みなまのブログ

短歌、日常、思いつきなど
塔短歌会所属

塔5月号掲載

2018-05-26 22:18:40 | 短歌
今月は鍵の外でした。

いっせいに見ないでくれる今朝ちょっと気合いの伸びをしたら猫たち

今日は風きついですわとクロネコのなじみの人が教えてくれる

足元のかげ少し濃くなる心地わが歌を好きという人ありて

みどり濃き水の匂いと水仙の香りまじれる岡崎の夜

根の向きに芽の伸びかけた球根を途方にくれて寝かせて植える

オリーブの根方に白き羽根ゆれる鳥はいずこの閨にかえるや

塔4月号掲載

2018-05-02 21:18:28 | 短歌
もう5月も2日。
すっかりおそくなりました、4月号に採っていただいた歌です。
1月の歌ですね。

センターの赤本かかえ「冀う(こいねがう)」とう字読めるか母に問いくる
年越しの三人分の蕎麦を茹で庭で摘んできた芹を盛る
あけ放つ窓の空気に藁を燃す匂いはつかに今朝はまじれる
葉のうらに干からびた繭のこりおり年のはじめの庭の薔薇の木
ソファから立ち上がったら会話する時間はおわり父によく似て
真新しい歯ブラシ四本立つなかに毛先ひらいた一本を差す
一月の風に押されて犬と我と並木の根方たしかめていく