ミッちゃん 山元気!

自由気ままに 自分の目線で
山歩きの様子を綴っていく日記です

覚悟を決めて出発した九重山 最終日下山

2022年05月16日 | 山 九州の山

2022年5月2日(月)☀ 坊がつる~雨ヶ池~長者原

 

平治岳にかかる太陽・・・

朝陽が坊がつるを明るく照らし始めた

 

目覚めは とてもいい♪

山の中での睡眠は、最高にいいものになる

爽やかな朝の日差しは、

まだ ここに引き留めるばかりに心を目覚めさせる

 

覚悟を決めて出発した九重山 2日目からの続きです

 

坊がつるの朝は ゆっくりと時が流れる

のんびりと歩く人の姿が、その場に溶け込んでいた

 

三俣山

白口岳 稲星山 中岳

 

今日は お別れの日

 

予定していた日程は変更され

早くも下山することになったが

空は、爽やかに送り出してくれた

 

 今日のアセビトンネルは明るい

 新緑に包まれた明るい登山道

 クサボケの花ともお別れだ

雨ヶ池越し

 初日とは全く違う雨ヶ池越!

雨ヶ池から見る三俣山

 

池の水は少ないものの

湿原らしい独特の雰囲気は言葉にならない

傍で鎮座する三俣山もまた 

坊がつるで見る姿とは、違って見える

 

往路では見られなかった涌蓋山

森は初夏の趣を湛えだし

新緑の美しさに 何度足を止められたことだろう

 指山分岐

 

静かな朝を迎えた森もまた

今日一日の活動を起こす準備でも始めるかの様に

活気を帯びてきている

 

 ギンリョウソウ

 オトコヨウゾメ

 もうすぐ タデ湿原だ!

タデ湿原の遊歩道

左から 黒岩山 大崩ノ辻 上泉水山 泉水山

 

長者原の駐車場へと向かって

タデ湿原の歩道を歩く

 

 ビジターセンターの裏の水場

 平治号 ただいま~

 ビジターセンターは、もう開店してた

 

長者原の駐車場は満車!

明るい朝は活気がある!

登山の恰好をした人や観光客、

ツーリングを楽しむ人たちなど、

様々な人たちが入り交ざって

GWを楽しむ姿が多く見られた

 

下山してすぐに入りたかった

ビジターセンター温泉はしていないとの事

足湯のお湯は出ていたのに 残念だ

なので・・・

九重星生ホテルの日帰り温泉を利用した

ここの露天風呂は 

三俣山を間近に眺めながら入浴できるのだ

 

人も少なく、ほぼ貸切状態で、

コロナ禍露天風呂を楽しんだ

 

汗を流し終えた後は すっかり観光客になる

佐賀関まで足を運んで 関サバ・関アジ丼を味わい

別府観光をして、その後に 

筌ノ口温泉へと向かった

ここが、チチの湯治場となり

宿泊先となる

 

 筌ノ口(うけのくち)温泉

旅館新清館 ←クリック

明治33年創業老舗

 

久住山に登った後は 必ずと言ってよいほど

この旅館を利用させて貰っていた

しかし、コロナ禍になった事もあり

随分とご無沙汰していた

 

 クレマチス ドクターラッペル

入浴後などに休憩する場所

3回の部屋の廊下

 

この旅館の中は、タイムスリップしたような

不思議な空間が漂っており

静かな趣と 古い時代の匂いがして

時が止まったようにゆっくりと過ごせる

 

食事は、座敷の食堂があり そこで

宿泊の皆様と食事をするのだが

電話で予約する時に 個室が空いているという事で

個室を取った ここでチチと二人っきりで

ゆっくりと食事を頂いたのだ

 

山の幸を主とした食事 夕食と朝食

 

ヤマメの姿焼きは 

旅館の前の鳴子川から獲れたものだろうか?

朝、散策をした際に、跳ねる魚の姿を見たが・・・

 

素朴な それでいて懐かしい

美味しい食事を頂いた

 

今回は、疲れていたのだろうか

汗も流していた事もあり

チチが露天風呂に入っている間に

私は そのまま、てしまったようだ

 

そして 4時ごろ目が覚めた・・・

 

激しい雨の音がする その為か

真っ暗で 怖かった

 

でも温泉には入りたかった…

なので、内風呂に入りに行った

さすがに だ~れもいない

お風呂は 独り占めだ!

 

お風呂はめだったけど

開けている窓から入る風は、たかった

それが調度バランスよく 

時間近くも入ってしまった

 

筌ノ口温泉(うけのくちおんせん)

 

正保(1644~1647)のころから村人が入浴していた

享保13年(1728)、田野庄屋徳右衛門がこの地に住宅を造り、

湯小屋を建てたのが温泉の始まり

炭酸泉で黄褐色に濁りがあるのが特徴

 

お風呂から上がる頃 

外は少し明るくなってきていた

チチもよく眠っているので

独り 旅館の近くを散策してみた

 

この時は、すでに雨はんでいた

 

 

昨日まで この上流の源流にいたんだと

暫く鳴子川を眺めていた

 

あっ! 魚が跳ねた…

ヤマメだろうか?

