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長岡技術科学大学 山本研究グループ

長岡技術科学大学 生物系 山本麻希 研究グループのHPです。

津南のサル調査と魚野川の粗朶調査

2010-11-08 16:44:28 | 日々ブログ
土日は津南町でサルのリアルタイムモニタリングの電波発信器を持っての測地調査を今日は魚野川に設置した粗朶による魚のかくれ場所の目視調査に行ってきました。

津南町の方は、順調に集落のアンテナ設置した場所に猿の群れが現れ、サルの一がリアルタイムモニタリングシステムによって測位されています。
私は電波発信機を持ってサルの代わりにいろいろな場所に出没し、定位できるかの試験をしました。


津南に設置したリアルタイムモニタリングシステムのアンテナ

津南の秋の里山は紅葉がとても美しく、本当に楽しい調査です。
今年は大量出没年なので熊鈴をつけての調査でした。
サルの群れが畑に現れ、おそらく全個体数カウントに成功。
まだ小さい群れですが人慣れが進んでいます。

今日の粗朶調査。午前中までぎりぎりの晴天。
透明度は高く、久し振りに粗朶を観察することができました。
ドライスーツは初めてでしたが、これはいいですね。
川に潜るのはとても楽しかったです。


ドライスーツを来ているとアルマゲドンを思い出す。。。
写真は協力していただいた新潟県内水面試験場の方々


み、見えにくい・・・これでもとても良く撮れた粗朶の写真

粗朶の脇にはたくさんのウグイとおもわれる
小魚がやまのようについていました。
粗朶のいない区間に比べ魚影の多さは歴然でした。

予想はしていましたが、やはり粗朶は半分くらいまで埋まっていました。
砂が堆積しているようです。
この後どこまで埋まるのか。。。

春のアユ放流後の調査が楽しみです。



村上でイノシシ発見される

2010-10-21 23:15:30 | 日々ブログ
新潟県では最近イノシシによる水稲被害が急増している。
現時点での分布の中心は上越や中越だが、
ついに新潟県の北部に当たる村上市の用水路にイノシシが落ちるという事件が起こった。


有害鳥獣駆除をしようにもまだ農業被害が出ていないので捕獲できず、
そのまま麻酔をして放獣したらしいが、なんと雌。
ついに県北にもイノシシが進出している可能性がでてきた。

H17年5万円でスタートした水稲被害がH20年には2000万円を超えた。
捕獲頭数も指数関数的に上昇しているが、おそらくイノシシの個体数増加は
その捕獲頭数の増加をさらに上回っていると思われる。


早く、県としてイノシシの個体数管理と農業被害対策の指針を決めて対応しないと
手遅れになる。

新潟県でこれまで最も被害のあるサルは、水稲には大きな被害を出す生き物ではない。
しかしイノシシは新潟で初めて水稲に大きな被害を出す動物だ。
しかも、サルやクマとは比較にならないほど繁殖による個体数増加が見られる。
関西や九州などの被害の早い県の話では6~7割とっても個体数維持、
減らそうと思ったら7割以上、8割近くとらないといけないという。

現在、新潟県の猟友会はH5年5500人ほどからH20年には3300人に減少。しかもそのうちの89%が50歳以上の方で、若い世代の新規加入者が極端に少ない。

最近はシカが県内にも出没したというニュースが新聞をにぎわす。

イノシシ1万頭、ニホンジカ1万頭を毎年とる時代が
近い将来新潟にも来る可能性は極めて高い。
そうなってから猟友会を育成しても遅いとベテランのハンターさんはいう。
生きた獲物に弾があたるのに10年はかかるし、
そもそも散弾銃免許とって10年しないとライフルは撃てないよ。
もちろん罠捕獲もあるが、猟友会の減少が今のまま続けば10年後、
今の体制以上に厳しくなった状態で、大量捕獲を受け入れられるとは思えない。

新潟県でも野生鳥獣について科学的なデータに基づく順応的な個体数管理をやる時期に来ている。そのために、県内で野生鳥獣の生態的なデータをきちんと取れる団体が不可欠である。県内にそのような研究所がない我が県では、生態学を専門とする有識者がその責任を負わねばならないと思う。
早い内にNPOを立ち上げ、野生鳥獣の管理に必要なデータ取得や地域の被害対策の指導に貢献したいと思う。
賛同する方、ご連絡下さい。


ブナ凶作ツキノワグマの出没に注意!

