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経営コンサルタント・プロ経営者として多くの企業の成長や経営改革等を実践・支援してきたフィロソフィ経営の皆木和義ブログ

フィロソフィ経営・理念経営、成長戦略、株式上場、企業再建、リーダー育成、ガバナンス経営、著作・講演・研修に多くの実績

敬愛する橋本徹先輩からお送り頂いた『「実録・銀行」(前田裕之著)』を読んで大変感銘を受けました。

2018-03-10 22:55:55 | 日記
内容の濃い専門書的な本でありながら、とても読みやすいわかりやすい素晴らしい本だと思いました。
著者は日本経済新聞社編集委員の前田裕之氏。 さすがと思いました。

富士銀行(現みずほ銀行)頭取や日本政策投資銀行社長などを歴任された橋本徹先輩と前田氏との見事なコラボレーション
の本で、いわば日本経済新聞の人気コラムの「私の履歴書」と戦後の銀行実録(秘史)を合体させたような圧巻の内容の本
です。

出版社はディスカヴァー・トゥエンティワン社で本書のHPはこちらです。 
こちらが本の表紙で、重厚でしぶいデザインですね。



版元の出版社からの本書の紹介としては次のように書かれています。
「橋本氏が銀行員になったのは、日本が高度成長期に入った1950年代である。以来、60年間にわたって激動する金融の世界
に身を置き、荒波にぶつかってきた。最後はトップに上り詰めるが、経歴の中心は国際部門であり、まさに金融のグローバル化
が加速する真っただ中で金融マンとしての人生を歩んできた。
橋本氏の足跡は、金融の国際化の歴史そのものであり、橋本氏が経験したさまざまな試練は、邦銀が抱える構造問題が根っこ
にあるものばかりだ。
そこで本書では、橋本氏の足跡をたどりながらグローバル金融資本主義の源流を探り、現在に至るまでの変遷を追う」
と、このように書かれていましたが、圧巻の60年間の銀行実録、金融マン・銀行家実録になっていました。

また、読んでいるうちに知らず知らず自分が本の主人公である橋本先輩になったような思いになっているのに気づき、はっと
するような瞬間が何度もありました。
それだけ筆者の前田氏に筆力があり、また、橋本先輩のお話がノンフィクション、実録でありながら、読者がついのめり込んで
しまうような優れた小説のような引き込まれる内容をもっている証左だと思いました。




小生としては年に何度かお会いさせて頂いているなかで、いつお会いしても、いつも澄んだ大空のようにおおらかで度量が
大きく包容力のある人格者の橋本先輩がどのようにしてそのような人間力を身につけられたのだろうかという点も興味津々
でした。
それらの点も、人間としての器、人間としての姿勢の源泉を含め、本書で明らかにされています。
キリスト教、石田梅岩、安田善次郎の「身家盛衰循環図系」、心の支えとされた名藩政改革者の山田方谷の教え、……。
その意味でもこれから金融界を目指される人は勿論、ビジネスパーソンとして自分自身を磨き高めたいとお考えの方には、
本書を是非お読みになられることをお奨めいたします。

橋本先輩から「キリスト教と英語が自分のキーワードである」という趣旨のお話を以前より伺っていましたが、本書を読んで
あらためて納得しました。
また本書を読んで頂ければ感じられるのではないかと思いますが、橋本先輩を一言でいうと「春風駘蕩たる大人(たいじん)」
という表現も相応しいのではないかとも感じました。

本書の「第2章 オイルダラー争奪戦 ――石油ショックで成長に急ブレーキ」の中に「ヘラー社買収」という項目があるのですが、
ヘラー社に関わっていたのが米国のゴールドマンサックス社です。
当時のゴールドマンサックスのトップが日本人の経営者と会う時には、日本人の経営者が英語で話すことに身を乗り出すように
して前かがみになったり、聞き耳を立てたりして、その英語を理解しよう、聞き取ろうと賢明に努力をされたそうなのですが、橋本
先輩のときには全くネイティブの人と話をするように、聞き耳を立てるようなしぐさなどもまったくなく自然体で話をされていたとの
ことです。
この1点をとってもどれだけ橋本先輩の英語が流暢で素晴らしかったかがわかろうというものです。


さらに、本書は次のようにも版元から紹介されています。
「英国の現地法人の設立、米国の大手ノンバンク買収、中南米の債務危機への対応、国内支店で起きた不正融資事件、住宅金融
専門会社(住専)問題の処理、みずほグループの誕生など、金融史に残る数々の出来事に対峙する姿を、できる限り客観的に記述
した。
折に触れて、金融をめぐる時代背景を説明し、橋本氏がどこに立っているのかを把握できるように構成した。また、国際部門を中心
に歩んできたにもかかわらず、金融資本主義には批判的な橋本氏の内面にも光を当て、自らの思想、信条とどのように折り合いを
つけながら金融マン人生を送ってきたのかに迫った」とありましたが、まさにその通りの興味津々の深い内容でした。

本書は、人間としての生き方、ビジネスマンとしての生き方、難しい判断を迫られた時の判断基準や意思決定の仕方やあり方、逆境
での身の処し方など学ぶべき点が本当に多い本だと思いました。
このような素晴らしい本をお送り頂いて拝読させて頂き、橋本徹先輩、前田裕之編集委員に心から感謝申し上げます。


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(倉敷の大原美術館周辺の穏やかでゆったりした澄んだ空気に包まれた朝の風景)




(大原孫三郎時代に倉敷銀行本店(現在の中国銀行)があった地から大原美術館をのぞむ)



 (橋本徹先輩と筆者、橋本先輩の「至誠惻怛」の書を囲んで)

≪筆者略歴≫
 皆木 和義(みなぎ かずよし)

 ㈱ハードオフコーポレーション(東証一部)代表取締役社長、㈱リソー教育(東証一部)取締役副社長、㈱大戸屋
 (JASDAQ)社外取締役、経済産業省消費経済審議会委員、サン電子㈱(JASDAQ)最高顧問などを歴任。

 現在は中堅・中小企業の成長戦略や成長支援、理念に基づくガバナンス・コンプライアンス経営、事業承継支援、
 株式上場&経営改革スペシャリスト、歴史研究家、経営研究家、等として活動。

 1953年10月1日 岡山県生まれ。早稲田大学法学部卒業。  
 東京理科大学大学院 経営学研究科修了(技術経営専攻、MOT)。 駒沢女子大学非常勤講師。
 
 法学部では会社法を奥島孝康助教授(当時、後に早稲田大学総長、高野連会長、日本ボーイスカウト連盟理事長、
 白鷗大学学長など)のゼミで専攻し、研鑽。その後も現在に至るまでガバナンス(企業統治)・コンプライアンス重視
 の理念経営、フィロソフィ経営を実践的に研究。

 大学院では、文系と理系の交差点(融合)と技術経営、イノベーション経営、ゲームチェンジャーの経営を中心に研究。



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