

 

朽ちた株は何の木だったのか…

木の根に纏わりつく苔が

重ねた年数を感じさせる

 

 東方向(右)の尾根へと進む

 

ここから標布が見当たらない…

元々 標布は少ないが 

更に見かけなくなる…

 

西谷高から鞍部までの地図

 

その上 東に延びる尾根もまた

倒木シャクナゲの宝庫の山…

 

捲いて捲いて

漕いで漕いで

行かなければならない…

 

 石楠花の中へ

 倒木を避けて

 地図上では下るのみ…?

 尾根を外さずアップダウン!

 おお芸術的な障害物!

 道などないが尾根を下る

 こんな処に標布見つけた!

 ここはどう下ろう…

 

このは捲く他なさそうだ!

谷側は崩れて急斜面!

左側の谷側を捲くように下っていく

 

足場は決して良くない!

今までもそうだった

これからも難所の条件

腐葉土の足場は崩れやすく

掴んだ木に根性はない

 

ただ… ここでも石楠花邪魔ものだが

この石楠花助けとなって下っていける

なんとも皮肉な事である

 

 

 石楠花の存在が不気味

 慎重に嵓を捲いていく

 

足元は見た目以上に不安定で崩れやすい

掴むものがないと不安でたまらない

それでも ゆっくりと足元を確認しつつ

慎重に捲いていくほかない…

 

緊張が続く中

足場が安定するところに出ると

すぐ気が緩み 今までの事が

遠い出来事の様に感じる

 

 

そして 余裕が出来て振り返ると

木で隠れているが 

その嵓の大きさに唖然とする

 

思わずチチに言う…

 

やっぱりザイル持ってくればよかった…

 

今回は嵓は 捲いていけるところだから

ザイルは要らないの!

 

ここ…懸垂下降で下った方が…

 

空中懸垂するつもりか…?

支点も難しいし…

 

…んんん だよね…

 

嵓の秘める難問を解くかの様に

クリアして行く面白さ

 

それでも やはり危険背中合わせ

どうしても緊張からは逃れられず

なるべくする事を考えてしまう

 

 

 チチは ルートを考えて…

 

基本尾根を狙って歩くが…

 

 

等高線から読み取れる地形とは裏腹に

隠れ嵓によって アップダウンが多くなり

ルート道は無きに等しい状態が延々に続く

 

 ルートは何処だ…道は…

 尾根の形をそのまま進むが 

 容易に道は開けない!

 大小の嵓を捲く事数えきれず…

 林道まで下るだけ…のはずが

 なぜかまた登りになって

 また激下りが繰り返される…

 

そして…ってみても…

 

 

道は何処~!

 

オマケに…

こんなところに…

 

 

 ぽっかり開いた落とし穴!

 

自由奔放に延びた樹林帯!

尾根といえど 展望などあろうはずがない

 

 石楠花が隠す踏み跡探す!

 何度 出合ったかこんな斜面!

 慎重に下って 下って

目的のコルに出た!

 

漸く嵓が控える尾根を下って

漸くコルに到達した…

西谷高から1時間も掛かっていないのに

何と長い長い尾根歩きをしたのだろう…

 

コルの広さに 心が緩む

 

ここで休もう…

気が緩むと 

腹時計がお昼を知らせてくれる

 

暫し 

森の優しさに包まれていよう…

 

 コルで休憩!

 

樹林に囲まれ展望はない

見上げたお空も 

覆いかぶされ木の枝に隠れ

零れた陽を受け止めるだけ…

それでも なんと心地よい空間が広がるのだろう

 

風もひんやりと涼しく 

優し気に吹いて 心地よい 

下界の暑さを忘れさせてくれた…

 

しかし ここまでの道程で

暑かったのか 涼しかったのか…と問われても

余り記憶に残っていない

どちらかというと 背筋に冷たいものを感じる事が多く

暑いというより ヒヤッとした事の方が印象に残っている

 

疲れて食欲は余りでないものの

気分的に癒され 少し体力維持のための補給を行う

 

ただ…

少しの距離にかかる時間を考えると

未だ半分以上ある復路の事が気にかかり 

少し不安を感じた…

 

 

つづく