 

小さな波紋も 流れの中にすぐに消えた

川の流れの音だけがする

決して耳障りなものではなく

自然の出す音の心地よさが心に染みる

 

本当に 時は止まったまま

雑踏とした現実の世界を 忘れさせてくれた…

 

やまなみハイウェイ

 

また、やまなみハイウエイを走った

そして、九重山に別れと告げた

 

また来る日まで…

 

 

長い長い、ただ長い愚ブログに

ご訪問いただきありがとうございます

コロナ禍から漸く一歩踏み出して

遠出をしました

チチの足も、どうなるのか不安は有りますが

受け止めながら 好きな事を続けられるように

出来る努力していこうと思います

今後も、お付き合い頂けると幸いです

ありがとうございました


覚悟を決めて出発した九重山 2日目 独りの立中山

2022年05月15日 | 山 九州の山

2022年5月1日(日)⛅ 立中山(たっちゅうさん)

 

覚悟を決めて出発した九重山1日目からの続きです

 

1日目の夜は 静かな夜だった

坊がつる名物の強風は無く、満点の星に飾られた空

今年は、風の唸り声を聞く事はなかった…

 

 霧に包まれた朝を迎えた…

 

朝からの坊がつるは 灰白色のガスに包まれ

冷たい空気が漂い、一枚上着を羽織った

 

ガスは一所にジッとしている気はなさそうで

動き回っている

四方の山々も出たり隠れたり

今日も忙しい1日になりそうだ

 

だが、山の朝は静かな時が流れ

下界では味わえない風情が心地良い

 

チチの疲れはまだ残っている様だ

膝を庇って歩くのは、意外に重労働で

負担が大きいのだろう…

 

今日はチチの休山日

婆さんは山に洗濯に出掛ける事にした

 

 坊がつるテント場から法華院温泉へ

 

リュウキンカ

フウロケマン

 

草花に送られながら り出かけて行った

寂しい気持ちはあるが、山に癒されて歩く

 

 

法華院温泉まで来た

今日は北千里ヶ浜へと行く道とは反対の方向の

法華院温泉のテント場の横の道を進む

 

崩れた跡はすでに片付けられ

標識も鉾立峠・くたみわかれを示し

整備された道があった

 

しかし 以前とは様相が変わっている

あったはずの、トーテムポールは無くなっていた

 

※以前の様子は↓をクリックして、ご参照ください

2018年5月に登った時の様子です

 

2018年5月に 今は亡き愛犬のビビと登った

懐かしき立中山への道を今日は、独りで登る

 

まだ、先に見えるはずの景色は

白いガスが多い 気分的にもやや沈みそう…

それでも、今日は

行ける所まで行ってみようと決心したが

すぐに忘れてしまう私だった…

 

中岳分岐~法華院のルート

 

2012年7月 豪雨による土石流発生が発生

通行禁止となったまま、いまだ開通していないようだ…

 

時々、このルートを登る愛好家の人もおられたようだが

入口は ロープが張られたままだった

 

令和2年7月の災害だけではないだろうが

東千里ヶ浜の方は荒れていると聞く

それも影響しているのかもしれない…

 

最近の自然災害は 酷くなっているように思う…

 

  鉾立峠への最初の木道

 

崩れていたと聞いていたが

木道が残っていることにホッとする

 

しかし、進むにつれ 木道は変わっていた

やはり崩れて、痛々しい場面が残っていた

 

 最初のガレ場

 

以前はこれほど 土石の溜まった姿はなかった…

 

東千里ヶ浜方面の崩れも、やはり影響しているのだろう

稲星山と中岳方面からの土砂崩れが ゴーロを形成していた

 

それを横断するように渉って 再び樹林帯へと入る

 

 見慣れた標識は残っていた

 二つ目の土石痕

 穴が開いたような樹林帯へ

 フモトスミレ

 

赤岩のごろつく荒れた道

面影はあるが、やはり以前とはっている

 

 

が見えてきた そこには

木鉾が天を突いて立っている 

ここが以前、鉾峠(ホコントウ)と呼ばれていた

鉾立峠である

新しく立てられた木鉾には

今も 鉾峠と記されている

 

ガスは微妙に動きが速い

灰色のガスが、包むかと思えば 高く吸い上げられ

景色は目まぐるしく変わる

 

 鉾立峠 1360M

白口岳

 

鉾立峠から見える白口岳

ここから見る姿が好きだ ついつい 

われてってしまいそうになる

だが その南東面の斜面は 

以前より深く抉れている 道も荒れているようだ…

 

なぜか、どうしようか… 

迷う心が生まれる

そう・・・ここに立つと 

立中山へ行く事よりも

白口岳に行きたくなる気持ちがくなる

これはよくない事だと分かっていても

心が大きく揺れる…

 

立中山

 

白口岳の誘惑と戦う事10分

そんな私を知るチチが 

送り出すときに言った言葉を思い出す

 

立中山に行くんだよ!

余所見は、だめだよ!

 

誘惑にけてはいけない!

父との約束通り 立中山へ向かう事にした

 

鉾立峠を挟んで、白口岳と対峙する立中山

白口岳に比べると

何と優し気で穏やかな山容に見える

しかし、ここも登れば

泥状の地獄す…そう思って

覚悟を決めて登り始めた

 

この時の様子を手記には

「いけそうだが、かなり荒れている

独りという不安がつき纏う

二人の若者が登っていった

思わず、ついて行きそうになった

だけど、チチとの約束がある…

自分を止める」

そう書いてあった・・・

 

コースタイム

 

8:55 坊がつる テント場 → 9:10 法華院温泉 9:15 → 9:44 鉾立峠1360ⅿ 9:55 → 10:19 立中山1464.4ⅿ 10:26 → 10:55 玖珠川源流 → 11:13 大船山・坊がつる分岐 11:25 → 11:55 坊がつる テント場

 

 ミヤマキリシマ

 

気の早いミヤマキリシマの花が咲いていた

一斉に咲きだし 山肌が赤く染まるのも

もうすぐなのかも

 

そう思いながら登り始めると

道の様子が変わっている事に気が付く

 

なっ!なんと! 階段が!

キレイに整備されていたのだが…

これは、チチの泣き所になりそう…

そしてそれは・・・頂上付近まで続いていた

 

 急斜面は階段変身~!

 頂上付近まで続いていたヨ!

 階段がえた山頂付近!

ボケの花が満開

 

階段の道を、汗をかきながら 黙々と登る時 

目に留まったのはクサボケ!

