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長岡技術科学大学 山本研究グループ

長岡技術科学大学 生物系 山本麻希 研究グループのHPです。

テクノ探検隊

2012-04-03 14:31:35 | 日々ブログ

長岡技術科学大学では、長岡ケーブルテレビ(NCThttp://www.nct9.co.jp/)の番組で
テクノ探検隊という小学生たちが研究室にやってきて
科学のおもしろさを体験しながら、その研究室を紹介する番組に
広報活動の一環として協力している。

そのテクノ探検隊の第6回は山本研究グループです。
是非、その衝撃(笑撃?)映像を一度御覧下さい。

mms://cera-s1.nagaokaut.ac.jp/techno/t6.wmv


撮影は津南町で行われたのですが、
撮影当日もしサルの群れが見つからなかったケースを考え、
事前に、サルの着ぐるみを購入。
うちの院生のF田くんが、サルの着ぐるみを着てスタンバイし、
撮影に花を添える予定でした。

ところが、当日は幸運にも我々はサルの群れに遭遇!
小学生も大喜び、そして大興奮!

しかし、折角購入したサルの着ぐるみをこのまま終わらせるのはもったいない。。。。
ということで、最後のハプニング映像が必見です。


カワウのビニールテープ張り報告

2012-03-01 14:39:57 | 日々ブログ
2月27日に渡部という信濃川の分水路にあるカワウの新しいコロニーが作られるのを防ぐため、ビニールテープ張りに行ってきました。

天気は、吹雪いたと思ったら晴れ、そしてまた吹雪という猫の目のように天気の変わった日でした。

河口にある堰の脇に車を停め、河岸の中腹を歩いて現地を目指しました。
最初かんじきをはかないで強引にあるいたので、膝まで足がぼすぼすとはまって
歩きにくいことこの上なし。



そのうち、下の植性が竹(細い)になり、その上に雪が積もった状態で
上を歩くと雪を超えてさらに竹に足がはまり、大変でした。

上の方の傾斜はきつかったけど、
下の方は平たいところがあったので、
そういう安定した足場をみつけてそこから作業をします。

さらに歩いていくと、ようやくカワウの巣のできかけの状態を発見。
すかさず、ビニールテープ張りを試みます。



これは吹雪の中現れたイエティーF田こと、うちのビニール張り名人です。

手がかじかんで、釣り竿にテグスを通すのも大変です。




カワウも吹雪の中飛んでいきます。
もう雪でなんだかわからない。




と思っていたら急に晴れ間が・・・
今だ!ビニールテープを!


できかけの巣に釣り竿を使って重りをつけててぐすを樹にかけます。
下でおもりをさがして私が生分解性のビニールテープを重りの代わりにつけます。
それを、F田くんが釣り竿のリールを引いて回収。
両端を樹にむすんでピンとはったらできあがり!





ビニールテープが白いのでよくわかりませんが、巣のできかけの樹に何本も張りました。
ビニールテープが風に揺れてブルブルブルとすごい音を立てます。
これでカワウが諦めてくれると良いのですが。。。

帰りは、また川岸を延々歩くのがめんどうなので、山を突っ切って
裏の道に出ようとしたら、道がよくわからず、F田くんのスマホのGPS機能に
助けられ、無事、河畔林から道に一直線で出ることができました。
ビバ!スマホ!


雪の上に4時間居ると足が完全に凍ります。
ホッカイロが必須です。
でも足に以前ホッカイロをいれても、塗るカイロをつかっても
暖まりませんでした。
やっぱり残雪期用登山靴を装備しないとだめなんでしょうか・・・・


カワウたちはきっとテープを張ってない他の巣に新しい巣を作ると思うので、
明日も現地でビニールテープ張りをします。
しかし、どういうわけか明日の天気予報も雪です。

一体私とF田くん、どちらが雪男、あるいは雪女なのか。。。
いや、両方なのか・・・?







長野の鳥獣被害対策に関する記事

2012-02-13 14:28:37 | 日々ブログ
新潟県の鳥獣被害対策費で、
県が独自でどのくらいの予算を出しているか
現時点で私の手元に正確な資料はないのですが、
一つは、農産園芸課で、国の特措法のハード事業に出して、
通らなかった自治体が電気柵を張る場合、
その1/2を助成するというものだと思う。

狩猟に関しては、多くは市町村が特措法の総合対策事業のソフト事業費を利用して
捕獲する猟友会へいくらかの助成をしているところだと思う。
(サルの特定計画による捕獲やクマによる特定計画の捕獲に環境企画課の予算がついているかもしれないので、誰か知っていたら教えて下さい。)
県は新規免許者取得の講習会はやっているが、取得者の狩猟税の減免とか助成とかを
してはいないと思う。

