・『最大にして最善なる神ユピテル(Iupiter Optimus Maximus)』は、略してI.O.M
・紀元3世紀頃にも、軍隊内では、ユピテルやミネルウァ、マルスなど伝統的な神々への
奉納が行われていたらしい。アウグストゥスの時代にさえ、伝統的な神々への復帰が
叫ばれていたのだから、この頃にはもっと廃れていたかと思っていたので意外でした。
もちろん、形骸化してたかもしれないのですが、儀式という形は残りやすいのだなあ。
・特にマルスとヘルクレス(=ギリシアのヘラクレス)は人気があったらしい(当然)。
・とはいえ、兵士個人の信仰はまったく自由だったらしい。
こういうローマの宗教的にオープンなところは大好きです。
ちなみに碑文に残されている、兵士が個人的に崇拝したらしい神々には…(↓)
コキディウス(ハドリアヌス城壁辺りで崇拝されたらしい)
コッウェンティナ(聖泉の女神)
ウィラデクティスorリカガンベダ(どちらもゲルマニアの女神)
マルス・ティンクスス(?詳細はしらん)
アライシアガエ、ベダ、フィンミレナ(ゲルマニアのトゥウェンテ部族の神?)
ドリケヌス(ヒッタイト人以来コンマゲネのドリケを中心に崇拝されていた嵐の神)
ミトラ(有名なミトラ教の神。通過儀礼があったらしい)
・先ローマ時代から、後期のケルト系、ゲルマン系部族にまで、広く、
水(川もしくは、湖、淵、泉)に奉納物を投げ入れる習慣があったらしい。