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D cafe

待っている 時間もすてき
手の中に ひらくものが あると思えば
              (中島未月)

今年の一文字

2008-12-15 01:34:55 | 映像
今年一年を表す文字は「変」と発表されたが、発表される前日の朝、テレビで、それを予想する番組を見た。私は、朝は身支度をしながらワイドショーを渡り歩く。好みのコーナーの時間帯がわかっているのでそろそろ別のチャンネルに切り換えようと思った時、「女子高生に聞く今年の一文字」というコーナーが始まった。ほとんど期待せずに見ていた。インタビューをする日テレの羽鳥アナの軽妙な会話に誘われて、女子高生たちも素直にボードを掲げた。最初の一人は「太」という文字だった。私はてっきり年頃の彼女たちの考えることとして「今年は太ってしまって反省」とかなんとか、そういう類だと思っていた。ところが彼女は「これは麻生太郎の太。うちらの方がよっぽど漢字知ってる」と答えた。これには笑った。スタジオで見ていた人たちにも受けた。次に「値」という文字が登場した。「これは?」「今年は小麦粉やバターの値上がりがこたえました」「まるで主婦のような方ですねぇ」「はい、毎年バザーでクッキーを焼くのですが、今年は材料費が高くついて、仕方なく中身を少し減らしました」「なんか、似たような話をどこかでも聞きましたね」羽鳥アナの絶妙の突っ込みにまた笑いが起こる。次々と愉快なしかしなかなか鋭い答えが続いた。いつも楽しみにしている他局のワイドショーに切り換えようという思いは、いつの間にか消えていた。最後の女子高生は「狭」という字を挙げた。「我が家は大家族なので家が狭いです。早く自立して両親を助けたいと思います」「ご兄弟は何人?」「9人です」「9人!で、お部屋の数は?」「部屋が4つと台所とお風呂と...」「結構部屋数あるんじゃないですか?」「いえー、狭いです!だって、うちは暖房しなくても温かいですから」どっと笑いが起こった。それは誰の心をも温めるような素敵な答えだった。やるじゃん、と私は思った。彼女に何か御馳走したくなった。

予想したよりずっと面白くて鋭い答えが並んだ。なかなかな答えばかりを局側が選択したとしても。驚いたことに、その時数で一位を占めたのが「変」という文字だった。
若い人たちを絶望させてはいけない。希望のある未来を引き渡す責任が我々大人にはある。来年はもっと明るい一文字になりますように。

「機関車先生」

2008-09-14 11:55:18 | 映像
ソウル旅日記が遅れておりますが、壊れたパソコンが復旧したらじっくり書くとして...(先日ノートパソコンのバックライトが壊れ、画面が真っ暗に。修理は高いので購入を決意。結局4つ目のパソコンを昨日購入しました。とほほ)
時々深夜に困ることがあります。お風呂上りにテレビをつけるのが私の習慣なのですが、たまにすごい掘り出し物に当たって、最後まで見てしまうからです。お風呂から上がった後予定していた仕事(笑)が全部吹っ飛んでしまいます。チャンネルは必ずBSなのでCMもなくノーカット。なぜか始まったばかりの時が多く、ストーリーについていけてしまう(笑)

さて、そんなわけで昨夜も見事網にひっかかり、思わぬ映画を見て自室でぼろ泣き。いやぁ良かった「機関車先生」
瀬戸内海の小さな島に臨時教員で赴任した口のきけない青年教師。聾唖ではなく、剣道の試合がもとで(喉を突かれた)声が出せない。小さな島だからこんな教師を寄越したのかと憤る網元たち大人を尻目に、どんどん先生になついていく子供たちが素晴らしい。主役は坂口憲二さんで、一切台詞のない彼の抑制の効いた演技もいいが、何と言っても彼を学校に呼んだ校長先生役の堺正章さんが素晴らしい。いつものマチャアキと全く違う(当たり前だけど)、静かな語り口。この校長さんを見続けたくて最後まで見てしまった。下宿のおばさん役の倍賞美津子さん、居酒屋の大塚寧々さん、みんなすごくいい。主人公の吉岡先生の出生にまつわる秘話、戦後すぐの田舎の生活を含め、昔の日本人はみなこんなに素敵だったんだなぁと改めて思う。
潔く生きるとはどういうことか、人間の誇りとは何か?あの頃の日本人が持っていた素朴さ、正直さ、恥じらいや、不器用な温かさ。過剰過ぎない愛情。
修平という少年がいる。彼の父は嵐の海で漁船ごと遭難し、彼は皆が父を助けてくれなかったからだと、鬱屈した日々を送っている。頼みにしていた機関車先生が地元の暴れん坊にいためつけられても一切抵抗しないのを見て、いよいよ荒れる。
ある日授業で校長が修平少年に問う。
校長「修平、誰かがお前に石を投げたらどうするか?」
修平「その倍投げ返す」
校長「そしたら相手はもっと返してくるぞ」
修平「そしたらその倍返してやるけん」
校長「それが戦争っちゅうもんや」