とにかく、長野に比べたら新潟県の大型鳥獣に関する管理について
県としての取り組みはまだまだ後進としかいいようがない。

お隣の長野県では鳥獣による農林業被害が大きいとはいえ、
県で11憶円の予算を鳥獣被害対策に計上している。

さらに、長野県は68市町村以上が鳥獣被害対策防止特措法の
ソフト事業をとっているので、1市町村200万円としてもこれだけで
1億2000万円以上ものお金を取っているのだ。

新潟は16市町村が計画を立てているが、市町村合併で1市町村がカバーする範囲も多く、
特措法の200万円は市町村単位でしか入らないため、長野に比べ助成が多くのエリアに対して200万円を使うこととなり、非常に苦しい状況だと思う。

長野はシカの特定計画が第3期となり、1年当たり35000頭の捕獲を目標に掲げる。
そのための捕獲者の確保、助成、システム作りは今後長野に学ぶことになるだろう。

いずれ新潟県にもシカが侵入してくる。
知事や県の関連部署の方々には、
この事態の危機感をもっと感じて欲しいと切に思う。



野生鳥獣被害対策指導者研修会報告

2011-11-09 11:39:38 | 日々ブログ
2011年11月7~8日に「野生鳥獣被害対策指導者研修会」を
新潟ワイルドライフリサーチ主催、長岡市共催、新潟県後援で実施しました。

私は新潟ワイルドライフリサーチのメンバーとして
この研修会の準備に力を入れてきたので、
無事終了し、今は感無量な気持ちでいっぱいです。

何より、お手伝い頂いたスタッフのみなさん、
長岡市農政課の皆様には感謝の気持ちで一杯です。
本当にありがとうございました。

さて、具体的な研修会の様子についてお知らせしたいと思います。

11月7日 午前 長岡市教育センターにて

1野生動物管理の基本的な考え方

講師 長岡技術科学大学 山本 麻希

2サルの生態的特性と被害防除

講師 新潟大学 望月 翔太

3イノシシの生態的特性と被害防除

講師国際自然環境アウトドア専門学院 長野 康之

という3つの講義を行いました。
午前の参加者は、約40名でした。





午前中から盛りだくさんの内容で、休憩も挟まずびっちりの講義です。
参加者の多くは、市町村など自治体の鳥獣被害を担当している方のため、
みなさん大変真剣に講義を聴いておられました。

基本的な考え方の中では、山本より鳥獣対策に取り組む基本単位が集落であること、住民のみなさんへの教育系初の大切さ、そして、その住民のみなさんを啓発するために必要な被害対策の指導者育成が大切であることが紹介され、本研修はそのような被害対策の指導者を育成することが目的であることが示されました。
また、今年は堅果類が全県にわたって豊作で、クマの出没が少ないが、ブナの場合、豊作年の翌年は凶作になる可能性が高く、来年はツキノワグマの出没に十分な警戒が必要なこと、また、全国的に大きな被害を出しているニホンジカが近年新潟県に侵入しつつあることなどが紹介されました。

サルの講義では望月氏よりサルの基本的な生態の特性に基づきながら、サルの群れ管理のための捕獲技術やサルの農作物被害を防除する具体的な事例について紹介がありました。特に望月氏の専門であるGIS技術を生かし、テレメトリーの行動データを基に、地域でサルの被害対策をどのように生かしていくかが新発田での事例を示しながら説明されました。

イノシシの講義では、長野氏よりイノシシの基本的な生態の特性、特にサルやクマと違って繁殖率が高いため、非常に個体数の増加が早い点、そして、新潟にやってきた水稲に大きな被害を出す初めての野生動物であるという点について説明がありました。イノシシには、電気柵の設置が非常に高い効果を生むこと、また、個体数の増加が早いことから適切な捕獲圧をかける重要性についても説明がありました。



午後は、長岡市の千歳公園にて
サル対策の基本技術であるテレメトリー実習と
イノシシ対策の要となる電気柵設置実習が行われました。





天気はあいにくの雨でしたが、30名以上の参加があり、
みなさん熱心に電波発信機が出す電波を探査するアンテナを振り、
事前に主催者が隠した電波発信機の位置を特定する実習に取り組みました。



電気柵の設置実習は、ガラガー社代理店の近藤さん、ガラガー社の青木さんを講師に迎え、実際に自分たちで電気柵を設置しながら、設置時の注意点について講義を受けました。


11月8日は 長岡市栃尾地区にあるR290の道の駅に併設する
栃尾産業交流センターおりなすに場所を移して
地域の合意形成と集落環境診断についての講義と実習を行いました。