 

艶やかな朱色の花を咲かせ

思わず 足が止まる。

そして、呼吸を整える時間を与えてくれた♪

 

頂上付近までくると

ミヤマキリシマが目の前に広がる

まだ渋い色の硬いがついていた・・・が!

 

 幼いミヤマキリシマの

 が開いている蕾…

 

ミヤマキリシマの枯れる原因に

害虫の発生が問題になっている…

 

その代表に名が挙がるのは

キシタエダシャク

クジュウフユシャクだと聞いている

どちらも 今年は大繁殖してしまうのだろうか

 

私の前にも、その虫たちの幼虫がいた・・・

数匹だが、よくよく探すと、もっといたのだろう

 

 キシタエダシャク

 

この枯れた枝葉 既に

冬の時期に活動する 

クジュウフユシャクガ

食害されたものだろうか・・・

枯枝が目立ち まるで

山のサンゴ礁を見る様だった

 

 

ミヤマキリシマ花道

一気に咲けば赤い花道

 

このままの肌色のままなのか…

見事な紅い花道になる事を願う!

 

立中山 1464.4M

 

ガスッているものの 

ガスの合間から 

近くの風景を見る事は出来た…

 

白口岳の奥の中岳

ガスの向こうから姿を現す

 

痛々しい山肌が所々多くなっている様な

それでも 九重山らしい山並みは健在だ!

 

白口岳と中岳方面

法華院温泉

 

さてさて…立中山の頂を満喫した!

このまま 鉾立峠へと戻ろうか迷う

 

だた、あの階段を下るのは…

正直、二の足を踏む!

当初予定していた

鉢窪へのルートを下ってみようか

 

地図は持っている…

またまた私の好奇心が出てくる

 

少し横長い平坦な立中山の頂

それを突っ切る形でついている踏み跡を確認

 

以前、殆ど分からなかった踏み跡明瞭になり

既にになっていた

 

行こう! 地図とコンパスを取り出して

鉢窪ルートへと下って行った

 

 

 鉢窪ルートへの道

見事に掘れて、となっている所も!

 所々、分岐が現れる!

 

鉢窪はきっとこんな感じなのだろう・・・

鉢窪に入り込むと

踏み跡はもっと薄く、

獣道か人の踏み跡か分からない道が

四方八方についていると聞く

きっと迷うだろう・・・

 

鉢窪はチチと一緒に行く事にし

道を外さないように進む・・・

 

丁度、この辺りで 独りの登山者に出会う

 

玖珠川源流

 

玖珠川の源流に出てほんの少し

川沿いに歩いてから 渡渉!

 

その時 先を歩いていた登山者の声がする

 

うわぁ~ 

わぁ~ひぁ~ 

〇▲✖※◇▽…

 

ッ! なに?なに?

 

背筋が凍りついた・・・が

その声の原因が分かった

 

灌木のトンネルを潜るような

泥濘泥沼

ジュクジュク

靴が泥の中にまっていく…

 

 

他に道を探すが

これこそ道迷いを起こしてしまう感じで

見通しの悪いブッシュに紛れ込む形になりそう…

仕方なく 灌木を掴み

頭を下げ屈んだ格好で 足場をしつつ

時に、泥の中に足を突っ込みながら歩く

 

ふっ~

地面が少し硬くなった時は、ホッとした

 

 グネグネの樹々の魔女の森?

 

少し腰をかがめながら歩く

道が分かり難い所もあるが

道の状態をばなければ 迷う事はなさそう

 

 これも です!

 素敵なです

 

崩れた跡の様なルンゼ?

その涸沢を渉っていく

そしてその先もまた、急登の泥道

 

でも、まだ泥濘の泥状ではなく歩き易い

ただただ 急登しんどいだけ

 

大船山・坊がつる・鉢窪の分岐

 

ヤレヤレである

漸く、分かるルートに出てきた

 

さてさて… ここでまた迷う

大船山まで登ってこようか?

時間的にはまだ余裕はある…

ここでまたまた10分ほど思案する

その間に 数名の登山者が目の前を往来した

 

ここでも、チチとの約束を思い出し

やはり下山することにした…

 

 抉れた溝道を下っていく

 黒い泥濘

 宇土山入口 今度はチチと来よう

 

大船へのルートもまた、以前とは少しずつ形を変えていた

あるはずの道がなく

新たなる道が出来

幾つかの分かれ道があった

冬の時とは違うの道は、下りでもを要する

油断すると を取られやすく

デコボコが応える

 

それでも 下るとなると足は速くなる

ドンドン下っていった

 

 薄暗い急な下りは用心!

 見えた! 闇から抜け出る瞬間だ!

平治岳・大船山の登山口

大船山

 

坊がつるに着いた頃

空は高くなり、大船山がひょっこり顔を出していた

それを見ると、やっぱり登っておけばよかったかな?

そんな欲が出てしまう

 

それを振り切って テント場に戻る

 

 

 

チチが お帰りとテントから出てくる

ゆっくりできたのだろうか?

疲れていた表情は消えて 

穏やかな笑顔で迎えてくれた

 

ゆっくりできた?

ゆっくりできたよ

法華院温泉に行ってみる?

行こうか?

 

法華院温泉で、コーヒーでも飲もうかと思って

出掛ける事にした

 

 

山は萌え 山は清々しいほどの魅力を出している

もう少し、お日様の陽が有ったらと思うが

贅沢な欲はよそう・・・

 

法華院温泉に行くと 受付が混雑していた

宿泊者の受付が 始まって忙しそうだった

外に張られたメニューを見ると

 

あれ・・・コーヒーが無い!

 

ここのコーヒーは美味しかったのに…

残念!

甘酒はあったが テント場で

コーヒーを点てる事にした

 

 法華院温泉

 コテージ

 

設けられた休憩場?

