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経営コンサルタント・プロ経営者として多くの企業の成長や経営改革等を実践・支援してきたフィロソフィ経営の皆木和義ブログ

フィロソフィ経営・理念経営、成長戦略、株式上場、企業再建、リーダー育成、ガバナンス経営、著作・講演・研修に多くの実績

前経産相の斎藤健氏の「崩れる自由貿易 針路を聞く(4) TPPにEU引き込め」の日本経済新聞の記事を読んで

2025-04-13 16:26:27 | 日記
先週の株式相場は「トランプ関税」によって大揺れに揺れた。株、債券、為替の3つの関係をいつも見ながら日本と世界の経営と経済を見てきているが、それについての本日4月13日の日経新聞朝刊の記事が表題の斎藤健氏の的確なコメントである。

趣旨の一つは「トランプ氏の頭に入る説明の仕方ができるかどうかである」――いわば原理やスタンス等が全く違う中で、どううまく翻訳してわかりやすく伝えることができるか、である。これができるかどうか。

また石破総理とトランプ大統領との良い関係づくりの重要性も語っている。安倍元総理とのようなトランプ大統領との良いコミュニケーションを石破総理が自ら個人的につくれるかどうか、石破流コミュニケーションを大いに注目したいし、また大いに期待したい。斉藤健氏の1週間に1度、トランプ大統領に電話するという提案は、一つのとても良い提案ではないだろうか。「柔よく剛を制す」という言葉もある。
その他を含め、斉藤健氏らしい様々な示唆に富んだ言葉や提案が印象に残った。
経済産業省の交渉担当者時代に感じた現場での実践を踏まえた言葉であろう。斉藤健氏の実践的な哲学、氏のフィロソフィの実践の方法論を感じた。

今後の日本の交渉役の赤沢亮正経済財政・再生相は斉藤健氏の高校、ハンドボール部の1級下の後輩と聞く。斉藤氏は東京大学ハンドボール部卒とも。その意味でも、斉藤氏はきっと様々なかたちで赤沢氏の応援団をされるのではないかと期待している。

交渉の仕方についても、焦った方が負けであると斉藤健氏は述べ、持久戦に持ち込むことも含め、硬軟自在、臨機応変、柔軟な姿勢の重要性を述べている。これは宮本武蔵の『五輪書』でも述べていることである。『五輪書』は兵法書であるが、兵法・戦い方を交渉法・交渉の仕方と置き換えて読むとぴったりくるものを感じられるのではないだろうか。赤沢大臣には『五輪書』も身につけていただいて、日本国家と国民のために大いに頑張って頂きたいと願っている。

余談になりますが、斉藤健氏は四半世紀ほど前に筆者がつくった産官学の勉強会「廣志会」のメンバーだった。それ以前から親しくしていたので彼をメンバーに誘わせていただいた。その他には、柔道の山下泰裕氏や現在の神奈川県知事等々の多士済々の方々がいて、日本の将来等々を様々な角度から談論風発した。懐かしい熱き日々である。
その後、斎藤氏は経済産業省から埼玉県副知事に転じた。その後、彼は国会に籍を移し、その後の活躍は多くの方々の知るところであろう。

先日、斎藤健氏が副知事をしていた当時の埼玉県知事の方と会食をする機会があったが、あらためて、とても素晴らしい知事・副知事の関係だったと感じた。その際も哲学、フィロソフィの大切さが話題になった。元県知事の方も日本のリーダーに相応しい人格者であり、素晴らしい信念と哲学の方と感じた。

松下幸之助氏はご著書の『実践経営哲学』の19章に「政治に関心をもつこと」と記されている。
経営に携わる者にとって今ほどこの言葉が響いてくるときはないのではないだろうか。
いわゆるプロ経営者(経営学的には、専門経営者)として長年活動してきた筆者としてもあらためて『実践経営哲学』を肝に銘じて日々研鑽努力していきたいと考えている。



昨日、私の『五輪書』の記事がYahoo!ニュースさんでご紹介をいただきました。

2025-02-28 12:57:33 | 日記
Yahoo!ニュースさんでのタイトルは、「宮本武蔵が自ら書いた『五輪書』 単なる兵法書にとどまらない魅力とは?」です。
PHP研究所さんの『歴史街道』2月号での記事をご紹介いただきました。
Yahoo!ニュースさんの記事はこちらです。 『歴史街道』2月号ではこちらです。

