問:確定日付ある証書による通知が競合した場合、何によって対抗要件具備の優劣を決すべきか
思うに、467条1項が通知・承諾を対抗要件とした趣旨は、債務者の債権譲渡の認識を通じて、債務者の第三者に対する表示を公示方法とした点
そして、同条2項が確定日付を要求した趣旨は、旧債権者が債務者と通謀して譲渡の通知・承諾の日時を遡らせるなどの行為をし、第三者の利益を害することを防止するため
(例えば、AがBに対する債権をC(先)、D(後)に譲渡した場合、A・B・Dが通謀して、「Dに対する譲渡通知の方が先にきた」などとして、Cの利益を害さないため)
そうだとすれば、467条2項は、同条1項の対抗要件制度の構造に何らの変更を加えるものではない
(1項と2項の趣旨が分離されるという意味 内田234p)
そこで、この場合、通知の到達の先後によって対抗要件具備の優劣を決すべきと解する(判例に同旨)
問 上記の事例において、債務者が劣後譲受人(E)に対する弁済を、例外的に478条によって保護され、優先譲受人(F)への弁済を拒んだ場合
思うに、467条2項は、債務者の劣後譲受人に対する弁済の効力についてまで規定しているとはいえない
そうだとすれば、その弁済の効力については、478条など債権消滅に関する規定による
そこで、劣後譲受人に対してなされた弁済も478条の適用があると解する
しかも、かく解しても、優先譲受人は劣後譲受人に対して不当利得の返還(703条、704条)を請求しうるので、必ずしも467条2項の趣旨を没却するともいえない
問 そうだとしても、この場合、過失がなかったというための要件は
思うに、467条は、前述のように、対抗要件を具備する優先譲受人を正当な債権者とするという対抗要件主義を採用する
そうだとすれば、劣後譲受人への弁済を478条によって容易に救済することはできない
そこで、債務者の弁済につき過失がなかったというためには、劣後譲受人を真の債権者であると信ずるにつき相当な理由があることが必要であると解する
思うに、467条1項が通知・承諾を対抗要件とした趣旨は、債務者の債権譲渡の認識を通じて、債務者の第三者に対する表示を公示方法とした点
そして、同条2項が確定日付を要求した趣旨は、旧債権者が債務者と通謀して譲渡の通知・承諾の日時を遡らせるなどの行為をし、第三者の利益を害することを防止するため
(例えば、AがBに対する債権をC(先)、D(後)に譲渡した場合、A・B・Dが通謀して、「Dに対する譲渡通知の方が先にきた」などとして、Cの利益を害さないため)
そうだとすれば、467条2項は、同条1項の対抗要件制度の構造に何らの変更を加えるものではない
(1項と2項の趣旨が分離されるという意味 内田234p)
そこで、この場合、通知の到達の先後によって対抗要件具備の優劣を決すべきと解する(判例に同旨)
問 上記の事例において、債務者が劣後譲受人(E)に対する弁済を、例外的に478条によって保護され、優先譲受人(F)への弁済を拒んだ場合
思うに、467条2項は、債務者の劣後譲受人に対する弁済の効力についてまで規定しているとはいえない
そうだとすれば、その弁済の効力については、478条など債権消滅に関する規定による
そこで、劣後譲受人に対してなされた弁済も478条の適用があると解する
しかも、かく解しても、優先譲受人は劣後譲受人に対して不当利得の返還(703条、704条)を請求しうるので、必ずしも467条2項の趣旨を没却するともいえない
問 そうだとしても、この場合、過失がなかったというための要件は
思うに、467条は、前述のように、対抗要件を具備する優先譲受人を正当な債権者とするという対抗要件主義を採用する
そうだとすれば、劣後譲受人への弁済を478条によって容易に救済することはできない
そこで、債務者の弁済につき過失がなかったというためには、劣後譲受人を真の債権者であると信ずるにつき相当な理由があることが必要であると解する