ベンチに座って大船山を眺めるチチ

その背中が少し寂しそうに感じた…

 

 ミミナグサ

 

チ 戻ろう~

 

そうだね 戻ろうか

 

坊がつるのテント場で ゆっくりと過ごした

 

2日目おわり

 


覚悟を決めて出発した九重山 1日目 星生山の窓

2022年05月11日 | 山 九州の山

2022年4月30日(土) 雨ヶ池~坊がつる~星生山

 

坊がつるからの続きです

 

時間と共に まるで霧が晴れるように

澄んだ青が広がってくる

迷って覚悟して訪れた九重の山々

迎えてくれたように思え、喜びを感じた

 

 ハルリンドウ

 

先ずは。法華院温泉へと向かおう

この林道も、昔はもう少し狭かった

今は、完全な車道の広さがある

 

その林道の正面に見える山肌に

令和2年7月に襲った豪雨の跡が痛々しく残っている

崩れ、流れ出た土石が 法華院温泉のテント場を襲った

その跡が 今も残っていたが

テント場は綺麗に修復されて

何事もなかったかの様に、テントの姿を見る事ができた

 

 法華院温泉の中を通り過ぎる

 法華院温泉の急登

 ここも崩れた跡がある・・・

 

星生山が灌木の林冠から覗く中

急な斜面を登っていく

 

チチの技術が、足をカバーして歩くが

痛みがどの程度酷いものかは 私にはわからない・・・

無言で登るチチの背を ただ見守るだけ

 

 少しずつ緑の衣を纏いだした樹々

星生山

 

懐かしき星生山の姿が青空に浮かぶ

山軍中部にある星生山の名は法性に由来する

法性は、万物の本性で、仏の知恵そのものの意

 

山頂を星性の辻、岩場を法性崎などとも書かれていたという

現在の星生崎の事であるが

ここは、ロッククライミングの岩場として

昔・・・?人工登攀でアブミなどを使って登り、

ハーケンを打つ音が響いていた・・・

 

懐かしき星生山の姿を追いながら

岩のごろつくルンゼ沿いに登っていく

 

今日は、あそこに行くんだと 

心に言い聞かせる

 

 スカイラインが近づいてきた

 

振り返ると

平治岳 北大船山・大船山 坊がつるが目の前に広がる

あのガスった天気が嘘のように

爽やかな空気と素晴らしい景色を見せてくれた

 

そして、急登を登り切った先は

広い砂浜?

賽の河原の様な平地が広がる

漸く、北千里ヶ浜に着いた!

 

 北千里ヶ浜の平坦部

 門番の猿岩(私はゴリラ岩と呼ぶ)

北千里ヶ浜

 

~い 砂地の千里ヶ浜!

千里とは広いを現すのだが 本当に広い!

四方山に囲まれた千里浜を歩いていくが 

本当に気持ちがいい~♪

 

そして、北千里ヶ浜の中間当たりに来ると

スガモリ越の分岐に出会う

 

 すがもり越分岐

 

分岐から10分ほど登ると着くスガモリ越

かつて 諏峨守小屋があり、登山者で賑わっていた

その経営をしていた山小屋の御主人が無くなり

諏峨守小屋も無くなった・・・

ただ・・・の鐘だけは今も残っている

(昭和37年1月1日に起きた大量遭難事故を受け、

倉田厚歌人から寄贈品)

 

大量遭難事故があった後、

北千里ヶ浜でリング・ワンデルングを防止するために

35基のケルンが作られた

しかし、今は・・・

そのケルンの存在が霞んで見える程に

貧弱になっている様な・・・

 

風化や災害における影響が大きいのだろう・・・

時代と共に 変わっていくのは仕方のない事だが・・・

少し、寂しい・・・

 

色々な出来事が、見えないにしても

この広い千里浜には残されているのだろう

 

「首を廻らすと専攻が一時に起こり

本御門は急に影となり 緑の山気が吹きわたり

北御門の方は明るくなって晴れてきた

三俣嵩(三俣山)の雲は 

雨が池(雨ヶ池)に宿っているを起こし

千里ヶ浜の流れは 田能村の遊客を招く」

これは、本御門、北御門があったとされる時代の

天空の描写であろうとされる

 

 北千里ヶ浜の流れ

 

スガモリ越の東北側に対峙するように

聳え立つ三俣山は 北千里ヶ浜からも

堂々としたその姿を見る それは、

守りの山神の沈黙の抱擁の様にすら感じる

 

天空の砂場の様な北千里ヶ浜

 

明治年間の中頃まで

昼なお暗いほど、各種の巨木が茂っており

杉、ブナの木が多く 樹齢500年を越え 

樹周りは4~5メートルを超す巨木もあったという

 

この砂漠の様な北千里ヶ浜も例外ではなく

深い樹林帯われていたという

 

それが 明治32年~33年頃から枯れ始め

明治42年頃までに すべて枯死してしまったようだ

その範囲は、三俣の裾から坊がつるにかけて、

北は 湯沢山麓から平治岳山裾

南は、鉾立を越して 鍋割坂の上中部にまで広がったという

 

坊がつるの下流の暮雨瀧上部には モミ、ツガ林もあったが

全て全滅したという

 

西千里ヶ浜や 空池内壁の北面にも、

3mほどの寿樹が茂っていたが

これらすべて、全滅したという

 

それは、硫黄山噴気活動が影響したとの説がある

そして、植物相がすべて変わり、

現在の植相のまりとなったという・・・

 

ここが・・・

生い茂った樹林帯に包まれていたなどと

今の姿を見て、だれが、想像が出来るだろうか・・・

 

硫黄山

 

昔・・・天狗ヶ城よりの東側の平坦大地

北千里ヶ浜にあったとされる中宮!

