みなまのブログ

短歌、日常、思いつきなど
塔短歌会所属

月詠

2023-11-15 18:22:14 | 短歌
毎月毎月の苦行、月詠を仕上げました
投函もとい塔函してくる
今月もお疲れ様でございます

百葉集

2022-03-19 17:27:44 | 短歌
塔の三月号の百葉集に前述の詠草から一首選ばれていました

腹のうちに黒い皮膜を持つ魚(うお)は食うたひかりを洩らさぬという

たまたまTwitterで目にした深海魚の話を
ちょっとこわい昔話風に詠みました

あと、これは選からもれたのですが、提出した自分の記録として一首記しておきます

知らぬだろうViolet Chachkiの細腰を 歌に下品と評する人は

Violet Chachkiを詠んだ最初の一首だったらいいなぁ、なんて
ちょっと腹立ち紛れに詠んだので不出来なのがVioletに申し訳なかったけど
また詠みたい

塔 2022年3月号掲載

2022-03-18 15:18:33 | 短歌
行きます、と駆けつけてくれるひとのいてひとり暮らしも悪くはないな

もしかして餌付けしようとしてますか ふわふわのつくね食みつつきみは

歌集(ほん)届く吾を覚えていてくれてありがとう白き表紙を撫でる

組み立て式アイアンフェンス並べゆく空刺す黒き百合の紋章

隣人の開け放された窓が嫌 重いフェンスを支柱に結わえる

腹のうちに黒い皮膜をもつ魚(うお)は食うたひかりを洩らさぬという

梶原さい子選歌欄


塔 2022年2月号掲載

2022-02-14 16:26:22 | 短歌
葉の少し残るのもあり朝顔の鉢の並びの通路を帰る

あの音はロータスエラン空色のきみの横顔はこぶ車体の

鎌あげて我を嚇しし蟷螂の今朝はのされているを拾いぬ

月橘にうみつけられし蝶の子はなべて育たず死ぬのだという

去年漬けし金木犀の酒つぎて今年の香り待つ月の夜


花山多佳子選歌欄

塔 2022年1月号掲載

2022-01-20 00:24:11 | 短歌
肩にのる髪の重みのあたたかさ気づく九月の半ば過ぎごろ

抱かれたら抱かれたままに目を閉じる用事というものがないのだ猫は

取り調べみたいにライト当てながらカイガラムシをブラシで刮(こそ)ぐ

二十余年たのみし縁を切るとする朝(あした)は神無月のはじまり

草の穂を鴨らしごける川原に風吹き渡る十月朔日

水色のフィアット500を下取りに出すはつかなる夫の名残と

不覚にも聖子の声に涙する青いクルマを手放した日は


山下泉さんの選でした
選歌後記に一首目をとりあげていただきました
嬉しい
ありがとうございました