ミッちゃん 山元気!

自由気ままに 自分の目線で
山歩きの様子を綴っていく日記です

覚悟を決めて出発した九州遠征 1日目

2022年05月08日 | 山 九州の山

2022年4月30日(土) 雨ヶ池~坊がつる~星生山 

 

長者原ビジターセンター自然歩道からの続きです

 

久々のくじゅう山に心が浮かれる

 

ビジターセンターからのタデ湿原に続く自然歩道は

私の好きな歩道の一つである

 

特に、この季節は・・・森の目覚めの様な

新緑の美しさを纏って見せる風情が

堪らなく心を揺さぶられ、懐に包まれる心地良さを感じる

 

指山の山裾から湧く水源

新緑に囲まれた湿原の神秘

指山からの豊かなる湧き水と湿地帯

 

久住の四季は野焼きから始まるという・・・

法華院に伝わる九重山記には

久住の四季を簡単的確に四色で表している

 

春は黒 黒は野焼きの後の黒

夏は青 息吹いた草原の新緑と濃緑の山峰と天空の青

秋は赤 全山を覆う、燃える様な黄葉と草紅葉の赤

冬は白 白凱々の雪山と高原の白

 

そして今は、

からに変わる季節を歩く

 

 自然歩道と作業道の分岐

 

見事な新緑の森の中の自然歩道が続く

作業道と自然歩道の分岐

外来植物の侵入防止のための種子除去マットが設置され

ここで、土を落として 入山する

 

ラムサール条約登録湿地でもある坊がつる湿原への

最低限度のマナーともいえる

 

 ユキザサ

 ホウチャクソウ

 バイケイソウの花穂

 ガマミズ

 オトコヨウゾメ

 テツカエデ

 

道は 自然歩道というより

まさに山道というべきか・・・

本格的登山道を歩く感じになる

 

まだ、目覚めきれない野花たちが、

濡れて乾かないままに…少し寒そうだった

 

山道になり、チチの動きは 以前とは違う

膝を庇って歩く後ろ姿が痛々しい…

それでも、ゆっくりではあるが確実に登っていく

 

丁度、指山の分岐まで来た時の事

チチが足を止めて、指山へ続く踏み跡を見ながら

ここが、指山の分岐だ… 

ポツンと言った

 

指山は、以前から登ろうと

密かに計画を立てていた山だが

縁が無く、コロナ禍になって以来

計画倒れになったままだった…

 

だが…今のチチの膝の状態では

更に指山くになるような気がする

いつか、行けるのだろうか…?

 

そして…

止めた足を再び 雨ヶ池越へと向かわせた

 

 指山の最初の分岐

 現在地表示

ニシノタイミンガサの群生

 

森深く 苔生した岩と泥の坂道を登っていくと

ニシノタイミンガサの群生に出会う

まだ、花穂は延びていないが、その青は目を惹く

 

そして、しばらく更に進むと

目の前に 丸太の階段が見えてきた

 

 

階段だ!

チチにとって、何よりも苦痛の所である

 

 どっこらしょ!

 登らねば着かぬ坊がつる

 階段越えて、次はルンゼ出合

 

災害があり、大きく崩れた跡が

以前の様相とは姿を変えていた

それでも、整備されて、歩き易くなっている

その以前より広くなったルンゼを横断する

 

 ルンゼを横断して・・・

 ヤレヤレと思うなかれ

 ここから泣きの急登だ

 段差の大きいごろ岩!

 

滑る木の根と、ズルズルの泥

何よりも段差の大きさが、チチを苦しめる!

 

辛そうだが、何も言わずに、マイペースに登るチチ

その後ろ姿を見ながら、

ただ ついて登る私…

ガンバだ!

 

 ツクシショウジョウバカマ

 タチツボスミレ

 第一展望台に着いたけど・・・

 

やっとプチ展望台に着いた

ここで、ホッとする

ここから先は、比較的

段差の少ない緩やかな道になり

長者原涌蓋山が望め

ハイキング気分になれる所・・・

はずだった・・・が

 

見える景色は、お先真っ白!

な~んにも見えない

 

 幻想的な樹林の歩き易い道

 

平坦な、歩き易い樹林帯の道が続く

ヤレヤレと、のんびり歩く事が出来る所だ

しかし…

展望ポイントでも 視界は遮られ望めない!

だが…

白いガスに包まれた幻想的な世界を

暫し楽しむのもまた、

乙なものでしい~♪

 

そして、だんだん…と

九重名物と称される、本性を現して来るのも

ここからであった・・・

 

 

でた~でた~ 泥濘が~♪

く~ろい く~ろい 泥の道~♪

す~みのよ~に 汚れてく~♪

  ー童謡 「月」の替え歌で…ー

 

思わず 即興の替え歌を口ずさみながら 

足の置き場を考えて登っていくと

泥沼の樹林帯から 抜け出たような草地に出る…

そこは・・・

 

 雨ヶ池の木道を進む

 

ボンヤリと見える三俣山

幻想的な雨ヶ池に 足を止めて見入る

 

 

雨ヶ池越の、濡れた木道を通って更に進むと

ベンチ付きの、休憩ポイントに出る

だが・・・

濡れたベンチは冷たそう…

遠慮するように、そのまま通過する

 

 休憩ポイント

 クサボケ

 アセビ

 フモトスミレ

 気の早いミヤマキリシマ

 相変わらずの泥濘

 泥濘の道

 

ュッルジュル!

