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ぶろぐHELLO,IT’S MIN.

音楽、読書、映画、TV。℃-ute筆頭にハロプロと少しの日記。
そんなスタンスの“ブログはろみん”をよろしく。。。

読了『風信子の家 神代教授の日常と謎』篠田真由美

2008年03月26日 | book
風信子の家―神代教授の日常と謎
篠田 真由美
東京創元社

     この謎が君に解けるかな?
―――書かれていたのはそれだけだった。

建築探偵桜井京介シリーズからのスピンオフ。私立W大学文学部教授:神代宗を主人公に据えたミステリィ短編集。事件を解く探偵役がすべて神代教授、ってわけではないようです。京介は何度か登場しますが、完全にワキ役。蒼は・・・ちょっと活躍しますね。つまりは神代教授が事件に関わり、周りの登場人物たちとの心理的遭遇がテーマですかね。そして記憶との邂逅。トリッキーな仕掛けはありません。しかしドラマはあります。神代さんてほら、あの通りのストレートな人だから、探偵役にはちょっとね(笑) その分、物語の真ん中でじつに感情移入し易いキャラを務めています。「思いは雪のように降りつもる」がやっぱり面白かったです。。。

読了『君の望む死に方』石持浅海

2008年03月19日 | book
君の望む死に方 (ノン・ノベル 845)
石持 浅海
祥伝社

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私は君に殺されることにしたよ

死を宣告された男が望み選んだ最後。それは自分を殺させることだった。加害者と被害者が交差する瞬間までのドラマを丁寧に綴った変格ミステリィ。『扉は閉ざされたまま』にも登場した彼女がここでも論理を武器に事件を防ぐ役を得るのです。つまりは事件が起こるまで、のお話なのです。見事な心理戦、そのサスペンス感纏いながらドラマの世界に入り込みましょう。気分的には参加型かもしれません(笑) 

このシリーズ、つまり『扉は閉ざされたまま』『君の望む死に方』の2作がWOWOWtvでドラマ化されます。3月29日(土)、30日(日)の連続放送。主演はそれぞれ黒木メイサさん、松下奈緒さん。ドラマの前に原作を読むことが出来て良かったです。ドラマ、楽しみですね。。。

読了『犯罪ホロスコープⅠ 六人の女王の問題』法月綸太郎

2008年03月10日 | book
犯罪ホロスコープⅠ 六人の女王の問題 (カッパ・ノベルス)
法月 綸太郎
光文社

六つの正座に隠された、
六つの命題。
まさに美しく、端整な本格推理。


探偵:法月綸太郎シリーズの短編集。うわぁ、なんだか久しぶりだな。星座とギリシャ神話に纏わる六つの事件の謎に挑む法月綸太郎と法月警視。短編としての切れ味の良い仕掛けがなんとも小気味良い短編集です。基本的に星座が絡んでくるお話が好きな僕としてはどの短編もニコニコでした。中でもお気に入りは「[双子座]ゼウスの息子たち」と「[乙女座]冥府に囚われた娘」でした。ほほう、と素直に感心してしまいました。いや本格っていいね。。。

読了『ラー』高野史緒

2008年03月04日 | book
ラー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)
高野 史緒
早川書房

神話の時代が終焉を迎えるとき、
白亜の方錐がさししめすのは、
神々の住まう星有穹か、それとも―――


ギザのピラミッドに魅せられたジェディはその生涯をタイムマシンの開発に費やし、ついに紀元前2624年へのタイムトリップに成功します。クフ王朝下にあるエジプト。しかしそこで見たものは、ジェディが夢見ていた建造途上にあるピラミッドではなかったのだ。既に出来上がったピラミッドが発掘されている途中・・・。

古代エジプト:クフ王朝、ピラミッド、スフィンクス。なんて魅惑的なんでしょう。タイムトラベル自体はあまり重要ではないようです。ジェディが出会った監督官のメトフィルと、当時の人間たちが信仰していた神々のお話。SF的な仕掛けはありますが、彼らが何を思い何を考えていたかがテーマのような気がします。世界観にどっぷりと浸っては、ギラギラと照りつける太陽を浴び、砂の舞う丘を登る。旅人は僕だったのかもしれない・・・。

読了『クレィドゥ・ザ・スカイ』森 博嗣

2008年02月27日 | book
クレィドゥ・ザ・スカイ (C・Novels BIBLIOTHEQUE 84-5)
森 博嗣
中央公論新社

たった一人。
僕と。
空だ。


森センセのスカイ・クロラ・シリーズ完結編。愛とは、生とは、そして死とは。空を飛ぶ為に生まれてきたキルドレ。シリーズ完結って事でどう纏めるのかが、ある意味楽しみだったのですが、やっぱりやってくれましたね森センセ(笑) シリーズを通して再読したくなってしまいました。永遠に飛び続けることだけが幸せであり、生きる証でもある彼ら。押井守監督がどんな画を見せくれるかアニメーション化が楽しみですね。

読了『人魚と提琴 玩具館綺譚』石神茉莉

2008年02月22日 | book
人魚と提琴 玩具館綺譚 (講談社ノベルス イQ- 1)
石神 茉莉
講談社

静でいて驚!
耽美でいて壮快!
幻想にして娯楽!
新人にて風格!