午前 山本から地域の合意形成と集落環境診断についてというタイトルで1時間の
講義があり、鳥獣被害対策の単位となる集落において、
地域のみなさんが一致団結し、集落ぐるみで鳥獣被害対策を行う上で
大変役立つ技術である集落環境診断の実際について説明がありました。

鳥獣被害のチェックリストを利用しながら、集落の環境を調査し、
その調査内容をもとに集落地図を作製。
そして、その地図情報を見ながらワークショップを開き、
その集落に有効な鳥獣被害対策に順位づけをして具体的な被害対策案を作成する
という集落環境診断の具体的な流れと、実施に際してのポイントが紹介されました。

そして、講義の後、
長岡市葎谷地区に移動し、参加者全員で集落環境調査を行いました。

どこから動物が集落にはいってくるのか?
集落を調査する上で大切なポイントは何か?
放置果樹の状況はどうか?

なと実際に現場を歩きながら、集落環境診断のポイントについて
講師から講義を受けながら実施しました。

午後は、午前中に各自が作成した集落環境調査の地図を基に
各班にわかれて集落の課題の洗い出しとそれを基に被害対策を立案する
ワークショップを行いました。





みなさん、最初は初対面の人も多かったのでぎこちないところもありましたが、
議論が進むに連れて大変excite!
当初ワークショップは1:30の予定でしたが、予定を延長し、2時間じっくり
みなさんで議論をしてすばらしい環境診断ができました。



そして、最後はみなさんが実際に環境診断をして決めてもらった対策を
代表者の方に発表して頂きました。




集落環境診断というのは、全国的には地域の合意形成と鳥獣被害対策の実施を行う上ですでにマニュアル化されている技術です。
しかし、新潟ではこの導入が遅れています。

本研修会の参加者のいらっしゃる自治体や集落の中から、集落環境診断技術を導入し、被害対策を実践するところがでてくることを心から楽しみにしています。

またこのような診断を実施したいという地域があれば、
私達ワイルドライフリサーチに御連絡頂ければそのノウハウや実施のお手伝いを
いつでも支援して参りたいと思いますので、御連絡をお待ちしています。


また、本研修会の様子が、本日の新潟日報に掲載されました。




新潟ワイルドライフリサーチとして、初めての被害対策について講義だけでなく
実技を含む研修会でした。
先週はテキストの作成と準備で目の回るような忙しさでしたが、
研修の参加者の方に書いて頂いたアンケートに大変ためになったという
お声をいただき、主催者としてうれしいかぎりです。

この研修会は今年だけではなく、これから毎年実施を計画しています。
新潟県における鳥獣被害対策の正しい知識の普及は非常に遅れています。
新しく鳥獣被害の担当になった自治体職員の方、地域で被害対策をなんとかしたいと
思っている地区長さんや集落の農家の方、JAの方、普及指導員の方、
こういう人に是非参加してもらいたいと思っています。
今年参加できなかった方は是非来年御参加をお待ちしています。

山本 麻希

第4回粟島クリーンアップ作戦

2011-06-20 15:12:08 | 日々ブログ
いってきました。
第4回粟島クリーンアップ作戦!

今年もたくさんの学生さん達と一緒に海ゴミを拾ってきました。
小倉町という日本海に面した海岸には、昨年あんなに拾って綺麗にしたはずなのに
再びゴミの山が。。。。
今年も晴天に恵まれ、気持ちよくゴミを拾うことができました。

合計4.2トン。

これで夏、小倉町の海岸で気持ちよく泳ぐことができます。

海ゴミは、こうして海岸に漂着するのは全体の1割、
残りはすべて海に沈むか、海流にのって、ゴミの墓場とよばれる
海ゴミのたまり場に行き着くのだそうです。
プラスチックは分解されないし、POPなどの有機塩素系の有毒物質を吸着します。
それを、餌と間違えて、海鳥やカメが食べて、死亡することもあります。
釣り糸は動物たちの足や首にからまって、足を切り取られてしまうこともあります。

人間が出したゴミがこうしていろいろな影響を与えているのを考えると
人間の業について考えさせられます。
私たちが拾ったゴミはごくわずかですが、
こうした活動に来てくれた若い人が、この意味を考えてくれることは
今日の清掃活動以上の価値があると思っています。

今年はたくさんの伝説も産まれました!
いやーたのしかった。
来年も是非、参加して下さいね!








最後の写真撮影。
農工大からの参加者やOBで東京から来てくれたメンバーが一つ先の高速船で帰ってしまい、
一緒に集合写真が撮れなくて残念でした。
今年の技大+混成チームの参加者は、43名でした。
本当にみなさん、お疲れ様でした!!