goo blog サービス終了のお知らせ 

長岡技術科学大学 山本研究グループ

長岡技術科学大学 生物系 山本麻希 研究グループのHPです。

ツキノワグマの特定鳥獣保護管理計画

2011-06-16 09:54:05 | 日々ブログ
新潟県の県庁HPで、ツキノワグマの特定鳥獣保護管理計画へのパブコメの募集が始まりました。
6月14~7月4日の消印まで有効。

素案を厳しい目で見つめ、疑問があれば是非御意見を出して頂きたいと思います。

http://www.pref.niigata.lg.jp/kankyokikaku/1305147624898.html

私も検討委員会の一人ですが、今回の特定計画には、保護管理のための対策の詳細を盛り込まないタイプの
素案となっており、この案を実際に誰がいつまでに具現化できるのか?
という点が希薄で、私自身、委員をしながら常にその問題について疑問を投げかけてきました。
御承知の通り、新潟県は大型野生動物の調査を実施できる専門機関を持たず、
また、被害対策支援の専門官がいない県です。
クマの個体管理、被害対策は、高い専門性が問われるため、
長野県では、全県を4つの地域にわけ、それぞれの地域にクマ専門対策員を置く措置を取っています。

県はこの保護管理計画を実践するためのマニュアルを別途作成中ですが、
こちらは多くの県民の皆様に公開になる機会はありません。

多くの皆様からこの素案でいいのか、この目標を達成するための体制が新潟県にあるのかどうか、
疑問を投げかけて頂くことで、実施体制がより整った形となるはずです。

多くの皆様からの御意見を期待しております。

新潟ワイルドライフリサーチ第一回設立総会終了+山形の鵜の旅

2011-05-23 08:58:57 | 日々ブログ

無事終わって本当にほっとしました。
総会の様子は
http://blog.goo.ne.jp/wiron_2011

を御覧下さい。

前日から怒濤の書類作成。
不備はたくさんあったように思いますが、
議案がすべて承認されたときは本当に心底ほっとしました。

任意団体というものを初めて立ち上げたわけですが、
大変なことなんですね。
これがNPOだったらもっともっと大変なんですね。
まずは、任意団体からですが、次はNPO化に向けて
団体の活動をステップアップさせていきたいと思います。

昨夜は、眠たい頭のまま懇親会から2次会へ。
二日酔いを押して、1限からの授業だ!
と思って気合いを入れて大学に来たところ、
なんと授業は2限からではありませんか?

はぁ・・・・・orz....
何やってるんでしょうね。本当に。

そんなわけで、時間が出来たので山形での鵜の旅を報告します。

19日は、山形の赤湯駅で新幹線を降り、長井市にある最上川沿いの
カワウの営巣地を関係者のみなさんに案内をしていただきました。

すでにかなり大きい雛が1巣に3羽いるのをみかけました。
でもそんなに数は多いコロニーじゃありませんでした。
サギ類も一緒に営巣しており典型的な同居コロニーでした。
アクセスもしやすいので、あまり攪乱しないほうがよさそうな巣でした。





次に大池という池に冬期カワウがやってくるというので、

その池を見に行きました。



ワカサギやフナなどの被害があるようですが、
別の池はブラックバスが入っていてそっちで淡水魚がいなくなってしまったというお話でした。
ここの池は広いので追い払いはかなり大変そうです。
魚の逃げ隠れする場所を設置するのが良いのではないかと思いました。

最後に、いまだよく巣がわからないという新しいコロニーの調査に行きました。
場所は、山形市。
川寄りに歩いて行くと、少し高くなった川岸の上にサギとカワウの繁殖地がありました。



ゴイサギ、アオサギの方が数は多かったのですが、川寄りのところはカワウの巣が14巣確認できました。
ここもアクセスがしやすく、樹高が低いので、とてもいいコロニーです。
近くに食肉処理施設があるため、カラスが多く、
カワウが巣を離れると卵を略奪していました。

まだ、カワウは入ったばかりのようなので、攪乱せず繁殖の観察を続けて欲しいと思います。

山形はいまのところわかっている巣はこの2カ所とのことですが、
河川の飛来状況をみるともっと他にあるのではないか?と思います。

20日は、山形市でカワウ対策の検討会があり、
被害のある組合の関係者、県の水産、環境などの担当者、内水面漁連の方々と
山形のカワウ対策について協議しました。

山形は、夏の上流の繁殖地における渓流魚被害と
秋、下流に集まるカワウによる落ち鮎の被害が主な被害のようです。
それぞれに良い対策を提案したり、
今後、繁殖地を攪乱によってこれ以上分散させない方が良いことについて御説明しました。