無口でゾンビ好きな店長:Tとその妹:美珠が営んでいる玩具館「三隣亡」へ現れた女性:北原涼子が話し始めた幼き日の記憶。村全体を覆うように燃え盛る炎の中で堤琴(ヴァイオリン)を奏でる少年と近くに佇む人魚の姿。果たしてその記憶は夢か現か? 涼子は記憶を辿ると共に真相へ近づこうとするが、人魚の呪いなのか不気味で不可思議な出来事が降りかかるのです。

内容を殆ど確かめないで、カヴァー絵の印象だけで購入し読み始めた作品。ミステリィではなくで幻想小説ですね。作者によって導かれる幻想の世界が、静かではあるのだけどイメージがし易く物語にすんなりと入り込めます。人魚、堤琴(ヴァイオリン)、猫、シェルオパール。意外な展開よりは物語の幻想を楽しみましょう。そしてなにより玩具館「三隣亡」の店長:Tがユニークです。ホラーマニアでゾンビ・ヲタク。普段は店の玩具と同一化しているかの如く無口なのですが、実は危険な男(笑) その危なさが面白いのです。もしかしてこれシリーズ化だったりするのですか?

読了『クロノス・ジョウンターの伝説∞インフィニティ』梶尾 真治

2008年02月16日 | book
クロノス・ジョウンターの伝説∞インフィニティ(ソノラマノベルス)
梶尾 真治
朝日新聞社

ここから、また新しい伝説が生まれた。

またこんな本が出てしまうとは・・・ノベルスマニアの僕としては大喜びじゃないですか(笑)

収録作品はというと、
 「吹原和彦の軌跡」
 「栗塚哲矢の軌跡」
 「布川輝良の軌跡」
 「鈴谷樹里の軌跡」
 「きみがいた時間 ぼくのいく時間」
既に発表されている作品に加筆修正されています。新書上下段で読むクロノス・シリーズ。時間軸の説明が詳しくSF度が上がっていますね。再読でも読み応えがあります。そして各作品のリンク描写が増えていたりするので、シリーズ・ファンには嬉しいです。ついニコニコしてしまいます。

あ、今気づきましたがキャラメルボックスのスプリングツアーに併せての発刊なのか!(ちょっと白々しい) 聞く所によると原作本『きみがいた時間 ぼくのいく時間』は絶版らしいですね。新装版でシリーズを纏めて読めるのは嬉しいかな。保存版でもあったり。

しかし何と言ってもこの本の目玉はですね~

書き下ろし短編「野方耕市の軌跡」これに尽きるでしょう。言わばシリーズ中、クロノス・ジョウンターに最も愛情を注ぎ、その開発に総てを捧げた人物。やはりシリーズの最後(かな?)はこの人が〆てくれないとね。時は2039年、80歳を迎えようとする野方耕市は時の神に再会します。そして例のシャープペンをキーにして時を超えるのです。いや~梶尾氏やってくれました。キャラメルさん、これやらなきゃダメでしょう。成井さんの目にこの新作はどう映るのでしょう。気になります。。。

読了『ランドックの刻印 GUIN SAGA 119』栗本 薫

2008年02月14日 | book
ランドックの刻印 (ハヤカワ文庫 JA ク 1-119 グイン・サーガ 119)
栗本 薫
早川書房

世界最大最高のファンタジイ・ロマン!
累計2800万部突破!