宮本武蔵は経営者でいえば、深い確固たる哲学のあるフィロソフィ経営者、理念経営者と言えようかとも思います。
記事にも書きましたように、『五輪書』は、人生の教科書、経営・ビジネスの教科書、自己鍛錬の教科書、心理学の教科書、等々の”実践の教科書”として本当に魅力に富んでいます。

ぜひ皆様も『五輪書』をご一読いただけますなら幸いです。





大先輩の小長啓一弁護士(元通産事務次官、元アラビア石油社長等)から田中角栄元首相のリーダーシップを学ぶ

2025-02-24 14:41:55 | 日記
土曜日に、永田町での内輪の勉強会で小長啓一先輩から3時間近くにわたって田中角栄元首相のリーダーシップについて深く掘り下げたお話をお伺いしました。

小長啓一先輩は故郷の大先輩で、田中角栄元首相の総理大臣秘書官を務められ、また、『日本列島改造論』(田中角栄著)の執筆サポートも務められました。これまで何度もお目にかかったことがありましたが、ここまでの深いお話は初めてでありました。
田中角栄元首相の最後の弟子ともいわれる石破首相の列島改造論の大前提のお話としても大変興味深い内容でございました。
ちなみに、『日本列島改造論』(田中角栄著)は90数万部の発行部数で、あと少しでミリオンセラーの大ベストセラーでもあります。

さらに今年、小長先輩は94歳とお伺いし、その頭脳の明晰さ、滑舌の明瞭さ、笑顔、かくしゃくたるお姿に、田中角栄元首相のお話とともに感銘を受けました。小長先輩のご許可を得て、その健康法も備忘録として記させて頂こうと思います。

田中角栄元首相のリーダーシップについては、①構想力②決断力③人間力④実行力について、それぞれ詳細具体的に学ばせて頂きました。
私が新潟の上場企業の社長をかつて務めており、また、田中角栄元首相のご自宅にもお伺いしたことがあり、さらには、恩師が田中角栄元首相と親しくて様々なお話をお聞きしておりましたので、より田中元首相のリーダーシップを実感をもって学ぶことができました。
経営にフィロソフィ経営・理念経営があるように、政治にもフィロソフィ政治・理念政治があろうかと存じます。その意味で、田中角栄元首相は信念の理念政治家だった方だといえるのではないかと存じました。

小長先輩の健康法は、BMWとのことでありました。
車のBMWに乗ることが健康法かというとそうではなく、社名をもじられたと満面の笑顔でお話。
Bはバス、Mはメトロ、Wはウォーキングとのこと。なるほどと思う。
ウォーキングは、ずっと1日1万歩をやっていたが、94歳の今は5,000歩とのこと。これも小長先輩に脱帽。早速その日から心がける。
また、精神面の健康法は、悩み事を翌日に持ち越さない、その日に解決できなくてもリセットして、翌日は清々しい態度でのぞむことを心がけているとのことでございました。

この3連休の初日にとても有意義で濃密なお時間を過ごさせて頂きました。本当に有り難うございました。

フジテレビ問題について

2025-01-24 15:50:55 | 日記
先週金曜日のフジテレビの定例記者会見以降、フジテレビ自体が、非常に大きな問題に、いわば社会問題化してきている。

私も当該記者会見の映像やその参加者資格、やり方等についての報道を何度もTV等で拝見したが、ガバナンス経営やコンプライアンス、IRに長年関わってきたものとして、どう解釈しても、真摯さや誠実さ、心をこめてステークホルダーに対して説明責任を果たそうとする熱意が残念ながら感じられなかった。

筆者の会社法のゼミの恩師がフジテレビの社外監査役をかつてされていたので、もし存命であられたら、どのようにフジテレビや親会社の経営陣に喝を入れられただろうか?とも思った。
きっと大きな声で大喝されたに違いない。
ゼミ関係者でもあった村上総務相にも様々な意見を提言されたのではないだろうか。

今日の報道によると、昨日のフジテレビの社内説明会で、コンプライアンス推進室長にも中居氏の問題は知らされていなかったと説明されていたと聞く。
これでは風通しの悪い企業風土と見られても仕方ないだろう。
さらには、会社の隠蔽体質を疑われても仕方ないだろう。