も~っ だ~!

 

確かに、今は、田植えの時期だけど

ここはされなくてもいよ~

 

 

 以前の道は崩壊!

 新たな道と旧の道!

 地図案内はそのまま

 道は変わってしまった…けど

 石畳は残っていた・・・

 段差の小さい階段 リニューアル?

 ニョイスミレに似たフモトスミレ

 アセビの新芽

アセビのトンネル道

 

まるで魔女の森の様な感じだが

嫌いではない!

 

アセビの独得の木の様子が面白い!

 

どこか異次元の世界のようでもあり

おとぎ話の世界にも似る♪

気に入っている所の一つだ♪

 

 残っていた♪風情のある石畳

 樹林帯から抜け出せた

 フウロケマン

 自然歩道の出合

 

自然歩道の道に出た辺りから 

雲の動きが活発になってきた

解放されたように明るくなり、

またまた別世界に来た感じ♪

そして目の前に 

広~い 広~い 湿原

くじゅう山の面々と一緒にえていくれた

 

 

 

鳴子川を渡ると そこには

四方を山に囲まれた坊がつるの湿原が広がる

 

ここ坊がつるもまた、野焼きが行われる

その野焼きから解放された高原は すぐさま、

春の息吹を鼓動させ、交響詩に包まれる

 

焼野原の面影を微かに残しながらも

一気に若草が萌えでて 

緑の絨毯を敷き詰めた様になっている草原を歩く

 

 

雲が流れ、ガスが消えていき

四方の山々が姿を現す・・・

 

かつてこの坊がつるに 

牛が放牧されていた時期があったという事を

今、訪れている人々で知る人はいるのだろうか・・・

それはもう・・・60年ぐらい前の事になるのか・・・

 

その頃は、6月から8月は、

放牧の季節であり

大分県側の豊後には豊後牛の黒牛

熊本県側の肥後には肥後牛の赤牛

これらが、風物詩の様に

高原の風情を豊かにしてくれていた

 

そして坊がつるも例外ではなく 

黒牛が放牧されていたのだ

 

その頃、塩分を求める

キャンプしていると、テントが襲われたり

汗をかいた登山者に近寄ってきたりしていたという

 

そんな語り草を耳にしていたのは 

いつの頃だったか…

しかし・・・最近 耳にする事はない…

 

立中山方面

 

草緑一色の草原の正面の裾野がテン場

そのバックに立中山の稜線が構えている

 

白口岳、天狗ヶ城、中岳方面

 

明治32年に陸地測量部による測量が開始され 

5万分の一地形図が市販されるようになったが

中岳、天狗ヶ城の標高が示されなかった事もあり

長い間、久住山1786.58mが最高峰とされていた!

 

しかし、登山者の殺到で、山頂部が踏み荒らされ

三角点標石が埋め替えられるなどの出来事が続いて

久住山の標高が低くなり、

更に標高のはっきりしなかった中岳

1980年の再測量により標高点が設けられ 

中岳1791mが、最高峰と認定され

現在に至る・・・

 

しかし・・・

九重山群は最も高いピークが連なっており

古く山岳信仰宗教登山の時代に

九重に登るという事は

中岳登山であったという

 

かつて、中岳直下には 久住山白水寺

久住山猪鹿狼寺の共通の上宮が祀られ、

御池(みいけ)と共に

信仰の対象になっていたという・・・

 

九重の山々の生い立ちを調べると面白い♪

 

大船山と北大船

 

九重山東部の火山体は、大船山、平治岳、黒岳であるが

坊がつるからは、三俣山と対峙するように鎮座する

大船山平治岳が望める

 

大船山は 冬季に登る事が多かった それは、

霧氷を纏った大船山と、大船山から望む

九重山全景の冬景色が圧巻で、

それを求めるように登った

懐かしい~♪

 

三俣山

 

三俣山は、山の姿からついた山の名前だが、

主峰、西峰、北峰、南峰(東峰)がある

 

三俣山は、円頂丘形成のおり、

地下からの上昇圧力が弱まり、中央部が落ち込んで

今の形になったというがある

 

さて、テン場に着いた所で

すぐに テント設営を行い 一休憩をする

 

チチが三俣山の方を見ながら 

何やら考えているよう…

 

今日は、ゆっくりしようか…

珍しく、そんなことをいうチチ

膝の調子は、思いの外良くないのだろう…

 

だが、この天気…

チチに何かが囁くのだろう…か

 

荷を軽くして 出発することになった…

 

今日の目的は、星生山

 

大丈夫だろうかという不安もあるが

チチを信用する他ない…

 

 

チチの背を見つめながら 出発した!

 

つづく