本日行われた、三重県立高校の入試問題、
社会科の問題です。
お正月に雑煮を食べる習慣は、今も家庭で大事にされているが、
わが三重県では関東の「丸い餅を味噌汁で食べる」のと
関西の「四角い餅をすまし汁で食べる」の両方の習慣が混在している。
これはどういう理由からなのか
「三重県の雑煮は」という書き出しで「食文化」という言葉を用いて記しなさい。
(というような趣旨の問題でした)
おいおい、これって社会科の問題ですか?
家庭科じゃないの?
いや「秘密のケンミンショー」のネタじゃないの??
と思うような問題でありますが、
いや、これは決して「珍問」ではありません。
わが三重県は、関西圏(近畿圏)と東海圏(中部圏)の境界に位置し、
双方からの文化の影響を受けてきたのです。
このような、三重県の文化の成り立ちを意識して暮らしてきたかどうか、
そういうところを問いかけているのですな。
実際、旧美里村のわが家は、すまし汁に角餅で、
旧津市の嫁の実家は、みそ汁に角餅なのです。
正月に雑煮を食べながら、
「うちと津のおばあちゃん家とは違うんだね、どうしてかな?」
ということに興味を持つか持たないか、
そういうところを観察できる力が求められているということでしょう。
とはいえ、
三重県と関西、関東との文化交流について書き始めたら、
かなりの字数が必要だと思います。
「三重県の雑煮」は、
大学生が研究論文に取りあげてもおかしくないほどの深いテーマだと思います。
簡潔に言うなら、
「江戸時代は京都・大阪との経済的な交流が盛んであったが、
その一方で、おかげ参りや伊勢神宮への献上品の物流を通じて、
関東との交流も盛んであったため、東西の食文化が三重県に伝わったため」
というようなところでしょうか。
良い問題ではあると思いますが、
中学生には難しい、というか予想外の問題だったのでは。