廃仏毀釈政策により、明治になってすぐに、

中宮猿岩間の隙間

十一面観自在菩薩像などを隠したとされるが、

それは とうとう発見できないままという…

 

そして、北千里ヶ浜の奥から久住分れを通らずに

直接に、空池に登るルートがあったかもしれないというのだ

その空池の直下には涌泉があるというが

道はかなり険しいものとなる様な気がして・・・

それを確認するには至っていない・・・

 

それにしても、興味深い話は、ここ九重山には多く

至る所に信仰や自然の驚異などの逸話が隠されている

 

1995年(平成7)10月11日夕刻から、約300年ぶりの水蒸気噴火を起こし

東西約400mにわたり 9個の新火口を生じたという

この一帯は 火山ガスが噴出し 植物が育たず

荒涼とした風景が広がる

 

硫黄山尾根には、硫気を噴出する硫黄山が

今も活動をしており 誤って入り込まないように

ロープを張っているが

ガスに包まれている時は分かり難く、迷う人もいるようだ

 

風向きによっては 強く硫黄の臭いが鼻を突くが

今回は、その硫黄のニオイがあまりせず

穏やかな北千里ヶ浜を歩いた

 

さて、北千里ヶ浜が終ると

大岩のごろつく斜面となる

またまた、チチにとってい登りが始まる

 

 

 ここからも、の一文字!

 宇宙人の様な人の?スフィンクス?

 

大きな岩の流れがそこにあり

崩れた跡が涸谷を作り

人はそれを頼って登る・・・

九重名物の黄色いペンキ

岩に描かれ 久住分れへと誘う

 

 足元注意!転んだら痛い!ぞ?

 これでもか!と立ちはだかる

北千里ヶ浜 三俣山 平治岳 その間に由布岳と鶴見岳

 

汗が出た!

顔も、頭も、背中も・・・びっしょり

疲れた…と、時折足を止めて、振り返ると

見飽きる事のない・・・

千里ヶ浜の終盤からついてきてくれた景色が

頑張れと励ましてくれる

 

いつもそばに三俣山

その横に チョコッと平治岳

三俣と平治の間から 猫耳の由布岳がチラリ!

北千里ヶ浜も広き道のルートを残してくれている

 

冷たい風も、慰めるように吹く

嬉しや♪・・・だから頑張れる!

もうすぐと、頑張って登っていくと・・・

 

 久住分れに着いたようだ

久住分れ 1643m

三俣山

阿蘇山

星生崎1719.92mと避難小屋1631.27m

 

久住分れから少し下った先に避難小屋が見える

いつの間にか、綺麗に建て直されており

トイレもキレイになっている!

 

帰りに立ち寄ってみようか・・・

 

だけど、今は、このまま尾根伝いに

星生山へと向かう

 

 

 星生山を目指そうぞ!

久住分れと久住山

 

振り返れば 分岐の右側に久住山が見える 

久住分れから九住山に向かう尾根!

久住山へ行くの行列は ここからも見える

ただ・・・岩と同化して分かり難いが・・・

 

 急な斜面の先に星生崎の岩壁が!

 岩の尾根の道を確実に登って…

 星生崎からの景色

 

星生山でクライミングだ!

遥か昔、山仲間にそう誘われて

岩の頂上で見た景色は 

何十年たっても変わらない!

ここからの懸垂下降は 迫力があった事を

景色と共に、記憶している

 

懐かしさがこみあげてくる・・・

 

しかし… 星生山=岩登りの聖地と思い込み

その頃、なんと、この星生崎しか登ったことのない私

数十年の月日を経て、初めてチチと一緒に登った時

頂上はまだ先にある事を知った・・・

今は縦走路の一つとして楽しんでいるのだが

何とも、お粗末な話である・・・

 

さて・・・

長居は無用!

 

 

星生山頂上を目指して 先を急ごう

チチの膝も、大丈夫そうにも見える

何も言わず、先に進んで行くチチを追いかける

 

西千里ヶ浜と肥前ヶ城と扇ヶ鼻

西千里ヶ浜は常に眼下に広がる

 岩ゴロゴロ尾根伝い!

 窓は何処じゃ~と窓探し

星生山の窓

 

ここか!見つけたぞ!

見つければ、何の事はない

いつも通り過ぎていただけだった

 

冬期の薄暗い中で、岩の尾根伝いを歩き

いつも 窓の上を越えて歩いていたのだと気付いた

 

念願の星生山の窓

西千里ヶ浜を挟んで対峙して鎮座する山、

肥前ヶ城1685mと扇ヶ鼻1698mが借景の如く・・・

窓景を、暫し楽しむ

 

 チチも感無量の様だ!

 窓の外の岩の壁

 登って岩尾根に戻ろう!

 今度は星生山の頂だ!

 

近づけば近づくほどに険しくなる

狭い尾根だが、踏み跡は一つではない所も・・・

 

所々、小さな分かれ道があるが

ルート選択によっては 難易度が変る

 

 頂上が近づいた来たが…

 簡単には通しません?

星生山(ほっしょうざん)1762m

 

大きな岩の間を登ったり

岩をよじ登ったり・・・

結構ハードな付近 でも、

コースによっては

歩き易い道ができているのだけど・・・

 

山頂は思いの外 人で賑わっていた

少し離れた風よけができそうな所で

しばし、足休めをした

 

三郡中部に位置する星生山は 法性に由来する

法性は万物の本性で、仏の知恵そのものの意味である

 

山頂を星性の辻

岩場を法性崎と書かれていたという

この法性崎は、阿蘇にも同じ地名があり

「西遊雑記」に、噴火口の穴の一つに法性崎があるとしているという

 

三俣山 平治岳 大船山  中央の稜線 硫黄岳

右側から久住山 稲星山 天狗ヶ城 中岳 白口岳

 

薄い雲が空に筋を作っている

あれあれ・・・?天気が少し崩れ始めた?

テント場に辿り着くまで、

このままのお天気でいて欲しいものだ

 

九重山の主たる山々の稜線を見ながら

戻る事にした

 

 

星生山の窓まではもどった・・・

だけ、星生崎は、もういいかな?