新潟と県境を接する山形県ですので、
今後も情報交換しながらカワウ対策を実施していくべきだと思いました。

明日は新潟ワイルドライフリサーチの第一回設立総会です。

2011-05-21 21:47:32 | 日々ブログ
詳細は新潟ワイルドライフリサーチのHPをご覧下さい。

http://blog.goo.ne.jp/wiron_2011

まだ明日の総会の資料を作っています。
ここに来てまた新たなミスを見つけてしまった!!!

明日、無事活動をみなさんにわかりやすく伝えられるだろうか。
Wironのスタートアップの1年。

この団体をこれからの新潟の野生動物対策の要になるように育てていきたい。
そのためにも明日の総会はとても大切な意味を持つと思います。

この団体の設立趣旨を、そして、その趣旨のために今私たちが
何をしなくてはならないかをお伝えしたいと思います。


新潟日報社説

2011-05-18 15:07:43 | 日々ブログ
5月15日付の新潟日報社説で動物被害対策についてとりあげていただきました。
この短い文章の中に、丁寧な取材をして頂き、本県の野生動物管理の様々な
問題点について非常によくまとめられていて、とてもありがたく思いました。
この問題をできるだけ多くの県民の方に知ってもらうためにも、
新聞記者の方にこの問題を取り上げて頂くのは、とても大切なことだと思います。

私が発起人となって立ち上げる新潟ワイルドライフリサーチについても言及していただき、
その活動が新潟モデルになるよう期待するとのコメントに
改めて責任の大きさをひしひしと感じます。

4月17日の丘陵公園で実施されたシンポジウムから1ヶ月がすぎ、
いよいよ5月22日に長岡技術科学大学にて、
新潟ワイルドライフリサーチの第一回設立総会が開かれます。

詳細は、新潟ワイルドライフリサーチのHPを御覧下さい。
http://blog.goo.ne.jp/wiron_2011/e/092d32d02aa1e7b3cb2a75b3958781c1

会員数も44名へと増えました!
多くのかたに御支援頂きようやくここまできた!という思いで
感慨もひとしおです。

そして、今まさにその総会資料をつくっているわけなのですが、
あぁ~~~もっと時間が欲しい!
(ブログを書いている暇があったら書類を作れと言うつっこみが聞こえて着そうですが、
ちゃんとやりますとも。これが終わったら本当にすぐまた取りかかります。)

でも明日と明後日は、山形県からカワウの被害防除指導の依頼があり、
山形のカワウコロニーの現地調査とカワウ対策検討会に出席しなくてはなりません。
三面川からほど近い、山形市の最上川にはたくさんのカワウが飛来しているようです。
隣接県の個体群管理をしないと新潟県への移入も心配されるカワウです。
明日からはカワウモードに切り替えで、今日は哺乳類モードでがんばります。


カワウカウント調査&繁殖抑制

2011-04-25 18:00:33 | 日々ブログ
今月はカワウの繁殖スタート時の個体数カウントを行っています。
今年の新潟県は、十日町の繁殖スタート個体が減少したのですが、
一方で、燕市にある下流域の繁殖個体数がこれまで3カ所にわかれていたものが
1カ所に集まり、大きなコロニーを形成するようになりました。
阿賀町のコロニーはいつもどおりなのですが、
中州が削れてきて、いずれなくなってしまうのではないかと思います。

カワウの巣はずっと同じ場所にあるのではなく日々分散や消失、移動を
繰り返しています。

繁殖抑制やコロニーの移動をうまくコントロールしながら被害地から
遠い場所にカワウの個体群を移動させる試みは何もかもが手探りですが、
いまのところわりとうまくいっているような気がします。



繁殖羽がでた親鳥、阿賀町の鹿瀬のコロニーにて。
現在、抱卵をはじめたところ。



中州が濁流に削り取られ、来年にはなくなってしまうかもしれない。
そうしたらカワウを追いかけて、また、川原をさまようしかありません。

まず今年はこの細い中州に21尺脚立(スタビライザー付)を持ち込んで、
ドライアイス投入を試みようと思います。
川にどぼんといかないように気を付けたいと思います。