来週27日にはあらためてオープンな記者会見が開かれるとのこと、そこでの経営陣の誠意ある対応を期待したい。
またダルトン・インベストメンツの二つの書簡はとても正鵠を得ているように感じた。フジテレビ経営陣はそのような外部の様々な意見を真摯に受けとめ、会社存亡の有事と考えて迅速に対応・改善・改革していくことが重要であろう。明鏡止水の素直な心で考えれば、再建・新生への道筋も新生した姿・かたちも見えるはずだ。

竹内朗弁護士を委員長とする第三者委員会が3月末には報告書を出すとのことであるが、その内容に大いに期待したい。
ただ、それでは、4月番組改編に対応しての様々な業務活動等が間に合わない部分もあろうかと考えられるので、3月末以前に、否、今からできることが沢山あるので、それらを一つ一つ着実に実践していってもらいたい。
現場に答えがあるので、昨日の社内説明会で出た様々な意見を大切にして取り組んでいただきたい。

長年フジテレビの番組を視聴してきた者として、また、特設注意市場銘柄(現 特別注意銘柄)に指定された企業の再建や様々な企業の改革をしてきた者として、一日も早いフジテレビの復活・新生をして頂いて、全従業員の皆さんが安心をして、また、誇りをもって働けるような環境、経営体制を構築して、そして、視聴者・ステークホルダーの方々からさすがフジテレビといわれるようになって頂きたいと願っている。



2024.10.21号の『日経ビジネス』の特集「禅と経営」、「稲盛和夫が魂注いだ1982年経営方針」を読んで

2024-10-23 20:18:55 | 日記
今週号の日経ビジネスも良い特集だった。共感する点が多々あった。
第1特集が「禅と経営」、第2特集が「ユニ・チャーム」だった。
ユニ・チャームの創業者の高原慶一朗氏には大変親しくして頂いていたので、興味深く第2特集を読ませて頂いた。内容も良かったが、ご子息の高原豪久社長のお顔が段々父上に似て来られているように感じた。

第1特集の「禅と経営」は、私自身が経営哲学やフィロソフィ経営・理念経営を非常に大切にしていることもあって、記事の内容は勿論だが、日経ビジネスのアプローチの仕方が興味深かった。余談ではあるが、私自身、20年以上前に日経ビジネスに宮本武蔵の小説を半年間連載させて頂いたことがあり、その際に、ご担当頂いた編集者の方のレベルの高さに感銘を受け、爾来、同誌のクオリティの高い記事には長年多くのことを学ばさせて頂いている。

特集でとりわけ関心を抱いたのが「稲盛和夫が魂注いだ1982年経営方針」の記事の26頁のこの図である。

 

とても興味深い資料なので、そのまま備忘録として引用させて頂いた。
1982.1.13経営方針発表会の資料(要旨)とのことなので、稲盛氏が50歳目前の49歳のときの内容である。溢れんばかりの熱き思い、稲盛氏のど真剣さが伝わってくるようだ。

記事の中に説明があるように「2.人材育成」の内容のほとんどは東洋の哲人といわれた中村天風氏の影響を強く受けられた内容である。
中村天風氏は明治初期に生まれられた方なので、言葉自体は古くてかたい感じがするが、中身は今も新しいし全く通用する。
また、天風氏はインドでヨガの最高位の導師からヨガを直伝された初めての日本人ともいわれている。最近では天風氏の著書の『運命を拓く』が大リーグの大谷翔平選手の愛読書としても知られている。

稲盛氏は大変な勉強家であり、眼光紙背に徹するように深く本を読みこまれる方なので、中村天風氏のご著書『研心抄』の中からきっと選びに選び抜かれた言葉なのであろう。中村天風氏以外の古典の言葉も若干あるが、それも稲盛氏の心に深く感銘を与えられた言葉なのだろう。
経営方針発表会では一つ一つの条を稲盛氏は情熱を込めて熱く熱く語られたことだろう。そのときの光景、映像が目に浮かぶようである。

下段の「経営スローガン」は『研心抄』からエッセンスをまとめられた言葉である。天風氏の誦句集の「自己陶冶」でも述べられているが、稲盛氏は天風氏の誦句集をそらんじられていたとも聞いている。JAL再建の際のスローガンにもされた言葉である。

40歳前後ぐらいの頃に知人に『研心抄』を頂かれたと稲盛氏に直接お伺いしたが、この天風哲学は、稲盛哲学とフィロソフィ経営、京セラフィロソフィの進化と根幹を形成する大きなベースになっているといっても過言ではないだろう。

あらためて哲学経営、稲盛哲学、天風哲学をさらに深く探求していきたいと思う。