たまには 違う道を下りたい・・・

 

それはチチも同じだったようだ・・・

途中 ショートカットできそうな所を探し

西千里ヶ浜側へと下って行く事にした

 

 窓を振り返って

 ショートカットしよう

 ちょっと道は薄いが!

 西千里ヶ浜へ降りた

 

星生崎を下からの望む

またた、懐かしさがこみあげてくる ふと…

大根おろしの辺りで、苦戦した事を思い出す

 

人工で登っていたルートも

今では フリーで登れるのだろうと呟くと

隣にいたチチが ポツリという

あそこは、指の関節を使って登る・・・

 

登るルートを見て、シミュレーションしているのだろう

 

お互い、あと 10年ほど若ければね・・・ 

くすっと苦笑い!

 

久住分れの避難小屋

 

幾分か人は少なくなったようだ

新しくなった避難小屋を見てみようと中に入る

 

キレイな内装に驚く

ここで寝れそうだな・・・

避難小屋だものね・・・

 

以前の避難小屋の面影すらない

ただ・・・入口が水溜りになっているのは

今も昔も変わらないようだが・・・

 

中を見ただけで、外で休憩を取って

足を休めた所で 坊がつるまで 

ゆっくり下っていった

 

 避難小屋の中

 出入り口は水溜り

 久住分れ迄のちょっと上り坂

 久住分れ再び

 さぁ~ 戻ろう

さらば 久住分れ

北千里ヶ浜と三俣山

 門番のゴリラ  一家(猿岩)

 千里ヶ浜の終点

大船山と右に立中山の端

 

大船山は…

船が覆ったような姿をしているから名がついたという

しかし、大船山の大船については 仏教面からの説もある

 

【無量寿経の一節に

「船師、大船師、群生を積載して生死の河を渡し涅槃の岸に置く」との

衆生済度の文言があり

その大きな船に因むというである

 

また、大仙山とも書かれていたという

大仙は、如来の事!

麓に大仙仏乗院というも、あったという

山名が先か、寺名が先かは定かでない

 

鶏鳴山という別称もあったという

これも、ふもとの西蓮寺の山号である

 

大船山の下にある立中山は

塔頭からついたもので、北の麓に

法華院歴代の墓所がある

 

 クロモジ

 法華院温泉

 

坊がつるのテント場に戻ってきた頃

空の様子が怪しくなってきた

 

 

 

下りは チチの膝にかなりの負担を掛けたようだ

普段では考えられない程 チチも疲れた様子

早々にテントの中に入り

ゆっくりと過ごす

 

絶対、痛いとか、しんどいとかは言わないチチ

だけど、かなり堪えたのだろう

自ら、明日はゆっくりすると言った

 

内心、良かったと思った・・・

 

坊がつるで、何も考えず

時に思索に耽り、住古を偲ぶのも良かろう

自然を愛でながら 

自分の時間をゆったりと過ごす時間

ここにはあまりあるほどあるから・・・

 

1日目終わり

 

 

つづく


覚悟を決めて出発した九州遠征 1日目

2022年05月08日 | 山 九州の山

2022年4月30日(土) 雨ヶ池~坊がつる~星生山 

 

長者原ビジターセンター自然歩道からの続きです

 

久々のくじゅう山に心が浮かれる

 

ビジターセンターからのタデ湿原に続く自然歩道は

私の好きな歩道の一つである

 

特に、この季節は・・・森の目覚めの様な

新緑の美しさを纏って見せる風情が

堪らなく心を揺さぶられ、懐に包まれる心地良さを感じる

 

指山の山裾から湧く水源

新緑に囲まれた湿原の神秘

指山からの豊かなる湧き水と湿地帯

 

久住の四季は野焼きから始まるという・・・

法華院に伝わる九重山記には

久住の四季を簡単的確に四色で表している

 

春は黒 黒は野焼きの後の黒

夏は青 息吹いた草原の新緑と濃緑の山峰と天空の青

秋は赤 全山を覆う、燃える様な黄葉と草紅葉の赤

冬は白 白凱々の雪山と高原の白

 

そして今は、

からに変わる季節を歩く

 

 自然歩道と作業道の分岐

 

見事な新緑の森の中の自然歩道が続く

作業道と自然歩道の分岐

外来植物の侵入防止のための種子除去マットが設置され

ここで、土を落として 入山する

 

ラムサール条約登録湿地でもある坊がつる湿原への

最低限度のマナーともいえる

 

 ユキザサ

 ホウチャクソウ

 バイケイソウの花穂

 ガマミズ

 オトコヨウゾメ

 テツカエデ

 

道は 自然歩道というより

まさに山道というべきか・・・

本格的登山道を歩く感じになる

 

まだ、目覚めきれない野花たちが、

濡れて乾かないままに…少し寒そうだった

 

山道になり、チチの動きは 以前とは違う

膝を庇って歩く後ろ姿が痛々しい…

それでも、ゆっくりではあるが確実に登っていく

 

丁度、指山の分岐まで来た時の事

チチが足を止めて、指山へ続く踏み跡を見ながら

ここが、指山の分岐だ… 

ポツンと言った

 

指山は、以前から登ろうと

密かに計画を立てていた山だが

縁が無く、コロナ禍になって以来

計画倒れになったままだった…

 

だが…今のチチの膝の状態では

更に指山くになるような気がする

いつか、行けるのだろうか…?

 

そして…

止めた足を再び 雨ヶ池越へと向かわせた

 

 指山の最初の分岐

 現在地表示

ニシノタイミンガサの群生

 

森深く 苔生した岩と泥の坂道を登っていくと

ニシノタイミンガサの群生に出会う

まだ、花穂は延びていないが、その青は目を惹く

 

そして、しばらく更に進むと

目の前に 丸太の階段が見えてきた

 

 

階段だ!

