長岡技術科学大学 山本研究グループ

長岡技術科学大学 生物系 山本麻希 研究グループのHPです。

村上でイノシシ発見される

2010-10-21 23:15:30 | 日々ブログ
新潟県では最近イノシシによる水稲被害が急増している。
現時点での分布の中心は上越や中越だが、
ついに新潟県の北部に当たる村上市の用水路にイノシシが落ちるという事件が起こった。


有害鳥獣駆除をしようにもまだ農業被害が出ていないので捕獲できず、
そのまま麻酔をして放獣したらしいが、なんと雌。
ついに県北にもイノシシが進出している可能性がでてきた。

H17年5万円でスタートした水稲被害がH20年には2000万円を超えた。
捕獲頭数も指数関数的に上昇しているが、おそらくイノシシの個体数増加は
その捕獲頭数の増加をさらに上回っていると思われる。


早く、県としてイノシシの個体数管理と農業被害対策の指針を決めて対応しないと
手遅れになる。

新潟県でこれまで最も被害のあるサルは、水稲には大きな被害を出す生き物ではない。
しかしイノシシは新潟で初めて水稲に大きな被害を出す動物だ。
しかも、サルやクマとは比較にならないほど繁殖による個体数増加が見られる。
関西や九州などの被害の早い県の話では6~7割とっても個体数維持、
減らそうと思ったら7割以上、8割近くとらないといけないという。

現在、新潟県の猟友会はH5年5500人ほどからH20年には3300人に減少。しかもそのうちの89%が50歳以上の方で、若い世代の新規加入者が極端に少ない。

最近はシカが県内にも出没したというニュースが新聞をにぎわす。

イノシシ1万頭、ニホンジカ1万頭を毎年とる時代が
近い将来新潟にも来る可能性は極めて高い。
そうなってから猟友会を育成しても遅いとベテランのハンターさんはいう。
生きた獲物に弾があたるのに10年はかかるし、
そもそも散弾銃免許とって10年しないとライフルは撃てないよ。
もちろん罠捕獲もあるが、猟友会の減少が今のまま続けば10年後、
今の体制以上に厳しくなった状態で、大量捕獲を受け入れられるとは思えない。

新潟県でも野生鳥獣について科学的なデータに基づく順応的な個体数管理をやる時期に来ている。そのために、県内で野生鳥獣の生態的なデータをきちんと取れる団体が不可欠である。県内にそのような研究所がない我が県では、生態学を専門とする有識者がその責任を負わねばならないと思う。
早い内にNPOを立ち上げ、野生鳥獣の管理に必要なデータ取得や地域の被害対策の指導に貢献したいと思う。
賛同する方、ご連絡下さい。


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