それぞれの思いを胸にパロ入りしたグイン一行。しかしリンダとの再会でもグインの記憶は戻らなかった。流れとしてはやっぱりあの機械へと向かうのでしょうね。ネタバレでごめんなさい。やがてパロからケイロニアへと舞台は移るのでしょうか? フロリーとスーティの運命は? 早く次が出ないかな~。

1巻から読み直してみようか、なんて無謀な考えもチラホラ。う~ん、魅力的ではあるが危険だ(笑)

読了『精霊探偵』梶尾真治

2008年02月10日 | book
精霊探偵 (新潮文庫 (か-18-9))
梶尾 真治
新潮社

これほど幸福などんでん返しを
あなたはまだ知らない。


梶尾真治氏の長編を読んだのは初めてです。クロノス・ジョウンターのシリーズや初期のリリカルな時間SFが大好きな僕なのですが、長編は今まで手を出していませんでした。もちろん『黄泉がえり』も未読なのです。しかしブックストアの新刊コーナでなんとなく見かけたこの作品。体調を崩していてしばらく読書どころではなかったのですが、読み始めるとこれがホントに面白い。気づくと読了していました。

交通事故で同乗していた妻を亡くして以来、他人の背後霊見えるようになってしまった主人公:私。その特殊な能力を隠しながらも妻を失った喪失感で怠惰な暮らしを続けている。しかしひょんなことから人捜しを依頼され、もしかするとどこかで妻の霊に合える事を期待して探偵の真似事を始めるのです。しかし手掛かりの奇妙なカードをめぐり、不穏な事態に巻き込まれてゆきます。

やや情けない系の探偵小説ふうに始まりますが、背後霊と話が出来る特殊能力はファンタジーでしょうか。しかしお話は意外な展開を見せます。スピリチュアル・ミステリィかと思ったら、SFアドベンチャーだった、って感じ。そっちかよ!(笑)

その上最後の展開にはまいりました。そんな仕掛けがしてあったのか。もうビックリです。恐るべきカジシン。でもやっぱりこの優しい切なさは梶尾作品ですよね。着地点でほんのり感じるカジシン・ワールド。面白かったです。。。

読了『QED 諏訪の神霊』高田崇史

2008年02月04日 | book
QED 諏訪の神霊 (講談社ノベルス タS- 22)
高田 崇史
講談社

天下の奇祭「御柱祭」に封じられた
怨念が解き放たれる最新作!!


デヴュー10周年なんですね。そしてQEDシリーズも15冊目となります。いつもながら封印された日本史の闇を興味深く推理考察してみせる手法はお見事。これが真実だと素直に信じてしまいそうになる自分がちょっと怖かったり。

今作の舞台は長野県諏訪大社。有名な御柱祭での事故死をきっかけに新興住宅地で起こる不可思議な殺人事件と、「御柱祭」そして同じく千二百年続く「御頭祭」など諏訪大社の血生臭い神事を調べる為に桑原崇と棚旗奈々は出かけます。シリーズ的にはお約束の封じられた怨念、怨霊のお話なのですが、今作では現代での殺人事件との関連性が際立っていましたね。ミステリィとしても読み所満載でした。いつも楽しみながら読むこのシリーズですが、久々のヒットかも(笑)

読了『妖怪変化 京極堂トリビュート』

2008年02月02日 | book
妖怪変化 京極堂トリビュート
西尾 維新,あさの あつこ,諸星 大二郎他
講談社

各界を代表する超豪華執筆陣。
これはもう、おもしろくないはずがない!!


ご存知京極堂シリーズへの愛とその世界観への挑戦、というか筆者たちがホントに楽しんで書いてことが感じられますね。しかしそれだけでなく志を含む水準も高い上に面白い。

執筆陣はというとあさのあつこ、西尾威信、原田眞人、牧野修、柳家喬太郎、フジワラヨウコウ、松苗あけみ、諸星大二郎、石黒亜矢子、小畑健。第一線の小説家、漫画家、イラストレーター、そして映画『魍魎の匣』の原田監督まで確かに豪華。

僕的にはあさのあつこ「鬼娘」と松苗あけみ「薔薇十字探偵社」がツボでした。。。

読了『ラットマン』道尾秀介

2008年01月26日 | book
ラットマン
道尾 秀介
光文社

ようこそ。ここが、
青春の終わりだ。


叙述の雄、道尾氏の新作ミステリィ。叙述って言ってしまうとそれだけでネタバレなのですが、幾つかの道尾作品を既読のかたは、やっぱり構えて臨むのです(笑)

高校時代の同級生とロックバンドを組んだのが14年前。30歳になるギタリストの姫川らは、リハ中の音楽スタジオで不可思議な事件に遭遇する。焦燥感を煽る人間関係、事件によって浮かび上がってくる猜疑心。そして狂おしいまでの嫉妬心と密室トリック。姫川は過去に囚われたままのラットマンだったのでしょうか・・・。