じわじわコワくなって来た!?

2008-08-21 02:40:48 | 映像
お久し振りです(笑)8/9~8/17まで、しっかり9日間のお休みでした。贅沢な話ですが、こんなに休むとさすがにしんどいというか、休みすぎて体調崩しそうになりました。やはり根っこは貧乏人。所詮高等遊民にはなれません。パソコンに向かう時間が何分の一に減っても生活にほとんど影響がないということは再確認出来ましたが、パソコンに触れなくても頭痛は起こるということもわかって、軽くショックを受けました。(頭痛持ちの嘆き)
さて、オリンピックです。前回の日記で開会式に触れ、圧倒されたと書きましたが、一つ追記しておきたいことが...。あのすさまじい歴史絵巻を見ているうちに、一見CGのように見えて実はズームインすると人の手を借りているということに、感動より先にコワさを感じました。この人数が相手では、何をやっても苦戦するだろうなと。敵に回したくないです。
中国選手と直接対決している選手は大変ですね。相手の応援が半端じゃないですから。テニスなんてうるさ過ぎて審判に何度も注意される始末。国家的大事業ですものね。棄権した陸上選手に対し、街角でインタビューされていた一般の人たちは「骨折するまで走り抜け」だの「這ってでもゴールを目指すべき」という意見が圧倒的に多くて驚きました。年収20億を超える彼に対してのやっかみも混じっているそうですが、それを聞くと、歯磨きの水まで高級品を使い有名ホテルのシェフを連れていってるどこかの野球チームの記事を見て腹が立った自分と大して変わらん?(苦笑)とか思ったり...
しかし、それにしても、民放各局のうるさいレポーター、なんとかなりませんかね?なんでこの人が?というようなタレントさんを使うの、もう止めませんか?見ているこちらが恥ずかしくなってきます。
さっき某ニュース番組に北島選手が出演していましたが、(落ち着いた)キャスターの質問も良かったし、北島選手の答えも爽快で、やっとすっきりしました。さぁ、寝よ。

予想外

2008-08-09 03:29:16 | 映像
そうだった、チャン・イーモウの演出だよ~と、途中で気が付いた。 いやもう、すごく良かった。実は全く期待していなかった開会式。人海戦術で、北○○のマスゲームみたいなのかしらねーと思いながらなんとなく特等席で待機。母が民放の占い番組を見始めたので、珍しく別の部屋に移動した。この占い師、よく当たるけど、あまり品が良くないから好きじゃない。
で、雰囲気だけ味わいましょうかと思って見始めた開会式は結局最後までしっかり鑑賞。これには自分で驚いた。いつもはニュースのハイライトしか見ないのに。 入場行進が始まるまでの演出がものすごく面白くてTVに釘付けになってしまった。漢字のなりたち、巻物、シルクロード。逆立ちしたって欧米人が真似出来ないような中国三千年の絢爛たる文化。以前来日したチャン・イーモウ監督が、「自分の映画を撮ってる方がほっぽど楽」と言っていた通り、数だけを恃むマスゲームとは根本的に違う練りに練られた演出。モダンで洒落た部分もあり、豪華で雄大。お金かかってます。びんぼ臭くなくていい。気合入ってるなぁ。音楽が流れるとまた思った。レスリー、なんで死んだのさ。ジャッキーと一緒に見てほしかったなぁ。
入場行進は、閉会式かと思うほどのラフさ。東京オリンピックのあの軍隊のような行進を思い出して、時の流れを実感した。ユニフォームは女子はどこがいいかわからない。男子はダントツでフランスチーム。粋。メキシコチームの女性旗手がものすごい美人だった^^ 。後半はちょっと照れるような部分もあったけれど、最後は満天の花火で幕。花火っていいなぁ。絶対欠かせないですよ。 どうか最後まで何も起こらず、純粋に面白い大会でありますように。

