野生鳥獣による食害を防ぐためには、追い払いや防除器具の設置などに多くの労働力が必要だが、里山の過疎化、高齢化のため、労働力の確保が大変難しい。野生鳥獣による被害で収穫ができず、耕作を放棄する農家も増え、里山の過疎化に拍車をかけている。そこで、本研究室では、里山の労働力不足を工学技術で補うことで野生鳥獣と人間の共存するシステムを作り出すための技術開発を行っている。
一つは、信州大学や日本獣医生命科学大学との共同研究であり、総務省のSCOPE採択研究である「ラジオテレメトリー技術を用いた野生鳥獣の自動モニタリングシステムの開発」である。ラジオテレメトリーを装着した鳥獣の行動を設置した受信機で自動記録し、動物の行動をモニタリングするシステムの開発を目指している。
もう一つは、カワウのように捕獲が困難な動物を対象とした「映像を利用した自動鳥獣被害対策システム」の開発である。これも本学の産学連携研究である「先端工学技術を生かした鳥獣被害対策研究会」の取り組みである。ハイビジョンカメラや赤外線カメラを利用して画像から動物の侵入を検知し、レーザー光や指向性の高い音響スピーカーを用いて動物を自動で追い払うシステムの開発を行っている。
「先端工学技術を生かした鳥獣被害対策研究会」には山本の他に
柳 和久(長岡技術科学大学機械系)
岩橋 政宏(長岡技術科学大学電気系)
吉田 昌弘(長岡技術科学大学機械系)
福島 忠男(長岡技術科学大学 テクノインキュベーションセンター)
定塚 哲夫(長岡技術科学大学 産学官・地域連携/知的財産本部)
廣井 晃 (株)広井工機代表取締役
酒井龍市 (株)イートラスト代表取締役副社長
が参加し、日々研究活動を行っている。