しかしミステリィとハードロックは相性がいいよね。と、僕が思い込んでいるだけかもしれませんが、ほら『ぼくらの時代』なんて傑作も過去にあったり。この道尾作品に登場するバンドもエアロスミスの曲をプレイしていたり、ミスター・ビッグのあの曲も重要な意味を持っていたり。特にハードロックか好きなわけでなくても作品の中から曲が聴こえてくるのは楽しいな。なかなか切なくイタイお話ではありますが、エンディングが爽やかだったことが僕好みでしたよ。とっても面白かったです。

読了『タカイ×タカイ』森 博嗣

2008年01月21日 | book
タカイ×タカイ (講談社ノベルス モF- 41)
森 博嗣
講談社

地上十五メートルに掲げられた他殺死体!! 
Ⅹシリーズ第三弾


マジシャン:牧村亜佐美の自宅敷地内で発見された他殺死体は地上15メートルもあるポールの頂上に掲げれれていた。いったい誰がどうやって死体を持ち上げたのか? 事件関係者の調査依頼を受けた探偵:鷹知祐一郎は事件の奥底で複雑に絡みある人間関係を探り始めます。果たして犯人の意図と事件の真相に近づくことができるのでしょうか・・・。

作品単体のインパクトが薄い分、キャラ関係を思い出しながらの読書ですが、なかなか快調みたいですね。相変わらず無意味(?)な会話が続くシーンもありますが、シリーズの着地点は未だ見えないようです。まぁ、事件はこんなものとして、人間関係がやや面白みを増してきました。小川令子がたぶんヒロインなのでしょうが、萌絵の存在が気になりますね。しかし椙田の大慌てぶりとか、真鍋クンのとらえ所無さとか、新キャラ:永田絵里子とかなかなか笑わせてもらいました。そうか、こういうシリーズだったのか(笑)

読了『フライ,ダディ,フライ』金城一紀

2008年01月18日 | book
フライ,ダディ,フライ
金城 一紀
講談社

おっさん、
空を飛んでみたくはないか?


鈴木一、47歳。愛する妻と自慢の娘を持つ平凡なサラリーマン。しかしその娘が暴力によって大怪我を負わされそのショックで心をも閉ざしてしまいます。殴った相手はボクシングの高校チャンピオン:石原。復讐を誓った鈴木は包丁を手に石原の通う高校へ乗り込むのだが・・・

傷ついた娘のため復讐に燃える冴えないおっさんと、彼を強い男へと鍛え上げていく高校生との爽やかで熱い心の交流を綴ったひと夏の冒険譚。殻に閉じこもっている意識はないのだるけど、平穏な毎日が自分の総てと考えているおっさん。在日コリアンである事によって、否応無く身体を鍛え喧嘩にも強くなった少年:スンシン。じつは以前に映画版を観ているので堤真一と岡田准一の顔とイメージが先行してしまうのは仕方ないにしても、あまりにも映画が原作に忠実だったのなんだかノベライズを読んでいる気になってしまいました。しかし考えてみたら映画の脚本を書いているのも原作者の金城一紀。なるほど、それでは仕方ないですね(笑)

金城氏の作品を読むのは初めてですが、シンプルな描写でキラキラとした青春をテンポ良く綴っているので一気に読むことが出来ました。とにかく高校生たちのキャラがおもしろいなぁ~。そしておっさん:鈴木一も最初はダラダラ・バテバテなのですが徐々に鍛えられ変貌してゆく様がなんとも爽やかなんですよね。それまで見えなかったものが見えてくることに気づいた彼は、果たして復讐できるのでしょうか・・・って、結末は見えていますよね。おっさんの成長と共に少年の心の傷も癒されてゆくのです。。。

読了『パラダイス・クローズド』汀こるもの

2008年01月16日 | book
パラダイス・クローズド THANATOS (講談社ノベルス ミI- 1)
汀 こるもの
講談社

「生意気な新人」と有栖川有栖氏が推薦する汀こるもの。
今ここに美少年双子ミステリ誕生!!


周囲の者が次々と事件や事故にあう死神体質の海洋生物マニア:美樹。それらの事件を処理する探偵体質の弟:正樹。彼ら双子の美少年はあるミステリ作家に招かれ孤島の館へやってきます。で、お約束のような連続殺人事件勃発! 犯人は館に集ったミステリ作家たちのなかにいるのか? それとも・・・

なかなか痛快なお話でした。いわゆる本格ミステリに喧嘩売ってます(笑) でも、設定や論争の展開が如何にも本格。しかしこのムチャクチャなエンディングって(爆) ワトソン役の刑事が一々ツッコミを入れることに辟易しなければ、けっこう面白いと思います。楽しかった事は確かですから。しかし、こんな解決って・・・笑うしかないじゃないですか。。。