チチにとって、何よりも苦痛の所である

 

 どっこらしょ!

 登らねば着かぬ坊がつる

 階段越えて、次はルンゼ出合

 

災害があり、大きく崩れた跡が

以前の様相とは姿を変えていた

それでも、整備されて、歩き易くなっている

その以前より広くなったルンゼを横断する

 

 ルンゼを横断して・・・

 ヤレヤレと思うなかれ

 ここから泣きの急登だ

 段差の大きいごろ岩!

 

滑る木の根と、ズルズルの泥

何よりも段差の大きさが、チチを苦しめる!

 

辛そうだが、何も言わずに、マイペースに登るチチ

その後ろ姿を見ながら、

ただ ついて登る私…

ガンバだ!

 

 ツクシショウジョウバカマ

 タチツボスミレ

 第一展望台に着いたけど・・・

 

やっとプチ展望台に着いた

ここで、ホッとする

ここから先は、比較的

段差の少ない緩やかな道になり

長者原涌蓋山が望め

ハイキング気分になれる所・・・

はずだった・・・が

 

見える景色は、お先真っ白!

な~んにも見えない

 

 幻想的な樹林の歩き易い道

 

平坦な、歩き易い樹林帯の道が続く

ヤレヤレと、のんびり歩く事が出来る所だ

しかし…

展望ポイントでも 視界は遮られ望めない!

だが…

白いガスに包まれた幻想的な世界を

暫し楽しむのもまた、

乙なものでしい~♪

 

そして、だんだん…と

九重名物と称される、本性を現して来るのも

ここからであった・・・

 

 

でた~でた~ 泥濘が~♪

く~ろい く~ろい 泥の道~♪

す~みのよ~に 汚れてく~♪

  ー童謡 「月」の替え歌で…ー

 

思わず 即興の替え歌を口ずさみながら 

足の置き場を考えて登っていくと

泥沼の樹林帯から 抜け出たような草地に出る…

そこは・・・

 

 雨ヶ池の木道を進む

 

ボンヤリと見える三俣山

幻想的な雨ヶ池に 足を止めて見入る

 

 

雨ヶ池越の、濡れた木道を通って更に進むと

ベンチ付きの、休憩ポイントに出る

だが・・・

濡れたベンチは冷たそう…

遠慮するように、そのまま通過する

 

 休憩ポイント

 クサボケ

 アセビ

 フモトスミレ

 気の早いミヤマキリシマ

 相変わらずの泥濘

 泥濘の道

 

ュッルジュル!

も~っ だ~!

 

確かに、今は、田植えの時期だけど

ここはされなくてもいよ~

 

 

 以前の道は崩壊!

 新たな道と旧の道!

 地図案内はそのまま

 道は変わってしまった…けど

 石畳は残っていた・・・

 段差の小さい階段 リニューアル?

 ニョイスミレに似たフモトスミレ

 アセビの新芽

アセビのトンネル道

 

まるで魔女の森の様な感じだが

嫌いではない!

 

アセビの独得の木の様子が面白い!

 

どこか異次元の世界のようでもあり

おとぎ話の世界にも似る♪

気に入っている所の一つだ♪

 

 残っていた♪風情のある石畳

 樹林帯から抜け出せた

 フウロケマン

 自然歩道の出合

 

自然歩道の道に出た辺りから 

雲の動きが活発になってきた

解放されたように明るくなり、

またまた別世界に来た感じ♪

そして目の前に 

広~い 広~い 湿原

くじゅう山の面々と一緒にえていくれた

 

 

 

鳴子川を渡ると そこには

四方を山に囲まれた坊がつるの湿原が広がる

 

ここ坊がつるもまた、野焼きが行われる

その野焼きから解放された高原は すぐさま、

春の息吹を鼓動させ、交響詩に包まれる

 

焼野原の面影を微かに残しながらも

一気に若草が萌えでて 

緑の絨毯を敷き詰めた様になっている草原を歩く

 

 

雲が流れ、ガスが消えていき

四方の山々が姿を現す・・・

 

かつてこの坊がつるに 

牛が放牧されていた時期があったという事を

今、訪れている人々で知る人はいるのだろうか・・・

それはもう・・・60年ぐらい前の事になるのか・・・

 

その頃は、6月から8月は、

放牧の季節であり

大分県側の豊後には豊後牛の黒牛

熊本県側の肥後には肥後牛の赤牛

これらが、風物詩の様に

高原の風情を豊かにしてくれていた

 

そして坊がつるも例外ではなく 

黒牛が放牧されていたのだ

 

その頃、塩分を求める

キャンプしていると、テントが襲われたり

汗をかいた登山者に近寄ってきたりしていたという

 

そんな語り草を耳にしていたのは 

いつの頃だったか…

しかし・・・最近 耳にする事はない…

 

立中山方面

 

草緑一色の草原の正面の裾野がテン場

そのバックに立中山の稜線が構えている

 

白口岳、天狗ヶ城、中岳方面

 

明治32年に陸地測量部による測量が開始され 

5万分の一地形図が市販されるようになったが

中岳、天狗ヶ城の標高が示されなかった事もあり

長い間、久住山1786.58mが最高峰とされていた!