好みの問題

2008-02-19 02:58:35 | 映像
その昔、とても気に入った映画がありました。それは、27歳の青年と42歳の中年女性の恋を描いたものでした。広告代理店に勤める美青年とハンバーガーショップのくたびれた女店員の奇跡のような恋。ただ甘いだけでなく、当然起こり得る問題はもちろんあり、紆余曲折の末に二人が結ばれるラストはとても味わい深いものでした。一人で見て、これは中年女性に元気をくれる映画だ(笑)と思った私は、当時仲の良かった職場の同僚(同年代)を誘ってもう一度見に行きました。結果は惨敗。全然良くないという彼女に「どこが?」と尋ねると、「だって、あんなこと、あるわけないもん」と一言。彼女は実際にありそうな話でないと全く乗れないと言いました。結局それから二人が一緒に映画を見ることはありませんでした。そんなことありえない、と言ってしまえば、ハリウッド映画はもちろん、小説だって成り立ちません。私は幸せな嘘が好きだし、しばしの間現実を忘れさせてくれる気持ち良い偶然や奇跡なら大歓迎です。
「陰日向に咲く」を親友たちと一緒に見ながら、そのことを思い出しました。一見バラバラに見えたストーリーが、見事にはまったジグソーパズルのように、鮮やかに結ばれていくストーリー。例え都合が良すぎる出会いであっても、何万分の一の奇跡であっても、気持ち良く納得させられる幸福感がありました。三浦友和さんは最近のツボです。出演されている映画、どれもはずれがない。若い頃よりずっといい。香川さんほどのアクの強さは無く、どこにでもいるような不器用なおじさんをやらせると、とても上手い。私が「あれ?この人変ったよ」と思ったのは、ずいぶん昔の「台風クラブ」という映画でした。不思議な先生役でした。先日某映画賞で助演男優賞を受賞されていて、やっぱり今旬なのねーと思いましたが、日本アカデミー賞にはノミネートもされていませんでした。私、日本アカデミー賞とは相性がよくありません(笑)。確かに「東京タワー」はいい映画だったけれど...もっともっとたくさんいい映画があったはずなんだけどなぁ...

深呼吸の必要

2008-02-08 03:15:13 | 映像
そんなタイトルの映画や詩集がありました。偶然にも私はその詩集を持っていますし、映画のDVDも持っています。で、今日はそんなことではなくて(笑)、ちょっと時間を作って深呼吸をしてきたというお話。
もうなんというか、忙しすぎておかしくなる感じで...。昨日は一日お腹がしくしく痛み(壊していないのに痛む時はけっこうきつい)、こりゃあかなり来てるな、休息取らないと危ないなと思ってお昼休みに思い切って親友にメールしました。「明日午後半休を取ろうと思うのだけど、空いてませんか?」と。持つべきものは友で、仕事を調整して空けてくれました。夜になると肩や腰まで痛くなって気持ち悪くなり...。ああ、やっぱりこれは体からのSOSだ、半休取ることにして良かったなと。

父の一周忌が5月にあり、その前に納骨があります。諸々の準備、スケジュールの調整、親戚とのやりとり云々。勝手に出来ないことばかりで大変です。次に2月に内輪で旅行を計画していたのですが、妹も姪も私以上に忙しく、結局頓挫。食事会に変更になりました。しかし妹などは猛烈な日々を送りながら「人間、忙しい時の方がものごとがはかどる。暇が出来たら余計ぼーっとしてしまってダメだ」などと言ってます。それもそうですが、さすがに私は時間がもう少し欲しくなってきました。
土曜日は東京です。一日で2本の芝居を見ます。大森南朋さんの「恋する妊婦」と岡田達也さんの「小さき神の作りし子ら」。もったいない話です。ほんとはもっとじっくり見て余韻を楽しみたいのですが、なにせ交通費が高い。このどちらも大阪公演がない。情けない話です。かけ足で2本の芝居を見て、終演後は岡田さんのファンの方が一席を設けてくれるので参加。深夜高速バスで帰るのでゆっくり出来ない。あーこれももったいない&申し訳ない。大阪に翌朝着いて朝食を食べたら、映画を見ます。「陰日向に咲く」。見たい映画が目白押しで時間がないので、この枠に無理やり詰め込みました。映画の後はさっさと帰って家事。翌日がマラソンで交通規制が敷かれるので、お買物等10日に済ませておかなくてはなりません。
3/4は藤原君の「身毒丸」。こちらは大阪公演です。彼の芝居は大阪にも来ることが多いので助かります。3月の月末には神話のソウルコンサートが待っています。こちらの準備も大変です。7月は藤原君の別の作品「かもめ」もあります。エンディさんのソロ活動がその中に割って入ってきているので、先の予想がつきません。
そして肝心要の仕事が忙しい。うーん、年中忙しいです。