2010-10-01 17:04:44 | 日々ブログ
今年は全国的にブナのドングリの凶作が生じているようで、東北、北陸のみならず広い地域でH18年度以上にツキノワグマの出没、人身事故の情報が増えている。

新潟県でも昨日三条地区でツキノワグマの出没情報があったが、
魚沼地区、津南地区でも今年はすでに出没の報告がある。

近年、私がすむ中越地域ではナラ枯れというミズナラを中心に感染するナラ菌による感染症が蔓延し、70%近いミズナラが枯死している。
ミズナラ、コナラ、カシワは感染するが、ブナは感染しないのがこの病気の特徴。
ナラ枯れが起こった地域の森では、ミズナラの樹木が減り、ブナの凶作時に代わりにドングリをつけてくれる木が少なくなっている。
このような状況で、ブナの凶作が生じれば、里山で十分な餌が取れないツキノワグマが集落付近の果実や農作物を荒らすようになる。

今年は冬眠する11月までまだまだ熊の出没は続くと思われる。
山に入るとき、あるいは、林縁の集落の住民は外出時、熊との鉢合わせを避ける工夫(音を出すものの携帯)をしたり、熊スプレーの携帯などを行って、熊との遭遇に事前に備えるべきである。
新潟県の林縁に位置する中山間地の集落の圃場の多くは鳥獣被害対策が進んでいないため、農作物が熊にとって手に入りやすい状況にある。
人間側が熊に対する注意をしなければ、これからも熊との遭遇は十分に起こるだろう。

カワウ週間

2010-04-23 11:17:43 | 日々ブログ
その後、4月19日から4月23日まではひたすらカワウ一色の毎日でした。

19日に十日町市小根岸のコロニーでドライアイス投入の繁殖抑制を実施し、
翌日20日にも連続して小根岸にてドライアイス投入を行いました。
7mちかい三脚脚立にのって3時間、手に4.5mの釣り竿を持っての作業は、
上腕二頭筋がぷるぷるしますが、大分作業にも慣れてきました。
一日30巣ペースでドライアイスを投入できています。
しかし、ちょっと実施時期が遅かったため孵化してしまった個体も多いようです。

今年は1年目なので、抑制状況などのデータをしっかりと取って、来年の対策に生かしていこうと思います。


梯子に登る山本の図


あと一段、もう一段登りたい!とついつい思ってしまいます。
気がつくと三脚の1番上に立ってしまいそうな・・・・危険なので、2~3段目までで作業をするように周りのみなさんに止められることもしばしばです。
しかし、7mの脚立と4.5mの釣り竿でも数巣とどかないのがあります。
非常に高いところに巣があるのです。


19日午後には、魚沼市の小出駅前の魚野川に設置される粗朶の様子を見に行きました。
国土交通省の河川管理事務所の方から様々な説明をいただき、現場で実際に組上がり、
設置された粗朶を水がせき止められた状態でじっくり観察することができました。


この粗朶をどういう魚がつかってくれるのか?
今からとても観察が楽しみです。
早くドライスーツを購入しなくては!

21日は阿賀野川上流にある鹿瀬のコロニーにカウント調査に行ってきました。
ちょっとわかりにくい写真で住みません。

中州にコロニーがあるのですが、多くはアオサギとゴイサギでした。
カワウの巣はまだ15巣くらいでしたが、日暮れまでには75羽が戻ってきてねぐらをとっていました。
いつも阿賀野川は繁殖を始めるのが遅く、これからが本格的な巣作りや抱卵期です。
大抵十日町とかより2週間くらい遅いような気がします。

今日はこれから今週最後の十日町のドライアイス投入です。
雨が心配ですが、つるっとすべってどぼんにならないようがんばってきます!