みなまのブログ

短歌、日常、思いつきなど
塔短歌会所属 洛東 谷口美生

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塔11月号掲載

2018-11-12 22:34:26 | 短歌
今月は6首とっていただきました。
酷暑の夏の歌ですね。


封筒の口とじながら角で怪我しないように、と青年は言う

午後三時右に曲がると何もかも真っ白な街 誰かいないの

白葡萄ひとつふふみてよみがえる破水にも似た破裂の記憶

寄せられてさんごしゃらしゃら鳴る浜をあしあとならべゆきし日もあり

ゆらゆらと我の喉まで満ちてきて果つることなきシジフォスの凪

のびのびと子猫はあそぶ先住の猫は視界の端に見ている
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塔10月号掲載

2018-10-16 22:28:02 | 短歌
早いものでもう10月も半ばをすぎましたね。

今月は6首とっていただきました。

6月29日に16歳3ヶ月で死んだ白猫さくらの挽歌です。


鏡台にひげが一本のこりおりおとついしんだ白猫のひげ

もうわたし時間がないのと聞いたことない大声で白猫が呼ぶ

用足しに外したわれのあと追いてふた声鳴きて倒れていたり

魂の脱皮の時の一連を励ますようにたださすりやる

死にし猫やわらかいうちに整える前あしで鼻隠すしぐさに

返り咲く薄紅のばら抱かせてシートにくるみ冷凍庫にしまう
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塔9月号掲載

2018-09-24 18:02:39 | 短歌
もう9月もおわりですが遅まきながら結社誌に採られた歌を。

今回は子猫を迎えた一連です。


まだ青い瞳の猫らとりあえずダンボール箱二重に入れる

三人子の巣立ちしわれは猫用の粉ミルク溶き手首でためす

浅き皿に満たすミルクに旗竿のごとき尾を立て各々むかう

三日目に二階建てなるケージ買う子猫二匹の住まいとしての

老い猫ら労われというメールありかたわらに寝るネロの腹を嗅ぐ

黒い子猫にセージと名付け○○への引っ越し準備に娘は戻りたり


以上6首採っていただきました。
「三人子」は「みたりご」です。
6首目の○○には地名がはいるのですが、恥ずかしながら用心する必要があり、
伏せさせていただきました。

詠んだ時には400gほどだった子猫たちは4か月たってすっかり大きくなり、
2kg、3㎏をこえてきました。

めちゃくちゃやんちゃ。。。
毎日どこかでものが落ちたり割れる音がしたりします。
かと思えば、ロフトに上がる4m ほどの梯子を上っては降りられないとないていたり。

飽きることがありません。

先住猫は年よりですので静かな時間が必要だろうと、夜は子猫を閉じ込めて朝も少しゆっくり目にドアを開けます。

猫はいいよ。。。
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全国大会にて

2018-08-19 20:12:54 | 短歌
この土日は結社の全国大会に行ってまいりました。

そこでちょっとドラマチックな出来事がありました。
初日、到着後すぐ、おにぎり食べようと片隅に腰掛けたとき、
たまたま先にいらっしゃった女性とお話ししました。
全く初対面ながら今回の大会に参加者全員が出す詠草の中でとても気になる一首があります、
と熱っぽく語ってくださったのです。

ぬかわけて耳にかけらる蝋燭に赤く海松(みる)かく人魚の髪は

「この歌の作者の方と是非お話ししたいんです、お聞きしたいことがあるんです!」

…あの、それ私です…

そんなこともあるのですね。
とても光栄でうれしかった。

いつも実生活リンクな歌が多いのですが、
夫の挽歌からはじまり子どもらが巣立ち空の巣症候群で何を詠めばいいのか…
どんどん自分の歌が痩せて枯れていく…そんな苦しい状態でした。
小川未明の童話集の表紙画を題材にしたとてもまとまりのない試作でしたが、
選者のおひとりからももう少し頑張れ!とお声かけもいただきました。

生きてるって不思議やね、
もうちょっと続けてみようかな。

ありがとうございました。

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塔8月号掲載

2018-08-11 20:53:16 | 短歌
8月号はお盆、全国大会の影響で毎年届くのが早いのだとか。
今月は永田和宏さんの選でした。
後半の鍵の外です。ありがとうございました。


外がわの赤き花びら残しつつ崩れ落ちたり英国のばら

冷凍のたらこを解きパスタ和える一腹ぶんをひとりで食べる

フラスコにネルより落ちるコーヒーの嵩でその日が決まってしまう

孕み蝶飛び去りゆくを見届けてネーブルの木の卵をはずす

どの虫もとろうとすればおびゆるをラテックスゴムの手で捻りゆく

君がもし庭師であればそのシャツをぱんとはらます風になりたし

昨日さあ…嬰児の喃語に見とれたと言いかけたけど黙っておこう


以上7首。
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