で、今日は親友と「グミ・チョコレート・パイン」を見てきました。無理してでも見て良かった。その昔はまった大槻ケンジの小説をケラさんが監督した青春群像。南朋さんはもちろん、脇役が超豪華でめちゃくちゃ楽しめました。高橋ひとみさん最高です。途中あまりにシュールなシーンがあって、自分の中で受けまくりました。主人公の少年たちがバンドのメンバー募集をかけていたロック雑誌「フールズ・メイト」。いやぁ、懐かしい。あの雑誌はかなりアート志向が強く、わけもわからず毎月読んでいました。投稿した手紙が掲載されたことがある、それも結構いいページに、と親友に話したら受けました。主人公と憧れの美甘子ちゃんが夢中で語っていたジョン・カーペンター監督の「遊星からの物体X」これもまたまた懐かしい!同じく会話の中に登場した「地球に落ちてきた男」。ビデオを難儀して手に入れ何度も見ました。不思議極まる映像。ハワード・ヒューズをモデルにした、大金持ちで閉所恐怖症の宇宙人を演じたデビッド・ボウイに夢中でした。
映画の後はゆっくりお茶をして本屋に行って単行本を1冊購入。「グラスホッパー」を読了したので、次なる挑戦「警官の血」。かなり分厚い上に上下巻。ま、ぼちぼち行きます。時間はなくても本は読む。本屋は実に楽しい。最高だ。というわけで命の洗濯になりました。つきあってくれた親友に感謝。

2007年映画鑑賞総括

2008-01-10 00:14:32 | 映像
昨年やった試みを今年も。というわけで、前の日記のコピーを引っ張り出して来ました。懐かしく眺めながら、いざ開始。

1月:「長い散歩」「愛の流刑地」「ディパーテッド」「武士の一分」「ラッキーナンバー7」「僕は妹に恋をする」
2月:「マリーアントワネット」「それでも僕はやってない」「魂萌え!」「どろろ」「ボビー」
3月:「長州ファイブ」「善き人のためのソナタ」「蒼き狼 地果て海尽きるまで」
「ドリームガールズ」「非情城市」「ハッピーフィート」
4月:「蟲師」「ホリディ」「アンフェア」「神童」
5月:「黄色い涙」「ラブソングが出来るまで」「ブラッド・ダイヤモンド」「東京タワー」「プルコギ」
6月:「しゃべれどもしゃべれども」「パイレーツ・オブ・カリビアン」「ゾディアック」「プレステージ」
7月:「キサラギ」「傷だらけの男たち」「私たちの幸せな時間」
8月:「アヒルと鴨のコインロッカー」「たとえ世界が終わっても」「オーシャンズ13」
9月:「天然コケッコー」「HERO」「M」「スキヤキウェスタン・ジャンゴ」
10月:「めがね」「グッドシェパード」「犯人に告ぐ」
11月:「ALWAYS 続三丁目の夕日」「ボーン・アルティメイタム」「呉清源 極みの棋譜」
12月:「ヘアスプレー」「転々」「ユゴ」「ミッドナイトイーグル」

以上50本。内、2回見た作品が2本あるので延べ52本。昨年より少し減りましたが、いちおう50本のラインはクリア出来ました。常に心がけていることは、数をたくさん見ることではなく、出来るだけ偏りなくいろんなジャンルの作品を見ること。ハリウッドもの、アジア映画、邦画。しっとりと落ち着いた文学的な作品、恋愛物、推理物、アクション、ミュージカル等わけへだてなく見たつもりでしたが、2007年は韓国映画が少なかったですね。邦画は依然好調です。
で、極私的BEST5。もう好みの問題です。作品的にどうのということは考えていませんのであしからず。順不同です。
「キサラギ」「たとえ世界が終わっても」「どろろ」「ボーン・アルティメイタム」「ヘアスプレー」