 

しかし、登山者の殺到で、山頂部が踏み荒らされ

三角点標石が埋め替えられるなどの出来事が続いて

久住山の標高が低くなり、

更に標高のはっきりしなかった中岳

1980年の再測量により標高点が設けられ 

中岳1791mが、最高峰と認定され

現在に至る・・・

 

しかし・・・

九重山群は最も高いピークが連なっており

古く山岳信仰宗教登山の時代に

九重に登るという事は

中岳登山であったという

 

かつて、中岳直下には 久住山白水寺

久住山猪鹿狼寺の共通の上宮が祀られ、

御池(みいけ)と共に

信仰の対象になっていたという・・・

 

九重の山々の生い立ちを調べると面白い♪

 

大船山と北大船

 

九重山東部の火山体は、大船山、平治岳、黒岳であるが

坊がつるからは、三俣山と対峙するように鎮座する

大船山平治岳が望める

 

大船山は 冬季に登る事が多かった それは、

霧氷を纏った大船山と、大船山から望む

九重山全景の冬景色が圧巻で、

それを求めるように登った

懐かしい~♪

 

三俣山

 

三俣山は、山の姿からついた山の名前だが、

主峰、西峰、北峰、南峰(東峰)がある

 

三俣山は、円頂丘形成のおり、

地下からの上昇圧力が弱まり、中央部が落ち込んで

今の形になったというがある

 

さて、テン場に着いた所で

すぐに テント設営を行い 一休憩をする

 

チチが三俣山の方を見ながら 

何やら考えているよう…

 

今日は、ゆっくりしようか…

珍しく、そんなことをいうチチ

膝の調子は、思いの外良くないのだろう…

 

だが、この天気…

チチに何かが囁くのだろう…か

 

荷を軽くして 出発することになった…

 

今日の目的は、星生山

 

大丈夫だろうかという不安もあるが

チチを信用する他ない…

 

 

チチの背を見つめながら 出発した!

 

つづく


覚悟を決めて出発した九州遠征

2022年05月06日 | 山 九州の山

GWのお山の計画

何年ぶりだろうか・・・

 

毎年登りに行っていた九州のお山

コロナ禍になって、更に遠のいて

3・4年ほど行っていない

 

今年は予防接種3回目も終了し、

周りの状況も2年前とは違ってきて・・・

思い切って、九州遠征決意した・・・

 

ただ・・・

心配事がえていた

それは・・・

コロナ禍は、膝の悪いチチに 

無情にも、試練を与えてきていた

 

その事については

もう一つのブログ

日頃の事を書くためのブログだが

そこに・・・ 

九州遠征を前にしての気持ちを残したが・・・

 

そう・・・

チチのが 最近

急激悪化してきている事が心配だった

 

『GWの九州遠視を前にして・・・』

『GWの九州遠視を前にして・・・』

楽しみなはずのGWが近づいてきたコロナ禍になってから遠出をする事の無くなったGW 予防接種も3回終わったまだまだ、危険と隣り合わせだが付き合っていかねばならぬ…

mituhouseのブログ

 

 

それでも、大丈夫というチチの言葉を信じて

九州遠征を実行した

 

だが・・・

 

4月29日(金)

ゆっくり行こうという事で

マイカーに荷物を積みいれて出発!

最初は、順調に車を走らせていたが

山陽道の姫路付近で事故渋滞に遭い 

1時間の時間ロス!

 

事故渋滞を抜けても、自然渋滞に捉まり、

途中から、中国道を走って九州を目指した

 

夕方、大分県の九重町にある

長者原に着いた!ここで仮眠!

翌日に登る事にした

 

4月30日(土)

 

目覚めた空気は重く・・・冷たかった

一桁の気温に 重い雲・・・

垂れこめた灰色の空が 

私の心にも灰色のベールを引かれた・・・

 

平治号像のシルエット

 

それでも、長者原の駐車場は 満車だった

 

駐車場に停めてある車は 他府県ナンバーが多かった

関東ナンバーの車をよく見かけたが

関西ナンバーの車もあり、なんだかホッとする

 

 長者原の駐車場は満車!

 芹洋子で有名な坊がつる賛歌

 ビジターセンター裏にある水場

環境省長者原ビジターセンター裏の休憩場

 

 

 筑後川源流のの前を通り…

 タデ湿原へと向かう!

 白水川を渡って タデ湿原へ

タデ湿原

 

毎年行われる 久住高原の野焼き

今年も3月中旬から下旬にかけて行われたようで

その跡から 新芽が元気に姿を現していた

 

この野焼きは、

草原を維持するために必要な

大切な作業だとか・・・

 

燃えやすい枯草を焼く事で、山火事の危険を減らし

新たに元気な新芽が出る手助けになるという。また、

黒く焼けた地肌に太陽の陽を浴びる事で 地温ヶ上がり

新芽の成長を助ける役割を果たす事になる、その上、

火を入れる事で、土の消毒になり、ダニなどの害虫駆除に効果がある

それは牛や馬・・・家畜などの害虫被害の予防になる

・・・という

それでも、焼かれたところから芽出る

自然の強さを感じる

 

タデ原木道 

 

タデ原木道一直線! 

目の前の三俣はガスの中

湿度の高い冷たい空気が絡みつく中

湿気った木道を踏みながら、登山口へと向かう

 

 ミツバツチグリ元気ない?

 男ゼンマイ男談義?

 静かに佇む長者原登山口

 登山届出用紙どっさり!

 登山届出してさぁ~出発だ!

 

新緑に包まれた九州自然歩道

久しぶりの九重は

青空は無くとも 新緑の青に包まれ

優しく迎えてくれた

 

チチの足取りは 普段よりかなりゆっくりだが

しっかりとしている

 

大丈夫の様に思えた・・・この時は・・・

 

 

コースタイム

4/30(土曜日)1日目

5:50 ヘルスセンター水場 → ↓6:53 指山分岐 → 7:46 尼ヶ池 → 8:25 坊がつる・テント設営 9:35 → 10:35 千里ヶ浜 10:45 → 11:50 久住分れ 12:25 → 12:39 星生崎 → 13:20 星生山 1762m 13:25 → 14:05 西千里ヶ浜 →14:20 久住分れ 14:35 → 15:15 北千里ヶ浜 15:36 → 16:15 法華院温泉 1303m 16:25 16:34 坊がつる・テン場 

 

 

つづく

 

またまた 長いブログの始まりですが

最後までお付き合い下さいませ

宜しくお願い致します