長岡技術科学大学にきて3年目。
本当に皆様ごめんなさい。
これからは講演会の情報、研究活動の情報等こまめにアップして参りますので、
是非お立ち寄り下さいませ。
野生鳥獣による食害を防ぐためには、追い払いや防除器具の設置などに多くの労働力が必要だが、里山の過疎化、高齢化のため、労働力の確保が大変難しい。野生鳥獣による被害で収穫ができず、耕作を放棄する農家も増え、里山の過疎化に拍車をかけている。そこで、本研究室では、里山の労働力不足を工学技術で補うことで野生鳥獣と人間の共存するシステムを作り出すための技術開発を行っている。
一つは、信州大学や日本獣医生命科学大学との共同研究であり、総務省のSCOPE採択研究である「ラジオテレメトリー技術を用いた野生鳥獣の自動モニタリングシステムの開発」である。ラジオテレメトリーを装着した鳥獣の行動を設置した受信機で自動記録し、動物の行動をモニタリングするシステムの開発を目指している。
もう一つは、カワウのように捕獲が困難な動物を対象とした「映像を利用した自動鳥獣被害対策システム」の開発である。これも本学の産学連携研究である「先端工学技術を生かした鳥獣被害対策研究会」の取り組みである。ハイビジョンカメラや赤外線カメラを利用して画像から動物の侵入を検知し、レーザー光や指向性の高い音響スピーカーを用いて動物を自動で追い払うシステムの開発を行っている。
「先端工学技術を生かした鳥獣被害対策研究会」には山本の他に
柳 和久(長岡技術科学大学機械系)
岩橋 政宏(長岡技術科学大学電気系)
吉田 昌弘(長岡技術科学大学機械系)
福島 忠男(長岡技術科学大学 テクノインキュベーションセンター)
定塚 哲夫(長岡技術科学大学 産学官・地域連携/知的財産本部)
廣井 晃 (株)広井工機代表取締役
酒井龍市 (株)イートラスト代表取締役副社長
が参加し、日々研究活動を行っている。
新潟県岩船郡粟島浦村の丸山地区一帯は、オオミズナギドリとウミウの繁殖地として国の天然記念物に指定されています
1970年に約1000羽、1990年に約20000羽のオオミズナギドリの繁殖が確認されているが、その後、生態学的な調査は行われてこなかった。 山本研では2007年より粟島浦村でオオミズナギドリの生態調査を開始した。海洋の高次捕食者である海鳥の生態調査を継続的に行うことで、海洋環境の変動に対する海鳥の応答や繁殖地の保全管理のための基礎データとする。現在は、雛の繁殖調査、親鳥の基礎代謝、野外における代謝速度の計測調査、食性調査などを行っている。 粟島調査の詳細については、ブックマークにある新潟県粟島ーオオミズナギドリ観測情報ネットワークHPを参照して下さい。
(坪井潤一氏撮影)
カワウは、古くから日本に生息していた魚食性の水鳥です。1970年代に農薬の生物濃縮による影響や河川干潟の改修などによる環境悪化によって全国で3000羽まで個体数が激減しました。ところが、1990年以降、農薬の改善によって個体数が増え始め、全国の内水面漁業への被害や巣を作った樹木が枯死することによる植生被害などが問題となっています。
(山本麻希撮影)
本研究室では、新潟県におけるカワウの個体群の動向をモニタリングし、県内のカワウの内水面漁業の被害対策技術の確立、被害防除手法の開発等の研究を行っています。