「どろろ」に関してはえーーっとおっしゃる方もいらっしゃると思いますが(笑)、単にああいう魔物退治みたいなお話が大好きなので。それにここでの暗い妻夫木さんは普段の好青年ブッキーよりずっと色っぽいです。
最近は見た後気持ち良く帰れるような作品の方がいいですね。そういう意味で、「ヘアスプレー」はすごい拾い物でした。
ちなみにワーストは「ハッピーフィート」。うーん、唯一、途中で帰りたくなりました。あのペンギンを可愛いと思えない...。予告編に騙されたなぁ。

最後に、アメリカで発表された「ファンへの対応が素晴らしいハリウッドスター」の順位を、親友がメールで教えてくれました。そこに燦然と輝く1位はジョニー・デップ。2位はマット・デイモン、3位はジョージ・クルーニーと、まさに自分の好きな俳優さん揃い踏みで、ものすごく嬉しかったです。見応えのある作品に出演し、素敵な家庭を持ち、尚且つファンを大事にする。それこそが本物のスターなのだと思います。

ニュース「ショー」

2007-10-29 00:21:04 | 映像
土曜日に親友と映画(「犯人に告ぐ」)を見てお茶をし、夕飯はいつものごとく家で母と食べるので、早めに解散。食材を少し買い足して難波駅まで行くと、何やら放送が。その数分前に母に「○分の電車に乗るからねー」と電話をしたばかりだったのに。どうやらまた電車が止まっているらしい。南海○○線はとにかくよく止まる。人身事故が多い。どうしても死にたい人は他人に迷惑をかけない形でお願いしたい。で、今回は何?と思ったら「○○線の線路上にヘリコプターが墜落した」という話。ええーーこれはまた、なんで...。その時は深く考える余裕もなく、どうやって帰るかを考える方が先決。悩んだ結果近鉄電車に変更。汗だくで乗り継ぎ、30分遅れで家にたどりつきました。家に帰ると母が「さっきニュースでやってたよ」と。よく考えてみれば、走っている電車の上に落ちていれば大惨事で、今頃連夜の報道となっていたでしょう。自分が乗っていた電車だったらどうだろう?と考えると真底恐ろしく、どうしてそんな民家や駅のあるところで体験飛行なんてやるの?と疑問&怒りがふつふつと...。しかし、もっとひっかかり始めたのはそれから後。どこのニュース番組もほとんど触れない。相も変わらず亀田選手の謝罪の詳細を何度も繰り返したり当事者たち前夜の話し合いの再現なんて、もういいじゃないのと思う。もっと疑問を呈するニュースは他にいっぱいあると思うけどなぁ。(そうそう、マスコミはボクシングばかり寄ってたかって叩いてますが、誰もきちんとけじめをつけないお相撲さんの方は?もう終わり?)

今夜某局のニュース番組でも「携帯サイトで買物をする人が多い」という特集をしていて、若い女性ばかりが2万人も集まるファッションショーを紹介していた。番組には有名な評論家などコメンテーター(男性)が二人来ていたが、司会者に「携帯で物を買ったりしますか?」と質問をされ、実につまらなそうに「自分は買わないが買いたい人は買えば良い」「私は電磁波の問題と取り組んでいるので携帯さえ持っていない」とそれぞれ答えていた。思わず苦笑。ほんとにどうでもいい特集だった。

数学者の人生

2007-10-25 02:06:41 | 映像
もうすぐ「百舌の叫ぶ夜」読了です。さっそく続編の「幻の翼」を買って来ました。最近はもう夢中で本ばかり読んでいるので電車で睡眠を補うこともなく、おかげで夜はすぐに睡魔が...。こんなにさくさく活字が頭に入ってくるのは久し振りのこと。やはり読書の秋?
で、今夜、お風呂あがりに何気なくTVのスイッチを入れたらNHKスペシャルが今まさに始まるところで、これが無類の面白さ。しっかり最後まで見てしまいました。
100年の難問はなぜ解けたのか~天才数学者 失踪の謎~
内容はほぼ以下の通り(NHKの解説より)
【宇宙に果てはあるのか?宇宙は一体どんな形なのか?人類が長年、問い続けてきた謎に大きく迫るヒントが去年見つかった。百年もの間、誰も解けなかった数学の難問「ポアンカレ予想」が証明され、宇宙がとりうる複数の形が初めて明らかになったのだ。世紀の難問を解いたのはロシアの数学者グリゴリ・ペレリマン(41)。その功績により、数学界最高の栄誉とされるフィールズ賞の受賞が決まったが、彼は受賞を拒否し、数学の表舞台から消え去ってしまった。その真意をめぐって様々な憶測を生んでいる。「ポアンカレ予想」にはこれまで、幾多の天才たちが魅了され、人生のすべてを賭けて挑み、そして敗れ去ってきた。ペレリマンがその栄誉に背を向け、姿を消したのはなぜか。そもそも数学者はなぜ難問に挑み続けるのか。】

多分本当はものすごく難しい話なんでしょうけど、実にわかりやすく説明してくれていたので、数学オンチの私にもついていけました。宇宙にロープをかけてそれを回収するとか、スルスルとロープが戻って来たら宇宙はほぼ丸いんだとか...天才の考えることって...
ただ、それを解くために100年もの間、世界有数の数学者たちが、人生を賭けてきたこと。ひとたびポアンカレの魔力にはまると、明るかった青年も無口な求道者となり、まさにとりつかれたように、周囲と隔絶した世界に生きてしまうという。その深淵から脱出した(解くのを諦めた)学者たちの、「今だから笑って話せる難問との格闘の日々」が実に興味深く、湯川先生(笑)が時々とりつかれたようにドラム缶や塀や道に数式を書き殴るのも、大げさではないんだなぁと、変なところで納得しました。ところで、数学における美しい解答とは、まるでモーツァルトの楽譜のようだそうです。曰く、無駄が無い。深いわ。

めがね

2007-10-14 10:02:43 | 映像
勤務先に、同い年なのに、生活リズムが全く合わない同僚がいます。旅行に誘われることも多々ありましたが、なるべく避けていました。せっかくの休暇なんだから一都市でも多く回りたいという彼女と、たとえヨーロッパでも一国、じっくり居座ってのんびり回りたいと思う私とでは合うはずがないからです。彼女が私の旅話を聞いて一番驚くのは、cafeに入る回数でした。私は時間があればお茶をするので。足が辛いとか歩くのが嫌いとかは全くありません。ただ、cafeでお茶を頂くことが大好きなのです。後にも先にも一度だけ、押し切られて一緒に旅をしましたが散々でした。事前に計画したお店が見つからなかったりすると、あくまでどんなことをしてでもそこを探し出して土産を買わなければ、と思う彼女にとって「無かったら無かったでいいじゃない」と思う私はさぞイライラする相棒だったでしょう。

「めがね」を見ながら、ふとその同僚を思い出しました。彼女がこれを見たら、このまったりとした何も解明されないような(笑)テンポに何と言うだろう?もしかしたら寝てしまうかもしれません。
「眠ってしまうような映画」という意見も結構あるようですが、私は全く眠くなりませんでした。晩年はこういう生活がしたい(私にとっては理想の生活。ある意味ものすごく贅沢な暮らしだと思う)。島は無理でも自分の家で真似できることはやってみようと、衣食住いろいろチェックしながら見ていました。何億もの豪邸に住んでブランド品で上から下まで固めた人をうらやましいと思ったことはないけれど、これはちょっと憧れるなぁ。
小林さんの着ている洋服が、とてもお洒落で大好きでした。冒頭のカーディガンなど、赤のボタンが効いています。ストライプのシャツはもっと色が淡い方が素敵だなぁ。評判のおいしい場面は、前作の「かもめ食堂」に引き続いて絶好調。朝食のパン、ちぎる音が聞こえそうでした。光石さんの作るサラダのおいしそうなこと!私もカキ氷は苦手ですが、小豆は大好物なので、あのカキ氷は食べてみたいです。ただ、食べるシーンを抜いて考えた場合、何となく前作よりはちょっと弱いかなと思いました。主人公が少しずつ「たそがれて」いく(強張った自分自身を解放していく)様子はよくわかって、小林さん上手いなぁと思いましたが、「かもめ食堂」にはもうちょっと山があったように思います。ちょっとだけスパイスが足りない、そんな気がしました。し・か・し、もたいさん、最高!!